単位が取れる有機化学ノート 小川 裕司
有機化学の編入試験では、構造式の描き方から反応機構まで、基礎概念の理解が得点を大きく左右します。特に立体化学や脱離反応などの複雑な論点で、「なぜそうなるのか」を説明できない受験生は多いです。本書は図解を活用して、有機化学の基礎から立体配置などの応用まで、段階的に理解できるよう設計されています。
この本の位置づけ
本書は有機化学の初学者向けの参考書です。高校化学の基礎知識がある状態で、大学レベルの有機化学を体系的に学びたい受験生に適しています。電子雲の重なりという最も基本的な概念から始まり、命名法、脱離反応、立体異性体など、編入試験で頻出の論点をカバーしています。
他の有機化学参考書と異なり、本書は「なぜその反応が起きるのか」という機構の理解を重視しています。図解が豊富で、ニューマン投影式やフィッシャー投影式といった立体構造の表現方法も丁寧に解説されているため、概念を視覚的に習得できます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
大学編入の対策を始める際、遅くても入試の1年前までに導入することをお勧めします。本書は基礎から説き起こすため、早期に始めるほど後続の演習に十分な時間が充てられます。
導入が遅すぎる場合、反応機構の理解が不十分なまま過去問演習に進み、問題文を読んでも原理が見えず得点が伸び悩みます。逆に導入が早すぎても問題ありませんが、その場合は一度読んだ後、時間を置いて再度読み返すことで知識の定着が進みます。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
東京海洋大学海洋生命科学部
化学(有機化学)
頻出テーマ構造式、反応機構、脱離反応、置換基、立体化学、求核置換反応
本書の該当ページ置換基(p.41)、カルボカチオン(p.59)、フィッシャー投影式(p.80)
名古屋工業大学工学部
化学(基礎物理化学・基礎有機化学・基礎無機化学)
頻出テーマアルコール、化学反応式、異性体、構造式、混成軌道、sp2
本書の該当ページsp²(p.15)、混成軌道(p.15)、アルコール(p.55)
広島大学生物生産学部
有機化学
頻出テーマ立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、フィッシャー投影式、ニューマン投影式、立体配置
本書の該当ページフィッシャー投影式(p.80)、エナンチオマー(p.72)、ニューマン投影式(p.74)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まずp.12の「電子雲の重なりと共有結合」から順序通り読み進めます。各ページで図解を丁寧に眺め、なぜそのような構造や反応が生じるのか、その仕組みを理解することが重要です。
一通り読み終わった後、各大学の過去問を解きます。特に構造式の描き方、脱離反応やFriedel-Crafts反応などの重要な論点について、過去問で実際に問われている形式に触れることで、参考書の知識を実践的なものにできます。
理解度に応じて、本書を2〜4周繰り返すことが有効です。過去問で類似の論点に遭遇したときは、本書に戻ってその箇所を確認し、理解を深める往復学習をお勧めします。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.12 電子雲の重なりと共有結合
- p.40 アルカンの命名法
- p.55 (1) アルコールの脱水(A, B)=(OH, H)
- p.68 (2) Diels-Alder 反応
- p.82 絶対配置(absolute configuration)
- p.100 脱離反応
- p.120 (5) Friedel-Crafts反応「Friedel-Crafts 反応」がここで扱われています
- p.152 カルボニル化合物
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
3周した。
お茶の水女子大学 理学部 合格(2027年度) / 有機化学
参考書に書いてあることを理解した後、問題がほぼ全て解けるようになるまで演習した。初学者向けで、4周行った。
神戸大学 工学部 合格(2026年度) / 化学
注意点
本書は初学者向けのため、大学の有機化学講義で既に標準的な内容を学んでいる場合、演習量が不足する可能性があります。その場合は本書を基礎確認として使いながら、より演習問題の多い問題集と並行して学習してください。
また、有機化学は大学や学部によって出題範囲や難易度にばらつきがあります。本書でカバーしている内容でも、志望大学の過去問に頻出の反応が本書に十分に掲載されていない場合があります。初期段階では本書で概念を理解し、その後志望大学の過去問を確認して、追加学習の必要性を判断することをお勧めします。







