やさしく学べる線形代数 石村 園子
線形代数は大学編入試験の数学で頻出ですが、行列の計算や固有値・固有ベクトルといった概念で多くの受験生がつまずきます。本書は「やさしく学べる」というタイトル通り、数学が苦手な方でも線形代数の基礎から丁寧に学べる入門書です。編入試験の数学対策として、基礎固めの段階で活用できる一冊です。
この本の位置づけ
本書は、線形代数の基本的な考え方と計算技法を習得したい初心者向けの参考書です。高校数学からのギャップが大きい場合や、大学で習った線形代数の内容を改めて整理し直したい受験生に適しています。
同じく初心者向けの線形代数の本と比べると、本書は説明の丁寧さを重視しており、図解を交えながら概念をかみ砕いて解説している点が特徴です。一方、より高度な理論的背景まで詳しく学びたい場合は、別の専門書を選ぶ必要があります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の数学対策として線形代数を学ぶ際は、受験生活の比較的早い段階(1年前から8ヶ月前程度)に、基礎理解の補強として導入することをお勧めします。この時期に本書で概念を明確にしておくと、その後の過去問演習で計算が素早くなります。
もし導入が遅すぎると(3ヶ月前以降)、限られた時間を基礎説明に費やすことになり、過去問演習に十分な時間が取れなくなる可能性があります。逆に導入が早すぎても特に問題はありませんが、その場合は本書を一度読んだ後、定期的に復習することが大切です。
使い方
本書は最初から順序通りに読むことをお勧めします。各章を読み進める際は、本に載っている計算例を自分で手を動かしながらなぞることが重要です。単に読むだけでなく、ノートに計算過程を写すことで、概念と計算の流れが身につきやすくなります。
本書で基礎を理解した後は、編入試験の過去問に進み、実際の試験問題で線形代数がどのように出題されるのかを確認してください。過去問を解く中で「この計算の意味がよく分からない」という部分が出たら、本書に戻って該当する章を確認する、という往復学習が効果的です。
注意点
本書の出版年を事前に確認し、線形代数の標準的な内容をカバーしている最新版を入手してください。古い版の場合、現在の大学編入試験で出題される内容と齟齬が生じる可能性があります。
本書はあくまで基礎的な内容を扱っているため、高度な固有値問題や対角化の応用、複素行列など、試験によっては出題される応用的な単元がどこまで詳しく説明されているかを確認してから購入することをお勧めします。難易度が低いため、すでに線形代数の基礎をしっかり理解している方には物足りなく感じられるかもしれません。







