ミクロ経済理論 = Microeconomic Theory 荒井 一博
編入試験のミクロ経済学では、需要曲線から供給関数、市場均衡まで、単元どうしのつながりを理解できていないと得点に結びつきません。福島大学・東洋大学・長崎大学の出題傾向を分析すると、効用最大化や完全競争市場における価格変化の影響が繰り返し問われており、概念の理解と計算の両方が求められています。本書は、これらの核となる理論を体系的に学べる教科書です。
この本の位置づけ
本書は、大学の講義で使われることを想定した理論系の教科書です。編入を目指す受験生であれば、ある程度の経済学の基礎知識(供給と需要の基本)がある方向けの内容になっています。グラフを多用した解説書や問題演習中心の参考書と異なり、理論の前提となる仮定から丁寧に説明する構成が特徴です。
他の入門向け教科書と比べると、本書は「なぜそうなるのか」という因果関係の説明に重点を置いています。一方、編入試験では計算問題も頻出であるため、本書だけでは過去問レベルの演習量を確保しにくい点は意識しておく必要があります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
ミクロ経済学の学習を始める際の「基礎理論の定着期」、つまり受験勉強の3~4ヶ月前から導入することをお勧めします。この時期に本書で概念をしっかり理解しておくことで、その後の過去問演習がスムーズになります。
逆に試験直前(1ヶ月以内)に導入するのは避けてください。新しい理論を学ぶには時間が必要であり、直前期は過去問の反復と弱点補強に充てるべきです。また、全く経済学の基礎がない状態で使うと、用語や概念の理解に時間がかかりすぎる可能性があります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次で全体像をつかんでから、自分が受験する大学の過去問で繰り返し出ている単元から読み始めるのが効果的です。福島大学・東洋大学・長崎大学の過去問では、価格変化と効用最大化、完全競争市場の供給関数などが頻出なため、該当する章を優先的に学習してください。
本書で理論を読み進める際は、グラフを自分で描いて確認するクセをつけてください。特に価格変化が需要曲線や供給関数に与える影響を、単に読むのではなく「手を動かして」理解することが重要です。その後、同じテーマで過去問を解くというように、理論と問題を往復させながら進めると知識が定着しやすくなります。
注意点
本書は理論教科書であり、出版年を確認した上で最新版を使用してください。ミクロ経済学の基本理論は変わりませんが、版が古い場合は新しい版の購入を検討してください。
本書は体系的な理論解説を得意としている一方で、編入試験の計算問題や数値例が十分に載っているとは限りません。特に操業停止点の計算や価格弾力性の問題演習は、別途問題集を併用する必要があります。また、本書でカバーしきれない応用的なテーマ(例えば非完全競争市場や情報の非対称性など)が出題される可能性もあるため、過去問で頻出テーマを事前に確認しておくことをお勧めします。







