物理化学 真船 文隆 ,渡辺 正
物理化学は編入試験の中でも計算量が多く、概念の理解と計算技法の両方が求められる科目です。特に熱力学やエネルギーに関する問題では、公式を暗記するだけでなく、物理量の関係性を深く理解していないと応用問題で得点できません。本書は編入対策で頻出となる慣性モーメント、内部エネルギー、エントロピーなどの重要概念を体系的に扱い、受験生が陥りやすい理解の曖昧さを解消するのに適しています。
この本の位置づけ
本書は理学系・工学系・医療福祉系の幅広い学部志望者を対象とした標準的な物理化学の教科書です。大学初年級向けの内容であり、編入試験の難易度に合わせた専門的な参考書ではありませんが、出題される論点の基礎を確実に固めるために有用です。
他の物理化学テキストと比べると、本書は熱力学と力学の基本原理に重点を置いており、九州大学や大阪公立大学などの工学部・理学部の編入試験で繰り返し出題される「内部エネルギー」「エントロピー」「熱力学第一法則」といった論点に対して、十分な説明と例題が含まれています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
物理化学の学習を本格的に開始する時期(編入試験の約8~10ヶ月前)に導入することをお勧めします。この段階で基礎概念を整理しておくことで、その後の過去問演習や応用問題への対応がスムーズになります。
もし導入が遅すぎる場合、過去問で出題された個別のテーマごとに辞書的に参照することになり、全体像の理解が不十分なまま試験を迎える可能性があります。逆に導入が早すぎる場合、内容の定着が不完全なまま先に進むリスクがあるため、高校物理の基礎(力学・熱)の復習を済ませてから取り組むことが重要です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず各章を通読して、物理量の定義と関連式を把握してください。特に「慣性モーメント」「角運動量」「内部エネルギー」「エントロピー」の各単元は、編入試験で頻出なので丁寧に学習してください。各章の例題と練習問題を順に解き、公式の使い方を身につけます。
一度通読が終わったら、編入試験の過去問に移り、実際の問題で出題されている論点がこの本のどの章に対応しているかを確認してください。過去問を解いていて理解が曖昧な箇所があれば、本書に戻って該当単元を復習する往復学習を繰り返してください。この時点で本書は「概念確認用のリファレンス」として機能します。
注意点
本書は大学の教科書であり、編入試験に特化した参考書ではないため、掲載されている全ての内容が試験に出題されるわけではありません。学習の優先順位をつけるためにも、あらかじめ志望大学の過去問を確認し、出題頻度が高い論点から学習することをお勧めします。
また、出版年が経年している場合、最新の教科書版や関連データの更新がないことも念頭に置いてください。物理化学の基本原理は変わりませんが、必要に応じて最新版の入手も検討してください。本書の説明が難しく感じた場合は、より初歩的な参考書で基礎を整えた上で、再度取り組むことをお勧めします。







