編入の志望理由書の書き方|面接で掘られる4つの要素と構成
編入の志望理由書は、提出して終わる書類ではありません。面接で読み上げられ、書いた一文ずつを確かめられます。オンライン編入学院に寄せられた試験直後アンケート118件のうち、72件(約61%)で志望理由そのものが質問されていました。面接で最も多く聞かれる領域です。
そして質問の中身を読むと、志望理由書の役割がはっきりします。
志望理由書に書いた内容についての質疑応答繰り返し。(専門的な質問は一切なかった)
埼玉大学・2025年11月受験者の試験直後アンケートより
専門科目の質問が一切なく、志望理由書の内容だけで面接が終わった回答があります。書類は面接の台本であり、掘られる場所をこちらから指定するものです。この記事では、何を書くか・どう構成するか・何字で書くか・何を書いてはいけないかを、実際に飛んできた質問から逆算して整理します。
この記事で分かること
- 志望理由書が面接でどう使われるか(掘られ方の実例)
- 4つの要素と、書く順番
- 字数が指定されている場合とされていない場合の考え方
- 「なぜこの大学か」に答えられない書き方の共通点
- やってはいけない5つのこと
- 書き上げるまでの手順と、いつから始めるか
編入試験は大学ごとに出願資格も科目も違います。いまの学年・在籍区分で受けられる大学がどこかは、条件を突き合わせて初めて分かります。
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結論:志望理由書は面接で読み上げられる前提で書く
先に結論を書きます。志望理由書の良し悪しは、文章のうまさで決まりません。「この一文について質問されたら答えられるか」で決まります。
試験直後アンケートに残っていた質問を並べると、志望理由書がどう読まれているかが分かります。
| 面接で飛んできた質問 | 書類のどこを見ているか |
|---|---|
| 「初学者と志望理由書に書いてありますが、分からなかった時はどのように対処しますか?」 | 自己評価として書いた一語 |
| 志望理由書に書いたデータの母数などの深掘り | 根拠として挙げた数字 |
| 「あなたは今理工学部出身で、志望理由書で引用されているような論文とは距離が遠いと思うが、どういった仮定でこれらの論文にたどり着いたか」 | 参考文献と自分の経歴の距離 |
| 志望理由書であげていた研究室にいる先生の研究を簡単に説明 | 名前を出した研究室 |
| 自身の志望理由書を深く読まれていて、それとそれらについて質問があった | 全体 |
出典: オンライン編入学院に寄せられた試験直後アンケート118件(受験者本人が試験の直後に回答したもの)。大学名は回答に含まれていたものです。年度・大学によって面接の進め方は異なります。
共通しているのは、書いた本人が「軽く書いた一語」が拾われていることです。「初学者」と書けば、では分からないときどうするのかと聞かれます。データを出せば母数を聞かれます。研究室名を出せば、その先生の研究を説明させられます。
ここから決まることは1つです。書けないことは書かない。書いたことは全部説明できるようにする。文章を盛るほど、面接で答えられない場所が増えます。
志望理由書に入れる4つの要素
大学によって様式も分量も違いますが、聞かれることから逆算すると、入れるべき要素は4つに収まります。
| 要素 | 何を書くか | 面接での聞かれ方 |
|---|---|---|
| ① きっかけ | いまの学校での学び・経験のうち、どこで関心が生まれたか | 「なぜそのテーマに興味を持ったのか」 |
| ② 学びたいこと | 編入後に何を学ぶか。テーマではなく問いの形で | 「入学後は何を研究したいか」 |
| ③ なぜこの大学か | その大学でなければならない理由。カリキュラム・研究室・教員 | 「なぜ本学なのか」(118件中15件) |
| ④ 卒業後 | 学んだことをどう使うか | 「将来は何をしたいか」(118件中35件・約30%) |
この4つは独立していません。①から④まで一本の線でつながっている必要があります。きっかけと学びたいことが噛み合っていない、学びたいことがその大学である理由と結びついていない——面接で崩れるのはたいていこの接続部分です。
書く順番は②から
書き出すときは①からではなく、②「学びたいこと」から決めてください。ここが決まらないと、③「なぜこの大学か」が書けないからです。
逆の順番で書くと、こうなります。きっかけを情緒的に書き、学びたいことを漠然と書き、その大学を選んだ理由が「教育が充実しているから」「学びたい分野があるから」になります。この書き方は、どの大学にも当てはまる文章になります。面接官はそれを毎年何十通も読んでいます。
②を先に決めると、③は自動的に絞られます。その問いを扱っている研究室があるか、その分野の科目が置かれているか、という具体的な話になるからです。
「なぜこの大学か」でいちばん多く崩れる
試験直後アンケートで「なぜこの大学か」を問う質問は118件中15件ありました。実際の聞かれ方は、こういう形です。
なぜ同志社以外にも大学がある中で同志社を選んだのか。
同志社大学・試験直後アンケートより
「他にもあるのになぜここか」という形で聞かれます。つまり、その大学の良いところを挙げるだけでは答えになりません。他の大学にもある特徴を挙げると、「それは他の大学でもできますよね」と返ってきます。
答えられる形にするには、次の3つのどれかまで降りる必要があります。
- 特定の教員・研究室。誰のどの研究に、自分のどの問いが接続するか。ただし後述のとおり1人に賭けない
- カリキュラムの構造。何年次に何が置かれているか、どの科目の組み合わせが自分の問いに要るか
- 実習・フィールド・設備。その大学でしかできない実地の学びがあるか
3つとも、大学のシラバスと学部のサイトを読まないと書けません。逆に言えば、読めば書けます。ここに時間を使うかどうかで、志望理由書の説得力がいちばん変わります。
研究室の名前を出すときの注意。面接で「その先生の研究を説明してください」と聞かれた実例があります(広島大学)。名前を出すなら、その先生の論文か研究紹介を最低1本は読んでおいてください。読まずに名前だけ出すと、この質問で止まります。また、教員は異動や退職があります。1人だけを理由にすると、その人がいなくなったときに志望理由ごと崩れます。研究室は2つ以上、または研究室とカリキュラムの両方を挙げるのが安全です。
字数は指定を最優先。指定がなければ様式から読む
字数は募集要項の指定が絶対です。「800字以内」と書かれていれば801字は不可、「1,000字程度」であれば9割から満量が目安になります。
指定が書かれていない大学もあります。その場合は、配布される様式(用紙)の枠の大きさが実質的な指定です。A4用紙1枚に罫線が引かれていれば、その枠を埋める分量が求められています。様式が自由の場合はA4用紙1枚に収めるのが標準的です。
ここで決めることは1つです。字数を確認してから書き始めてください。先に書いてから削ると、①〜④のどれかが痩せます。多いのは④卒業後が削られる形で、そうすると面接で「将来は何をしたいか」(118件中35件・約30%)を聞かれたときに、書類と口頭で話がずれます。
| 字数 | 4要素の配分の目安 |
|---|---|
| 400字程度 | ②学びたいこと と ③なぜこの大学か に集中。①④は各1文 |
| 800字程度 | ①1割・②4割・③3割・④2割 |
| 1,200字以上 | 上に加えて、②の根拠(読んだ本・履修した科目・経験)を具体的に |
配分は目安です。大学が様式で項目を指定している場合は、その項目立てに従ってください。「志望動機」「入学後の学修計画」「卒業後の進路」と欄が分かれている様式もあります。
書き出せないときは順番が違う
志望理由書が書けないという相談で、いちばん多いのは「書くことがない」というものです。ほとんどの場合、書くことがないのではなく、調べる前に書こうとしているだけです。
手が止まる場所は、だいたい決まっています。
| 止まっている場所 | 実際に足りていないもの | 次にやること |
|---|---|---|
| 1行目が書けない | ②学びたいことが決まっていない | いまの学校で引っかかった科目・経験を10個書き出す。評価は後回し |
| 「なぜこの大学か」で止まる | 志望校を調べていない | 学部サイトの教員一覧とシラバスを開く。これは考えても出てきません |
| 字数が埋まらない | ②の根拠がない | 読んだ本・履修した科目・経験を具体名で入れる |
| 字数が超える | ①きっかけが長い | ①を1〜2文に圧縮する。面接で詳しく聞かれます |
| 書いたが薄く感じる | ②がテーマ止まりで問いになっていない | 「〜について」を「なぜ〜なのか」に書き換える |
「テーマ」と「問い」の違いが、この記事でいちばん実利のある区別です。
- テーマ: 地域活性化について学びたい → 面接で「具体的には?」と聞かれて止まる
- 問い: なぜ同じ規模の自治体で、移住者が定着する町としない町があるのか → 何を調べればよいかが決まり、どの研究室が近いかも決まる
問いの形にすると、③「なぜこの大学か」が自動的に書けるようになります。その問いを扱っている人がいるかどうかで、大学を選ぶ理由が具体化するからです。逆にテーマ止まりのままだと、どの大学にも当てはまる理由しか書けません。
10個書き出すときの探し方
問いの材料は、外から持ってくるものではありません。いま在籍している学校での経験の中にあります。次の5つの角度から書き出してください。
- 履修した科目のうち、レポートを書いていて面白かったもの
- 実習・演習・アルバイトで、想定と違ったこと
- ニュースや身の回りで、説明がつかないと感じたこと
- いまの専攻で扱われなかったが気になっていること
- 人に説明したときに、うまく言えなかったこと
5番目が意外に効きます。うまく説明できなかったことは、自分がまだ分かっていないことです。そこが問いになります。
この作業は志望校を絞る作業と表裏です。編入の志望校の決め方と行き来しながら進めると、志望理由書と志望校選びが同時に固まります。
800字の組み立て方を段落ごとに見る
ここまでの4要素を、実際の分量に落とします。800字指定を例にすると、段落の役割はこう分かれます。他の字数でも比率は同じです。
| 段落 | 役割 | 目安 | 書くときの注意 |
|---|---|---|---|
| 第1段落 | ①きっかけ | 80〜100字 | 1〜2文で切る。ここを長く書くと後半が痩せる |
| 第2段落 | ②学びたいこと(問い) | 300字前後 | 問いを1文で提示し、そう考えた根拠を続ける |
| 第3段落 | ③なぜこの大学か | 250字前後 | 研究室・科目・実習のいずれかを固有名で |
| 第4段落 | ④卒業後 | 150字前後 | ②で学ぶことが、どう効くかを明示する |
第2段落がいちばん長いのは、ここが面接で最も掘られるからです。学びたいことは、志望理由に次いで多く聞かれる領域です(試験直後アンケート118件のうち、学びたいこと・研究計画に関する質問があったのは11件)。
第3段落で固有名を出す意味
③「なぜこの大学か」は、固有名詞が1つも入っていなければ書き直しです。研究室名、教員名、科目名、実習の名称——どれか1つは必ず入ります。
固有名を入れると、面接での質問も具体的になります。実例では「志望理由書であげていた研究室にいる先生の研究を簡単に説明」という質問が来ています。これは答えられれば強い質問です。調べた人だけが答えられ、調べていない人と差がつきます。
逆に、固有名を入れずに「充実した教育環境」「幅広い学び」と書くと、面接官は掘りようがありません。掘られないことは有利に見えて、印象に残らないということです。
手書きかデータか
様式が手書き指定の大学があります。清書に必要な時間を見込んでください。800字を丁寧に書くと、下書きから清書まで1時間以上かかります。書き損じたときのために、様式は予備を用意しておくのが安全です。
データ入力の場合も、提出前に必ず印刷して読み返してください。画面で読むと誤字や文の重複を見落とします。提出後は修正できません。
提出前の最終確認(5項目)
- 要項の字数・様式に合っているか
- ③に固有名詞が入っているか
- ①から④が一本の線でつながっているか
- 一文ずつ、質問されたら答えられるか
- 控えを取ったか
やってはいけない5つのこと
面接での質問から逆算すると、避けるべき書き方がはっきりします。
- 説明できないことを書く。読んでいない論文を引用しない。知らない研究室の名前を出さない。実例のとおり、そこがそのまま質問になります
- いまの学校を否定する。「授業のレベルが低い」「環境が合わない」と書くと、面接で「うちに来ても同じことを言うのでは」と受け取られます。いまの学びで得たものを起点にして、その先に編入がある形にしてください
- どの大学にも当てはまる理由で埋める。「教育が充実している」「学びの環境が整っている」は、志望理由になっていません
- 数字を根拠にするとき、母数を書かない。実例のとおり、データを出せば母数を聞かれます。出典と母数をセットで書くか、書かないかのどちらかです
- 盛る。字数を埋めるために経験を大きく書くと、面接での深掘りに耐えられません。掘られて困る場所を自分で作らないでください
書き上げるまでの5つの手順
- 要項で様式・字数・提出期限を確認する。項目立てが指定されていれば、それが構成そのものになります
- ②学びたいことを「問い」の形にする。「◯◯について学びたい」ではなく「なぜ◯◯なのか」「◯◯と◯◯では何が違うのか」。問いの形にすると、面接で深掘りされたときに答えの方向が決まります
- その問いを扱っている研究室・科目を、志望校のサイトとシラバスで探す。ここが③になります
- ①きっかけを、いまの学校での経験から書く。順番は②③のあとです。先に問いが決まっていれば、どの経験を選べばよいかが決まります
- 書き終えたら、一文ずつ「これを質問されたら何と答えるか」を確認する。答えられない文があれば、そこは削るか、答えられるまで調べる
5番目が、この記事でいちばん伝えたいことです。志望理由書は提出物であると同時に、面接の質問リストです。自分で読み返して答えられない箇所は、面接官が必ず見つけます。
いつから始めるか
試験日は10月・11月に山があり、出願はその1〜2か月前です。志望理由書に取りかかるのは、出願の3か月前が目安になります。理由は、③「なぜこの大学か」を書くのに調べる時間が要るからです。出願そのものの段取り(受付期間の短さ、証明書の手配、出願より前に締め切られる手続き)は編入の出願手続きとスケジュールにまとめています。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 出願3か月前 | ②学びたいことを問いの形にする。志望校のシラバス・研究室のページを読む |
| 出願2か月前 | 下書きを書く。要項の様式・字数を確認して構成を合わせる |
| 出願1か月前 | 一文ずつ質問を想定して確認する。答えられない箇所を調べ直す |
| 出願直前 | 清書。手書き指定の様式は書き直す時間を見込む |
| 試験前日まで | 提出した内容を読み返す。面接で読み上げられる前提で口頭の準備をする |
最後の行を飛ばさないでください。提出から試験日まで1か月以上あく大学があり、その間に自分が何を書いたか忘れます。控えを取り、試験前に必ず読み返してください。
口頭で話すときに何が起きるかは編入の研究計画を面接でどう話すかに、面接全体で何が聞かれるかは編入試験の面接でよく聞かれることにまとめています。
書類の中で矛盾していないかを最後に確かめる
面接で最も答えにくいのは、知識を問う質問ではありません。自分が書いた書類の中の食い違いを指摘される質問です。試験直後アンケートに、その典型が残っています。
刑事法ゼミ志望だが、なぜ大学で学びたいことで民法を挙げているのか
法学系の学部・試験直後アンケートより
志望するゼミと、学びたいと書いた分野が噛み合っていない。それだけの指摘ですが、その場で説明するのは簡単ではありません。事前に気づいていれば直せた種類の質問です。
同じ型の食い違いは、いくつかの決まった場所で起きます。
| 食い違う場所 | どう見つけるか |
|---|---|
| 志望ゼミ・研究室 と 学びたい分野 | 挙げた研究室が扱う分野と、②で書いた問いが同じ領域にあるか |
| 学びたいこと と 卒業後 | ②で学ぶことが、④の進路にどう効くかを1文で言えるか |
| きっかけ と 学びたいこと | ①の経験から②の問いが出てくるのが自然か。飛躍していないか |
| いまの専攻 と 志望分野 | 分野を変える場合、なぜ変えるのかを書いたか。書いていなければ必ず聞かれます |
| 提出書類どうし | 志望理由書・研究計画書・自己PRを別々に書くと、内容がずれます。3つ並べて読み返す |
いまの専攻と志望分野が違う場合は、とくに注意が要ります。実例では「あなたは今理工学部出身で、志望理由書で引用されているような論文とは距離が遠いと思うが、どういった仮定でこれらの論文にたどり着いたか」という聞かれ方をしています。距離があること自体は問題ではなく、その距離をどう埋めたかを説明できるかが問われています。
学部系統によって掘られ方が変わる
試験直後アンケートを学部系統別に見ると、志望理由の聞かれ方に傾向があります。系統ごとに、書類で厚くしておくべき場所が違います。
| 系統 | 聞かれ方の例 | 書類で厚くする場所 |
|---|---|---|
| 法学・政治学系 | 志望ゼミと学びたい分野の整合。法学の観点からの質問 | ③なぜこの大学かをゼミ単位まで。分野名を正確に |
| 経済・経営系 | 書いた内容の質疑応答が繰り返される。専門質問は少ない例も | 全体。書類だけで面接が進む前提で作る |
| 人文・文学系 | 研究テーマを取り上げた理由。2年で卒業できなくても大丈夫か | ②学びたいことを問いの形で。単位面の覚悟も |
| 教育学系 | なぜ教育学部なのか。書いたデータの母数 | ①きっかけと、根拠に使った数字の出典 |
| 理工・医療系 | 将来像との接続(研究医か臨床か等)を細かく | ④卒業後。職種まで具体的に |
出典: オンライン編入学院に寄せられた試験直後アンケート118件を学部系統別に分類したもの(理工・医療系69件、経済系19件、法学系10件、人文系5件、教育系5件、社会系2件)。件数の少ない系統は傾向とまでは言えません。志望校の過去の面接の様子は、募集要項ではなく合格者の記録から確認してください。
ここで決まることは、どの要素に字数を割くかです。800字しかない書類で4要素を均等に書くより、系統に合わせて厚みを変えるほうが、面接での受け答えが安定します。
熱意だけでは通らない。現実面を必ず確かめられる
志望理由書に学びたいことを熱心に書くと、面接ではその熱意が現実に耐えるかを確かめる質問が来ます。試験直後アンケートから拾うと、こういう形です。
志望理由、どんな研究をしたいか、2年で卒業できなくても大丈夫?
人文系の学部・試験直後アンケートより
単位の互換性がないから留年するかもしれないが大丈夫か?
試験直後アンケートより
編入後、1・2年生の授業を履修する必要があるが大丈夫かという聞かれ方もありました。この種の質問は118件中11件にあります。志望理由そのものより件数は少ないものの、答えを用意していないと熱意が空回りして見えます。
聞かれている中身は3つです。
- 単位認定の結果によっては2年で卒業できないと理解しているか
- 下級生と一緒に受講することに抵抗がないか
- それでも編入する意思があるか
この3つは、志望理由書に書くべき内容ではありません。書類に「留年しても構いません」と書く必要はありません。ただし口頭で聞かれたときに即答できる状態にしておく必要があります。ここで言葉に詰まると、書類に書いた熱意の裏づけが弱く見えます。
単位認定の仕組みは編入の単位認定はどれくらいされるのかにまとめています。自分の志望校が一括認定か個別認定かを、出願前に確認しておいてください。それだけで、この質問への答え方が具体的になります。
併願を聞かれたときに志望理由と矛盾させない
併願・第一志望を確かめる質問は118件中15件ありました。「併願校はある?」という単純な形が多く、正直に答えて構いません。
問題になるのは、志望理由書に「この大学でなければならない理由」を強く書いた場合です。その状態で併願校を複数挙げると、書類と口頭が食い違って見えます。
矛盾させない書き方は決まっています。③「なぜこの大学か」を、他大学の否定ではなく、自分の問いとの接続で書くことです。「他大学にはない」と書くと併願と衝突しますが、「自分の問いがこの研究室の領域と重なる」と書けば、他大学を受けていても矛盾しません。
提出したあとにやること
志望理由書は提出した時点では終わりません。提出から試験日まで1か月以上あく大学があります。その間にやることが3つあります。
- 控えを取る。手書きで提出する場合、コピーを忘れると自分が何を書いたか分からなくなります。面接で読み上げられても手元に何もない状態になります
- 一文ずつ、想定質問を書き出す。実例で見たとおり、拾われるのは「初学者」「データの母数」「研究室名」といった細部です。自分では軽く書いた語ほど危ないと考えてください
- 30秒で口頭にする練習をする。面接時間の中央値は12分で、そこに7〜10問が飛びます。1問あたり1分前後です。書類の内容を1分で言い直せる形にしておく必要があります
面接時間と質問数の実測は編入試験の面接でよく聞かれることに、口頭で組み立て直す方法は編入の研究計画を面接でどう話すかにまとめています。
あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。
ボタンを押すとオンライン編入学院の公式LINEが開きます。相談は無料で、志望校がまだ固まっていない段階でも大丈夫です。
まとめ
編入の志望理由書について、この記事で決められることを並べます。
- 志望理由書は面接の台本です。試験直後アンケート118件のうち72件(約61%)で志望理由が質問され、面接で最も多く聞かれる領域でした。専門的な質問が一切なく、書類の内容だけで面接が進んだ回答もあります
- 入れる要素は4つ。きっかけ・学びたいこと・なぜこの大学か・卒業後。ただし独立した4項目ではなく、一本の線でつながっている必要があります
- 書く順番は②「学びたいこと」から。ここが決まらないと③が書けません。テーマではなく「なぜ〜なのか」という問いの形にすると、志望校を選ぶ理由まで自動的に絞られます
- ③に固有名詞が1つも入っていなければ書き直し。研究室・教員・科目・実習のどれかまで降りてください。大学のサイトとシラバスを読まないと書けませんが、読めば書けます
- 字数は要項の指定が絶対。指定がなければ様式の枠が実質的な指定です。書き始める前に確認してください
- 書けないことは書かない。「初学者」「データの母数」「引用した論文」「挙げた研究室」——本人が軽く書いた語が、そのまま質問になります
- 提出したら控えを取り、試験前に読み返す。提出から試験日まで1か月以上あく大学があります
いちばん大事な確認は1つです。書き終えたら、一文ずつ「これを質問されたら何と答えるか」を口に出してみてください。答えられない文があれば、そこは削るか、答えられるまで調べる。自分で気づけなかった箇所は、面接官が必ず見つけます。
書いた内容を口頭で組み立て直す方法は編入の研究計画を面接でどう話すか、面接全体の質問の分布は編入試験の面接でよく聞かれること、志望校をどう絞るかは編入の志望校の決め方、提出までの段取りは編入の出願手続きとスケジュールにまとめています。
よくある質問
編入の志望理由書は何字くらいで書けばいいですか?
募集要項の指定が最優先です。「800字以内」とあれば超えられませんし、「1,000字程度」なら9割から満量が目安になります。字数の指定がない大学では、配布される様式(用紙)の枠の大きさが実質的な指定になります。罫線が引かれていればその枠を埋める分量が求められていると考えてください。様式が自由の場合はA4用紙1枚に収めるのが標準的です。いずれの場合も、書き始める前に要項で字数と様式を確認してください。先に書いてから削ると、卒業後の展望など後半の要素が痩せ、面接で書類と口頭の話がずれる原因になります。
志望理由書には何を書けばいいですか?
きっかけ・学びたいこと・なぜこの大学か・卒業後の4つです。ただし独立した4項目ではなく、一本の線でつながっている必要があります。書く順番は「学びたいこと」からにしてください。ここが決まらないと「なぜこの大学か」が書けないためです。学びたいことを先に問いの形にすると、その問いを扱う研究室や科目という具体的な話になり、志望理由が自動的に絞られます。逆にきっかけから書き始めると、大学を選んだ理由が「教育が充実しているから」のような、どの大学にも当てはまる文章になりがちです。
志望理由書は面接でどのように使われますか?
読み上げられ、書いた内容を一文ずつ確かめられます。オンライン編入学院に寄せられた試験直後アンケート118件のうち、72件(約61%)で志望理由そのものが質問されていました。面接で最も多く聞かれる領域です。回答の中には、専門的な質問が一切なく志望理由書の内容についての質疑応答だけで面接が進んだという例もあります。「初学者と書いてありますが分からなかった時はどう対処しますか」「書いたデータの母数は」といった形で、本人が軽く書いた一語が拾われます。書けないことは書かない、書いたことは全部説明できるようにする、という基準で作ってください。
「なぜこの大学なのか」がうまく書けません。
その大学の良いところを挙げる形だと答えになりません。試験直後アンケートでは「他にも大学がある中でなぜここを選んだのか」という形で聞かれており、他の大学にも当てはまる特徴を挙げると「それは他でもできますよね」と返されます。特定の研究室や教員、カリキュラムの構造、その大学でしかできない実習や設備のいずれかまで降りてください。どれも大学のサイトとシラバスを読まないと書けませんが、逆に読めば書けます。なお研究室名を出す場合は、その先生の研究を説明できる状態にしておいてください。面接で説明を求められた実例があります。
いまの大学や学校への不満を書いてもいいですか?
避けてください。「授業のレベルが低い」「環境が合わない」といった書き方をすると、面接官に「うちに来ても同じことを言うのではないか」と受け取られます。編入は前の学校を否定する制度ではなく、そこで得たものを持って次に進む制度です。いまの学校で学んだこと、経験したことを起点にして、その延長線上に編入があるという形にしてください。同じ内容でも、否定から入るか、いまの学びから出発するかで印象は大きく変わります。
志望理由書の提出がない大学でも準備は必要ですか?
必要です。編入試験を実施している学部の約95%が面接を課しており、書類の提出がなくても志望理由は口頭で必ず問われます。試験直後アンケートでも118件中72件で志望理由が質問されていました。提出物がない場合はむしろ、書きながら考える機会がないぶん、早い段階で自分の言葉にしておく必要があります。実際に書いてみると、説明できない箇所や要素同士のつながりの弱さが見つかります。提出しない場合でも一度書き切っておくことをおすすめします。
志望理由書はいつから準備すればいいですか?
出願の3か月前が目安です。試験日は10月・11月に山があり、出願はその1〜2か月前になります。3か月前から始めるのは、「なぜこの大学か」を書くために志望校のシラバスや研究室のページを読む時間が要るためです。3か月前に学びたいことを問いの形にして志望校を調べ、2か月前に下書き、1か月前に一文ずつ質問を想定して確認、という進め方になります。手書きの様式が指定されている場合は、清書に必要な時間も見込んでください。

