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岩手大学人文社会科学部

岩手大学人文社会科学部の編入|TOEIC475点が出願の条件、試験は小論文と面接

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-10‌‌‌​​​‌‌‌‌​‌​​​‌‌​‌‌‌​​​​​​‌​‌​‌

岩手大学人文社会科学部の第3年次編入学試験は、試験当日に外国語の試験がありません。2027年度(2027年4月入学)の募集要項には「試験当日は外国語試験を課しません」と明記されています。当日行われるのは小論文(90分)と面接(口頭試問を含む)だけです。

ただし外国語が消えたわけではありません。TOEIC L&R 475点以上、またはTOEFL iBT 48点以上の証明書の原本を、出願書類として提出します。これは「あると有利な目標スコア」ではなく、出願の時点で用意しておく書類です。しかも要項は「外国語又は面接の得点が基準に満たない者は、合格者にはなりません」と、外国語に足切りがあることまで書いています。

そしてこの記事を読んでいる時点で、残り時間はわずかです。出願受付は2026年8月25日(火)〜8月27日(木)必着の3日間。しかも岩手大学はWEB出願を受け付けておらず、募集要項の本紙(出願関係書類付き)を取り寄せないと出願できません。その取り寄せは出願締切の1週間前までしかできません。この記事では、2027年度の募集要項の原本と、大学が公表している過去5年分の実施結果にもとづいて、募集区分・出願資格・選抜方法・倍率・出願実務を整理します。

6名/4名募集人員(人間文化/地域政策)
475点TOEIC L&Rの出願ライン
3日間出願受付(8/25〜8/27必着)
10月2日試験日(小論文90分+面接)

この記事で分かること

  • 選抜区分が一般入試と社会人入試の2つあること(旧版の記事は社会人入試を載せていませんでした)
  • 当日は外国語試験がなく、代わりにTOEIC 475点以上かTOEFL iBT 48点以上の証明書が出願書類であること
  • 社会人入試には外国語がなく、TOEICの提出も不要であること
  • 「62単位以上」がかかるのは出願資格9区分のうち1つだけであること
  • 大学が編入学だけの実施結果を5年分公表しており、受験者数まで分かること
  • 主専修プログラムを出願時に選び、入学後は変更できないこと。面接でもそのプログラムが問われること

出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。

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2027年度の要項の要点

項目内容
募集単位人間文化課程地域政策課程の2課程。出願時にどちらか一方と、主専修プログラムを選びます
入学年次第3年次(入学時期は2027年4月)
選抜区分一般入試社会人入試の2つ。出願期間・試験日・合格発表日はすべて同じです
募集人員一般入試 … 人間文化課程6名/地域政策課程4名(計10名)。社会人入試 … 両課程とも若干名
選抜方法(一般)外国語・小論文・面接(口頭試問を含む)・出願書類を総合して判定。外国語または面接が基準に満たないと不合格
選抜方法(社会人)小論文・面接(口頭試問を含む)・出願書類を総合して判定。外国語はありません
外国語の扱い当日の外国語試験なし。TOEIC L&R 475点以上またはTOEFL iBT 48点以上の証明書の原本を出願時に提出(一般入試のみ)
出願期間2026年8月25日(火)〜8月27日(木)【必着】。郵送(速達書留)または持参(受付9時〜16時)
試験日2026年10月2日(金)/小論文 10:30〜12:00(90分)、面接 13:00〜
試験場岩手大学 人文社会科学部1号館(盛岡市上田三丁目18-8)。受付開始9:30、10:00までに入室
必要単位62単位以上が要るのは「修業年限4年以上の大学に2年以上在学」の区分だけ。短大・高専・大学の卒業(見込み)で出願する方にはかかりません
入学検定料30,000円(ゆうちょ銀行・郵便局の窓口で払込み。ATMは利用不可
合格発表2026年10月23日(金)13時。大学ウェブサイトに受験番号を掲載+合格通知書を郵送
入学料・授業料入学料282,000円/授業料 年額535,800円(いずれも予定額)

出典: 岩手大学「令和9年度 岩手大学人文社会科学部編入学学生募集要項」(2026年4月21日公表)。年度によって変わります。出願前に必ず最新の募集要項の本紙で確認してください。

いちばん見落とされるのは「要項を取り寄せないと出願できない」こと

岩手大学はWEB出願を実施していません。大学が公開しているQ&A(編入学)には「できません。必ず入試課窓口か資料請求により、募集要項の本紙(出願関係書類付き)を入手してください」とあります。ウェブで公開されているPDFは読むためのもので、これを印刷しても出願はできません。志願票・電算処理カード・払込取扱票・受験票送付用封筒などの所定の用紙が本紙に綴じ込まれているからです。

取り寄せには締切があります。大学の告知には「インターネットでの取り寄せは最終出願締切日の1週間前まで」と書かれています。2027年度の出願締切は2026年8月27日なので、資料請求で取り寄せられるのは8月20日ごろまでということになります。

さらにQ&Aは「資料請求対応は外部委託しているため、ウェブサイトで募集要項を公表してから資料請求できるようになるまで一週間程度かかる場合があります」「送付先は日本国内のみです」とも述べています。国外にお住まいの方は日本国内の知人等を通じて入手することになります。

盛岡へ行ける方は入試課の窓口で直接受け取れます(窓口では公表から通年配布)。遠方の方は資料請求の一択で、ここが実質的な第一の締切です。

もうひとつ、期日が出願より前に来るものがあります。障がいあるいは疾病等により受験上・修学上の配慮が必要な方の「事前相談」です。要項は2026年8月7日(金)までに所定の様式を提出するよう求めており、この日付は2026年8月10日時点ですでに過ぎています。該当する方は、まず岩手大学学務部入試課(019-621-6064)へ連絡して対応を確認してください。

選抜区分は2つ。社会人入試には外国語がない

要項は「I 一般入試」と「II 社会人入試」の2部構成です。同じ学部・同じ課程・同じ試験日で、選抜方法と出願資格だけが違います。

比べる点一般入試社会人入試
募集人員人間文化課程6名/地域政策課程4名両課程とも若干名
年齢・経歴の条件なし2027年3月31日現在で満25歳に達し、最終学校の卒業・修了後5年以上経過していること
「卒業見込み」での出願できます(2027年3月までの卒業見込みを含む)できません。9つの区分がすべて「卒業した者」「修了した者」と過去形で書かれています
外国語TOEICまたはTOEFLの証明書を提出(当日試験なし)ありません。提出書類にも含まれません
当日の試験小論文(90分)+面接(口頭試問を含む)小論文(90分)+面接(口頭試問を含む)
足切りの条件外国語または面接が基準に満たないと不合格面接が基準に満たないと不合格
封筒の朱書き「人文社会科学部編入学出願書類等在中」「人文社会科学部編入学社会人入試出願書類等在中」

どちらで出すかは、自分で選びます。大学のQ&Aには「社会人でも一般入試に出願してもいいですか?」という質問があり、答えは「各入試区分の出願資格を満たしていれば出願出来ます。出願書類や選抜方法等が異なる場合がありますので、それぞれの入試についてよく確認・比較のうえ、出願してください」です。両方の資格を満たす方は、比べて選ぶことになります。

選ぶときの判断材料は2つです。

ひとつは英語。社会人入試ならTOEICのスコアがなくても出願できます。仕事をしながら475点を取り切るのが間に合わないなら、社会人入試は現実的な選択肢です。

もうひとつは募集人員。一般入試は10名という数が明示されているのに対し、社会人入試は「若干名」です。後述する実施結果を見ると、社会人入試の志願者は5年間で合計5名、合格者は1名でした。枠が明示されていない試験であることは踏まえておいてください。

なお、社会人入試の要項には「入学後も就労しながら学修する場合は、履修計画等について、勤務先とよく相談の上、出願してください(就労しながら学修する者向けの特別なカリキュラムは組まれていません)」という注意書きがあります。夜間コースや通信制ではありません。

社会人の方が編入・学士入学で進学するときの選択肢の広げ方は、学士編入ができる大学一覧|社会人の出願資格と試験内容で整理しています。

出願資格は9区分。62単位は1区分にしかかからない

要項は「次の(1)〜(9)のいずれかに該当する者」と定めています。並列の9区分で、どれか1つに当てはまれば出願できます。

区分内容(一般入試)
(1)短期大学または高等専門学校を卒業した方・2027年3月までに卒業見込みの方
(2)大学を卒業した方・2027年3月までに卒業見込みの方
(3)修業年限4年以上の大学において2年以上在学し(休学期間を除く)、その大学の卒業要件に関わる62単位以上を修得した方・2027年3月までに同要件を満たす見込みの方
(4)外国の短期大学を卒業した方・卒業見込みの方など
(5)専修学校の専門課程(修業年限2年以上等の基準を満たすもの)を修了した方・修了見込みの方
(6)高等学校等の専攻科(修業年限2年以上等の基準を満たすもの)を修了した方・修了見込みの方
(7)学校教育法施行規則附則第7条により大学に編入学できる方(旧制高等学校・専門学校・教員養成諸学校の卒業者等)
(8)工業教員養成所または養護教諭養成所を卒業した方
(9)外国において学校教育における14年以上の課程を修了した方・修了見込みの方

「62単位以上」は学部全体の条件ではありません。この数字が出てくるのは(3)の区分だけです。短期大学や高等専門学校を卒業(見込み)して出願する方((1))、大学を卒業(見込み)して出願する方((2))、専門学校を修了(見込み)して出願する方((5))には、単位数の条件はかかりません。

まず自分がどの号に当たるかを確定させてください。提出書類が号ごとに違うためです。(3)で出願する方だけ「在学期間証明書」(休学期間を除いた在学期間を証明するもの)が必要で、しかも募集要項に同封されている本学所定の用紙を使わなければなりません。要項は「本学所定の様式を用いない証明書は認めません」と明記しています。ここでも本紙の取り寄せが効いてきます。

(5)で出願する方は、修業年限2年以上かつ修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専門課程を修了(見込み)したことを証明する書類(専門士取得証明書など)も追加で必要です。

出願資格と必要単位の考え方そのものに不安がある方は、編入の出願資格と必要単位|短大・専門・高専・大学在学中の条件で全体像を整理しています。

外国語は「試験」ではなく「出願書類」です

ここが岩手大学人文社会科学部のいちばん特徴的なところです。要項の「5 選抜方法」はこう書いています。

「出願時に提出された以下のいずれかの証明書の原本(デジタル公式認定証を含む)をもって成績を評価します。試験当日は外国語試験を課しません。事前に各外部試験の日程と出願締切日をよく確認してください。」

項目内容
使える試験TOEIC Listening & Reading Test(スコア475点以上)またはTOEFL iBT(スコア48点以上
TOEIC-IPの可否TOEIC-IPテストは可。ただしオンラインは不可と要項が明記しています
提出するものTOEICは公式認定証の原本(またはデジタル公式認定証をA4白色用紙に出力したもの)/TOEFL iBTはTest Taker Score Reportの原本
有効期限入学試験日から遡って2年以内に受験したものに限ります(2027年度なら2024年10月2日以降の受験)
返却原本は受験票送付時に返送されます。証明書の大きさによっては折り曲げられることがあります
足切り外国語又は面接(口頭試問を含む)の得点が基準に満たない者は、合格者にはなりません

475点や48点は、あくまで「提出できる証明書」の下限です。要項は「証明書の原本をもって成績を評価します」と書いており、スコアはそのまま得点に反映されます。475点で出願できることと、475点で合格できることは別だと考えてください。しかも足切りの基準点は公表されていません。

逆算してください。ここが最大の落とし穴です。要項がわざわざ「事前に各外部試験の日程と出願締切日をよく確認してください」と書いているのは、受験してから公式認定証が手元に届くまでに時間がかかるからです。出願は8月25日から27日の3日間。この3日間に原本が手元にないと出願できません。

スコアが足りていない、あるいは公式認定証が間に合わないという方には、社会人入試の資格(満25歳・最終学校卒業後5年以上)を満たしているかどうかを確認する価値があります。社会人入試ではこの提出そのものが不要です。

当日の試験は小論文90分と面接だけ

時刻内容
9:30受付開始(人文社会科学部1号館)
10:00まで受付を済ませ試験室に入室
10:30〜12:00小論文(90分)試験開始後30分以内の遅刻に限り受験を認める。ただし試験時間の延長はしない
13:00〜面接(口頭試問を含む)

面接の内容について、要項は具体的に書いています。出願理由及び志望する専修プログラムに関する関心・知識などについて行います」。しかも要項の該当箇所には「(13ページ学部案内参照)」という注記があり、学部案内の専修プログラム一覧を見ておくことが前提になっています。

「口頭試問を含む」の意味を軽く見ないでください。志望動機を聞くだけの面接なら、要項はわざわざ「口頭試問を含む」とは書きません。そして判定条件は「面接の得点が基準に満たない者は、合格者にはなりません」です。小論文でどれだけ書けても、面接が基準に届かなければ合格しません。

準備の軸は「自分が選んだ主専修プログラムで何を学びたいか」です。プログラム名を挙げるだけでなく、そのプログラムが扱う領域について自分の言葉で説明できるところまで持っていってください。

小論文について要項に書かれていること・いないこと

要項の「5 選抜方法」には「(2) 小論文」とあるだけで、字数・設問構成・出題分野の記載はありません。試験時間が90分であることと、配点の内訳が公表されていないことだけが確かな事実です。旧版のこの記事には課題文の字数や設問数まで書かれていましたが、2027年度の募集要項からは確認できないため、この記事には載せません。

代わりに、大学が公式に用意している確かな手がかりを紹介します。岩手大学は編入学試験の過去問題について、次のように運用しています。

  • 編入学の過去問題は、ウェブサイトでは公表されていません。一般選抜(前期・後期日程)はPDFで公開されていますが、編入学は対象外です
  • 入手するにはFAXまたは郵送で請求するか、入試課の窓口で受け取ります(窓口でも配付しています)
  • 大学が公開している一覧表によると、人文社会科学部の編入学の試験科目は「小論文」(両課程共通)で、2024年度・2025年度・2026年度の3年度分が請求対象になっています
  • ただしこの3年度はいずれも「全問題非公表だが問題用紙配布有(出典情報のみ掲載)」という区分です。課題文そのものは著作権の関係で提供されず、出典情報だけが記載された問題用紙が配付されます
  • Q&Aには「非公表の過去問題を見る方法はありません。お問い合わせがあっても回答できません。窓口での閲覧も出来ません」とあります

つまり、課題文そのものは手に入りません。手に入るのは「どの本のどの部分が課題文として使われたか」という出典情報です。これは、実は対策として非常に価値があります。出典に挙がった書籍を自分で読めば、その年の出題者が読者に何を考えさせたかったのかが分かるからです。請求方法は岩手大学の過去問題のページで確認してください。

著作権の観点から、この記事では過去問の設問そのものは記載していません。

倍率(大学公表の実施結果・5年分)

岩手大学は「令和X年度 編入学者選抜の実施結果」を、編入学だけの独立したPDFとして毎年公表しています。一般選抜とは別ファイルで、志願者・受験者・合格者・入学者の4列があり、一般入試と社会人入試も分かれています。実質倍率(受験者÷合格者)まで計算できる、かなり親切な資料です。

人間文化課程(募集6名)

入学年度志願者受験者合格者入学者実質倍率
2022年4月(令和4年度)413612103.00倍
2023年4月(令和5年度)423411103.09倍
2024年4月(令和6年度)3131953.44倍
2025年4月(令和7年度)2622773.14倍
2026年4月(令和8年度)2822544.40倍
2022年4月3.00倍
2023年4月3.09倍
2024年4月3.44倍
2025年4月3.14倍
2026年4月4.40倍

地域政策課程(募集4名)

入学年度志願者受験者合格者入学者実質倍率
2022年4月(令和4年度)2517553.40倍
2023年4月(令和5年度)109313.00倍
2024年4月(令和6年度)2217762.43倍
2025年4月(令和7年度)1711661.83倍
2026年4月(令和8年度)1313433.25倍

学部全体(募集10名・一般入試)

入学年度志願者受験者合格者入学者実質倍率
2022年4月(令和4年度)665317153.12倍
2023年4月(令和5年度)524314113.07倍
2024年4月(令和6年度)534816113.00倍
2025年4月(令和7年度)433313132.54倍
2026年4月(令和8年度)4135973.89倍

出典: 岩手大学「入学者選抜実施状況」内の「令和4〜8年度 編入学者選抜の実施結果」。ここに掲げた倍率はすべて「受験者数÷合格者数」(実質倍率)です。志願者数を分母にすると数値は大きくなります(2026年4月入学の学部全体なら41÷9で4.56倍)。各表は「令和X年4月1日現在」の数字で、年度は入学年度です。いずれも一般入試の数値で、社会人入試は含みません。

この5年で何が起きているか。志願者は66→52→53→43→41と減っています。それなのに実質倍率は下がっていません。2026年4月入学は志願者が5年で最少(41名)なのに、実質倍率は最高(3.89倍)でした。大学が合格者を絞ったからです。合格者は17→14→16→13→9と減り続けています。

「志願者が減っているから入りやすい」とは言えません。むしろ2026年4月入学は入学者が7名で、募集人員10名を下回りました。定員を埋めるより基準を守ることを優先した、と読むのが自然です。

課程による差もあります。人間文化課程は5年とも3倍以上で、直近は4.40倍。地域政策課程は1.83倍〜3.40倍と幅があります。ただし地域政策課程は受験者が9〜17名しかいません。1人の増減で倍率が大きく動く規模なので、この数字を「入りやすさ」の指標として読むのは危険です。

社会人入試の実施結果

同じPDFの社会人入試の列には、次の数字が入っています。人文社会科学部にだけ数値があり、理工学部・農学部の欄は斜線(実施なし)です。

  • 2022年4月入学 … 人間文化課程 志願2名・受験2名・合格0名
  • 2023年4月入学 … 人間文化課程 志願1名・受験1名・合格0名
  • 2024年4月入学 … 志願者なし
  • 2025年4月入学 … 人間文化課程 志願1名・受験1名・合格1名・入学1名/地域政策課程 志願1名・受験1名・合格0名
  • 2026年4月入学 … 志願者なし

5年間で志願者は延べ5名、合格者は1名です。母数が小さすぎて倍率は計算しません。ただし合格者が0名の年が3回あるという事実は、「若干名」という募集人員の意味を具体的に示しています。枠を埋めるための試験ではない、ということです。

受験者数の列から読み取れること

この大学の実施結果には受験者数の列があるため、他大学では見えないことが見えます。出願したのに受験しなかった人の数です。

  • 学部全体で見ると、欠席者は2022年4月入学が13名(20%)、2023年が9名(17%)、2024年が5名(9%)、2025年が10名(23%)、2026年が6名(15%)
  • おおむね1〜2割が出願後に受験していません。地域政策課程の2025年4月入学は志願17名に対し受験11名で、35%が欠席しています

ここから2つのことが言えます。ひとつは、志願者数で難易度を測ると実態より厳しく見えること。もうひとつは、10月2日という試験日が効いている可能性です。多くの国公立大学の編入試験が6月から9月に集中するなかで、岩手大学人文社会科学部は10月。先に他大学の合否が出た人が来なくなる位置にあります。

出願の実務(大学が「不備10選」を出しています)

岩手大学は編入学の出願について、Q&A・出願書類にかかる確認事項・出願書類の不備10選という3本の資料を公開しています。大学がわざわざ作るということは、実際にそれで受理されなかった人がいるということです。要点を挙げます。

つまずきどころ要項・大学資料が求めていること
筆記具出願書類は黒のボールペン消せるペンは絶対に使用しない。書き損じは修正ペン・修正テープを使わず二重線+訂正印(または署名)で直す
電算処理カードこちらだけはHBのシャープペンシル(0.5mm芯)で記入。「大学記入欄」には書かない
裏面両面に記入が必要な様式があります。片面だけで出す人が多いと大学が名指ししています
履歴書学歴は入学から卒業(見込)まで記載。職歴・賞罰の欄を空欄にしない(ない場合は「なし」と記入。空欄では受理されません)
在学期間証明書「在学証明書」ではありません。休学期間の有無の記載が必要で、募集要項に同封の本学所定用紙を使います
検定料30,000円をゆうちょ銀行または郵便局の窓口で払込み(ATM不可)。受け取った「振替払込受付証明書(お客さま用)」の日附印を確認してから所定欄に貼付
受験票送付用封筒全員が必要です(窓口持参の方も)。所定の封筒にあて先を書き、410円分の切手(速達料金)を貼付
ラベル票合格通知用には合格通知(入学手続き書類)を確実に受け取れる住所を記載。合格発表日と帰省等の予定を突き合わせてください
郵送方法速達書留で、封筒の表に朱書き。到着確認の問い合わせには一切応じません(書留の引受番号で郵便追跡サービスを使います)
提出後志望課程等の記載事項の変更は認められません。受理された書類は返還されず、提出後の差し替えもできません

最後の1行がいちばん重いです。「出願書類に不備があるものは受理しません」「すべて揃っていないと受理できません、提出後、差し替えることも出来ません」。3日間の受付期間で、書き直しの機会はありません。

科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。

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課程と主専修プログラムは出願時に決める(変更不可)

人文社会科学部は主副専修プログラム制です。要項の学部案内にはこう書かれています。「編入学生は、出願時に選択した主専修プログラムを履修することになります。入学後、主専修プログラムの変更はできません。

課程主専修プログラム
人間文化課程国際文化/日本文化/現代社会共創/人間行動
地域政策課程政策法務/企業法務/地域社会経済/地域環境
副専修でのみ選べるもの地域社会連携(副専修専門プログラム)/グローバル・地域人材育成(課程横断型プログラム)

副専修プログラム(主専修に選んだもの以外から選択)は入学後に決めます。要項は「出願の際は、各専修プログラムで主として学べることを、将来の進路選択等と照らし合わせ、熟慮のうえ、出願してください」と念を押しています。詳細は人文社会科学部のウェブサイトで確認できます。

教員免許を目指す方は、課程の選び方が決定的です。要項の学部案内によると、取得可能な免許状はこうなっています。

  • 人間文化課程 … 中学校教諭1種(国語・社会・英語)/高等学校教諭1種(国語・地理歴史・公民・英語
  • 地域政策課程 … 高等学校教諭1種(公民)のみ

ただし要項は「本学入学前の履修状況によっては2年間での取得が困難な場合もあり得ます」と明記しています。免許取得を前提にするなら、出願前に岩手大学学務部学務課(019-621-6707)へ、自分の既修得単位を示して相談してください。

学内の併願と他学部の日程

岩手大学で2027年度の編入学試験を実施しているのは人文社会科学部・理工学部・農学部の3学部です。試験日は重なっていないため、制度上は併願できます。ただし時期が大きく違います。

学部出願受付試験日合格発表
理工学部2026年6月2日〜6月4日2026年6月19日(金)2026年7月10日(金)
農学部2026年6月2日〜6月4日2026年6月26日(金)2026年7月10日(金)
人文社会科学部2026年8月25日〜8月27日2026年10月2日(金)2026年10月23日(金)

2026年8月10日の時点で、理工学部と農学部の出願受付はすでに終了しています。2027年4月入学で岩手大学に出願できるのは、人文社会科学部だけです。逆に言えば、人文社会科学部の10月2日という日程は、他大学の編入試験を受けたあとでも間に合う位置にあります。

理工学部については、要項本体とは別に「試験区分の変更について(予告)」と「募集要項の訂正」がPDFで出ています。理工学部を検討する方は、要項本体だけでなくこの2本も必ず確認してください。

対策の進め方(2027年度に間に合わせる場合)

  • いますぐ

    募集要項の本紙を取り寄せる。資料請求は最終出願締切日の1週間前までで、対応が外部委託のため日数がかかります。ここを逃すと他が全部できていても出願できません。岩手大学の編入学試験のページから資料請求へ進みます

  • 同時に

    一般入試か社会人入試かを確定させる。満25歳(2027年3月31日現在)で最終学校卒業後5年以上なら、社会人入試ならTOEIC不要です。一般入試なら、TOEIC L&R 475点以上(またはTOEFL iBT 48点以上)の公式認定証の原本が手元にあるかを今すぐ確認してください。2024年10月2日以降の受験分に限ります

  • 〜8月中旬

    証明書類を集める。成績証明書は厳封が必要(自動発行機のものは厳封不要)。出願資格(3)の方は所定用紙の在学期間証明書を出身大学に依頼します。学校側の発行に日数がかかるので最優先で動いてください

  • 〜8月中旬

    課程と主専修プログラムを決め、出願理由書を書く。あとから変更できません。面接は「出願理由及び志望する専修プログラムに関する関心・知識」を問うので、ここで書いた内容がそのまま面接の土台になります

  • 8月25日〜27日

    出願(必着)。速達書留で郵送するか、9時〜16時に持参。検定料30,000円は窓口払込み(ATM不可)。受験票送付用封筒に410円分の切手不備があると受理されず、差し替えもできません

  • 9月

    小論文と面接の準備。過去問は入試課へ請求すれば出典情報が載った問題用紙を受け取れます。挙がっている書籍を読み、90分で読み・考え・書き切る練習を重ねます。並行して、選んだ専修プログラムについて自分の言葉で説明できるようにしておきます

  • 10月2日

    試験当日。受付9:30開始、10:00までに入室。小論文10:30〜12:00、面接13:00〜。1日で終わりますが、面接まであるので終日の予定を空けてください

  • 10月23日

    合格発表(13時・大学ウェブサイト)。合否の問い合わせには一切応じないと要項が明記しています

出願理由書の組み立て方は編入の志望理由書の書き方|面接で掘られる4つの要素、当日の動き方は編入試験の当日の流れ|前日の準備から筆記・面接・終わったあとまでを参考にしてください。

編入学後のこと

  • 入学時期は2027年4月、入学年次は第3年次です
  • 長期履修制度があります。職業を持っているなどの事情がある方は、標準修業年限2年を超えて最長4年まで計画的に履修して卒業することを、審査のうえ許可される場合があります
  • この制度を使っても授業料の総額は2年で卒業する学生と同額です。年あたりの負担が下がる仕組みです
  • 対象は、①職業を有している方(1日8時間週3日以上または1日4時間週4日以上の勤務で6か月以上の継続雇用)、②家事従事者または育児にあたっている方、③本人の収入で生計を維持している方、④その他大学が適当と認める方
  • ただし「長期履修学生のための特別なカリキュラムは、原則として用意しません」と要項に書かれています。申請方法は合格者に別途通知されます。問い合わせ先は岩手大学学務部学務課(019-621-6077)
  • 単位認定について、募集要項に具体的な上限や方法の記載はありません。入学前の既修得単位がどう扱われるかは、大学に直接確認してください

単位認定の考え方そのものは大学によって大きく違います。仕組みの全体像は編入の単位認定はどれくらい?一括認定・個別認定と留年リスクで整理しています。

よくある質問

岩手大学人文社会科学部の編入試験に英語の筆記試験はありますか。

ありません。2027年度の募集要項の「選抜方法」には「試験当日は外国語試験を課しません」と明記されています。その代わり、出願時にTOEIC Listening & Reading Testのスコア475点以上の公式認定証の原本、またはTOEFL iBTスコア48点以上のTest Taker Score Reportの原本を提出し、その証明書をもって外国語の成績が評価されます。TOEIC-IPテストは使えますが、オンライン受験のものは認められません。いずれも入学試験日から遡って2年以内に受験したものに限られます。なお社会人入試には外国語そのものがなく、この提出も不要です。

TOEICが475点あれば合格できますか。

475点は「提出できる証明書の下限」であって、合格ラインではありません。要項は「出願時に提出された証明書の原本をもって成績を評価します」と書いており、スコアはそのまま外国語の成績になります。さらに「外国語又は面接(口頭試問を含む)の得点が基準に満たない者は、合格者にはなりません」という条件があり、外国語には足切りがあります。この基準点は公表されていません。475点ぎりぎりで出願する場合、小論文と面接で挽回する前提になります。可能な限りスコアを上げてから出願するのが安全です。

社会人入試と一般入試はどちらで出願すればよいですか。

両方の資格を満たすなら自分で選びます。大学のQ&Aにも「各入試区分の出願資格を満たしていれば出願出来ます。出願書類や選抜方法等が異なる場合がありますので、それぞれの入試についてよく確認・比較のうえ、出願してください」とあります。社会人入試の資格は2027年3月31日現在で満25歳に達し、最終学校の卒業・修了後5年以上経過していることです。社会人入試は外国語がなくTOEICの提出も不要ですが、募集人員は両課程とも「若干名」です。大学公表の実施結果では、社会人入試の志願者は5年間で延べ5名、合格者は1名でした。また社会人入試では「卒業見込み」での出願はできません。

62単位を修得していないと出願できませんか。

区分によります。62単位以上という条件がかかるのは、出願資格(3)の「修業年限4年以上の大学において2年以上在学し(休学期間を除く)、その大学の卒業要件に関わる62単位以上を修得した者」だけです。(1)短期大学または高等専門学校を卒業(見込み)の方、(2)大学を卒業(見込み)の方、(5)専修学校の専門課程を修了(見込み)の方などには、単位数の条件はかかりません。自分がどの号に当たるかを先に確定させてください。提出書類も号ごとに違い、(3)で出願する方だけ「在学期間証明書」が必要で、しかも募集要項に同封されている本学所定の用紙を使わなければ認められません。

倍率はどれくらいですか。

岩手大学は編入学だけの実施結果を5年分公表しています。受験者数÷合格者数で見ると、人間文化課程は2022年4月入学から順に3.00倍・3.09倍・3.44倍・3.14倍・4.40倍、地域政策課程は3.40倍・3.00倍・2.43倍・1.83倍・3.25倍、学部全体では3.12倍・3.07倍・3.00倍・2.54倍・3.89倍です。志願者は66名から41名へ減っていますが、合格者も17名から9名へ絞られており、倍率は下がっていません。2026年4月入学は志願者が5年で最少なのに実質倍率は最高で、入学者7名は募集人員10名を下回りました。なお地域政策課程は受験者が9〜17名と少なく、1人の増減で数値が大きく動くため、難易度の指標としては読めません。

募集要項はどこで手に入りますか。WEB出願はできますか。

WEB出願はできません。大学のQ&Aに「必ず入試課窓口か資料請求により、募集要項の本紙(出願関係書類付き)を入手してください」と明記されています。ウェブで公開されているPDFは内容確認用で、志願票・電算処理カード・払込取扱票・受験票送付用封筒などの所定用紙は本紙にしか付いていません。入手方法は入試課窓口で直接受け取るか、資料請求のページから取り寄せるかの2つです。窓口は公表から通年配布していますが、資料請求は最終出願締切日の1週間前までしか取り寄せできません。しかも外部委託のため、公表から請求できるようになるまで一週間程度かかることがあります。送付先は日本国内のみです。

過去問は手に入りますか。

編入学の過去問題は、一般選抜と違ってウェブサイトでは公表されていません。入手するにはFAXまたは郵送で入試課へ請求するか、入試課の窓口で受け取ります。大学が公開している一覧表によると、人文社会科学部の編入学の試験科目は「小論文」(両課程共通)で、2024年度・2025年度・2026年度の3年度分が請求の対象です。ただしこの3年度はいずれも「全問題非公表だが問題用紙配布有(出典情報のみ掲載)」という区分で、課題文そのものは著作権の関係で提供されず、出典情報だけが記載された問題用紙が配付されます。Q&Aには「非公表の過去問題を見る方法はありません。窓口での閲覧も出来ません」とあります。出典に挙がった書籍を自分で読むことが、実質的な過去問対策になります。

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監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。オンライン編入学院は、大学編入試験に特化した完全オンラインの予備校です。出願資格の読み解きから、外部検定スコアの計画、出願理由書の組み立て、小論文と面接の対策まで、一人ひとりの状況に合わせて伴走します。

この記事は岩手大学が公表している令和9年度募集要項、編入学者選抜の実施結果(令和4〜8年度)、および編入学に関するQ&A等にもとづいて作成しています。出願前には必ず大学公式の最新情報をご確認ください。

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