編入ミクロ経済学演習レビュー|内容・難易度・使い方【編入総研】
全7章・139問の『編入ミクロ経済学演習』について、収録範囲、難易度、入門書・過去問との使い分けを紹介します。
この本が担う役割:理解した理論を答案に変える演習書
『編入ミクロ経済学演習』は、ミクロ経済学を初めて説明する入門書ではありません。編入試験でミクロが課される人が、すでに覚えた概念を、計算・グラフ・記述を含む答案として時間内に出す練習へ移るための問題集です。266頁・139問で、過去問由来の演習を中心に、解答の数値だけではなく、グラフの作図や記述答案の書き方まで扱います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 編入ミクロ経済学演習 |
| 著者 | 小原拓也(表紙では中央大学商学部教授と紹介) |
| 出版 | オンライン編入学院 |
| 判型・分量 | 紙版・266頁・139問 |
| 発売日 | 2026年9月1日 |
そのため、需要・供給や効用、費用といった用語をまだ自分の言葉で説明できない段階で、最初の一冊に選ぶ本ではありません。まずは入門書で理論のつながりをつかみ、微分・積分を使う箇所に不安があればそこも補ってから使うのが前提です。反対に、教科書を一通り読んだのに、白紙から式を立てる、条件を読み取って図にする、途中式を含む説明を書く、という場面で止まる人には、インプットと過去問の間を埋める役割があります。
オンライン編入学院の自社出版教材を、編入総研編集部が紹介します。志望校がミクロを課すか、当年度にどこまでの範囲をどの形式で問うかは、公式要項と過去問で確かめてから、必要な章を選んでください。
7章で何を練習できるか
本書は全7章を生産者理論、消費者理論、完全競争市場、不完全競争市場、市場の失敗、ゲーム理論、国際貿易論の順に置いています。章名だけを暗記するための並びではなく、個人や企業の選択から市場の均衡、さらに戦略的な相互作用や国際取引へと、使う道具を変えながら答案を作るための並びです。
第1〜2章:生産者理論・消費者理論
前半では、企業の生産や費用、消費者の選好・予算制約・需要を扱います。本書では、生産要素の生産性と費用・供給を計算するテーマも扱います。解法を見れば分かるのに、いざ設問になると何を変数として置けばよいか決められない人は、ここから始めるとよいでしょう。微分を使う最適化や、制約の下での選択を、式だけで終わらせず、問いが求める量や比率まで導く練習につながります。グラフを使う設問では、軸、曲線、均衡や変化の読み取りを省かずに書く意識が必要です。
第3〜4章:完全競争市場・不完全競争市場
市場構造が変わると、企業が受け取る価格、供給量を決める条件、余剰の考え方も変わります。本書では、独占市場の均衡と市場厚生、需要弾力性や独占度を扱うテーマがあります。完全競争の均衡と、独占・寡占など不完全競争の設問を同じ解き方で処理しないために、問題文の条件から市場の前提を取り出す練習が大切です。グラフや計算結果が出た後に、それが価格・生産量・厚生のどの話を示すのかまで説明する箇所は、記述を含む試験での確認点になります。
第5〜7章:市場の失敗・ゲーム理論・国際貿易論
後半では、外部性など市場だけでは整理しにくい論点、相手の行動を考えた戦略選択、比較優位や貿易から生じる変化を扱います。本書では比較優位と相対価格、特化後の生産・貿易を考えるテーマも扱います。初学段階では後回しにしたくなる分野ですが、志望校の範囲に入るなら、定義を覚えるだけでなく、設定を読んでどの理論を使うか選ぶ力が必要です。全章を一律に急ぐのではなく、公式要項と過去問で必要な範囲を確認し、重要度表示も使って優先順位を決めてください。
| 章 | 主な練習の軸 |
|---|---|
| 1 生産者理論 | 生産性・費用・供給を条件から計算する |
| 2 消費者理論 | 選好・予算制約・需要を式と図で整理する |
| 3 完全競争市場 | 市場均衡と企業・市場の関係を読む |
| 4 不完全競争市場 | 独占の均衡、弾力性、厚生を考える |
| 5 市場の失敗 | 市場だけでは調整しにくい問題を整理する |
| 6 ゲーム理論 | 相手の選択を踏まえて戦略を考える |
| 7 国際貿易論 | 比較優位、相対価格、特化と貿易を扱う |
表のすべてを同じ順で急ぐ必要はありません。過去問で問われる範囲を印で付け、前提になる第1〜4章を確認してから、必要な後半章へ進むと、解けなかった理由を戻り先まで含めて整理しやすくなります。
難度・重要度の表示は「後で解く問題」を残すために使う
各問題には基本・標準・発展の3段階の難度と、星による重要度が置かれ、学習日・解答時間・理解度を記録できる欄があります。難度が低いから重要でない、発展だから直前まで放置してよい、という意味ではありません。基礎の取りこぼしがある人は基本問題を確実にし、標準問題で複数の手順をつなぐ練習へ進みます。発展問題は、志望校の範囲と自分の到達度を確認して優先度を決めます。
本書が案内する学習法は3周です。1周目は時間を気にせず、志望校を踏まえて優先問題を自力で解き、正誤だけでなく途中で止まった場所を残します。2周目は1周目で誤った問題だけを時間を計って解き直します。3周目は、なお残った誤答に絞って時間制限付きで解きます。これは解けた問題を何度もなぞるためではなく、どの概念・計算・図示・記述で失点するかを狭める方法です。答案を見て分かった気になるだけなら、その場では理解していても、本番形式では再現できません。
過去問由来の演習には大学名・年度のタグがあり、巻末には大学別の分野対応表があります。これは現在の入試制度を示す表ではなく、本書の中で優先して解く問題を選ぶ手掛かりです。志望校の当年度要項と過去問で科目・範囲を確認したうえで、該当するタグや分野から基本問題を選び、誤答を標準・発展へつなげます。
解けない問題が出たときは、まず解答・解説で式や図の流れを確認し、日を空けて何も見ずに再挑戦します。それでも再現できなければ、演習量の不足と決めつけず、入門書の該当節や数学の基礎へ戻ります。演習書を開いたまま基礎へ戻る場所を記録しておくと、次の周回で「同じ問題を覚えていた」状態を避けられます。
入門書・過去問・マクロ演習との使い分け
入門書は、概念の意味や章どうしのつながりを理解するために使います。『編入ミクロ経済学演習』は、それを問題条件に当てはめ、手を動かして答案にするために使います。入門書を途中で投げて演習へ進むより、用語や基本図を説明できることを確かめてから入るほうが、誤答の原因を特定しやすくなります。難関校の範囲や数学の要求が高い場合は、入門の先に中級教材や経済数学を補う判断も必要です。
過去問は、志望校が何をどの形式で問うかを知るための資料です。本書の問題と置き換えるものではありません。まず過去問や公式要項でミクロの有無、計算・図表・記述の比重、必要な分野を確認し、そのうえで本書の章と難度・重要度を照合します。演習で弱点を見つけたら、志望校の過去問に戻って同じ弱点がどの形で現れるかを見る、という往復が有効です。
同時発売の『編入マクロ経済学演習』は、国民経済計算、財・貨幣市場、IS-LM、AD-AS、国際マクロや成長理論を扱う別冊です。ミクロの代わりではありませんし、経済学を課すすべての志望校で2冊とも必要とも限りません。受験校がどの分野を課すかで、まずミクロだけを仕上げるのか、マクロを並行するのかを決めてください。
購入前によくある確認
ミクロ未習でも使えますか
最初の説明用教材としては向きません。本書は基礎的なミクロのインプットと微分・積分を前提にしています。用語や基本図に不安があれば、先に入門書と数学の復習を行ってください。
139問を最初から最後まで一度で終えるべきですか
志望校の範囲を確認したうえで、章順に基礎から進め、記録欄を使って誤答を残す方法が適しています。本書が案内する3周では、2周目以降は誤答に絞ります。
価格や販売状況はどこで確認できますか
価格は変動するため、購入前にAmazonの商品ページで最新情報を確認してください。『編入ミクロ経済学演習』の商品ページ
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