弘前大学農学生命科学部の編入試験対策|倍率・面接配点・合格ロードマップ
弘前大学農学生命科学部の第3年次編入学試験は、筆記試験がなく、面接200点と出願書類100点の合計300点だけで合否が決まる選抜です。2024年4月入学までは小論文100点を含む400点満点でしたが、2025年4月入学の募集要項から小論文が廃止され、いまの制度では「これまでの成績」と「20分の面接・口頭試問」がすべてになりました。大学が公表している実施結果を見ると、学部全体の倍率は受験者数÷合格者数で年度により2.0倍から5.0倍の間を動いており、直近6年度の通算では3.7倍です。募集人員は各学科とも若干名で、学科によっては合格者が出ない年もあります。つまりこの試験は、問題集を積み上げて点を取りにいくタイプではなく、いまの在籍校での成績を落とさないこと、そして志望分野をどこまで具体的に語れるかで決まる試験です。この記事では、大学公表の募集要項と実施結果にもとづいて、学科・コースの選び方、面接と口頭試問の準備、出願から入学手続までの実務を順に整理します。
出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。
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試験概要(最新要項データ)
2027年度(2027年4月入学)
| 編入学年次 | 第3年次(編入学の時期は2027年4月1日) |
|---|---|
| 選抜方法 | 面接200点+出願書類100点=合計300点(筆記試験なし) |
| 面接 | 複数の教員による個人面接を20分程度。志望理由・興味関心のある研究分野などの質疑応答で「行動力」「意欲」を評価。あわせて3年次以降の履修に対応する「学力」を評価する口頭試問を実施 |
| 出願書類の評価 | 編入学願(600字)で「行動力」「意欲」、成績証明書で3年次以降の履修に対応する「学力」を評価 |
| 出願資格(主なもの) | 大学卒業/大学に2年以上在学(見込み)し62単位以上修得(見込み)/短期大学・高等専門学校卒業(見込み)/専修学校専門課程(2年以上・1,700時間以上)修了(見込み)/高等学校等の専攻科修了(見込み) |
| 試験時間・会場 | 2026年8月18日 10:00〜14:00(予定より早く終わることがある)/会場は農学生命科学部 |
| 合格発表 | 2026年8月27日 午前10時(予定)・大学の入試情報サイトで発表 |
| 入学検定料 | 30,000円 |
この表は弘前大学が公表している「令和9(2027)年度 農学生命科学部 第3年次編入学 学生募集要項」にもとづきます(確認日: 2026年8月6日)。日程・選抜方法・出願資格は毎年変わる可能性があるため、出願前に必ず大学公表の最新の募集要項を確認してください。
2027年4月入学の出願期間は終了しています。2026年8月6日時点で残っているのは、2026年8月18日の試験日と、8月27日の合格発表です。2028年4月入学を目指す方は、例年4月上旬に大学の入試情報サイトへ掲載される次年度の募集要項を確認してください。要項の公表から出願締切まではおよそ3か月しかないため、成績と志望理由の準備は要項が出る前から始める必要があります。
科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。
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小論文が廃止され、試験の性格が変わった
この学部を受けるうえで、最初に押さえておくべき変更があります。2025年4月入学の募集要項から、小論文が廃止されました。
| 入学年度 | 配点構成 | 試験当日の流れ |
|---|---|---|
| 2024年4月入学まで | 小論文100点+面接200点+出願書類100点=400点 | 午前に小論文(10:00〜11:30の90分)、午後に面接 |
| 2025年4月入学から | 面接200点+出願書類100点=300点 | 10:00〜14:00の枠内で面接のみ |
小論文は「農学や生命科学などに関連するいくつかのテーマについて論述させる」もので、論理的思考力・読解力・記述能力から「学力」を評価する位置づけでした。これが無くなったことで、「学力」を測る手段は、面接内の口頭試問と、出願書類として提出する成績証明書の2つだけになりました。
ここから導かれる結論はかなりはっきりしています。第一に、いま在籍している学校での成績が、そのまま得点になる試験になったということです。成績証明書は「教養科目や専門科目の成績を精査することにより、3年次以降の履修に対応する学力を評価する」と要項に明記されています。編入を考え始めた時点から、残りの学期の成績を落とさないことが、そのまま得点対策になります。
第二に、当日に挽回できる余地が小さいということです。筆記試験がある大学であれば、直前3か月の演習量で結果が動きます。この学部では、当日にできることは20分の面接だけです。逆に言えば、面接の20分で何を話すかを設計しきることが、この試験でもっとも投資対効果の高い準備になります。
大学サイトの過去問をそのまま使わない
弘前大学は編入学試験の過去問題を入試情報サイトで公開しており、農学生命科学部については学科別の小論文が掲載されています。ただし掲載されているのは2024年4月入学の年度のもの、つまり小論文が実施されていた最後の年度の問題です。大学のページには「過去3年分の試験問題を掲載しています。ただし、実施していない年度については掲載していません」と注記されており、それ以降の年度の掲載がないことが、小論文が実施されなくなったことの裏づけにもなっています。
とはいえ、この旧年度の小論文がまったく無駄かというとそうではありません。出題テーマの範囲は「農学や生命科学などに関連するテーマ」で、学科ごとに問題が作られていました。その学科がどのような関心領域を持っているかを知る材料としては読む価値があります。書く練習としてではなく、「この学科は何を学生に考えさせたいのか」を読み取る材料として使うのが、現行制度に合った使い方です。
募集する学科・コースと、選び方
農学生命科学部は5学科で構成され、編入学の募集人員は学科・履修コースごとにすべて「若干名」です。学科によって、出願の時点でコースまで決めなければならないかどうかが違うため、ここは早い段階で確認しておく必要があります。
| 学科 | 履修コース | 出願時のコース選択 |
|---|---|---|
| 生物学科 | 基礎生物学/生態環境 | 必要(面接で希望分野も聴取) |
| 分子生命科学科 | 生命科学/応用生命 | 不要(編入学後に選択) |
| 食料資源学科 | 食料バイオテクノロジー/食品科学/食料生産環境 | 不要(編入学後に選択) |
| 国際園芸農学科 | 園芸農学/食農経済 | 必要(面接で希望分野も聴取) |
| 地域環境工学科 | 農山村環境 | コースは農山村環境のみ |
地域環境工学科の農業土木コース(日本技術者教育認定機構=JABEE認定)は編入学の募集を行っていません。この扱いは2024年4月入学以降の各年度の要項で一貫しています。土木系の資格や技術者教育プログラムを目的にこの学科を志望する場合は、編入学で入れるのが農山村環境コースだけである点を前提に検討してください。
出願時にコースを選ぶ2学科は、面接の分野まで決めて臨む
生物学科と国際園芸農学科は、出願の際に履修コースを選んで出願し、面接では要項に列挙された分野の中から希望分野を選んで臨むことになっています。要項には各コースの分野名が具体的に並んでいます。生物学科の基礎生物学コースには発生・生殖生物学、動物生理・分子進化学、植物分子生理学、植物細胞生物学、生体防御学、植物生理学、分子発生学、動物生体制御学といった分野が、生態環境コースには森林生態学、進化生態学、動物生態学、生物間相互作用学、環境生態学が挙げられています。国際園芸農学科では、園芸農学コースに果樹園芸学・蔬菜園芸学・花卉園芸学・作物学・家畜飼養学・家畜生理学・農業機械学、食農経済コースに農業市場学・国際食料経済学・国際農業/食料経済学・地域農業マネジメント・国際農業開発論・国際フードビジネス・地域社会といった分野が示されています。
面接で「どの分野を希望するか」を聞かれる以上、分野名を選んだ理由を自分の言葉で説明できることが、面接200点の中核になります。分野名は要項に書かれているものが正なので、志望校を決めたら最初にこのリストを開き、名前を眺めるのではなく、その分野の教員がどんな研究をしているかを学部サイトの教員紹介まで降りて確認してください。なお分野の顔ぶれは年度により更新されるため、出願年度の要項で必ず確認する必要があります。
編入学後にコースを選ぶ2学科は、関心の幅を語れるようにする
分子生命科学科と食料資源学科は、3年次編入学後に履修コースを選ぶため、出願時にコースを決める必要がありません。この2学科の面接では、コースを1つに絞りきる必要がない代わりに、学科全体の中で自分がどのあたりに関心を持っているのかを、幅を持って説明できることが求められます。学部サイトの学科紹介では、分子生命科学科は「生命現象の解明とその新技術への応用、未知の生物機能の解明およびそれを利用した新たな薬剤の開発、生物由来の資源の開発および有効利用に関する研究」を、食料資源学科は「バイオテクノロジーによる食料資源の開発や改良、食品の機能性評価や食の安全性に関わる技術の開発、環境に調和した食料資源の生産に関わる技術の開発」を掲げています。この記述の中のどれが自分の関心に近いかを言えるようにしておくと、質疑応答が噛み合います。
倍率と実施結果(大学公表データ)
弘前大学は入試情報サイトの「入試結果データ」で編入学試験実施結果を公表しており、農学生命科学部の第3年次編入学については、募集人員・志願者数・欠席者数・受験者数・合格者数・入学者数が学科別に掲載されています。直近6年度分をまとめると次のとおりです。倍率は受験者数÷合格者数で計算しています。
| 入学年度 | 志願者 | 欠席者 | 受験者 | 合格者 | 入学者 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年4月入学 | 13 | 3 | 10 | 2 | 2 | 5.0倍 |
| 2022年4月入学 | 24 | 5 | 19 | 4 | 3 | 4.8倍 |
| 2023年4月入学 | 21 | 6 | 15 | 3 | 3 | 5.0倍 |
| 2024年4月入学 | 18 | 5 | 13 | 3 | 3 | 4.3倍 |
| 2025年4月入学 | 14 | 5 | 9 | 4 | 3 | 2.3倍 |
| 2026年4月入学 | 14 | 6 | 8 | 4 | 2 | 2.0倍 |
| 6年度通算 | 104 | 30 | 74 | 20 | 16 | 3.7倍 |
出典: 弘前大学 入試情報サイト「編入学入試 入試結果データ」の各年度「弘前大学編入学試験実施結果」。同PDFには医学部医学科・医学部保健学科・理工学部・農学生命科学部の各表が並んでいますが、上の数値は「農学生命科学部3年次編入学」の表の合計行のみを使っています。表の年度は入学年度で、各年度3月31日時点の確定値です。
数字の読み方
1. 合格者は毎年2〜4名で、募集人員の「若干名」がそのまま実態です。6年度で合格者は合計20名、実際に入学したのは16名でした。合格しても入学しない人が一定数いるのは、他大学との併願の結果と考えるのが自然です。
2. 志願者のうち約3割が当日欠席しています。6年度通算で志願者104名に対し欠席者30名、受験者74名です。出願だけして受験しない層が毎年一定数いるため、志願者数から計算した倍率(志願者÷合格者では5.2倍)と、実際に会場で競う倍率(3.7倍)にはかなり差があります。この記事では実態に近い受験者ベースを採用しています。
3. 小論文が廃止された2025年4月入学以降、倍率が2倍台に下がっています。ただしこれは合格者が3名から4名へ増え、受験者が9名・8名と少なかった2年分の結果にすぎません。母数が小さく、1〜2名の増減で倍率が大きく動く規模です。「最近は2倍だから入りやすい」と考えるのは危険で、次年度に志願者が20名を超えれば倍率は容易に5倍へ戻ります。
学科別に見ると難易度が違う
同じ学部でも、学科によって志願の集まり方と合格者の出方がかなり違います。6年度分を合算すると次のようになります。
| 学科 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 生物学科 | 20 | 17 | 3 | 5.7倍 |
| 分子生命科学科 | 31 | 21 | 7 | 3.0倍 |
| 食料資源学科 | 24 | 17 | 5 | 3.4倍 |
| 国際園芸農学科 | 23 | 17 | 3 | 5.7倍 |
| 地域環境工学科 | 6 | 2 | 2 | 1.0倍 |
もっとも志願者が多いのは分子生命科学科で、合格者も7名ともっとも多く出ています。逆に生物学科と国際園芸農学科は、6年度で合格者が3名ずつしか出ておらず、合格者ゼロの年が複数あります。地域環境工学科は志願者そのものが少なく、直近2年度に志願が入るまで4年連続で志願者ゼロでした。
この差をどう使うかですが、「倍率が低い学科に変える」という発想は、この試験には向きません。面接200点のうち大きな比重を占めるのは志望理由と研究分野への関心であり、興味のない学科を選べばそこが弱くなります。学科別の数字は志望を動かすためではなく、「自分が受ける学科では、毎年ごく少数しか通っていない」という前提を持って準備の密度を決めるために使ってください。
配点から逆算する対策の優先順位
300点満点の内訳は、面接200点・出願書類100点です。出願書類はさらに「編入学願」と「成績証明書」に分かれます。この構造をそのまま準備の優先順位に置き換えると、次の順になります。
優先度1: 面接20分の設計(200点)
面接は複数の教員による個人面接で、20分程度です。要項が明示している評価軸は3つあります。志望理由・興味関心のある研究分野などの質疑応答による「行動力」と「意欲」、そして3年次以降の履修に対応するための「学力」を評価する口頭試問です。
20分という長さは、想像よりも短いものです。自己紹介と志望理由で5分、研究分野の話で5分、口頭試問で5分、残りが質疑という配分になれば、1つのテーマに割ける時間は5分程度しかありません。準備すべきは長い原稿ではなく、短く言い切れる核と、掘り下げられたときに出せる二の矢・三の矢です。具体的には、次の3点を用意しておくと質疑が繋がります。
- 志望分野を選んだ理由を、自分の経験と結びつけて30秒で言えるようにする。「興味があるから」で止まると、そこから先の質問が出ません。授業・実験・アルバイト・地域での経験など、具体的な出来事を1つ挙げて紐づけます
- その分野で、いま自分が知っていることと知らないことを整理しておく。編入生に完成された知識は求められていません。何を知らないかを自覚していることのほうが、3年次以降の履修に耐えられる根拠になります
- 編入後に何をしたいか、卒業後にどうしたいかを2段階で語れるようにする。学部サイトでは、卒業生の主な就職先として食品会社・食品加工会社・流通関連会社・農協・園芸種苗会社・製薬会社・建設会社・設計コンサルタントが挙げられ、国家・地方公務員や教員も多いと説明されています。また学部卒業生の約3割が修士課程に進学しています。自分の進路像がこの分布のどこに乗るのかを言えると、話が具体的になります
優先度2: 成績証明書(出願書類100点の一部)
成績証明書は「教養科目や専門科目の成績を精査することにより、3年次以降の履修に対応する学力を評価する」と要項に定められています。提出時点で確定している成績は、もう動かせません。だからこそ、編入を考え始めた時点でできる唯一の対策は、残りの学期の成績を落とさないことです。
とくに、志望する学科の専門に近い科目の成績は見られやすいと考えるのが自然です。生物系の学科を志望するなら生物・化学系の科目、地域環境工学科を志望するなら数学・物理系の科目、国際園芸農学科の食農経済コースを志望するなら経済・経営系の科目です。いま履修中の科目のうち、志望分野に近いものを優先して手をかけるのが、この試験における最短距離の得点対策になります。
なお、出願資格①(大学に2年以上在学)で出願する人のうち、出願時点で62単位を修得していない場合は、成績証明書に加えて履修状況がわかる書類(62単位以上を修得見込みであることの証明書等)が必要です。この点は要項の出願書類欄に明記されているので、該当する人は在籍校の教務窓口に早めに相談してください。
優先度3: 編入学願600字(出願書類100点の一部)
編入学願は大学所定の様式に直接入力してA4片面で印刷する書類で、制限字数は600字、自書は不可です。評価の観点は要項に明記されており、「本学部に対する理解、専門分野に対する強い興味・関心、主体的に学び続けようとする積極性」から「行動力」「意欲」を評価するとされています。
600字は、志望理由書としてはかなり短い分量です。経歴の説明や一般論を書く余裕はありません。評価の観点がそのまま3つ示されているので、600字を3つの観点に配分して書くのが素直な構成になります。学部・学科への理解(この学部の何を理解しているか)、専門分野への興味関心(どの分野をなぜやりたいか)、学び続ける積極性(編入後にどう学び、その先に何をするか)です。
そして重要なのは、この編入学願が面接の参考資料として使われることがあると要項に書かれている点です。書いた内容は面接で必ず掘られる前提で書く必要があります。裏づけを持って説明できないことを盛り込むと、当日そこで詰まります。600字に入れる要素は、すべて「なぜ?」と3回聞かれても答えられるものだけにしてください。
出願から入学手続までの実務チェックリスト
この学部の出願は、要項の公表から出願締切までがおよそ3か月と短く、出願書類の中に外部機関の発行を待つ証明書が複数あります。次年度の出願を想定して、行動の順番を整理します。
- 要項の入手(例年4月上旬): 農学生命科学部の編入学募集要項は、大学の入試情報サイトの「編入学入試 › 募集要項」から自分でダウンロードします。テレメールでの資料請求には対応していないと大学サイトに明記されています
- 募集する学科・コースの確認: 要項1ページ目の募集人員表で、志望する学科・コースが当該年度に募集されているかを必ず確認します。地域環境工学科の農業土木コースのように、募集を行わないコースが表内に併記されています
- 出願資格の確認: 自分がどの区分で出願するのかを決めます。62単位の要件がかかるのは「大学に2年以上在学」の区分だけです。短期大学・高等専門学校・専修学校専門課程・専攻科の各区分は、卒業(修了)の見込みが条件です
- 証明書の手配(出願2〜4週間前): 成績証明書(修得単位が明記され厳封されたもの)と、卒業証明書または卒業見込み証明書が必要です。大学に在学中の人は在学証明書、中途退学した人は退学証明書を提出します。専修学校出身者は「修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間以上の課程を修了(見込み)であること」の証明書、専攻科出身者は文部科学省告示の基準を満たす課程を修了(見込み)であることの証明書が必要で、発行に時間がかかることがあります
- 所定用紙の作成: 編入学志願票(A4両面)、写真票・受験票、編入学願(A4片面)、あて名票を、大学サイトからダウンロードした様式に入力して作成します。様式の改変(枠を広げる等)は認められていません。顔写真の加工・修正も認められておらず、不正行為として扱われることがあると明記されています
- 検定料の払込: 入学検定料30,000円を郵便局・ゆうちょ銀行の払込取扱票で払い込み、「振替払込請求書兼受領証」を貼付台紙に貼って提出します
- 受験票送付用封筒: 長形3号の封筒に自分の住所・氏名を書き、410円分(速達分)の切手を貼って同封します
- 提出(出願期間内・最終日17時必着): 郵送・持参とも最終日の午後5時までに必着です。消印有効ではありません。提出用宛名をカラー印刷して角形2号封筒に貼り、出願書類チェックシートで封入物を確認してから送ります。書類の不足や記入漏れがあると受理されず、提出後の記載事項の変更も認められません
- 受験上の配慮が必要な場合: 病気・負傷や障がい等で受験上・修学上の配慮を必要とする人は、要項に定められた期日(2027年度入試では2026年6月5日)までに入試課へ事前に申し出る必要があります。出願期間より前に締切がある点に注意してください
- 入学手続: 2027年度入試の場合、合格発表(2026年8月27日)から約1か月後の2026年9月28日〜10月2日午後5時が手続期間です。期日までに手続を完了しないと入学辞退として扱われます
単位認定と、編入後の学修設計
編入学試験は合格が目的ではなく、編入後に卒業することが目的です。この学部の要項には、入学後の履修に直結する条件が複数書かれています。出願前に読んでおくべきものを整理します。
| 項目 | 要項に書かれている内容 |
|---|---|
| 単位認定 | 教養教育科目・専門教育科目の単位と見なし得るものについて、成績証明書等にもとづき学部教授会が認定する |
| 在学年数 | 認定単位が少ない場合には、第3年次に編入しても2年間で卒業できないことがある |
| 外国語 | 編入学前に4単位以上修得しておくことが望ましい |
| 国際園芸農学科 | 編入学後、教養教育の英語・多言語のうち4単位の修得が卒業に必要 |
| 食品衛生関連の任用資格 | 分子生命科学科・食料資源学科では指定科目の単位により食品衛生管理者・食品衛生監視員の任用資格が得られるが、その単位は編入後に履修・取得したものに限る |
とくに注意が必要なのは「2年間で卒業できないことがある」という一文です。3年次編入は「残り2年で卒業できる」ことが前提だと思われがちですが、この学部の要項は明確に留保を付けています。認定される単位は出身校で何を修得したかによって変わるため、志望が固まった段階で、在籍校のシラバスを見ながら「農学・生命科学の専門に対応しそうな科目」「教養科目」を意識して履修しておくことが、編入後の負担を直接軽くします。
外国語の扱いも実務的です。「編入学前に4単位以上修得しておくことを望みます」という記述は、裏を返せば外国語の単位が不足していると編入後に取り直しになるということです。とくに国際園芸農学科は編入後に英語・多言語4単位が卒業要件と明記されているため、編入前に外国語をどれだけ積んでいるかで3年次以降の時間割の余裕が変わります。
資格に関する注記も見落とせません。分子生命科学科・食料資源学科の食品衛生管理者・食品衛生監視員の任用資格は、編入後に履修・取得した単位に限ると明記されています。出身校で似た内容の科目を修得していても、資格要件としては算入されないということです。資格の取得を目的に編入を考えている場合は、2年間で必要な指定科目を積み切れるかを、入学前に学部へ確認しておくのが安全です。
併願をどう組むか
合格者が毎年2〜4名という規模である以上、この学部だけを受けて結果を待つのは現実的ではありません。日程の観点から、併願の組み方を整理します。
学内の他学部との併願
弘前大学は2027年度入試で、農学生命科学部のほかに理工学部と医学部保健学科でも第3年次編入学を実施しています。大学が公表している編入学入試の日程は次のとおりです。
| 学部 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 農学生命科学部 | 6月29日〜7月3日 | 8月18日 | 8月27日 |
| 理工学部 | 6月29日〜7月3日 | 8月21日 | 9月3日 |
| 医学部保健学科 | 7月22日〜7月25日 | 8月22日 | 9月12日 |
2027年4月入学の日程です。いずれも出願最終日は午後5時必着。年度により日程は変わるため、必ず当該年度の要項で確認してください。
農学生命科学部と理工学部は出願期間が完全に同じで、試験日は3日違いです。日程だけを見れば重ならないため物理的な併願は可能ですが、学部ごとに募集要項・出願書類・検定料が別で、面接で語る志望理由の中身も当然変わります。「同じ準備で2つ受けられる」という関係ではない点を理解したうえで判断してください。
他大学の農学・生命科学系との併願
農学・生命科学系の編入試験は、大学によって試験の性格が大きく違います。弘前大学農学生命科学部のように面接と書類だけで選抜する大学もあれば、専門科目と英語の筆記を課す大学もあります。筆記のある大学を1校でも併願先に入れると、準備の総量が跳ね上がります。逆に、面接・口頭試問中心の大学どうしで組めば、志望理由と専門の基礎知識という準備の骨格を共有できます。
また、この学部の試験日は8月中旬、合格発表は8月下旬です。国公立大学の農学系には6月〜7月に試験を実施する大学も多く、先に他大学の結果が出てから弘前大学の試験に臨むという組み方もできます。時期の並びは毎年変わるので、志望校が固まった段階で全校の日程を1枚の表にして、出願書類の締切が重ならないかまで確認してください。
時期別の対策ロードマップ
筆記試験がない分、この学部の準備は「毎日の勉強量」ではなく「いつ何を確定させるか」で管理するほうが機能します。次年度(翌年4月入学)を目指す場合の目安です。
- 試験の約1年前まで|土台づくり学科・コースを仮決めし、要項に載っている分野リストと学部サイトの教員紹介を突き合わせて、関心のある分野を2〜3個に絞ります。同時に、在籍校で志望分野に近い科目を優先的に履修し、成績を確保します。ここでの成績が出願書類100点の一部になります。
- 半年前|志望理由の核を作る編入学願の600字に入れる3要素(学部・学科への理解/専門分野への興味関心/学び続ける積極性)を、それぞれ200字程度で書いてみます。この段階では文章の完成度より、他人に「なぜ?」と3回聞かれても答えが続くかを基準にします。答えが続かない部分は、まだ調べ足りない部分です。
- 3〜4か月前|要項の公表を待って確定例年4月上旬に公表される募集要項で、募集学科・コース、日程、出願書類、配点を確認します。ここで初めて出願区分と提出書類が確定するので、証明書の手配を在籍校へ依頼します。配慮申出の締切が出願期間より前に設定されている点にも注意します。
- 2か月前|書類を完成させる編入学願を仕上げ、志望分野の基礎知識を整理します。口頭試問で問われるのは「3年次以降の履修に対応する学力」なので、志望分野の教科書レベルの用語を、定義から自分の言葉で説明できる状態にしておきます。書けるだけでなく、口に出して説明できるかを基準にしてください。
- 1か月前|面接の実演に切り替える提出した編入学願を手元に置き、そこに書いた一文ずつについて想定質問を作って答える練習をします。20分という時間感覚を体に入れるため、通しで時間を計った模擬面接を複数回行います。答えを覚えるのではなく、詰まったときに立て直す手順を作るのが目的です。
- 直前1週間|当日の運用を固める会場・交通手段・所要時間を確認します。試験は10時開始で、終了予定は14時ですが早く終わることがあると要項に注記されています。待ち時間が発生する前提で、直前に見返す1枚のメモ(志望分野・キーワード・言い切りの一文)を用意しておきます。
直前期のチェックリスト
- 編入学願に書いた600字を、声に出して読める状態にしてある(暗唱ではなく、要点を自分の言葉で言い直せる)
- 志望した履修コース・分野を選んだ理由を、30秒版と3分版の2通りで話せる
- 志望分野の基本用語を10〜15個選び、それぞれ「定義」と「なぜ重要か」を口頭で説明できる
- 編入後に履修したい科目・所属したい研究室の候補を、学部サイトで確認して名前を挙げられる
- 卒業後の進路について、2つ以上の選択肢を挙げたうえで、いま考えている優先順位を説明できる
- いまの在籍校で学んだことのうち、編入後に生きるものを1つ具体例つきで話せる
- 逆質問を2つ用意している(調べれば分かることではなく、在学者・教員にしか答えられないもの)
- 受験票・身分証・筆記用具・時計を前日に用意し、会場までの経路と所要時間を実際の交通ダイヤで確認した
口頭試問に向けた基礎の立て直し
この学部の選抜に筆記試験はありません。したがって、以下に挙げる本は「試験科目の対策書」ではなく、口頭試問で問われる「3年次以降の履修に対応する学力」を、独学で点検し直すための基礎の本として紹介します。学部の入学者受入れの方針では、農学および生命科学の各分野の専門教育に必要な基礎学力として「高等学校の教科全般、特に理科、英語、数学」が挙げられており、なかでも化学の基礎は分子生命科学科・食料資源学科の専門に直結します。専門科目の教科書を読み進める前に、土台が抜けていないかを確認する用途で使ってください。
これらの本は、弘前大学農学生命科学部の試験に対応していることが確認されているものではありません。農学・生命科学系の学習で土台になる化学の基本書として挙げています。志望学科によって必要な基礎は変わるため(地域環境工学科なら数学・物理、国際園芸農学科の食農経済コースなら経済系)、自分の志望分野に合わせて選んでください。
費用と学生生活の基本情報
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 入学検定料 | 30,000円 |
| 入学料 | 282,000円(入学手続時に納付) |
| 授業料 | 年額535,800円(前期267,900円・後期267,900円)。納付期限は前期5月31日、後期10月31日 |
| 経済支援 | 高等教育の修学支援新制度(入学料・授業料の減免と給付型奨学金)の支援対象機関。日本学生支援機構の貸与奨学金もあり |
| 学生寮 | 入寮案内が入学年の1月下旬〜2月頃に大学サイトへ掲載される |
| 所在地 | 青森県弘前市文京町(試験会場も農学生命科学部の校舎)。弘前駅から徒歩約25分、弘南バスで「弘大農学生命科学部前」下車 |
金額は2027年度募集要項の記載です。入学時までに改定された場合は改定後の額になると要項に注記されています。なお要項には「自家用車での来学は固くお断りします」と明記されているので、試験当日は公共交通機関かタクシーで向かってください。
よくある質問
弘前大学農学生命科学部の編入試験の倍率はどのくらいですか?
大学が公表している編入学試験実施結果によると、学部全体の受験者数÷合格者数は2021年度入学が5.0倍、2022年度入学が4.8倍、2023年度入学が5.0倍、2024年度入学が4.3倍、2025年度入学が2.3倍、2026年度入学が2.0倍です。直近6年度を通算すると受験者74名に対し合格者20名で3.7倍になります。募集人員は各学科とも若干名で、年度による振れ幅が大きい点に注意してください。
弘前大学農学生命科学部の編入試験に筆記試験はありますか?
現在の選抜方法に筆記試験はありません。2027年度募集要項では、面接200点と出願書類100点の合計300点で選考すると定められています。2024年4月入学(令和6年度)までは小論文100点を含む400点満点でしたが、2025年4月入学(令和7年度)の要項から小論文が廃止されました。大学サイトに残っている令和6年度の小論文問題は現行制度のものではない点に注意してください。
面接ではどのようなことが問われますか?
募集要項によれば、複数の教員による個人面接を20分程度行い、志望理由や興味・関心がある研究分野などについての質疑応答で「行動力」と「意欲」を評価します。あわせて、3年次以降の履修に対応する「学力」を評価するための口頭試問が行われます。出願時に提出した編入学願と成績証明書が面接の参考資料として使われることがあります。
出願資格と必要単位数を教えてください。
2027年度募集要項では、①大学を卒業した者または2年以上在学(見込み)し62単位以上を修得(見込み)した者、②短期大学または高等専門学校を卒業した者および卒業見込みの者、③修業年限2年以上かつ総授業時間数1,700時間以上の専修学校専門課程を修了または修了見込みの者、④高等学校等の専攻科の課程を修了または修了見込みの者、の4区分が定められています。62単位という要件がかかるのは①の在学者区分だけで、短期大学・高等専門学校・専修学校・専攻科の各区分には単位数の条件は付いていません。
どの学科・コースを選べばよいですか?
生物学科と国際園芸農学科は出願の際に履修コースを選んで出願し、面接では要項に列挙された分野の中から希望分野を選んで臨みます。分子生命科学科と食料資源学科は編入学後にコースを選ぶため、出願時にコースを決める必要はありません。地域環境工学科は農山村環境コースのみの募集で、農業土木コース(JABEE認定)は募集していません。
編入後は2年間で卒業できますか?
募集要項には、出身校で修得した単位のうち教養教育科目・専門教育科目の単位と見なし得るものを学部教授会が認定すると記載されています。そのうえで「認定単位が少ない場合には、第3年次に編入しても2年間で卒業できないことがあります」と明記されています。また外国語については編入学前に4単位以上修得しておくことが望ましいとされており、国際園芸農学科では編入学後に教養教育の英語・多言語4単位の修得が卒業要件になります。
2027年度の日程と、次の年度の準備の進め方を教えてください。
2027年4月入学の選抜は、出願期間が2026年6月29日から7月3日(最終日17時必着)、試験日が2026年8月18日、合格発表が2026年8月27日午前10時です。出願期間はすでに終了しています。2028年4月入学を目指す方は、例年4月上旬に大学の入試情報サイトへ掲載される次年度の募集要項を確認してください。要項の公表から出願締切までは3か月程度しかないため、成績と志望理由の準備は要項公表前から進めておく必要があります。
まとめ
弘前大学農学生命科学部の第3年次編入学試験は、面接200点と出願書類100点の合計300点で決まる、筆記試験のない選抜です。2025年4月入学の要項から小論文が廃止され、「学力」を測る手段は面接内の口頭試問と成績証明書だけになりました。この構造から導かれる準備の順番は明快です。第一に、いま在籍している学校の成績を落とさないこと。第二に、志望する学科・コース・分野を早く決め、その理由を掘り下げること。第三に、600字の編入学願を、面接で必ず掘られる前提で書き切ることです。
大学公表の実施結果では、合格者は毎年2〜4名にとどまり、学科によっては合格者が出ない年もあります。倍率は直近6年度の通算で3.7倍ですが、母数が小さく、志願者が20名を超えれば5倍前後に戻る規模です。数字の上下に一喜一憂するより、「毎年ごく少数しか通らない」という前提で、志望理由の密度を上げることが現実的な戦略になります。2027年4月入学の出願はすでに終了しているため、これから準備する方は、例年4月上旬に公表される次年度の募集要項を確認したうえで、要項が出る前から成績と志望分野の掘り下げを進めてください。
あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。
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監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要・日程・配点・出願資格・実施結果は、弘前大学が公表する募集要項および編入学試験実施結果の原本にもとづいて確認し、毎年度更新しています。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ|最終更新: 2026年9月6日






