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工学のための有機化学 荒井 貞夫

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工学のための有機化学 荒井 貞夫

編入試験の有機化学では、構造式の理解や反応機構の説明が問われることが多いのですが、体系的に学べずに断片的な知識のままという受験生が少なくありません。本書は工学部向けに設計されているため、実践的な視点から有機化学の基礎を整理できます。

この本の位置づけ

本書は高校化学の既習を前提として、大学1年生レベルの有機化学を学ぶ受験生向けです。IUPAC命名法から立体化学、代表的な反応機構まで、編入試験に出題される主要論点をひと通り網羅しています。

同じ有機化学の参考書でも、本書は「工学のための」という名の通り、合成化学や反応の実用性に重点を置いています。そのため、有機化学を理論から丁寧に学びたい受験生向けというより、既に基礎を学んだ上で試験に必要な知識を整理し直したい受験生に適しています。

いつどのタイミングの編入受験生におすすめか

編入対策を始めて2~3ヶ月経ち、基本的な有機化学用語が頭に入った段階で導入することをお勧めします。早すぎる時点で手をつけると、内容が頭に残らないまま終わる可能性があります。

逆に過去問演習の直前に導入すると、参考書の内容を十分に定着させないまま試験対策に入ることになり、試験本番で知識が引き出しにくくなるかもしれません。

ターゲット大学と対策できるテーマ

過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。

お茶の水女子大学理学部

化学数学

頻出テーマSN2反応、芳香族複素環、芳香族求電子置換反応、マルコフニコフ則、求核付加反応、ニューマン投影

本書の該当ページSN2反応(p.142)、芳香族複素環(p.251)、芳香族求電子置換反応(p.106)、マルコフニコフ則(p.70)

筑波大学理工学群

数学化学

頻出テーママイケル反応、IUPAC命名法、SN2反応、芳香族複素環、メタ配向性、マルコフニコフ則

本書の該当ページマイケル反応(p.204)、IUPAC命名法(p.32)、SN2反応(p.142)、芳香族複素環(p.251)

東京海洋大学海洋生命科学部

化学

頻出テーマIUPAC命名法、SN2反応、ニューマン投影式、E2 反応、E1 反応、芳香族求電子置換反応

本書の該当ページIUPAC命名法(p.32)、SN2反応(p.142)、ニューマン投影式(p.38)、E2 反応(p.150)

新潟大学理学部

化学

頻出テーマSN2反応、芳香族求電子置換反応、求核付加反応、分子間力、ハロゲン化水素、分子軌道

本書の該当ページSN2反応(p.142)、芳香族求電子置換反応(p.106)、求核付加反応(p.188)、分子間力(p.28)

神戸大学理学部

化学

頻出テーマSN2反応、IUPAC命名法、ルイス構造、分子軌道、分子間力、有機化合物

本書の該当ページSN2反応(p.142)、IUPAC命名法(p.32)、ルイス構造(p.15)、分子軌道(p.20)

茨城大学理学部

化学数学

頻出テーマルイス塩基、分子間力、分子軌道、立体配座、エタン、立体化学

本書の該当ページルイス塩基(p.113)、分子間力(p.28)、分子軌道(p.20)、立体配座(p.38)

東北大学理学部

化学

頻出テーマアルケンの反応、E1 反応、芳香族求電子置換反応、求電子付加反応、分子軌道、求電子置換反応

本書の該当ページアルケンの反応(p.68)、E1 反応(p.152)、芳香族求電子置換反応(p.106)、求電子付加反応(p.69)

筑波大学生命環境学群

生物化学

頻出テーマIUPAC命名法、マルコフニコフ則、律速段階、共役ジエン、炭素数、ピリジン

本書の該当ページIUPAC命名法(p.32)、マルコフニコフ則(p.70)、律速段階(p.142)、共役ジエン(p.64)

関西大学化学生命工学部

化学数学

頻出テーマベンゼン誘導体、マルコフニコフ則、分子軌道、求電子置換反応、カルボカチオン中間体、エナンチオマー

本書の該当ページベンゼン誘導体(p.114)、マルコフニコフ則(p.70)、分子軌道(p.20)、求電子置換反応(p.106)

電気通信大学情報理工学域

数学

頻出テーマ分子軌道、分子間力、ルイス構造、有機化合物、結合角、1s軌道

本書の該当ページ分子軌道(p.20)、分子間力(p.28)、ルイス構造(p.15)、有機化合物(p.4)

近畿大学理工学部

化学

頻出テーマSN2反応、ハロゲン化水素、分子間力、誘起効果、求核置換反応、立体化学

本書の該当ページSN2反応(p.142)、ハロゲン化水素(p.68)、分子間力(p.28)、誘起効果(p.116)

東京都市大学理工学部

化学

頻出テーマ分子軌道、分子間力、σ結合

本書の該当ページ分子軌道(p.20)、分子間力(p.28)、σ結合(p.20)

※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。

使い方

第2章の「有機化合物の構造と結合」(p.22)と第3章の「アルカン」(p.45)から始め、有機化学の基本的な考え方を確認してください。その後、志望大学の過去問で出題される分野(例えば芳香族化合物やハロゲン化アルキル)に関連した章を重点的に読み進めます。

各章を読むときは、反応機構や立体化学の部分で図を指でなぞりながら、構造がどう変わるかを自分の手で追跡することが大切です。その後、過去問の該当問題に戻り、本書で学んだ知識をどう適用するか確認するサイクルを繰り返してください。

編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。

  1. p.22 第2章 有機化合物の構造と結合「メタン」がここで扱われています
  2. p.45 第3章 アルカン「ホモリシス」がここで扱われています
  3. p.120 第7章 芳香族化合物「メタ配向性」がここで扱われています
  4. p.142 第9章 ハロゲン化アルキル「律速段階」がここで扱われています

注意点

本書の出版年を確認の上、IUPAC命名法の最新ルールが反映されているかを志望大学の過去問で確認してください。古い版の場合、命名規則が現在と異なっている可能性があります。

本書は反応機構や立体化学の説明に重点を置いているため、無機化学や分析化学の内容はほとんど含まれていません。志望大学の出題範囲に無機化学が含まれている場合は、別途その対策を進める必要があります。また、演習問題が豊富でない参考書のため、本書だけでは試験レベルの問題演習として不十分です。過去問や別の問題集と必ず組み合わせて学習してください。

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