新版 これから経済学をまなぶ人のための数学基礎レッスン 西森晃
経済学の編入試験では、需要曲線や均衡価格といった概念が繰り返し問われます。しかし、これらを理解するには数学的な基礎—特に関数やグラフの読み方—がしっかりしていることが前提になります。本書は経済学に必要な数学を、丁寧に段階的に学べる構成になっており、数学が苦手な受験生が経済学の論点に進む前に土台を固めるのに適しています。
この本の位置づけ
本書は高校数学に不安がある受験生、または大学の経済学講義で数学の説明についていけなかった受験生を主な対象としています。経済学部の編入試験に必要な数学を、経済学の文脈に寄せながら学ぶ入門段階の参考書です。
同じく経済数学の参考書との違いは、本書が純粋な「数学基礎」に徹している点です。マセマのキャンパス・ゼミなどのように経済学の原理を深掘りするのではなく、グラフの描き方や微分の実行など、手を動かす作業を重視した構成になっています。そのため、経済理論そのものの説明は最小限にとどまっており、別途経済学の教科書と組み合わせる必要があります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書は、編入試験対策の初期段階—遅くとも受験学年の開始時までに導入することをお勧めします。試験までに2周する時間を確保することで、後の過去問演習がスムーズになります。
導入が遅すぎると、経済学の過去問を解く際に数学的な計算で躓き、実際の経済概念の理解を検証する機会を失ってしまいます。逆に早すぎる場合は、学んだ数学が経済学にどう繋がるのかの実感が薄れるため、経済学の講義をある程度受けた後に着手するとより効果的です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は第1章から順に進めることを基本としてください。各章で学んだ数学的手法を定着させるため、付属している演習問題に必ず取り組み、自分でグラフを描いたり計算を実行したりしてください。
1周目は、経済学の講義で扱う需要曲線や均衡点の図解を参照しながら、対応する数学内容を確認する読み方が効果的です。2周目は、日本大学経済学部の過去問で出題された需要曲線や均衡価格の問題を手元に置きながら、本書のどの単元が関連しているかを逆引きすると、理解が一層深まります。
完全に理解した後に過去問に進むのではなく、1周目を終えた段階で過去問に触れ、「この問題を解くにはあの章が必要だ」と気づいた時点で本書に戻る往復学習をお勧めします。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
2周した。神戸大学の経済数学の種本と言われていたため選んだ。そこそこの解説に加えて演習問題もついており、マセマのキャンパス・ゼミであまり解説されていない部分についても記載がある。
東北大学 経済学部 合格(2024年度) / 経済数学
注意点
本書は数学基礎に特化しているため、経済学の理論的な説明(例えば、なぜ需要曲線は右下がりなのかという経済学的背景)は詳しく扱っていません。そのため、必ず経済学の教科書やセミナーと並行して学ぶ必要があります。
本書のみで過去問に対応することは難しく、数学の手法は習得できても経済学の論点そのものの理解は別途取り組む必要があります。また、出版年が比較的過去の本となっているため、最新の出題傾向に完全には対応していない可能性があります。過去問を解く際には、現在の試験で頻出の論点に本書の内容がカバーしているかを確認してから活用してください。







