中国農漁村の歴史を歩く
中国の農村・漁村社会の歴史を学ぶ際、文献だけでは見えない地域固有の文化や生活実態の把握が難しい場合があります。本書は、フィールドワークを通じて太湖流域や華南農村の歴史的変化を追跡した研究成果をまとめています。地域史や社会史の基礎を固めたい受験生にとって、具体的な事例を通じた学習の補助資料として活用できる一冊です。
この本の位置づけ
本書は、中国の農村・水上社会に関する高度な専門的知見を提供するため、大学院レベルの中国史・社会史を学ぶ受験生向けの資料です。編入試験で直接出題される内容を対象としたテキストではなく、中国近現代史や地域社会の理解を深める参考資料として位置づけられます。 一般的な中国通史教科書とは異なり、本書はマクロな政治史ではなく、特定地域の農民・水上民の生活世界とその歴史的変遷に焦点を当てています。また、学術的なフィールドワーク手法そのものについても記述されており、社会調査の方法論に関心がある受験生にも参考になる構成です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
中国史の基本的な時代区分と近現代史の政治的枠組みを理解してから、本書を読むことをお勧めします。導入時期としては、編入対策の中盤以降、基礎的な知識が定着した段階が適切です。 過早に読むと、地域史の具体的な事例が抽象的に感じられ、学習効果が薄れる可能性があります。一方、試験直前に初めて手にすると、深い理解に時間がかかるため、試験対策の効率性の観点からは不向きです。
使い方
本書全体を通して読む必要はなく、中国史の講義で扱われた地域や時代に該当する章を選別して読むことをお勧めします。例えば、太湖流域に関心がある場合はp.24の第2章やp.150の第6章を、華南地域の場合はp.73の第4章を参照するという使い方が効果的です。 各章は独立性が高いため、興味のある事例から始めても問題ありません。読む際には、記述された地域や時期がこれまでの学習とどのように関連するのかを意識しながら読み進めることで、より深い理解につながります。編入試験対策として、この本の内容そのものを直接問われる可能性は低いため、基礎知識の応用例として参照する程度の位置づけが適切です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.24 第2章 太湖流域におけるフィールドワークの系譜「華中南デルタ農村実地調査」がここで扱われています
- p.53 第3章 歴史学者とフィールドワークの実践「抗米援朝」がここで扱われています
- p.73 第4章 華南農村を歩く――福建省の農村と祀られる神々「移住伝承」がここで扱われています
- p.99 第5章 村のなかの「村」の名残――村の歴史をたどる「建村伝承」がここで扱われています
- p.150 第6章 水上に暮らす人びと――太湖流域の水上世界「オープン・アクセス」がここで扱われています
- p.165 第7章 近現代の水上世界と今もなお生き続ける〝伝統〟「漁業生産合作社」がここで扱われています
- p.212 第8章 近現代中国の政治と日本住血吸虫病「査病治病」がここで扱われています
- p.225 第9章 近現代中国の日本住血吸虫病と語られる血防「血防志」がここで扱われています
注意点
本書は学術的な専門書であり、編入試験の標準的な出題範囲と直結する内容ではありません。当社の過去問分析では、この書籍が対策対象となる大学・学部は現在のところ該当していません。そのため、試験対策の優先度は高くなく、むしろ特定の地域や分野に深い関心を持つ受験生向けの補助資料です。 本書の出版年が古い可能性があります。中国の社会状況は大きく変化しているため、記述された「現在」や「今もなお」という表現が、現在の状況を反映していない部分がある点に注意してください。また、水上民族や村落社会に関する高度な民族誌的記述が含まれるため、基礎知識がない状態で読むと理解が困難になる可能性があります。







