グラフィックマクロ経済学 宮川 努 ,外木 暁幸,滝澤 美帆
マクロ経済学は、編入試験で頻出の科目ですが、グラフや数式が複雑に感じられ、概念の理解に時間がかかる受験生が多くいます。特に為替レート、物価水準、経済成長率といった基本概念の関連性を把握することが、編入試験の得点を左右します。本書は「グラフィック」の名の通り、図表を中心とした構成で、これらの概念を視覚的に学べる参考書です。
この本の位置づけ
本書は、マクロ経済学の基礎から応用まで、幅広いレベルに対応しています。福岡大学や鹿児島大学のような比較的基礎的な問題を扱う大学から、横浜国立大学や上智大学といったより高度な分析を求める大学まで、多くの編入試験で出題される論点をカバーしており、初級者から中級者向けの教材として機能します。
他の標準的なマクロ経済学教科書と異なり、本書は図解を最優先とした構成になっています。文字による説明を最小限に抑え、グラフの読み方や経済指標の相互関係を直感的に理解できる点が特徴です。そのため、数学的な厳密性よりも、概念の全体像をつかむことを重視する受験生に適しています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書は、編入試験対策の初期段階(受験準備開始から3〜4ヶ月前)に導入することをお勧めします。この時期に図表ベースで全体像を理解しておくことで、その後の過去問演習や詳細な計算問題への対応がスムーズになります。
早すぎる導入(受験準備6ヶ月以上前)の場合、内容を忘れてしまう可能性があります。逆に遅すぎる導入(2ヶ月以内)では、図表理解に時間を取られ、過去問演習の時間が不足するリスクがあります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
福岡大学経済学部
経済学
頻出テーマ名目為替レート、実質為替レート、インフレーション、恒常所得仮説、消費者物価指数、乗数効果
本書の該当ページ名目為替レート(p.312)、実質為替レート(p.318)、国際収支(p.56)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は通読ではなく、章立てに沿って「概念の理解→関連グラフの確認→経済指標との結びつけ」という順序で進めることをお勧めします。名目為替レート、実質為替レート、インフレーション、失業率といった重要概念は、それぞれのページで複数のグラフが提示されていますので、グラフを手で描き直しながら学習することで定着が深まります。
過去問との往復は、各章を終えた段階で実行してください。例えば「物価水準」の章を終えたら、志望大学の過去問から物価関連の問題を抽出して解き、本書のグラフと照合する学習サイクルが効果的です。特に経常収支、財政収支、三面等価の原則といった複合概念は、本書のグラフで理解した後、過去問で具体的な数値計算に進むと、理解が確実になります。
注意点
本書は図解主体のため、計算問題や数学的な導出過程の説明は限定的です。横浜国立大学や上智大学のように計算を伴う問題が多く出題される大学を志望する場合は、本書だけでなく、計算過程を丁寧に説明する補助教材との併用が必要になります。
また、本書に掲載されている具体的な経済数値や統計は、出版時点のものである可能性があります。過去問を解く際には、出題年の実際の経済指標と本書の説明にズレがないか確認してください。本書は概念理解に優れていますが、最新の経済動向や統計手法の変更(消費者物価指数の算出方法の改定など)については、志望大学の出題傾向を確認しながら補足学習をお勧めします。







