心理学 第5版補訂版 鹿取 廣人,杉本 敏夫,鳥居 修晃,河内 十郎
心理学の編入試験では、感覚・知覚、学習・記憶、発達、社会心理学など幅広い領域から出題されます。しかし参考書によって扱う単元のバランスが異なるため、過去問で繰り返される論点を網羅できず、対策に穴が生じることがあります。本書は心理学の基礎から応用まで体系的にまとめた教科書型の参考書で、編入試験で頻出する主要な論点をカバーしています。
この本の位置づけ
本書は心理学部・心理学科を目指す受験生、および心理系の大学院受験を検討する受験生を対象としています。心理学の基本概念から臨床心理学まで、学部レベルの学習範囲をていねいに解説しているため、心理学を初めて体系的に学ぶ受験生に適しています。
他の心理学参考書と比べると、本書は教科書的なアプローチを取っており、理論の背景や歴史的な流れまで含めて説明します。そのため、試験問題で「なぜそうなるのか」という根拠が問われる場合に強みを発揮します。一方、問題演習に特化した参考書ではないため、過去問演習と組み合わせて使うことが前提となります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
心理学受験を決めた段階から導入することをお勧めします。遅くとも過去問演習を始める3ヶ月前には読み始めると、出題される理論や用語の背景を理解した上で過去問に取り組めます。
導入が遅すぎると、過去問を解く際に理論の全体像が頭に入らず、個別の問題でつまずく可能性があります。一方、早すぎる場合の実害はほぼありませんが、やや分量がある本なので、目的意識を持って読むことが効率的です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
心理学
頻出テーマ順序尺度、自我同一性、アイデンティティ、心の理論、意味記憶、エピソード記憶
本書の該当ページエピソード記憶(p.81)、意味記憶(p.81)、心の理論(p.42)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次を見て、受験予定の大学の過去問で出題されている単元から優先的に読み進めることをお勧めします。たとえば感覚・知覚が頻出であれば、第5章(p.162)から着手するなど、柔軟に順序を変えて構いません。
各章を読み終わったら、その章に対応する過去問を解いて、参考書の説明と実際の出題のされ方を結びつけます。特に「自我同一性」「心の理論」「代理強化」など、用語の定義が頻出する場合、本書のページを参照しながら過去問の問題文を読み返すと定着しやすくなります。
第1章(心理学の視点)には心理学の歴史や実験心理学、内観法など、試験の基本知識となる内容が含まれているため、全章を読み進める場合はここから開始するのが望ましいです。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.6 第1章 心理学の視点「空間周波数 cycle per degree, cpd」がここで扱われています
- p.25 第2章 行動の基本様式「オペラント operant条件づけ operant conditioning」がここで扱われています
- p.56 第3章 発達――遺伝と環境「初期経験」がここで扱われています
- p.85 第4章 学習・記憶「短期記憶」がここで扱われています
- p.162 第5章 感覚・知覚「パターン知覚 pattern perception」がここで扱われています
- p.197 第6章 思考・言語「スキーマ」がここで扱われています
- p.210 第7章 動機づけ・情動「視床下部」がここで扱われています
- p.247 第8章 個人差「プロフィール profile」がここで扱われています
注意点
本書は第5版補訂版で、比較的最近の版です。ただし心理学の理論体系は安定しているため、版の古さによる実務的な支障はほとんどありません。
本書はあくまで教科書型の参考書であり、過去問の選択肢レベルの細かい用語や、大学独自の講義で扱われた特殊な理論には対応していない可能性があります。過去問を解く中で、本書に載っていない用語や理論が出てきた場合は、別途調べるか、受験予定の大学のシラバスを確認することをお勧めします。また、本書は問題集ではないため、練習問題が豊富に含まれていません。必ず過去問演習と併用してください。







