ミクロ経済学の技 = MICROECONOMICS 神取 道宏
ミクロ経済学は編入試験で頻出科目ですが、需要曲線や効用関数といった基本概念から、独占市場やゲーム理論まで、幅広い論点が問われます。特に「概念は理解したつもりなのに、過去問を解くと手が止まる」という悩みを持つ受験生が多いです。本書は理論の説明だけでなく、実際の入試問題を題材にしながら解き方の筋道を示すことで、この gap を埋めるのに適しています。
この本の位置づけ
本書は高度な数学的厳密性よりも、経済学の考え方を「使える知識」として身につけることを重視しています。消費者行動、市場均衡、市場の失敗、独占、ゲーム理論など編入試験の主要な単元をカバーしており、標準的な国公立大学や MARCH 難度の経済学部・経営学部志望の受験生に適切なレベルです。
他の入門書と異なり、著者は各章で複数の大学の過去問を実例として取り上げています。同じ論点でも「A 大学ではこう聞かれた、B 大学ではこう聞かれた」という出題の違いを比較しながら学べるため、試験本番で問題文のバリエーションに対応する力が養いやすいです。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
標準的には、ミクロ経済学の講義を受けた後の 1 月目から 3 月目に導入するのが効果的です。基本的な概念の理解が前提となるため、全く未習の状態から始めると説明についていくのが難しくなります。
逆に導入が早すぎる(未習の状態)と、抽象度が高く感じられて挫折しやすいです。遅すぎる場合(編入試験の 2 ヶ月前以降)は、問題演習に十分な時間をかけられず、知識を実際に使う練習が不足するため、試験本番で応用問題に対応できない可能性があります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
長崎大学経済学部
ミクロ経済学
頻出テーマ需要曲線、供給曲線、消費者余剰、生産者余剰、死荷重、効用関数
本書の該当ページ生産者余剰(p.40)、需要曲線(p.105)、死荷重(p.70)、労働供給曲線(p.70)
経済学
頻出テーマ効用関数、利潤最大化、効用最大化、ナッシュ均衡、部分ゲーム完全均衡
本書の該当ページ部分ゲーム完全均衡(p.160)、ナッシュ均衡(p.132)、効用関数(p.6)
追手門学院大学経済学部
ミクロ経済学
頻出テーマ効用関数、予算制約式、効用最大化、価格弾力性、完全競争市場、消費者余剰
本書の該当ページ生産者余剰(p.40)、死荷重(p.70)、予算制約式(p.13)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次から自分の志望大学で頻出の論点(例えば『市場均衡』『独占』)に該当する章から始めるのがよいでしょう。その際、各章の過去問の解説を読むだけでなく、自分でも解き方を紙に書いて再現することが重要です。
次に、同じ論点について複数の大学の出題を比較してください。著者が提示した解法の筋道が、別の大学の問題でも応用できるかを意識しながら検討します。その後、本書に取り上げられていない自分の志望大学の過去問に挑戦し、ここで学んだ思考方法が実際に機能するか確認する流れが効果的です。
各単元を終えたら、必ず関連する過去問 3 〜 5 年分に戻り、同じ解き方で解けるか繰り返し練習するのが定着につながります。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.39 第1章 消費者行動の理論 009「利潤最大化条件」がここで扱われています
- p.71 第3章 市場均衡「厚生経済学の第1基本定理」がここで扱われています
- p.111 第4章 市場の失敗「社会的限界費用」がここで扱われています
- p.122 第5章 独占「限界費用価格規制」がここで扱われています
- p.133 第6章 同時手番のゲームとナッシュ均衡「クールノー・モデル」がここで扱われています
- p.160 第7章 時間を通じたゲームと戦略の信頼性「部分ゲーム完全均衡」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
いろいろな学校の過去問がテーマ別で載っているので、実際に出題される時はどのような聞かれ方をしているか、自分がどれくらい経済学を理解できているか確認しながら使った。
新潟大学 経済科学部 合格(2025年度) / 経済学
注意点
本書は実務的な解き方に重点を置いているため、厳密な証明や数学的導出を求める大学(特に上位国公立大学の一部)では、補足的な参考資料が別途必要になる場合があります。
また、掲載されている過去問は本書出版時点のものであり、年号や統計数値、出題形式が現在と異なる可能性があります。過去問を解く際は、問題の根本的な考え方を学ぶことに注力し、具体的な数値や状況設定は参考程度にとどめてください。
ゲーム理論や時間を通じたゲーム(第 6 章・第 7 章)については、志望大学がそこまで深く問わない場合、無理に全て習得する必要はありません。あらかじめ過去問で出題傾向を確認し、優先順位をつけて学習することをお勧めします。







