ライブ講義大学1年生のための数学入門 奈佐原 顕郎
大学編入試験の数学では、微積分や統計学の基礎概念を正確に理解していないと、複雑な問題設定に対応できません。本書は「大学1年生のための」と銘打つとおり、高校数学から大学数学へ移行する際に多くの受験生がつまずく微分積分、確率統計、線形代数の基本を丁寧に解説しています。理工系学部への編入を目指す場合、これらの基礎概念の定着が過去問演習の効率を大きく左右します。
この本の位置づけ
本書は、高校で学んだ数学の知識がある受験生を対象としています。「ライブ講義」という形式で、板書を追うように学べるため、参考書を読むだけでは理解しにくい微分積分や統計の概念を、段階的に吸収できます。 他の編入対策向け数学参考書は過去問の解法パターン習得に比重があるのに対し、本書は理論的な背景にページを割いています。そのため「なぜその公式を使うのか」という疑問に答え、応用問題への対応力を高める設計になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の準備を始める際、最初の2〜3ヶ月で読むことをお勧めします。過去問に取り組む前の基礎固めの段階で導入すると、その後の問題演習で「この概念は本書のどこで学んだな」と結びつきやすくなります。 もし準備期間が限られている場合、本書を後回しにして過去問から始めると、計算手順は覚えても「なぜこう解くのか」の理解が浅くなり、応用問題で対応できなくなる可能性があります。逆に本書だけで完結させ、過去問演習に十分な時間を取れないと、実戦での時間配分や出題形式への慣れが不足します。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
統計学数学
頻出テーマ区間推定、母平均、母標準偏差、微分積分、三角関数、多項式
本書の該当ページ母標準偏差(p.233)、母平均(p.231)、区間推定(p.236)、多項式(p.30)
東京工科大学全学部
数学
頻出テーマ三角関数、部分分数分解、部分積分、複素数、絶対値
本書の該当ページ絶対値(p.73)、複素数(p.141)、三角関数(p.95)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず全体を通読するのではなく、自分が受験する学部の出題傾向に合わせて必要な章から読み始めます。例えば統計学が出題比重の高い日本大学理工学部なら、確率変数や信頼区間、区間推定などの統計関連章を優先させます。 読むときは、本文の説明を一度読んだ後、実際に手を動かして例題を解くことが重要です。単に目で追うだけでは、微分積分や対角化などの計算操作が身につきません。各章を読み終わったら、その単元に関連する過去問2〜3年分を解いて、学んだ概念がどの問題で使われているのか確認するサイクルを繰り返します。このようにして、参考書と過去問を往復させながら理解を深めていきます。
注意点
出版年が経過している可能性があるため、最新の編入試験出題傾向との照合が必要です。本書は大学1年生向けの教科書的な参考書のため、編入試験特有の時間制約や出題形式(マーク式・論述式など)への対策が含まれていません。本書で基礎を固めた後は、過去問演習で実際の試験形式に適応していく必要があります。 また、本書が扱っていない単元が出題される可能性もあります。受験先の学部別の過去問を入手したら、その傾向を確認し、本書にない範囲は別の参考書や講義動画で補うといった柔軟な対応をお勧めします。







