マンガ+要点整理+演習問題でわかる無機化学 齋藤 勝裕 ,増田 秀樹
無機化学は暗記が中心だと思われがちですが、編入試験では物質の構造や性質の理由を問う問題が繰り返し出題されます。特に鹿児島大学医学部や名古屋工業大学では、物質の三態、炭素同素体、導体の性質といった基礎概念の理解度が合否を分ける傾向にあります。本書はマンガと図解で概念を視覚的に理解してから、演習問題で定着させる流れになっており、暗記だけでは解けない問題への対応力が身につきます。
この本の位置づけ
本書は高校化学の基礎がおおよそ定着している大学1〜2年生向けです。マンガと要点整理のセットで、難しい概念を噛み砕いて説明しており、化学が苦手な受験生でも無理なく読み進められる構成になっています。
無機化学の参考書には、丸暗記を前提とした辞書的な本もあれば、大学レベルの理論を先行させる本もあります。本書の特徴は「なぜそうなるのか」という理由づけに重点を置きながらも、編入試験に直結する範囲に絞っている点です。原子核の崩壊、酸塩基、遷移元素といった単元は、過去問で頻出する項目に対応しています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
化学の基礎科目を終えた大学1年秋冬から、遅くとも編入試験の1年前には導入すべき本です。早期に取り組むことで、各単元の「なぜ」を理解したうえで、より難度の高い問題演習や過去問に進むことができます。
逆に試験直前に初めて読むと、マンガと要点整理のページを読むだけで時間が消費され、演習問題まで到達しないまま試験を迎えるリスクがあります。また、基礎学力が不足した状態で使うと、マンガの説明だけでは追いつかない場合があるため、高校化学の復習を先に済ませておくことが望ましいです。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
鹿児島大学医学部
化学
頻出テーマ物質の三態、物質の状態、ダイヤモンド、グラファイト
本書の該当ページグラファイト(p.136)、物質の状態(p.42)、物質の三態(p.42)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず各章のマンガと要点整理を読んで全体像をつかみ、その後に演習問題に取り組むという順序が効果的です。演習問題で間違えた場合は、すぐに解説を読むのではなく、該当する章のマンガと図解に戻って、なぜそうなるのかを確認する習慣をつけましょう。
本書の演習問題だけでは編入試験の問題形式(特に計算問題や図解を用いた選択肢問題)に十分対応できないため、各単元の理解が定着した後は、過去問や他の演習問題集へ移行することが重要です。本書で「なぜ」を理解してから過去問に向かう、という往復を意識してください。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.18 問題 2 原子核の崩壊反応について次の問いに答えよ.
- p.66 第4章 酸・塩基「HSAB則」がここで扱われています
- p.143 第8章 遷移元素の性質「アクチノイド」がここで扱われています
注意点
本書は化学の全範囲をカバーしているわけではなく、無機化学に特化しています。有機化学の対策は別の参考書が必要な点に注意してください。また、掲載されている演習問題は基礎から標準レベルが中心であり、難関大学の編入試験に対応する発展的な問題は含まれていません。鹿児島大学医学部や名古屋工業大学の過去問で求められるレベルをクリアするには、本書での理解を土台として、過去問演習で実践力を養う必要があります。
さらに、本書の初版からの改訂状況の詳細は確認できていないため、購入前に最新版であることを確認することをお勧めします。







