材料力学 編入対策での使い方|学会の標準教科書をどこまで読むか
機械系の編入試験で、材料力学はもっとも出題されやすい専門科目の一つです。ところが独学で始めると、応力とひずみの定義のあたりで手が止まり、そこから先へ進めない受験生が多くいます。
本書は日本機械学会が編集した学科の標準教科書です。この記事では、編入受験生がこの教科書のどこから読み、どこまでやるべきかを整理します。
この本の位置づけ
本書はJSMEテキストシリーズの1冊です。シリーズの巻頭には、企画の方針がはっきり書かれています。大学学部学生のための機械工学への入門から必須科目の修得までに焦点を当て、機械工学の標準的内容をもち、かつ技術者認定制度に対応する教科書とすること。日本機械学会として大学における機械工学教育の標準を示すこと。導入部から必須科目まで連続的に学べるように配慮すること。そして、技術者教育認定制度や技術士一次試験などへの対応を考慮し、技術英語を導入することです。図表をページの片側に置いた2色刷りや、分野別テキストとあわせた演習書の刊行も、この方針から出ています。
したがって本書は、編入試験のために書かれた本ではなく、機械系学科の標準的な教科書です。編入対策で使うということは、志望校の出題範囲に合わせて、この教科書のどこを読むかを自分で決めるということになります。
材料力学の巻で編入受験生に効くのは、第1章の作りです。「材料力学を学ぶとは?」という章で、材料力学の目的、機械工学における位置づけに続けて、本書の使い方と、材料力学を学ぶために必要な基礎知識が独立した節として置かれています。力とモーメントの釣合い、拘束力とフリーボディーダイアグラム、力の正の向き、引張試験、伸びと荷重の関係、重ね合わせ、せん断の考え方、よく使う数学公式、微小量の扱い方、変形図の表示上の注意、間違いやすい言葉や紛らわしい表現、力学に関する問題の解き方、単位、電卓による計算の注意点まで並びます。
つまり、材料力学の本編に入る前の前提が、章の中で明示されているということです。高専や大学で力学の授業を受けていない受験生でも、ここを読めば不足している知識が特定できます。独学の入口としては、この構成が大きな利点になります。
第2章からは応力とひずみの定義、応力-ひずみ線図と続き、材料の力学的性質へ進みます。編入試験で問われるのは、この基礎の上に立つはりの曲げやねじり、座屈といった項目です。志望校がどこまで問うかは、この記事の「ターゲット大学と対策できるテーマ」で確かめてください。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
機械系の専門科目の対策を始める段階で開く教科書です。数学が微分積分まで進んでいれば読み始められます。
編入試験の準備では、専門科目に入る時期の判断が難しいところです。早すぎると数学の仕上げが遅れ、遅すぎると演習量が足りません。目安としては、数学の主要単元を一巡させた時点で専門に入り、そこからは両方を並行させる形が現実的です。
本書は教科書なので、通読には時間がかかります。志望校の出題範囲を先に確かめ、読む章を絞ってから取りかかってください。全章を等しく読む必要はありません。
機械系の編入では、材料力学と機械力学、流体力学、熱力学のどれが課されるかが大学ごとに違います。全部を同じ深さでやる時間はありません。志望校と現在の状況をうかがったうえで、優先順位を整理します。
ボタンを押すとオンライン編入学院の公式LINEが開きます。相談は無料で、志望校がまだ固まっていない段階でも大丈夫です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
東京農工大学工学部
数学
頻出テーマトルク、曲げ応力、材料力学、ねじり、ねじりモーメント、断面二次モーメント
本書の該当ページトルク(p.48)、曲げ応力(p.70)、材料力学(p.1)、ねじり(p.47)
大阪公立大学工学部
物理
頻出テーマエネルギー法、断面二次モーメント、トルク、固定モーメント、応力とひずみ、座屈荷重
本書の該当ページエネルギー法(p.154)、断面二次モーメント(p.72)、トルク(p.48)、固定モーメント(p.93)
熊本大学工学部
数学小論文
頻出テーマ最大せん断応力、骨組構造、断面二次モーメント、はりのたわみ、材料力学、支持反力
本書の該当ページ最大せん断応力(p.56)、骨組構造(p.172)、断面二次モーメント(p.72)、はりのたわみ(p.81)
物理
頻出テーマ単純支持はり、片持ちはり、支持反力、材料力学、オイラーの式、断面二次モーメント
本書の該当ページ単純支持はり(p.85)、片持ちはり(p.97)、支持反力(p.67)、材料力学(p.1)
豊橋技術科学大学工学部
その他物理
頻出テーマ片持ちはり、単純支持はり、たわみ、たわみ角、等分布荷重、トラス
本書の該当ページ片持ちはり(p.97)、単純支持はり(p.85)、たわみ(p.81)、たわみ角(p.81)
数学物理
頻出テーマトルク、片持ちはり、曲げ応力、せん断力、たわみ、たわみ角
本書の該当ページトルク(p.48)、片持ちはり(p.97)、曲げ応力(p.70)、せん断力(p.64)
英語物理
頻出テーマトルク、材料力学、節点変位、垂直応力、シミュレーション、境界条件
本書の該当ページトルク(p.48)、材料力学(p.1)、節点変位(p.182)、垂直応力(p.131)
物理その他
頻出テーマ断面二次モーメント、集中荷重、せん断応力、曲げモーメント、トラス
本書の該当ページ断面二次モーメント(p.72)、集中荷重(p.113)、せん断応力(p.55)、曲げモーメント(p.63)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
この本の使い方
第1章の基礎知識の節を最初に読んでください。ここで自分に欠けている前提が分かります。フリーボディーダイアグラムが描けない状態で先へ進むと、どの章でも同じ場所で詰まります。
各章は、定義から始まり例題と練習問題へ進みます。定義を読んだら、必ず自分の手で図を描いてから問題に入ってください。材料力学は図が描けるかどうかで解けるかが決まる科目です。
演習量は、シリーズの演習書か別の問題集で補ってください。教科書の練習問題だけでは、試験時間内に解く速度は作れません。
仕上げは志望校の過去問です。材料力学は、大学ごとに問われる項目の偏りがはっきり出ます。この記事の「本書の該当ページ」で頻出テーマの掲載ページを確かめ、過去問で詰まった項目から逆引きすると、限られた時間で必要な範囲に集中できます。
注意点
学科の教科書なので、編入試験の答案の書き方までは扱っていません。記述式で導出の過程を書かせる大学では、過去問で答案の形を別に練習してください。
また、通読を目的にすると時間が足りなくなります。志望校の出題範囲に合わせて章を選ぶことが前提の使い方になります。
最後に、機械系でも大学によって課される専門科目は違います。材料力学が出るかどうか、出るとしてどの項目までかを、募集要項と過去問で先に確かめてください。
動画でも解説しています
【大学編入】埼玉大学 工学部 機械工学・システムデザイン学科 編入合格者インタビュー|倍率10倍以上‼ 決め手になる面接試験で聞かれることとは?
大学編入試験対策における「専門科目」の学習の進め方について学長が伝授
【効果100倍?】編入対策における最高の過去問活用法を語ってみた
【大学編入】千葉大学 工学部 総合工学科 医工学コース 編入合格者インタビュー|TOEICのスコアと明確な編入意思で差をつけろ!
【理系編入】ライバルと差をつける冬の過ごし方|冬を制する者が受験を制する
2年連続 合格者数No.1
大学編入試験
合格者数 No.1
※調査対象期間 2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ
※調査方法: 企業担当者へのヒアリング、企業発表情報、デスクリサーチ/調査対象: 大学編入試験対策の予備校・個別指導塾(医学部・看護学部系除く)/調査項目: 2025年度と2026年度の大学編入試験合格者数
オンライン編入学院 公式サイト
オンライン編入学院は、機械系の専門科目をどの順番でどこまでやるかから指導しています。合格状況は年度ごとに合格者速報で公開しています。2027年度入学では埼玉大学工学部機械工学・システムデザイン学科にも合格者が出ています。
教科書を一巡したあと、演習に移るのか、別の専門科目に取りかかるのかは配点で決まります。現在の状況をうかがって、次にやることを一緒に決めます。
ボタンを押すとオンライン編入学院の公式LINEが開きます。相談は無料で、志望校がまだ固まっていない段階でも大丈夫です。







