マクロ経済学をつかむ 竹田 陽介,小巻 泰之
マクロ経済学の編入試験では、市場均衡やIS-LM分析、金融政策と財政政策の相互作用といった論点が繰り返し問われます。しかし、教科書的な説明だけでは、なぜそうした現象が起きるのか、経済全体の中でどう位置づけられるのかが曖昧なままになりやすいです。本書は、経済主体の行動から国全体の経済循環まで、段階的に理解できる構成になっており、編入試験で頻出の概念を体系的に学べます。
この本の位置づけ
本書は、高校までの経済学とは異なる「大学レベルのマクロ経済学」を初めて学ぶ受験生向けです。完全失業率、付加価値、三面等価の原則といった基礎的な定義から始まり、金融政策や財政政策といった応用的なテーマまでカバーしているため、予備知識がない状態でも読み進められます。 他の入門書との違いは、単に概念の説明に留まらず、経済全体の相互連関を重視している点です。市場均衡から財政政策、為替レートといった各章の論点が、どのように影響し合うかを意識しながら学べるため、過去問で問われる複合的な問題にも対応しやすくなります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
導入は大学1年生の夏から秋にかけてが目安です。編入試験の準備を始める時期は大学1年の後半から2年の初夏が多いため、その3~4ヶ月前に基礎を固めておくと、その後の過去問演習がスムーズになります。 早すぎる場合(1年の春)は、高校までの経済知識との接続がしにくく、用語の定義で躓く可能性があります。逆に遅すぎる場合(2年の秋以降)は、過去問の演習期間が限定され、本書で学んだ知識を試験実践で活かす時間がなくなってしまいます。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
マクロ経済学
頻出テーマ金融政策、IS-LM 分析、クラウディングアウト、実質利子率
本書の該当ページ実質利子率(p.148)、金融政策(p.230)、クラウディングアウト(p.210)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まずp.33の第1章で、市場均衡や利潤最大化といった基本概念を確認し、p.93の第2章で三面等価の原則や完全雇用といったマクロ経済全体の構造を理解してください。その後、第4章の財政政策やp.224以降の金融政策の章に進み、政策が経済全体に与える影響を学びます。 各章を読んだ後は、志望校の過去問で同じテーマが問われている箇所を探し、本書の該当ページに戻って確認する往復学習が効果的です。特にIS-LM分析やクラウディングアウトといった複合的な論点は、本書で理解した後に過去問で応用形式を経験することで、出題パターンの違いに対応できるようになります。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.33 第1章 経済主体と市場「ケインズ型消費関数」がここで扱われています
- p.93 第2章 マクロ経済の概観「公共投資」がここで扱われています
- p.136 第3章 重複世代モデル
- p.171 第4章 財政政策「年金制度」がここで扱われています
- p.199 第5章「ワルラス法則」がここで扱われています
- p.224 第7章「LM 曲線」がここで扱われています
- p.259 第9章「変動相場制」がここで扱われています
注意点
本書の出版年を確認し、経済データや政策制度の説明が最新のものになっているか念のため確認してください。金融政策や税制に関する記述は、法律改正や新しい政策導入に伴い変わることがあります。 また、本書はマクロ経済学の入門的な内容を扱っているため、高度な数学モデルや最新の経済理論までは カバーしていない可能性があります。志望校の過去問で特殊な理論や統計手法が問われている場合は、別途専門的な参考書との組み合わせが必要です。あわせて、本書では為替レートや国際比較といった章も含まれていますが、志望校の出題傾向によっては優先度を調整し、国内経済政策に絞った学習も選択肢になります。







