よくわかる社会学 宇都宮 京子 ,西沢 晃彦
社会学系の編入試験では、社会現象を理論的に分析する力が求められますが、多くの受験生は理論と日本社会の具体例をどう結びつけるかで悩みます。本書は現代日本のジェンダー・労働・都市・階層といった身近なテーマを通じて、社会学の基礎概念を段階的に学べる参考書です。編入試験で頻出の感情労働やハビトゥス、アノミーといった論点も章ごとに含まれており、理論の定着に活用できます。
この本の位置づけ
本書は高校までの学習背景がない受験生を想定した入門レベルの教科書です。社会学の専門用語が日本の現実例と結びつけられているため、「理論だけでは実感がわかない」という方に適しています。 他の社会学概説書と異なり、章ごとに1つのテーマを掘り下げる構成になっており、過去問で繰り返し出題される論点(社会化、社会階層、新しい社会運動など)が複数の章に織り交ぜられています。そのため、単一の理論書というより、実践的な事例を通じた学習ができます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験対策の開始段階(出願の8~10か月前)で導入することをお勧めします。全体像を把握してから過去問に臨むことで、出題背景にある社会学的思考が理解しやすくなります。 もし遅く導入した場合(3~4か月前)、過去問を先に解いてから必要な章だけを参照する読み方も可能です。逆に早すぎる導入(1年以上前)は問題ありませんが、時間経過とともに記憶が薄れるため、過去問演習を始める時期に改めて該当箇所を復習する工夫が必要です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
社会学
頻出テーマ感情労働、社会学理論、新しい社会運動、アノミー、一般化された他者、家父長制
本書の該当ページ社会学理論(p.12)、エスノメソドロジー(p.24)、社会的行為(p.162)、社会秩序(p.180)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
導入時は第1章から順に読み進め、社会学的な「ものの見方」の基礎を整えてください(p.38~)。その後、過去問で出題されたテーマに関連する章を重点的に学習します。例えば感情労働が問われた場合は第6章(p.89~)、ジェンダー関連は第2章(p.43~)といった具合です。 各章を読み終えたら、編入試験の過去問でその論点がどう出題されたかを確認する往復学習が効果的です。理論の説明(本書)→ 過去問での出題文脈(過去問)→ 本書での具体例の再確認、というサイクルを回すことで、答案で使える理解が深まります。 重要な用語(アノミー、ハビトゥス、想像の共同体など)には別途、単語帳やノートに整理しておくと、直前期の復習時に役立ちます。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.38 第1章 自己について「集合的記憶」がここで扱われています
- p.43 第2章 〈女らしさ〉〈男らしさ〉を問い直す「ジェンダー」がここで扱われています
- p.60 第3章 若者たちの「やさしい関係」「インセンティブ・ディバイド」がここで扱われています
- p.79 第5章 人間にとって都市とは何か「サブカルチャー」がここで扱われています
- p.89 第6章 就業形態の多様化「新自由主義」がここで扱われています
- p.99 第7章 メディアとは何か「インターネット」がここで扱われています
- p.110 第8章 階級と階層「高度経済成長」がここで扱われています
- p.120 第9章 「エスニシティ」とは何か
注意点
本書は社会学の基礎的な概念に重点を置いているため、高度な理論的議論や複数の研究者の比較検討は限定的です。志望大学の過去問で特定の社会学者(例えばブルデュー、ギデンズなど)に関する問題が頻出の場合は、追加の専門書が必要になる可能性があります。 本書の出版年が比較的前のものであるため、デジタルメディアやSNS社会といった最新の社会現象については記載が限定的です。第7章のメディア論(p.99~)を参照した後、過去問に出た最新事例について別途調べておくことをお勧めします。また、本書は日本社会を中心とした記述のため、国際比較や海外事例が問われる試験には補助資料が必要な場合があります。







