ミクロ経済学 (芦谷)
編入試験でミクロ経済学が出題される場合、需要曲線・供給曲線・市場均衡といった基礎概念から、独占市場・完全競争市場の違いまで、幅広い論点をおさえる必要があります。しかし参考書によっては数式が先行して全体像が見えにくくなることがあります。本書『ミクロ経済学(芦谷)』は、図解を中心とした解説で経済学の直感的な理解を促しながら、編入試験で繰り返し問われる主要概念を体系的にカバーしています。
この本の位置づけ
本書は経済学の初学者から中級レベルの受験生を想定した教科書です。神戸大学経営学部、東洋大学経済学部、上智大学経済学部など、複数の編入試験でミクロ経済学が出題される大学への対策書として機能します。
らくらくミクロ経済学などの超基礎系参考書と比べると、供給曲線・完全雇用・死荷重といったより高度な概念まで網羅的に扱っている点が異なります。一方、数学的な証明を極力省いているため、数式重視の大学院入試対策向けではなく、あくまで編入学試験の出題範囲に焦点を絞った設計になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
ミクロ経済学の学習を始める最初の1冊として、編入受験開始時期(編入希望学年の前年度中盤)から導入することをお勧めします。この時期に導入すれば、全体像を掴んだうえで、秋以降の過去問演習で各論点を深掘りする流れが作れます。
導入が遅すぎる場合(試験まで2ヶ月以内)は、広い範囲を浅く学ぶことになり、過去問で応用問題に対応できないリスクが高まります。逆に導入が早すぎても問題ありませんが、学習効果を高めるには過去問出題範囲を確認したうえで、重点単元を決めて進めることが重要です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
経済学ミクロ経済学
頻出テーマ予算制約式、無差別曲線、効用最大化、最適消費点、需要曲線、供給曲線
本書の該当ページ購入可能(p.52)、最適消費点(p.55)、相対価格(p.56)、価格弾力性(p.27)
追手門学院大学経済学部
ミクロ経済学マクロ経済学
頻出テーマ効用関数、予算制約式、効用最大化、需要関数、価格弾力性、完全競争市場
本書の該当ページ死荷重(p.203)、価格弾力性(p.27)、消費者余剰(p.241)、消費税(p.140)
明治学院大学経済学部
ミクロ経済学ゲーム理論
頻出テーマ総余剰、機会費用、外部性、独占価格、完全競争、ナッシュ均衡
本書の該当ページ機会費用(p.126)、独占価格(p.233)、完全競争(p.192)、ナッシュ均衡(p.264)
経済学
頻出テーマ需要曲線と供給曲線、市場均衡、消費者余剰と生産者余剰、価格弾力性、従量税、費用関数
本書の該当ページ消費者余剰と生産者余剰(p.187)、平均費用(p.119)、操業停止点(p.135)
経済学
頻出テーマ効用関数、利潤最大化、効用最大化、ナッシュ均衡、ゲーム理論、需要関数
本書の該当ページ部分ゲーム完全均衡(p.367)、ナッシュ均衡(p.264)、ゲーム理論(p.362)
ミクロ経済学
頻出テーマ完全競争市場、総余剰、外部性、市場の失敗、市場均衡、完全競争
本書の該当ページ完全競争(p.192)、市場均衡(p.192)、代替効果と所得効果(p.78)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
1周目は読書感覚で通読し、予算制約式や無差別曲線といった基本概念のイメージをつかむことに注力してください。図表の説明を丁寧に読み、グラフの形や曲線の意味を自分の言葉で説明できるレベルを目指します。
2周目以降は、各章の終わりにある練習問題に取り組み、知識のインプット度を確認します。神戸大学経営学部など過去問でよく出題される大学の傾向を確認し、該当単元(p.203の第7章の完全競争市場など)を重点的に読み込むことが効果的です。
3周目では、過去問の記述問題と本書の解説を往復させ、「なぜその答えになるのか」という論理的思考をミクロ経済学の概念で説明できるかを検証してください。特に消費者余剰・生産者余剰・死荷重などの計算問題は、過去問で実際の数値を使いながら本書で学んだ概念を適用する練習が有効です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.48 第2章「限界代替率」がここで扱われています
- p.74 第3章「下級財」がここで扱われています
- p.107 第4章「オファー・カーブ」がここで扱われています
- p.116 第5章「固定費用」がここで扱われています
- p.203 第7章「関税の死荷重」がここで扱われています
- p.214 第8章「パレート効率的」がここで扱われています
- p.268 第10章「ベルトラン製品差別化モデル」がここで扱われています
- p.344 第11章「シグナリング」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
3周実施。数式を極力使わず図解で直感的に理解できるのが強みで、全体像と基礎用語のイメージを掴むための1冊として位置づけた。
神戸大学 経営学部 合格(2025年度) / 経済学
解説が丁寧で、神戸経営の経済はこの本から出ていると予想して3周した。1周目は読書感覚でパラパラ読み、2周目以降は深い知識のインプットを意識して読み込んだ。
神戸大学 経営学部 合格(2025年度) / 経済学
記述問題の対策でらくらくミクロで足りない部分を補強するため選んだ。過去問の傾向から出てきそうな範囲を重点的に進めた。
神戸大学 経営学部 合格(2026年度) / 経済学
3周した。神戸大学の問題作成のベースになっているという情報で選んだ。練習問題の質が比較的高く、神戸大の過去問とレベルが近いので実践演習として効果的だった。
東北大学 経済学部 合格(2024年度) / 経済学
注意点
本書の出版年を確認し、経済学の最新の理論的展開に対応しているか注意が必要です。編入試験で出題される内容は大学によって差があるため、学部によっては本書でカバーできない特殊な論点(ゲーム理論の詳細など)が出される場合があります。事前に志望大学の過去問でどの範囲・深さまで問われるかを確認することをお勧めします。
また、本書は図解を強みとしていますが、一部の大学(特に数学的厳密性を重視する学部)では微積分を使った証明の説明が求められることがあります。その場合は、本書での基礎理解のあとに、より数学的な参考書で補強する必要が生じる可能性があります。







