入門マクロ経済学
マクロ経済学は、GDPや金融政策、為替といった複数の概念が絡み合うため、全体像を見失いやすい科目です。特に、短期と長期の分析の違いや、各政策がどう波及するかを理解できていない受験生が多くいます。本書は図表を多く用いながら、こうした相互関係を視覚的に整理するのに適した構成になっています。
この本の位置づけ
本書は高校の政治経済から大学編入レベルの経済学へのステップアップを想定した入門書です。数学的な厳密性よりも、概念理解を重視した解説になっており、経済学が初めて、あるいは基礎が不安な受験生向けです。
同じマクロ経済学の参考書の中でも、本書は「図表の豊富さ」と「説明の丁寧さ」に特徴があります。より数学的な導出を重視する参考書や、問題演習中心の参考書とは異なり、まず理論の骨組みをつかむことに向いています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の対策では、遅くとも出願の1年前から導入することをお勧めします。本書で基礎概念を固めてから過去問に進む流れが効果的です。
もし導入が遅れると、過去問で出題される用語や図形(IS-LM曲線など)の意味を理解しないまま暗記に頼ることになります。逆に早すぎる時間はありませんが、高1・高2の時点で先読みしておくと、編入対策本格化時の理解が格段に深まります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
経済学
頻出テーマ貨幣の機能、貨幣の供給、流動性のわな、貨幣数量説、IS 曲線、動 学
本書の該当ページ貨幣の機能(p.94)、貨幣の供給(p.103)、流動性のわな(p.138)、貨幣数量説(p.185)
経済学
頻出テーマ貨幣の機能、貨幣の供給、借入制約、異時点間の予算制約、IS 曲線、動 学
本書の該当ページ貨幣の機能(p.94)、貨幣の供給(p.103)、借入制約(p.300)、異時点間の予算制約(p.293)
経済学数学
頻出テーマ労働増加、貨幣の供給、効率賃金仮説、貨幣理論、IS 曲線、実質金利
本書の該当ページ労働増加(p.270)、貨幣の供給(p.103)、効率賃金仮説(p.352)、貨幣理論(p.397)
経済学
頻出テーマ貨幣の供給、国内総所得、IS 曲線、消費支出、時間選好、財政政策
本書の該当ページ貨幣の供給(p.103)、国内総所得(p.23)、IS 曲線(p.125)、消費支出(p.21)
新潟大学経済科学部
経済学
頻出テーマ流動性のわな、貨幣の機能、IS 曲線、労働投入量、実質金利、預金通貨
本書の該当ページ流動性のわな(p.138)、貨幣の機能(p.94)、IS 曲線(p.125)、労働投入量(p.273)
経済学
頻出テーマIS 曲線、財政政策、消費者物価指数、長期均衡、所得効果、均衡利子率
本書の該当ページIS 曲線(p.125)、財政政策(p.164)、消費者物価指数(p.35)、長期均衡(p.220)
経済学数学
頻出テーマ国債発行、三面等価の原則、IS 曲線、労働投入量、財政政策、消費者物価指数
本書の該当ページ国債発行(p.399)、三面等価の原則(p.19)、IS 曲線(p.125)、労働投入量(p.273)
英語小論文経済学
頻出テーマ貨幣理論、貨幣の機能、IS 曲線、総需要管理政策、財政政策、所得効果
本書の該当ページ貨幣理論(p.397)、貨幣の機能(p.94)、IS 曲線(p.125)、総需要管理政策(p.49)
近畿大学経済学部
経済学数学
頻出テーマIS 曲線、実質金利、財政政策、45度線分析、マンデル=フレミング・モデル、割引現在価値
本書の該当ページIS 曲線(p.125)、実質金利(p.298)、財政政策(p.164)、45度線分析(p.76)
経済学経営学
頻出テーマ国民可処分所得、在庫投資、財政政策、45度線分析、クラウディングアウト、金融政策
本書の該当ページ国民可処分所得(p.24)、在庫投資(p.332)、財政政策(p.164)、45度線分析(p.76)
福岡大学経済学部
経済学
頻出テーマ消費者物価指数、乗数、所得収支、名目為替レート、実質為替レート、経常収支
本書の該当ページ消費者物価指数(p.35)、乗数(p.78)、所得収支(p.147)、名目為替レート(p.191)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず第2章から第5章を順に読み進め、マクロ経済学の基本的な枠組みを把握します。次に、志望大学の過去問を見て、どの分野が頻出かを確認してから、該当する章(例えば国際マクロを対策する場合は第7章)を重点的に学習するとよいでしょう。
読むときは、文章だけでなく図表を必ず手で描き直してください。例えば、需要曲線や無差別曲線は単に眺めるのではなく、自分でグラフを書くことで、軸や関係性の理解が深まります。
本書を一通り読んだ後、過去問に取り組む際には、わからない用語が出てきたときに本書に立ち戻って確認する、という往復の使い方も効果的です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.35 第2章 GDPを理解する「企業物価指数」がここで扱われています
- p.49 第3章 マクロ経済学における「短期」と「長期」「総需要管理政策」がここで扱われています
- p.102 第5章 貨幣の需給と利子率「資産需要」がここで扱われています
- p.150 第7章 国際マクロ経済学「変動為替相場制」がここで扱われています
- p.234 第10章 インフレとデフレ「期待インフレ率」がここで扱われています
- p.261 第11章 経済成長の理論「ソロー=スワン・モデル」がここで扱われています
- p.334 第13章 投資決定の理論「限界の q」がここで扱われています
- p.351 第14章 ケインジアン・マネタリスト以降のマクロ経済学「ニューケインジアン」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
解説が丁寧で図表が多く、視覚的にわかりやすい。前に使っていた参考書が合わなかったためすぐに切り替えた。
神戸大学 経済学部 合格(2026年度) / 経済学
注意点
本書は初版から十数年が経っています。マクロ経済学の基本理論は変わりませんが、統計データやグラフに古い数値が含まれている可能性があります。実務的な政策事例については、最新の過去問と照らし合わせて確認するようにしてください。
もう一点、本書は「入門」という位置づけのため、微分・積分を用いた厳密な導出や、高度な数学モデルには触れていません。志望大学の過去問がより数学的な出題をしている場合は、本書だけでは不十分になることもあります。過去問で難易度を確認した上で、必要に応じて他の参考書を組み合わせることをお勧めします。




