例題から学ぶマクロ経済学の理論 = Macroeconomics Theory Learned from Examples 武隈 慎一
マクロ経済学は編入試験の頻出科目ですが、定常状態や資本蓄積といった概念の理解が不十分だと、応用問題で得点を落としやすい分野です。特に京都大学経済学部の出題では、これらの論点が繰り返し問われています。本書は「例題から学ぶ」というアプローチで、理論を具体的に習得することを目指しており、抽象的な概念の定着に役立つ構成になっています。
この本の位置づけ
本書は、マクロ経済学の基礎概念をすでに一通り学んだ受験生を対象としています。講義で学んだ理論を「自分で使える知識」に変えるため、例題を通じて再構築したい段階での利用に適しています。
一般的な参考書では定常状態や資本蓄積について説明に留まることが多いのに対し、本書は例題ベースで理論を掘り下げるため、同じ論点でも「なぜそうなるのか」という理解の深さが異なります。数式との向き合い方も体系的に学べる点が特徴です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書の導入は、大学の講義でマクロ経済学の全体像を学んだ後、編入試験対策として過去問研究を始める前段階が最適です。おおよそ編入受験の6~8ヶ月前からの利用が目安になります。
導入が早すぎると、まだ基礎概念が安定していないため例題の意図が活かしきれません。一方、過去問演習が大詰めの段階で導入すると、理論の再確認に時間が割かれ、実践的な問題演習時間が不足する可能性があります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
経済学
頻出テーマ政府購入、貨幣供給量、貿易収支、所得分配、貨幣市場、貨幣供給
本書の該当ページ政府購入(p.24)、貨幣供給量(p.94)、貿易収支(p.87)、所得分配(p.130)
経済学
頻出テーマ資本分配率、資本労働比率、限界消費性向、恒常所得仮説、成長モデル、産出量
本書の該当ページ資本分配率(p.130)、資本労働比率(p.132)、限界消費性向(p.40)、恒常所得仮説(p.43)
経済学数学
頻出テーマ貨幣供給量、限界消費性向、所得分配、貨幣市場、消費性向、産出量
本書の該当ページ貨幣供給量(p.94)、限界消費性向(p.40)、所得分配(p.130)、貨幣市場(p.65)
経済学
頻出テーマ所得分配率、貨幣供給量、資本分配率、ハイパワード・マネー、労働分配率、限界消費性向
本書の該当ページ所得分配率(p.128)、貨幣供給量(p.94)、資本分配率(p.130)、ハイパワード・マネー(p.72)
新潟大学経済科学部
経済学
頻出テーマハイパワード・マネー、限界消費性向、恒常所得仮説、恒常所得、貨幣市場、財市場
本書の該当ページハイパワード・マネー(p.72)、限界消費性向(p.40)、恒常所得仮説(p.43)、恒常所得(p.43)
経済学数学
頻出テーマ資本労働比率、限界消費性向、定常状態、賃金率、物価水準、総需要
本書の該当ページ資本労働比率(p.132)、限界消費性向(p.40)、定常状態(p.135)、賃金率(p.105)
近畿大学経済学部
数学経済学
頻出テーマ貨幣供給量、限界消費性向、貨幣市場、財市場、定常状態、為替レート
本書の該当ページ貨幣供給量(p.94)、限界消費性向(p.40)、貨幣市場(p.65)、財市場(p.42)
福岡大学経済学部
経済学
頻出テーマ恒常所得仮説、貿易収支、インフレーション、物価水準、為替レート
本書の該当ページ恒常所得仮説(p.43)、貿易収支(p.87)、インフレーション(p.110)、物価水準(p.104)
経済学
頻出テーマ貨幣供給量、貨幣市場、貨幣供給、インフレーション、古典派
本書の該当ページ貨幣供給量(p.94)、貨幣市場(p.65)、貨幣供給(p.94)、インフレーション(p.110)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は最初から順番に読み進めるのではなく、京都大学の過去問を先に見て、出題された定常状態や資本蓄積に関する設問と、本書の対応する例題をマッピングすることをお勧めします。その上で、該当する例題を何度か読み込み、数式の導出プロセスを自分のノートに写して確認してください。
一度読んだ後は、実際の過去問に挑戦し、解く過程で本書の例題に戻るという往復学習が効果的です。分からない部分に直面したら、すぐに本書の当該例題に立ち戻り、理論との結びつけを意識しましょう。
注意点
本書の出版年が明記されていないため、マクロ経済学の基礎理論は変わらないとはいえ、最新の研究動向や試験出題傾向との乖離がないか確認してから利用することをお勧めします。
また、本書が扱う例題は京都大学の出題スタイルと完全には一致しない可能性があります。そのため、本書のみに頼るのではなく、過去問演習の補助教材として位置づけ、実際の出題形式への対応力は過去問を通じて身につけることが重要です。本書でカバーされていない他の論点については、別の参考書や講義資料で補う必要があります。




