経済学で出る数学 [改訂版]
編入試験で経済学を受験する場合、ミクロ経済学やマクロ経済学の問題を解く際に「数学がわからなくて詰まる」という経験をする受験生は多いです。効用関数の最大化、利潤最大化、市場均衡など、経済学の重要な概念は数学を抜きに理解できません。本書は経済学の理論と、その背後にある数学をセットで学べるように設計されているため、数学と経済学を同時に身につけたい受験生の強い味方になります。
この本の位置づけ
本書は、高校数学の基礎をおおむね理解している受験生が対象です。1次関数から多変数の微分まで、経済学に必要な数学を段階的に学べるレベル感になっています。
他の経済学の参考書では「この計算が必要です」と既知のものとして扱われることが多いのに対し、本書は「なぜこの数学が必要なのか」「経済学のどの場面で使うのか」という文脈を重視しています。数学が苦手な受験生でも、経済学の具体例を通じて数学の使い方を実感できる点が特徴です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
経済学の対策を始める初期段階、遅くとも試験の半年前までに導入することをお勧めします。経済学の理論を学ぶ前に、あるいは同時進行で本書を使うことで、後の学習がスムーズになります。
もし試験直前に導入すると、理論の習得に時間が必要なため、過去問演習に十分な時間をかけられなくなる可能性があります。逆に対策を始めたばかりの段階では、まだ経済学の全体像が見えていないため、本書の内容が抽象的に感じるかもしれません。その場合は、簡潔な経済学の教科書と並行して使うと効果的です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
京都産業大学全学部
その他ミクロ経済学
頻出テーマ関数の増減、逆行列、限界費用、利潤最大化、固定費用
本書の該当ページ関数の増減(p.130)、逆行列(p.253)、限界費用(p.53)、利潤最大化(p.139)
追手門学院大学経済学部
ミクロ経済学
頻出テーマ予算制約式、効用最大化、需要関数、価格弾力性、完全競争市場、独占市場
本書の該当ページ価格弾力性(p.159)、消費者余剰(p.27)、効用最大化(p.216)
福島大学人文社会学群
経済学
頻出テーマ効用最大化、完全競争市場、需要関数、供給関数、市場均衡
本書の該当ページコブ・ダグラス型効用関数(p.222)、効用最大化(p.216)、完全競争市場(p.53)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次から、自分が受験する大学で出題されやすい分野を特定しましょう。ミクロ経済学が中心なら第1章、第5章、第6章、第7章を優先的に読み進めます。各章は経済学の具体的な場面から始まるため、その文脈を掴んでから数学的な計算練習に進むのが効果的です。
本書で基本を理解した後は、実際の過去問で同じ概念がどのように問われているかを確認します。過去問で「この計算方法は本書のどこに書いてあったか」と立ち戻ることで、理論と問題演習の結びつきが強くなります。
計算が複雑に見える問題でも、本書で学んだ基本的な手順を思い出すことで、落ち着いて対応できるようになるでしょう。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.5 第1章 1次関数と市場メカニズム「需要関数」がここで扱われています
- p.53 第2章 2次関数と独占・寡占市場「限界費用」がここで扱われています
- p.59 第3章 指数・対数と金利「底 (base)」がここで扱われています
- p.115 第5章 1変数の微分と利潤最大化「線形近似」がここで扱われています
- p.178 第6章 ベクトルと予算制約「線形結合」がここで扱われています
- p.215 第7章 多変数の微分と効用最大化「ラグランジュの未定乗数法」がここで扱われています
- p.247 第8章 行列と回帰分析「最小二乗法」がここで扱われています
- p.300 第10章 積分とオークション「積 分」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
経済数学の範囲を知るため選択。割引現在価値などの経済学で出てくる数学がどのようなものかを示したものでインプットに使った。
神戸大学 経済学部 合格(2026年度) / 数学
注意点
本書は改訂版ですが、金利や割引現在価値など時間とともに変わる経済指標を扱う部分では、出版後の経済環境の変化に完全には対応していない可能性があります。第3章の「指数・対数と金利」の数値例については、参考程度に考えておくとよいでしょう。
本書はあくまで「経済学に必要な数学」に特化しているため、統計学や計量経済学の深い内容までは扱いません。大学によっては計量経済学や統計的な検定が試験に含まれることもあるため、出題範囲を確認した上で、別途対策が必要かどうか判断してください。
また、本書の練習問題は数学の理解確認が中心です。試験に出るような複雑な文章題や、複数の概念を組み合わせた応用問題を十分に練習するには、大学の過去問や他の経済学の演習書と組み合わせることが重要です。







