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弘前大学医学部

弘前大学医学部保健学科の3年次編入|2026年度入学で募集停止

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-18​​‌​‌​‌​‌‌‌​​​​​​​‌​​‌‌​​​‌​​‌‌‌

弘前大学医学部保健学科の第3年次編入学は、すでに募集を停止しています。弘前大学が2025年2月に公表した「医学部保健学科第3年次編入学の学生募集停止について(予告)」には、「医学部保健学科第3年次編入学について,令和7年度に実施する令和8年度入学者選抜をもって学生の募集を停止します。したがって,令和9年度入学以降の第3年次編入学の学生募集は行いません。」と書かれています。最後の試験は2025年8月22日(第2次募集は2025年12月5日)に行われ、2027年度(2027年4月入学)以降は募集そのものがありません。

この記事を読んでいる方の多くは、看護・診療放射線・臨床検査・理学療法・作業療法のいずれかの短大や専門学校に在籍中か、その卒業生だと思います。弘前大学の保健学科は、5専攻すべてで編入を実施し、募集人員は合計30名という、国立大学の医療系編入としては珍しく枠の大きな制度でした。その進路が無くなったことをまず確定させたうえで、この記事では次の2つをお伝えします。1つは最後まで実施されていた試験の中身——専攻ごとに試験科目も出願資格も別建てで、ここには保健系の編入を考えるうえで今も使える読み方があります。もう1つはいま弘前大学で編入できる学部と、保健系で編入を続ける場合に見るべき大学です。

この記事で分かること

  • 弘前大学医学部保健学科の3年次編入は2026年度入学者選抜が最後で、2027年度以降は募集されないこと(大学公表の予告文にもとづく)
  • 最後の要項では5専攻すべてが募集対象で、合計30名(看護10・放射線5・検査5・理学療法5・作業療法5)だったこと
  • 作業療法学専攻だけが小論文で、残る4専攻は外国語(英語)だったこと。配点はどの専攻も学力100点+面接100点の200点満点
  • 出願資格が専攻ごとに完全に別建てで、いずれも対応する国家試験の受験資格が前提だったこと
  • 大学公表の実施結果では、直近5年で募集30名に対し入学者は合計6名、理学療法学専攻は5年連続で志願者0名だったこと
  • 弘前大学では理工学部と農学生命科学部の3年次編入が2027年度も実施されていること

志望校が募集を止めると、出願資格の条件が近い大学へ組み替える必要があります。医療系の編入は「国家試験の受験資格を持っているか」で出願できる大学が変わるため、条件を1校ずつ突き合わせないと候補が絞れません。

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募集停止2026年度入学者選抜が最後(2027年度以降は募集なし)
30名最後の要項の募集人員(5専攻の合計)
1専攻小論文だったのは作業療法学専攻のみ(他4専攻は英語)
6名直近5年(2022〜2026年度入学)の入学者の合計

募集停止は3つの公表資料で一致している

「本当に無くなったのか」は最初に確定させておく必要があります。弘前大学の公表資料は3か所で一致しています。

予告文(2025年2月)「医学部保健学科第3年次編入学について,令和7年度に実施する令和8年度入学者選抜をもって学生の募集を停止します。したがって,令和9年度入学以降の第3年次編入学の学生募集は行いません。」
弘前大学入試情報サイトに2025年2月27日付で掲載。作成名義は弘前大学
保健学科の入試情報ページページ冒頭に「■医学部保健学科第3年次編入学の学生募集停止について(予告)」の見出しと入試課ページへのリンクが置かれている。掲載されている編入の要項は令和8(2026)年度の第2次学生募集要項(2025年9月22日掲載)が最新で、それ以降の年度の要項は出ていない
編入学入試の募集要項ページ令和9(2027)年度入試として掲載されているのは医学部医学科・理工学部・農学生命科学部の3つだけ。保健学科の要項は掲載されていない。入試日程ページからも保健学科の行が外されている

募集停止の理由は公表されていません。予告文は3行だけで、背景の説明はありません。この記事でも理由の推測は書きません。なお停止したのは「第3年次編入学」だけで、医学部保健学科そのものは存続しています。高校からの一般選抜・総合型選抜は令和9(2027)年度も実施されており、募集要項が公開されています。

もう1点、混同しやすいので先に切り分けます。弘前大学医学部には医学科の2年次編入学(学士編入学)もありますが、これは保健学科とはまったく別の試験です。医学科の2年次編入は令和9(2027)年度も実施されています(日程・出願資格は大学公式の募集要項をご確認ください)。出願資格も試験科目も保健学科とは無関係ですので、保健学科の条件を医学科に当てはめないでください。医学科の学士編入は大学編入とは対策の枠組みが異なり、編入総研では扱っていません。

最後の要項|5専攻すべてが募集対象だった

ここからは、最後に実施された令和8(2026)年度の第3年次編入学学生募集要項の中身です。すでに出願できる試験ではありませんが、専攻ごとに条件がどう分かれていたかは、他大学の保健系編入を検討するときの読み方としてそのまま使えます。

募集単位医学部保健学科 看護学専攻/放射線技術科学専攻/検査技術科学専攻/理学療法学専攻/作業療法学専攻
募集人員合計30名(看護学10名・放射線技術科学5名・検査技術科学5名・理学療法学5名・作業療法学5名)
入学年次第3年次。3年次編入学生の修業年限は2年(ただし修得単位数や希望する免許によって3年以上になることがあると要項に明記)
選抜区分1区分のみ。推薦選抜の設定はなかった(同じ弘前大学でも理工学部は推薦選抜と一般選抜の2区分)
事前相談の期限受験・修学上の配慮が必要な方は2025年7月1日まで(出願期間の3週間前)
出願期間2025年7月22日(火)〜7月25日(金)17時必着(郵送・持参とも)
検定料30,000円。大学に請求して取り寄せる「払込取扱票」で郵便局・ゆうちょ銀行から払込み。取扱期間は出願期間初日の1週間前から
試験日・会場2025年8月22日(金)/弘前大学医学部保健学科(青森県弘前市本町66-1)
合格発表2025年9月12日(金)10時・保健学科ホームページ。電話での合否照会には応じない
入学手続2025年10月15日(水)・16日(木)/入学料282,000円・授業料 年額535,800円(いずれも要項時点の予定額)
第2次募集この年は第2次募集も実施。募集人員は5専攻とも若干名、出願2025年11月10日〜14日、試験日2025年12月5日(金)

注目してほしいのは第2次募集が毎年のように行われていた点です。令和8年度だけでなく、令和7年度・令和6年度・令和5年度・令和3年度にも第2次学生募集要項が掲載されています。第1次で定員に届かないため秋にもう一度募集する、という運用が常態化していました。この構造は、後で触れる実施結果と合わせて読むと意味が分かります。

専攻ごとに試験科目が違っていた

この試験のいちばんの特徴は、同じ学科・同じ試験日でありながら、専攻によって学力試験の科目が入れ替わることでした。要項の「専攻別試験実施科目等」と「配点」を1つの表にまとめます。

専攻募集人員外国語(英語)小論文面接配点合計
看護学専攻10名○ 100点○ 100点200点
放射線技術科学専攻5名○ 100点○ 100点200点
検査技術科学専攻5名○ 100点○ 100点200点
理学療法学専攻5名○ 100点○ 100点200点
作業療法学専攻5名○ 100点○ 100点200点

作業療法学専攻だけが小論文で、残り4専攻は英語。そしてどの専攻にも専門科目の筆記試験がありませんでした。ここが群馬大学など他の国立大学の保健学科編入とはっきり違うところです。群馬大学は専門科目300点+英語100点で専門の比重が4分の3を占めますが、弘前大学は学力試験1科目100点と面接100点が同じ重みで、面接が総得点の半分を占める設計でした。

試験時間も専攻で分かれていました。英語の4専攻は9:00〜10:30(諸連絡8:50〜9:00)、面接は11:00〜。作業療法学専攻だけ小論文9:00〜10:00、面接10:30〜という別立ての時程です。小論文は「専門科目に関する基本的事項に関する1題について800字以内で論述する」と要項に定められ、実際の問題冊子には「作成する時間は60分」「800字以内」「横書き」「試験開始後20分は退出できない」と注意事項が書かれていました。

面接は個人面接です。大学が要項に載せている入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)の別表では、編入学入試の個人面接について「志望理由,専門分野に関する興味関心についての質疑応答の内容から『意欲』,課外活動・ボランティア活動についての質疑応答の内容から『行動力』を評価します」と説明されていました。また同じ別表の注記に「編入学試験の個人面接では,志望理由書を基礎資料とします」とあります。ただし出願書類として志願理由書の提出を求められていたのは理学療法学専攻の志願者だけで、要項本文と別表の記述には差があります。面接の比重が総得点の半分だったことを踏まえると、この試験は筆記の1科目で差がつくというより、志望理由を自分の言葉で語れるかどうかが重かったと読むのが自然です。

出願資格は専攻ごとに完全に別建てだった

ここが最も誤解の多い部分です。「短大卒だから出願できる」「大学に2年いるから出願できる」という読み方は、この試験では成立しませんでした。要項の出願資格は専攻ごとに条文が分かれ、いずれも対応する国家試験の受験資格が必ずセットになっていました。

専攻学歴の要件(いずれかに該当)必ず併せて必要だった要件
看護学専攻大学または短期大学の看護関係学科を卒業/専修学校専門課程の看護関係学科を修了/高等学校等の専攻科の看護関係学科を修了保健師助産師看護師法 第21条各号のいずれかに該当(=看護師国家試験の受験資格)
放射線技術科学専攻短期大学の診療放射線技術関係学科を卒業/専修学校専門課程の同関係学科を修了診療放射線技師法 第20条第1号に該当(=診療放射線技師国家試験の受験資格)
検査技術科学専攻短期大学の臨床検査技術関係学科を卒業/専修学校専門課程の同関係学科を修了/大学を卒業臨床検査技師等に関する法律施行令 第18条第3号に規定する厚生労働大臣の指定した科目を修得
理学療法学専攻短期大学の理学療法関係学科を卒業/専修学校専門課程の同関係学科を修了/高等学校等の専攻科の同関係学科を修了理学療法士及び作業療法士法 第11条第1号もしくは第2号に該当(=理学療法士国家試験の受験資格)
作業療法学専攻短期大学の作業療法関係学科を卒業/専修学校専門課程の同関係学科を修了理学療法士及び作業療法士法 第12条第1号もしくは第2号に該当(=作業療法士国家試験の受験資格)

いずれも「2026年3月までに卒業・修了・該当する見込み」での出願が認められていました。読み取るべき点を3つに整理します。

  • 大学卒業(学士)で出願できたのは2専攻だけ。看護学専攻は「大学または短期大学の看護関係学科」に限られ、検査技術科学専攻は「大学を卒業した者」を認めるかわりに厚生労働大臣の指定科目の修得が条件でした。つまり医療と無関係の学部を卒業した方は、どの専攻にも出願できませんでした。大学編入で一般的な「大学に2年以上在学・◯単位以上」という区分は、この試験には存在しません
  • 高等学校等の専攻科から出願できたのは看護学専攻と理学療法学専攻の2つだけ。放射線技術科学・検査技術科学・作業療法学の3専攻には専攻科の区分がありませんでした
  • 専修学校専門課程からの出願には全専攻で共通の条件があり、修業年限2年以上かつ課程の修了に必要な総授業時間数1,700時間以上(文部科学大臣が定める基準)を満たす課程の修了者で、学校教育法第90条に規定する大学入学資格を有する者に限られました。出願時には出身校長が作成した総授業時間数の証明書の提出が必要でした

この「学歴要件+国家試験受験資格」の二段構えは、弘前大学に限らず国立大学の医療系編入に共通する型です。群馬大学も同じ構造をとっています。保健系の編入を他大学で続けるなら、まずこの2つを自分がいつ満たせるかを確定させるところから始めてください。

実施結果|募集30名に対し5年間の入学者は6名

弘前大学は「弘前大学編入学試験実施結果」を毎年公表しており、保健学科の3年次編入についても専攻別の数値が載っています。直近5年(入学年度ベース)は次のとおりです。

入学年度専攻募集人員志願者受験者合格者入学者
2026年度看護学105500
放射線技術科学51100
検査技術科学51100
理学療法学50000
作業療法学51111
合計308811
2025年度合計(看護7・検査2・作業1)3010931
2024年度合計(看護7・検査2)309711
2023年度合計(看護3・放射線3・検査1)307711
2022年度合計(看護2・放射線1・検査3)306622

5年分を合計すると、志願者40名・受験者37名・合格者8名・入学者6名です。受験者数÷合格者数で計算した倍率は4.6倍になります。ただしこの数字を難易度の指標として受け取らないでください。1年あたりの受験者が6〜9名しかおらず、母数が小さすぎるためです。合格者が0名の専攻・年度も多く、実質的には「定員を埋めるための選抜ではなく、水準に達していなければ合格を出さない試験だった」と読むのが正確です。募集30名に対して5年間の入学者が6名という状態が、第2次募集が毎年行われていた理由でもあります。

専攻別に見ると差がはっきりしています。理学療法学専攻は5年連続で志願者0名、放射線技術科学専攻も志願者が出たのは5年中3年です。志願者が集まっていたのは看護学専攻(5年で24名)で、合格者もこの専攻から5名出ています。一方で作業療法学専攻は5年で志願者が2名しかいませんが、その2名とも合格しています。志願者数と合格しやすさは連動していません。

なお、上の数値は大学が公表した実施結果をそのまま転記したもので、第1次募集と第2次募集の内訳には分けられていません。分母は受験者数(志願者数から欠席者数を引いた数)です。

募集停止を知って、志望校を組み直す必要が出てきた方へ。医療系の編入は実施校が限られるうえ、専攻ごとに出願条件が違うため、自分で全国を調べ直すのは時間がかかります。

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過去問から分かる英語と小論文の性格

弘前大学は保健学科の3年次編入について、過去2年分の試験問題と解答例を大学サイトで公開しています(志願者があった専攻のみ)。募集停止に伴っていずれ取り下げられる可能性はありますが、この記事の作成時点では2025年度入学・2024年度入学の2年分が公開されています。著作権の関係で引用文そのものは省略されていますが、出典と設問の形式は読み取れます。設問の中身はここには書きませんが、試験の性格が専攻でくっきり分かれていたことは共有する価値があります。

  • 看護学専攻の英語……長文1題に日本語で答える形式で、下線部の和訳と内容説明が中心。出典は医学論文ではなく一般向けの書籍・文学作品でした(公開されている2年分の出典は、コナン・ドイルの小説と、日本人著者による英語の一般書)。つまり専門用語の知識より、ふつうの英文を正確に読んで日本語に直す力が問われる試験でした
  • 検査技術科学専攻の英語……3つのパラグラフに区切られた1本の英文に、パラグラフ全体の和訳と内容説明を含む4問が付く形式。出典は医学・生命科学の学術誌の論説で、がん研究などの内容でした。同じ「英語100点」でも、看護学専攻とは読む文章の性質が大きく違います
  • 作業療法学専攻の小論文……60分・800字以内・横書き。要項の定義どおり「専門科目に関する基本的事項」に関する1題です

ここから引ける教訓は、「英語」という科目名だけでは対策が決まらないということです。同じ大学の同じ学科でも、専攻が違えば読まされる英文の種類が変わります。これから別の大学の保健系編入を受ける方は、科目名の一覧で判断せず、その大学がその専攻で公開している過去問を必ず1年分は見てから教材を選んでください。著作権の観点から、この記事では過去問の設問そのものは記載していません。

弘前大学でいま編入できる学部

保健学科の編入は無くなりましたが、弘前大学の3年次編入そのものが終わったわけではありません。令和9(2027)年度も、理工学部と農学生命科学部が実施しています。いずれも要項が公開済みで、日程は次のとおりです。

学部募集人員選抜区分出願期間試験日合格発表
理工学部10名(推薦選抜・一般選抜の合計)推薦選抜/一般選抜(両方への出願は不可)2026年6月29日〜7月3日2026年8月21日2026年9月3日
農学生命科学部若干名(学科・コース別)1区分2026年6月29日〜7月3日2026年8月18日2026年8月27日

ただし2027年度の出願期間はどちらもすでに終了しています。これから準備する方が狙えるのは2028年度(2028年4月入学)以降です。要項は例年4月ごろに弘前大学入試情報サイトの「編入学入試 → 募集要項」に掲載されています。保健学科の出身者が理工学部・農学生命科学部へ出願できるかどうかは、それぞれの要項の出願資格を必ず確認してください。両学部は保健学科と違い、短期大学・高等専門学校・専修学校専門課程の卒業(修了)者に加え、大学に2年以上在学して所定の単位を修得した方の区分があります(理工学部67単位、農学生命科学部62単位)。学科・コースによっては募集していない年もあります。

保健系の編入を続けるならどこを見るか

弘前大学の保健学科を目指していた方が次に検討することになる大学を、編入総研の記事があるものから挙げます。実施の有無・募集人員・試験科目は年度ごとに変わりますので、必ず各大学の最新の募集要項で確認してください。弘前大学のように予告のうえで停止する例がある以上、「去年やっていたから今年もある」とは考えないほうが安全です。

  • 群馬大学 医学部保健学科……看護学・検査技術科学・理学療法学・作業療法学の4専攻。専門科目300点+英語100点で、弘前大学と違って専門科目の筆記があるのが特徴です。出願には志望専攻に対応する国家試験の受験資格が必要という構造は弘前大学と同じです → 群馬大学医学部保健学科の編入
  • 金沢大学 医薬保健学域 保健学類……国立大学で保健系の3年次編入を実施している大学の1つです → 金沢大学医薬保健学域の編入
  • 岩手県立大学 看護学部……東北地方の公立大学。看護に絞って探している方の候補になります → 岩手県立大学看護学部の編入
  • 山形県立保健医療大学 保健医療学部……同じく東北地方の公立大学です → 山形県立保健医療大学の編入
  • 長崎大学 医学部……国立大学の医療系編入を全国で探す場合の比較対象として → 長崎大学医学部の編入

探し方としては、まず医療・看護系の編入を実施している大学の一覧で候補を洗い出し、そのうえで各大学の要項に当たるのが早道です。国公立と私立では出願資格の書き方も試験の構成もかなり違うため、医療・福祉系の編入難易度ランキングと実施大学一覧で国公立・私立を分けて見比べておくと、現実的な併願の組み方が見えてきます。

最後に、進め方の順番を整理しておきます。医療系の編入は、対策より前に「出願できるか」が関門です。

  • 最初にやること

    自分の国家試験受験資格の状態を確定させる。どの資格を、いつ、どの学校で得られるのか(または既に持っているのか)。ここが決まらないと出願できる大学が絞れません。見込みで出願する場合は、出身校が見込みの証明書を出せるかも確認します。

  • 次にやること

    候補校の要項を、学歴要件と資格要件の2列に分けて書き出す。「短大卒」「専門学校修了」だけでは判定できません。専修学校出身の方は、修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間以上という条件を自校が満たすかを、在籍校に確認してください。証明書の発行に時間がかかることがあります。

  • 対策を始める前に

    志望校がその専攻で公開している過去問を1年分入手する。弘前大学の例が示すとおり、同じ「英語」でも一般英文か学術論文かで必要な準備が変わります。公開していない大学でも、請求すれば配布している場合があります(群馬大学は郵送・窓口での請求に応じています)。

  • 通年で

    志望理由を言語化しておく。弘前大学は面接が総得点の半分でした。保健系の編入は面接の比重が高い大学が多く、「なぜ働きながら/専門学校を出てから、あえて大学へ編入するのか」に自分の言葉で答えられるかどうかが結果を分けます。

よくある質問

弘前大学医学部保健学科の編入は、まだ受けられますか。

受けられません。弘前大学が公表した「医学部保健学科第3年次編入学の学生募集停止について(予告)」に、「医学部保健学科第3年次編入学について,令和7年度に実施する令和8年度入学者選抜をもって学生の募集を停止します。したがって,令和9年度入学以降の第3年次編入学の学生募集は行いません。」と明記されています。最後に実施されたのは2026年度入学者を選ぶ試験で、第1次募集の試験日が2025年8月22日、第2次募集の試験日が2025年12月5日でした。2027年度(2027年4月入学)以降は募集そのものがありません。弘前大学入試情報サイトの編入学入試の募集要項ページにも、令和9(2027)年度として掲載されているのは医学部医学科・理工学部・農学生命科学部の3つだけで、保健学科の要項はありません。保健学科の入試情報ページに残っている編入の要項も令和8(2026)年度が最後です。なお、募集が停止されたのは第3年次編入学だけで、高校から受験する一般選抜・総合型選抜は継続しています。

募集停止はいつ決まったのですか。理由は公表されていますか。

予告文が弘前大学入試情報サイトに掲載されたのは2025年2月27日です。文書自体には「令和7年2月 弘前大学」と記されています。理由は公表されていません。予告文は3行だけで、背景や経緯の説明はなく、大学の他のページにも理由の記載は見当たりません。この記事でも理由の推測は書きません。参考になる事実としては、大学が公表している編入学試験実施結果で、募集人員30名に対する入学者が2022年度2名・2023年度1名・2024年度1名・2025年度1名・2026年度1名と推移しており、第1次募集で定員に届かないため秋に第2次募集を行う運用が毎年のように続いていました。ただしこれは公表された数字であって、募集停止の理由として大学が説明しているものではありません。

最後に実施された試験の科目は何でしたか。

専攻によって違いました。看護学専攻・放射線技術科学専攻・検査技術科学専攻・理学療法学専攻の4専攻は外国語(英語)と面接、作業療法学専攻だけが小論文と面接です。配点はどの専攻も学力試験100点+面接100点の合計200点で、専門科目の筆記試験はありませんでした。面接が総得点の半分を占める設計です。試験時間は英語が9:00〜10:30、面接が11:00〜。作業療法学専攻は小論文9:00〜10:00、面接10:30〜という別の時程でした。小論文は要項に「専門科目に関する基本的事項に関する1題について800字以内で論述する」と定められ、問題冊子の注意事項では作成時間60分・横書きと指示されていました。大学が公開している過去問を見ると、同じ「英語」でも看護学専攻は一般向けの書籍や文学作品からの出題、検査技術科学専攻は医学・生命科学の学術誌の論説からの出題で、読む英文の性質が専攻で大きく異なっていました。

募集人員30名は多いように見えますが、入りやすかったのですか。

そうとは言えません。弘前大学が公表している編入学試験実施結果によると、2022年度から2026年度入学までの5年間で、志願者は合計40名、受験者37名、合格者8名、入学者6名です。募集人員は毎年30名でしたが、志願者が募集人員に届いた年は1年もありません。受験者数÷合格者数で計算すると倍率は4.6倍になりますが、1年あたりの受験者が6〜9名しかいないため、この数字を難易度の指標として扱うのは適切ではありません。定員を埋めるための選抜ではなく、水準に達していなければ合格を出さない試験だったと読むのが正確です。専攻別では、理学療法学専攻が5年連続で志願者0名、放射線技術科学専攻も志願者が出たのは5年中3年でした。志願者が最も多かったのは看護学専攻(5年で24名)で、合格者も5名出ています。一方、作業療法学専攻は5年で志願者が2名しかいませんが、その2名とも合格しており、志願者数と合格しやすさは連動していません。

大学を卒業していれば、どの専攻にも出願できたのですか。

できませんでした。出願資格は専攻ごとに完全に別建てで、いずれも対応する国家試験の受験資格が前提でした。大学卒業(学士)で出願できたのは2専攻だけです。看護学専攻は「大学又は短期大学において看護関係学科を卒業した者」に限られ、さらに保健師助産師看護師法第21条各号に該当すること(看護師国家試験の受験資格)が必要でした。検査技術科学専攻は「大学を卒業した者」を認めていましたが、臨床検査技師等に関する法律施行令第18条第3号に規定する厚生労働大臣の指定した科目を修得していることが条件です。放射線技術科学専攻・理学療法学専攻・作業療法学専攻には大学卒業の区分そのものがありませんでした。また、大学編入で一般的な「大学に2年以上在学し◯単位以上修得」という区分は、この試験にはありません。医療と無関係の学部を卒業した方や在学中の方は、どの専攻にも出願できない制度でした。

弘前大学で、いまも編入できる学部はありますか。

あります。令和9(2027)年度も、理工学部と農学生命科学部が第3年次編入学を実施しています。理工学部は募集人員10名(推薦選抜と一般選抜の合計。両方への出願はできません)、出願期間2026年6月29日〜7月3日、試験日2026年8月21日、合格発表2026年9月3日です。農学生命科学部は募集人員が学科・コース別に若干名、出願期間は同じく2026年6月29日〜7月3日、試験日2026年8月18日、合格発表2026年8月27日です。ただし2027年度の出願期間はどちらもすでに終了しており、これから準備する方が目標にできるのは2028年度以降になります。要項は例年4月ごろに弘前大学入試情報サイトの編入学入試のページに掲載されます。出願資格は保健学科とは別で、短期大学・高等専門学校・専修学校専門課程の卒業(修了)者のほか、大学に2年以上在学して所定の単位(理工学部67単位、農学生命科学部62単位)を修得した方の区分があります。学科やコースによって募集しない年があるため、要項の募集人員の表で必ず確認してください。

弘前大学医学部医学科の編入も無くなるのですか。

いいえ。募集停止が予告されたのは医学部保健学科の第3年次編入学だけです。医学部医学科の第2年次編入学(学士編入学)は令和9(2027)年度も実施され、募集要項が公開されています。ただし医学科の学士編入は保健学科の編入とはまったく別の制度で、出願資格も試験科目も共通点がありません。保健学科の要項の条件を医学科に当てはめず、日程・出願資格は大学公式の募集要項で確認してください。なお編入総研では、大学編入(第2年次・第3年次への編入学)を扱っており、医学科の学士編入は対象としていません。

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監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。オンライン編入学院は、大学編入に特化した完全オンラインの予備校です。医療系の編入は、出願資格そのものが国家試験の受験資格と結びついているため、「そもそも出願できるのか」を最初に確定させることが対策より前の関門になります。また、志望校が募集を停止すると進路の組み直しが必要になりますが、募集停止は要項ではなく大学サイトのお知らせだけで告知されることがあり、気づくのが遅れがちです。無料相談では、いまの在籍状況と取得予定の資格を整理したうえで、出願できる大学の候補と準備の進め方をご提案しています。

本記事は、弘前大学が公表している「医学部保健学科第3年次編入学の学生募集停止について(予告)」(PDF・令和7年2月)、「令和8(2026)年度 第3年次編入学学生募集要項」および同「第2次学生募集要項」(弘前大学医学部保健学科)、「令和4〜8年度 弘前大学編入学試験実施結果」、弘前大学入試情報サイトの「編入学入試」各ページ(入試日程・募集要項・入試結果データ・過去の入試問題)、医学部保健学科の入試情報ページおよび過去の入試問題ページ、「令和9年度 理工学部第3年次編入学学生募集要項」「令和9年度 農学生命科学部第3年次編入学学生募集要項」にもとづいて作成しています(2026年8月18日時点)。著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません。志望校の検討にあたっては必ず各大学公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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