経済学で出る数学 ワークブック
経済学の編入試験では、効用関数や需要曲線といった概念を理解するだけでなく、それらを数学的に扱う能力が問われます。特に微分を使った最適化問題は筑波大学や大阪大学の出題に頻出ですが、高校数学では習わない手法が多いため、ここでつまずく受験生は少なくありません。本書は経済学に必要な数学を、実際の経済現象と結びつけながら学べるワークブックです。
この本の位置づけ
本書は、高校数学の既習内容では不足している受験生を対象としています。微積分の基礎から経済学への応用まで、段階的に学習できる設計になっており、数学が苦手でも経済学の編入対策を進めたい方に適しています。
同じ経済数学の参考書の中でも、本書はワークブック形式であり、読むだけでなく手を動かして問題を解く構成が特徴です。理論解説と演習問題がセットになっているため、抽象的な概念を具体的に理解しやすくなっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入対策の初期段階、遅くとも受験年の夏頃までに取り組むことをお勧めします。微分や最適化の単元(p.132以降)は、その後の過去問演習で頻出分野を解く際の基礎となるためです。
もし秋以降に始めると、計算技法の習得に時間をとられ、過去問を十分に解く期間が限られてしまう可能性があります。逆に早すぎる場合、経済学の全体像がまだ見えていないと、数学の学習が抽象的に感じられるかもしれません。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
第1章から順に進めることをお勧めします。関数と変数の基礎(p.2)から始まり、指数・対数(p.75)、微分と最適化(p.132)へと段階を踏むことで、経済学の問題に必要な数学技法が体系的に身につきます。
各章を一読した後は、経済学の教科書や講義ノートで習った具体的な単元に戻り、本書の対応ページを参照して計算方法を確認するという往復学習が効果的です。たとえば効用最大化(p.190)を学んだら、実際の過去問で効用関数や予算制約の問題に取り組み、本書の手法を応用する流れです。
ワークブックですので、各問題は自分で紙に解いて、計算過程を残すようにしてください。数学の理解は手を動かすことで深まります。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.2 第1章 関数と変数「$y$切片」がここで扱われています
- p.75 第3章 指数と対数「72ルール」がここで扱われています
- p.99 第4章 数列と級数「キャッシュフロー」がここで扱われています
- p.132 第5章 微分と最適化「需要の価格弾力性」がここで扱われています
- p.168 第6章 ベクトルと予算制約「三平方の定理」がここで扱われています
- p.190 第7章 多変数関数の微分と効用最大化「ラグランジュの未定乗数法」がここで扱われています
注意点
本書は数学の道具としての側面に重点を置いているため、経済学の理論的な背景(なぜそのような関数を使うのか、その経済的意味は何か)については、別途経済学の教科書で補う必要があります。本書だけでは不十分な点に注意してください。
本書のカバーしている分野は微分を中心とした単変数・多変数関数の領域ですが、大学によっては線形代数(行列)や積分を用いた問題も出題される場合があります。過去問を見て、本書では触れられていない単元が出題されている場合は、別途対策が必要です。







