熱力学 君嶋 義英
熱力学は編入物理の中でも、エントロピーやカルノーサイクルといった概念の理解が求められ、単なる公式暗記では得点しにくい分野です。京都工芸繊維大学や北海道大学などの工学系編入試験では、状態方程式から熱効率の計算まで、幅広いテーマが繰り返し出題されています。本書は、これらの論点を体系的に学べる一冊です。
この本の位置づけ
本書は、熱力学の基礎から標準的な問題レベルまでを網羅する教科書的な参考書です。工学部の編入受験を目指す受験生、特に高専出身者や大学の物理学科でのバックグラウンドがない受験生の導入書として適しています。
同じ熱力学でも、より詳細な導出過程を追う理論系の参考書と比べると、本書は工学的な応用場面(状態方程式の使い方、サイクルの熱効率計算など)を重視した構成になっており、編入試験の出題傾向に合わせやすいという特徴があります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入対策を始める段階で、物理全般の準備状況に応じて導入する時期が変わります。高専卒業生であれば1年目の早期から、大学在籍中であれば編入志望を決めた段階で取り組むのが目安です。
もし試験まで3ヶ月を切った段階で初めて学ぶ場合、エントロピーの定義や熱力学第二法則の理解に時間がかかり、過去問演習へ進むのが遅れる可能性があります。逆に準備期間が十分にあれば、本書で概念を固めた後、京都工芸繊維大学や北海道大学の過去問で実践的な計算力を磨く流れが効果的です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は目次順に一章ずつ読み進めるのではなく、まず状態方程式とエントロピーの定義(初期章)に集中し、その後カルノーサイクルや各種過程(等温・断熱圧縮など)に進む読み方をお勧めします。概念を理解したら、章末の例題や練習問題に取り組み、手を動かして計算を習慣化させることが大切です。
本書で一通り学んだ後は、志望大学の過去問に移ります。特に京都工芸繊維大学と北海道大学の問題では、比熱比や熱効率を求める出題が多いため、本書の該当箇所を参照しながら解き直す往復学習が効果的です。わからない問題に直面したときは、本書に戻って該当単元を再確認し、その後もう一度過去問を解く、というサイクルを回してください。
注意点
本書の出版年が明確でないため、熱力学の基本的な理論部分は変わらないものの、最新の編入試験の出題形式やデジタル技術との関連については、必ず志望大学の最新過去問で確認してください。
また、本書はあくまで熱力学に特化した参考書です。編入物理試験では力学や電磁気学も出題されるため、本書だけで物理対策が完結すると考えず、他分野の参考書や演習教材との併用が必要です。加えて、大学によっては熱力学の中でも気体分子運動論や統計力学の初歩に触れる場合があるため、志望先の出題範囲を事前に確認し、不足分を補う準備をしておくことをお勧めします。







