入門マクロ経済学
マクロ経済学は、GDPや金融政策、為替といった複数の概念が絡み合うため、全体像を見失いやすい科目です。特に、短期と長期の分析の違いや、各政策がどう波及するかを理解できていない受験生が多くいます。本書は図表を多く用いながら、こうした相互関係を視覚的に整理するのに適した構成になっています。
この本の位置づけ
本書は高校の政治経済から大学編入レベルの経済学へのステップアップを想定した入門書です。数学的な厳密性よりも、概念理解を重視した解説になっており、経済学が初めて、あるいは基礎が不安な受験生向けです。
同じマクロ経済学の参考書の中でも、本書は「図表の豊富さ」と「説明の丁寧さ」に特徴があります。より数学的な導出を重視する参考書や、問題演習中心の参考書とは異なり、まず理論の骨組みをつかむことに向いています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の対策では、遅くとも出願の1年前から導入することをお勧めします。本書で基礎概念を固めてから過去問に進む流れが効果的です。
もし導入が遅れると、過去問で出題される用語や図形(IS-LM曲線など)の意味を理解しないまま暗記に頼ることになります。逆に早すぎる時間はありませんが、高1・高2の時点で先読みしておくと、編入対策本格化時の理解が格段に深まります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
経済学マクロ経済学
頻出テーマ予算制約式、無差別曲線、効用最大化、最適消費点、需要曲線、労働需要
本書の該当ページ限界概念(p.335)、最適消費点(p.299)、古典派(p.283)、クラウディングアウト(p.135)
福岡大学経済学部
経済学
頻出テーマ名目為替レート、実質為替レート、完全雇用、インフレーション、恒常所得仮説、消費者物価指数
本書の該当ページ名目為替レート(p.191)、実質為替レート(p.191)、所得収支(p.147)
マクロ経済学
頻出テーマ金融政策、財政政策、クラウディングアウト、実質利子率
本書の該当ページ実質利子率(p.200)、クラウディングアウト(p.135)、金融政策(p.164)
神戸学院大学経済学部
マクロ経済学
頻出テーマ完全雇用、為替レート、インフレーション、経済成長率、物価変動
本書の該当ページ物価変動(p.33)、インフレーション(p.248)、経済成長率(p.259)
京都産業大学全学部
マクロ経済学
頻出テーマ金融政策、財政政策、インフレーション
本書の該当ページインフレーション(p.248)、金融政策(p.164)、財政政策(p.164)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず第2章から第5章を順に読み進め、マクロ経済学の基本的な枠組みを把握します。次に、志望大学の過去問を見て、どの分野が頻出かを確認してから、該当する章(例えば国際マクロを対策する場合は第7章)を重点的に学習するとよいでしょう。
読むときは、文章だけでなく図表を必ず手で描き直してください。例えば、需要曲線や無差別曲線は単に眺めるのではなく、自分でグラフを書くことで、軸や関係性の理解が深まります。
本書を一通り読んだ後、過去問に取り組む際には、わからない用語が出てきたときに本書に立ち戻って確認する、という往復の使い方も効果的です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.35 第2章 GDPを理解する「企業物価指数」がここで扱われています
- p.49 第3章 マクロ経済学における「短期」と「長期」「総需要管理政策」がここで扱われています
- p.102 第5章 貨幣の需給と利子率「資産需要」がここで扱われています
- p.150 第7章 国際マクロ経済学「変動為替相場制」がここで扱われています
- p.234 第10章 インフレとデフレ「期待インフレ率」がここで扱われています
- p.261 第11章 経済成長の理論「ソロー=スワン・モデル」がここで扱われています
- p.334 第13章 投資決定の理論「限界の q」がここで扱われています
- p.351 第14章 ケインジアン・マネタリスト以降のマクロ経済学「ニューケインジアン」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
解説が丁寧で図表が多く、視覚的にわかりやすい。前に使っていた参考書が合わなかったためすぐに切り替えた。
神戸大学 経済学部 合格(2026年度) / 経済学
注意点
本書は初版から十数年が経っています。マクロ経済学の基本理論は変わりませんが、統計データやグラフに古い数値が含まれている可能性があります。実務的な政策事例については、最新の過去問と照らし合わせて確認するようにしてください。
もう一点、本書は「入門」という位置づけのため、微分・積分を用いた厳密な導出や、高度な数学モデルには触れていません。志望大学の過去問がより数学的な出題をしている場合は、本書だけでは不十分になることもあります。過去問で難易度を確認した上で、必要に応じて他の参考書を組み合わせることをお勧めします。







