大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる 井堀 利宏
経済学は編入試験で頻出ですが、大学の講義では理論が抽象的で、何がどうつながっているのか見えにくいと感じる受験生は多いです。特にミクロ経済学の需要曲線や市場均衡、マクロ経済学の経済政策など、単元ごとに学ぶと全体像が掴みにくくなりがちです。本書は経済学の全体像を短時間で整理し、過去問で繰り返し出題される論点を効率よく確認するのに適しています。
この本の位置づけ
本書は経済学の基礎から応用までを広く浅くカバーする入門書です。ミクロ経済学(消費者余剰、市場均衡、独占市場など)とマクロ経済学(経済政策、経常収支など)の両分野で、編入試験に出現する主要な論点をバランスよく扱っています。経済学部や商学部の編入を目指す受験生であれば、学部を問わず活用できる汎用性が特徴です。
類似の入門書と比べると、本書は「10時間でざっと学べる」というコンセプトで、細部よりも全体構造の理解を優先しています。過去問で頻出の「規模の経済」「外部性」「比較優位」といった概念を、イメージしやすい形で説明することに重点が置かれているため、経済学を初めて本格的に学ぶ受験生向けです。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の対策スケジュールでは、本書は早期(試験の6〜8ヶ月前)に導入することをお勧めします。経済学の全体像を把握してから、各単元の詳しい参考書や過去問に取り組むと、学習がスムーズに進みます。
逆に過去問対策の直前期(1〜2ヶ月前)に導入すると、既に単元別の学習が進んでいるため、本書の効果が限定的になる可能性があります。また、経済学の基礎知識がまったくない場合、本書のみでは十分ではないため、大学の教科書と組み合わせての使用が必要です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
経済学
頻出テーマケインズ経済学、財政支出、乗数効果、期待インフレ率、経済政策、市場均衡
本書の該当ページケインズ経済学(p.134)、財政支出(p.154)、乗数効果(p.154)、期待インフレ率(p.203)
数学経済学
頻出テーマ乗数効果、寡占市場、期待インフレ率、均衡点、完全競争市場、経済政策
本書の該当ページ乗数効果(p.154)、寡占市場(p.88)、期待インフレ率(p.203)、均衡点(p.55)
経済学数学
頻出テーマ乗数効果、完全競争市場、比較優位、均衡点、市場均衡、限界収入
本書の該当ページ乗数効果(p.154)、完全競争市場(p.54)、比較優位(p.218)、均衡点(p.55)
英語小論文経済学
頻出テーマ乗数効果、完全競争市場、市場メカニズム、比較優位、均衡点、経済政策
本書の該当ページ乗数効果(p.154)、完全競争市場(p.54)、市場メカニズム(p.150)、比較優位(p.218)
経済学
頻出テーマ財政支出、経済政策、市場均衡、限界収入、労働需要、貨幣供給
本書の該当ページ財政支出(p.154)、経済政策(p.232)、市場均衡(p.55)、限界収入(p.80)
経済学
頻出テーマ信用創造、完全競争市場、経済政策、市場均衡、限界収入、貨幣供給
本書の該当ページ信用創造(p.176)、完全競争市場(p.54)、経済政策(p.232)、市場均衡(p.55)
新潟大学経済科学部
経済学
頻出テーマ乗数効果、デメリット、市場均衡、限界収入、労働需要、国民所得
本書の該当ページ乗数効果(p.154)、デメリット(p.40)、市場均衡(p.55)、限界収入(p.80)
経済学
頻出テーマケインズ経済学、乗数効果、寡占市場、市場均衡、財政赤字、限界収入
本書の該当ページケインズ経済学(p.134)、乗数効果(p.154)、寡占市場(p.88)、市場均衡(p.55)
経済学
頻出テーマケインズ経済学、期待インフレ率、比較優位、完全競争市場、市場均衡、賃金率
本書の該当ページケインズ経済学(p.134)、期待インフレ率(p.203)、比較優位(p.218)、完全競争市場(p.54)
経済学経営学
頻出テーマ寡占市場、完全競争市場、市場メカニズム、競争市場、完全競争、需要量
本書の該当ページ寡占市場(p.88)、完全競争市場(p.54)、市場メカニズム(p.150)、競争市場(p.54)
近畿大学経済学部
数学経済学
頻出テーマ期待インフレ率、完全競争市場、市場均衡、財市場、付加価値、需要量
本書の該当ページ期待インフレ率(p.203)、完全競争市場(p.54)、市場均衡(p.55)、財市場(p.136)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず全体を通読して、消費者余剰・市場均衡・経済政策など主要概念の位置づけを確認してください。その後、自分が受験する学部の過去問を見て、どの論点が繰り返し出題されているかをチェックし、該当する章を重点的に復習するという使い方が効果的です。
本書を読む際は、図表や事例に注目しながら進めてください。完全競争市場と独占市場の違い、または消費者余剰と総余剰の関係など、視覚的に理解することが重要です。その後、過去問に取り組み、「実際の試験ではこの概念がどう問われるのか」を確認することで、知識が定着しやすくなります。
マクロ経済学の部分(クラウディングアウト、経常収支など)とミクロ経済学の部分を、別々に復習サイクルに組み込むとよいでしょう。単元ごとに本書と過去問を往復させることで、理論と応用のつながりが明確になります。
注意点
本書の出版年が古い可能性があるため、経済政策や国際経済(アジア経済など)に関する具体的な事例・数値は、最新の参考書や資料で確認することをお勧めします。経済学の基本理論は変わりませんが、政策の内容や国際的な経済状況は変動しているため注意が必要です。
本書は「ざっと学べる」という特性上、高度な計算問題や理論の厳密な証明には対応していません。過去問を解いて「もっと詳しく知りたい」と感じた論点については、経済学部の標準的な教科書(ミクロ経済学・マクロ経済学の専門書)で補完してください。特に大阪経済大学や関西大学などの難度が高い試験を目指す場合は、本書だけでは不十分な可能性があります。




