困ったときの有機化学 上
有機化学の編入試験では、構造式の理解や反応機構の論理的追跡が求められますが、これらの基礎がぐらついていると得点が伸びにくい科目です。本記事は、「困ったときの有機化学 上」が編入対策でどのように機能するかを、実際の出題傾向と合わせて紹介します。この本は、基本的な概念から立体化学まで、試験に繰り返し現れる論点を丁寧に解説しています。
この本の位置づけ
本書は、有機化学の基礎を体系的に学び直したい受験生向けです。構造式、置換基、カルボカチオン、フィッシャー投影式やニューマン投影式といった「見える化」が必要な単元を、図解を交えて解説するため、独学で理解の穴を埋めるのに適しています。
他の有機化学参考書と比べ、本書は「困ったとき」というタイトルの通り、つまずきやすい概念に特化した構成になっています。広島大学や島根大学の編入試験で頻出の立体化学(エナンチオマー、ジアステレオマー、立体配置)やグリニャール反応といった反応機構も、段階を踏んで学べます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
遅くとも編入試験の8ヶ月前には手元に置き、基礎固めの時期に1冊目の参考書として導入することをお勧めします。基礎概念が不十分なまま過去問に進むと、反応機構の解説を読んでも「なぜこう動くのか」がつかめず、時間だけが失われます。
逆に、すでに有機化学の全体像を理解している場合は、本書を最初から最後まで読む必要はなく、苦手単元(立体化学など)を部分的に参照する辞書的な使い方で十分です。遅く導入した場合も、この柔軟な参照方法なら過去問対策の合間に活用できます。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
東京海洋大学海洋生命科学部
化学(有機化学)
頻出テーマ構造式、反応機構、置換基、立体化学、カルボカチオン、フィッシャー投影式
本書の該当ページ置換基(p.111)、フィッシャー投影式(p.139)、ニューマン投影式(p.92)
広島大学生物生産学部
有機化学
頻出テーマエナンチオマー、ジアステレオマー、フィッシャー投影式、ニューマン投影式、立体配置
本書の該当ページフィッシャー投影式(p.139)、エナンチオマー(p.131)、ニューマン投影式(p.92)
島根大学医学部
化学
頻出テーマ共鳴構造、グリニャール反応
本書の該当ページ共鳴構造(p.17)、グリニャール反応(p.275)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初は序盤から順序立てて読み、構造式と立体化学の基本をインプットしてください。特に置換基、カルボカチオン、フィッシャー投影式、ニューマン投影式のページは何度も目を通し、図を見ながら自分で簡単なスケッチを描く習慣をつけます。
例題が豊富に載っているため、読むだけでなく実際に手を動かし、反応機構を矢印で追いながら理解を確認してください。その後、志望大学の過去問で同じ反応が出てきたら、本書の該当ページに戻って確認する往復学習が有効です。
練習問題の反応機構をノートや単語帳に整理し、定期的に復習することで、本当の理解が定着します。東京海洋大学や広島大学の頻出単元(グリニャール反応、共鳴構造など)が出てきたら、その都度本書で原理を確認する使い方も効果的です。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
平易な文章で読みやすく、例題が豊富で試験対策に十分使用でき、6回以上周回した。練習問題の反応を単語帳に記載して毎日解いた。
京都大学 工学部 合格(2022年度) / 化学
注意点
本書の出版年を確認した上で導入してください。有機化学の基本原理は変わりませんが、最新の教科書との記述や用語に微細な差異が生じている場合があります。古い版を使う場合は、わからない箇所があれば最新の講義ノートや他の参考書で補うことをお勧めします。
本書は「上」巻のため、反応の種類によっては「下」巻の内容が必要になる可能性があります。特にアルデヒド・ケトン、カルボン酸誘導体といった単元を志望大学が問う場合は、あらかじめ出題範囲を確認し、必要に応じて下巻の購入も視野に入れてください。
また、本書は原理を丁寧に説明する反面、複雑な多段階反応や特殊な条件下での反応については十分な記載がない可能性があります。そのため、過去問で初めて見るタイプの反応が出たら、本書だけに頼らず、大学の講義資料や専門の問題集で補習することが重要です。







