すぐわかる微分方程式 石村園子
微分方程式は編入試験で頻出ですが、解法のパターンが多く、どの手法をいつ使うかで受験生が迷うことが多いです。本書は「すぐわかる」というタイトル通り、複雑に見える微分方程式を整理して、基本的な解法から段階的に学べる構成になっています。筑波大学、横浜国立大学、熊本大学などの工学系・理学系編入試験では微分方程式が重要な出題分野であり、本書はそうした試験対策の入門段階に適した一冊です。
この本の位置づけ
本書は微分方程式の初学者、特に高専や短大出身で微分方程式に触れる機会が少なかった受験生を主な対象としています。変数分離、1階線形微分方程式、特性方程式といった基礎的な単元から、行列の対角化を用いた解法まで、編入試験で繰り返し問われる論点をカバーしています。
他の微分方程式の参考書と比べると、本書は「すぐわかる」という点で、解説が簡潔かつ実例を交えた形式になっている傾向があります。証明よりも解法のプロセスを重視する姿勢で、試験対策として必要な計算技術を効率的に習得できる構成になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書は編入試験の6〜8か月前、つまり大学1年の後期から大学2年の前期にかけて導入することをお勧めします。この時期に基礎的な解法パターンを身につけておくと、その後の過去問演習の効率が大きく変わります。
導入が遅すぎると(試験3か月以内)、基礎を定着させないまま過去問に進むことになり、問題文を読んでも「どの手法を使うか」という判断ができない状態で時間を浪費する可能性があります。逆に早すぎる場合(1年生前期)は、線形代数や基礎的な積分計算の定着がまだ十分でない可能性があるため、先に線形代数と積分計算を復習してから本書に進むことをお勧めします。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
数学(微分・積分,線形代数,微分方程式,複素関数)数学
頻出テーマ対角化、行列の対角化、逆行列、境界条件
本書の該当ページ対角化(p.143)、境界条件(p.6)、行列の対角化(p.79)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は目次情報が得られていないため、入手後に実際の章立てを確認する必要がありますが、一般的な使い方としては第1章から順に読み進め、各節の例題を手を動かしながら解くことが重要です。特に変数分離と1階線形微分方程式は、後の単元の基礎になるため、ここで確実に計算技術を身につけてください。
本書を一通り読んだ後は、該当する編入試験の過去問(特に1階・2階の微分方程式、行列を用いた解法が出題された年度)を解き、本書の該当ページに戻って確認するという往復学習が効果的です。特に特性方程式と対角化を組み合わせた問題は複数年分解いて、パターン認識を強化してください。
注意点
本書の出版年の情報がないため、入手前に版の刷新状況を確認することをお勧めします。微分方程式の基礎理論は変わりませんが、編入試験の出題傾向は年々変わるため、版が古い場合は最新の過去問との照合が特に重要になります。
また、本書は編入試験で出題される微分方程式の全範囲をカバーしているとは限りません。特に境界条件を含む2階微分方程式や、偏微分方程式が出題される大学を受験予定の場合は、本書で基礎を固めた後、志望大学の過去問で頻出単元を確認し、必要に応じて補足教材を用意してください。







