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単位が取れる物理化学ノート 吉田 隆弘

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単位が取れる物理化学ノート 吉田 隆弘

本記事は、物理化学の編入対策における参考書選びについてお答えします。物理化学は熱力学やエネルギー保存則など抽象的な概念が多く、公式の意味を理解できないまま先に進んでしまう受験生が多くいます。特に大阪大学工学部の物理では、熱力学第一法則や断熱過程といった基礎概念の理解が、複雑な問題を解くうえで不可欠です。『単位が取れる物理化学ノート』は、こうした基礎概念を丁寧に解説した入門書として、初学者が物理化学の土台を作るのに適した一冊です。

この本の位置づけ

本書は物理化学をはじめて学ぶ受験生、特に高専や短大出身で大学物理の履修が不十分な方に向いています。大学レベルの講義ノートをまとめたスタイルになっており、概念の「なぜ」を丁寧に追っていくため、数式だけでは理解しづらい分野でも段階的に学べます。

他の参考書と異なり、本書は物理化学の全体像をコンパクトにカバーしながら、大阪大学工学部の過去問で繰り返し問われる熱力学第一法則、温度変化、エネルギー保存、断熱過程、理想気体といった論点を着実に押さえています。一方、問題演習に特化した参考書ではないため、基礎を固めたあとは過去問演習に進む必要があります。

いつどのタイミングの編入受験生におすすめか

導入時期は編入試験まで6ヶ月以上ある時点が目安です。物理化学の前提知識として普通化学や微積分の基礎を習得したあと、本格的な受験対策を始める段階で取り組むのが効果的です。試験まで3ヶ月を切ってからの導入では、概念理解に時間を取られ、過去問演習の期間が十分に確保できなくなる可能性があります。

逆に、試験まで時間がある早期段階から始めれば、複数回の繰り返し学習によって知識を定着させ、その後の演習問題へスムーズに移行できます。焦らず丁寧に理解を積み重ねることで、応用問題への対応力も高まります。

ターゲット大学と対策できるテーマ

過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。

電気通信大学情報理工学域

数学

頻出テーマ定積過程、準静的過程、相転移、ネルンストの式、エンタルピー、定圧過程

本書の該当ページ定積過程(p.38)、準静的過程(p.33)、相転移(p.77)、ネルンストの式(p.161)

お茶の水女子大学理学部

化学数学

頻出テーマ定積熱容量、自発変化、不可逆過程、ギブスエネルギー、エンタルピー、ファンデルワールスの状態方程式

本書の該当ページ定積熱容量(p.42)、自発変化(p.82)、不可逆過程(p.72)、ギブスエネルギー(p.83)

筑波大学理工学群

化学数学物理

頻出テーマ定常状態近似、活量、反応進行、ギブスエネルギー、定圧過程、エンタルピー

本書の該当ページ定常状態近似(p.173)、活量(p.151)、反応進行(p.110)、ギブスエネルギー(p.83)

関西大学化学生命工学部

化学数学

頻出テーマヘルムホルツエネルギー、ギブスエネルギー、熱力学第3法則、エンタルピー、ヘスの法則、自由エネルギー

本書の該当ページヘルムホルツエネルギー(p.85)、ギブスエネルギー(p.83)、熱力学第3法則(p.79)、エンタルピー(p.40)

九州大学理学部

物理

頻出テーマ状態量、準静的過程、マクスウェルの関係式、不可逆過程、全微分、自由エネルギー

本書の該当ページ状態量(p.35)、準静的過程(p.33)、マクスウェルの関係式(p.95)、不可逆過程(p.72)

神戸大学理学部

化学物理

頻出テーマ定積過程、エンタルピー、定圧過程、活性化エネルギー、仕事、可逆過程

本書の該当ページ定積過程(p.38)、エンタルピー(p.40)、定圧過程(p.39)、活性化エネルギー(p.171)

東北大学理学部

化学

頻出テーマ定常状態近似、ギブスエネルギー、反応速度式、活性化エネルギー、二次反応、エントロピー変化

本書の該当ページ定常状態近似(p.173)、ギブスエネルギー(p.83)、反応速度式(p.165)、活性化エネルギー(p.171)

新潟大学理学部

化学物理

頻出テーマ反応進行度、ギブスエネルギー、仕事、標準生成エンタルピー、実在気体、カルノーサイクル

本書の該当ページ反応進行度(p.110)、ギブスエネルギー(p.83)、仕事(p.29)、標準生成エンタルピー(p.54)

筑波大学生命環境学群

生物

頻出テーマ反応速度式、エンタルピー、律速段階、活性化エネルギー、半減期、還元反応

本書の該当ページ反応速度式(p.165)、エンタルピー(p.40)、律速段階(p.173)、活性化エネルギー(p.171)

近畿大学理工学部

化学

頻出テーマヘスの法則、標準生成エンタルピー、一次反応、エントロピー変化、半減期、エンタルピー変化

本書の該当ページヘスの法則(p.51)、標準生成エンタルピー(p.54)、一次反応(p.166)、エントロピー変化(p.80)

東京海洋大学海洋生命科学部

化学

頻出テーマ浸透圧、活性化エネルギー、一次反応、半減期、状態方程式

本書の該当ページ浸透圧(p.147)、活性化エネルギー(p.171)、一次反応(p.166)、半減期(p.168)

茨城大学理学部

数学化学

頻出テーマヘスの法則、活性化エネルギー、標準生成エンタルピー、電気化学、生成エンタルピー

本書の該当ページヘスの法則(p.51)、活性化エネルギー(p.171)、標準生成エンタルピー(p.54)、電気化学(p.153)

※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。

使い方

学習の進め方として、まず1周目は準静的過程(p.33)からエンタルピー(p.40)までの基礎セクションを読み、物理化学の基本となる熱力学の考え方を理解することをお勧めします。その後、分圧の法則(p.9)や相変化にともなうエントロピー変化(p.77)といった各論点を順次学んでいきます。

2周目以降は、各セクションを読んだあとに、対応する大阪大学の過去問を実際に解いてみてください。本書で学んだ概念が過去問にどのように出題されるのかを確認することで、「理解」が「得点力」に変わります。わからない部分があったら本書に戻り、該当ページを復習する往復学習が効果的です。

複数回の繰り返しを想定した設計になっているため、3周〜4周することで知識が確実に定着する傾向が見られます。時間に余裕がある場合は、2周までで基本を固め、その後は過去問中心の演習にシフトするバランスも検討してください。

編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。

  1. p.9 分圧の法則
  2. p.33 準静的過程
  3. p.40 エンタルピー
  4. p.54 標準生成エンタルピー
  5. p.77 相変化(相転移)にともなうエントロピー変化
  6. p.87 自由エネルギーとは何か
  7. p.110 反応進行度 ξ
  8. p.147 浸透圧

この本を使った合格者の声

オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。

3周。わかりやすく、当時は理解していくのではなく、ひたすら暗記していた。

お茶の水女子大学 理学部 合格(2024年度) / 化学

4周した。

お茶の水女子大学 理学部 合格(2027年度) / 物理化学

先ほどの分野の問題がほぼ全て解けるようになるまで演習した。初学者向けで、4周行った。

神戸大学 工学部 合格(2026年度) / 化学

2周した。多少大学の科学の知識を入れておこう程度の気持ちで、気合を入れて勉強したわけではないが参考になった。

名古屋大学 工学部 合格(2026年度) / 化学

注意点

本書は初学者向けの入門書であるため、難問や応用問題への対応力を直接養うには限界があります。大阪大学工学部の入試問題には標準レベルから応用レベルまで幅広い出題があるため、本書の学習後は必ず過去問演習に進むことが重要です。

また、本書は概念理解に重点を置いているため、計算問題の演習量は他の問題集よりも少なくなっています。数値計算や複雑な式変形が必要な問題については、本書と並行して演習問題集を使用することをお勧めします。

なお、本書の出版年を確認のうえ、より新しい版が利用可能かどうか確認してください。物理化学の基本原理は変わりませんが、大学の試験傾向は年々変化するため、なるべく最新の過去問と併せて学習することが合格への近道です。

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