高専から大学編入はずるい?実際の負担と本人の声
「ずるい」という感情には、感情ではなく制度の事実で答えられます。編入試験は科目数が一般入試より少ないのは事実です。しかしその代わりに、出願資格・情報収集・募集人員の少なさという、一般入試にはない別の負担を引き受ける仕組みでもあります。この記事では、その事実の整理と、高専出身の合格者本人が「ずるい」という言葉とどう向き合ったかを紹介します。「ずるい」と言われて反論できずにいる高専生・保護者の方に向けて、感情論ではなく制度の比較として読んでいただける内容にしています。
この記事で分かること
- 編入は科目数が少ないかわりに、出願資格・情報・募集人員の少なさという別の負担を引き受ける仕組みであること
- 「ずるい」と言われる理由と、「つらい」と言われる理由が、同じ制度の別の面であること
- 「楽をしたい」という動機で編入した合格者本人が、実際にどう向き合ったか
なぜ高専は「ずるい」と言われやすいのか
高専からは、編入試験を実施している学部のうち約8割に出願できます。就職・専攻科への進学・大学編入が並んだ選択肢として存在し、学科によっては編入が多数派です。つまり高専生にとって、編入は「例外的な挑戦」ではなく「進路のひとつ」です。だからこそ、一般入試で大学に進んだ人・専攻科に進んだ人と直接比較され、そこで「ずるい」「楽をしている」という言葉が出てきます。(出典: 「大学編入はやめとけ」と言われる理由「高専から編入する人が知っておくこと」)比較の対象そのものが身近にいるからこそ、他の受験形態よりも言葉として出てきやすいとも言えます。
事実として認めるべき点
編入試験を実施している学部の選抜方法を見ると、面接を課す学部が約95%、小論文が約54%、英語が約38%、専門科目が約16%です。5教科7科目のような多科目型ではありません。一般入試のように国語・地歴公民・理科を幅広く固める必要がなく、受験までにかかる総学習量だけを見れば、高専生が有利に見えるのは自然なことです。ここは否定する必要のない事実です。学部別の詳しい比較表は「大学編入はやめとけ」と言われる理由にまとめています。
そのうえで負担が移っている場所
科目数が少ないかわりに、編入は次の負担を引き受ける仕組みになっています。
- 出願資格。高校卒業なら基本的に誰でも出願できる一般入試と違い、修得単位数などの条件を満たす人だけが出願できます。高専であれば卒業(見込み)であることが前提になる学部が多く、途中で進路を変える自由度は一般受験生より低くなります。
- 情報量。過去問・対策本・模試がそろう一般入試と違い、大学ごとに募集要項を1つずつ確認する必要があります。同じ大学でも学部・学科で選抜方法がまったく違うことが珍しくなく、情報を取りに行く行動力そのものが結果を左右します。
- 募集人員の少なさ。「若干名」表記が多く、実数が読めないことがあります。母集団が小さい試験では、1年ごとの倍率の振れも大きくなります。
- 不合格だったときの受け皿。一般入試には浪人・他大学進学という選択肢がありますが、編入で不合格でも在籍校に残ります。準備に使った期間は戻りません。
つまり、編入は「科目数」を減らすかわりに、「出願資格」「情報」「募集の少なさ」という別の負担を引き受ける仕組みです。どちらが楽かではなく、負担のかかる場所が違うと考えるのが正確です。
周囲から見える部分と、見えていない部分
「ずるい」という言葉は、多くの場合、外から見える部分だけを比べて生まれます。
| 周囲から見える部分 | 本人にしか見えていない部分 |
|---|---|
| 科目数が少なく、面接中心で済む | 専門科目の出題範囲は、その学部の学生が2年かけて学ぶ内容の基礎にあたる |
| 周りが就職・進学先を決めて自由に過ごしている | 同じ目標を持つ仲間が少なく、孤独な準備期間が続く |
| 合格すれば「名のある大学」に入れる | 不合格なら在籍校に残るしかなく、浪人・他大学という受け皿がない |
周囲が比べているのは表の左列だけで、右列は本人にしか見えていません。「ずるい」という評価は、この見えていない負担を差し引かずに下されていることがほとんどです。悪意があってのことではなく、単純に見えていないだけというケースが大半です。
本人はどう向き合ったか
「楽をして」という気持ちを、実際に自分の言葉で振り返っている合格者がいます。以下は本人が書いた文章そのままです。
(前略)当初は楽をして名のある大学へ行きたいという気持ちでしたが、学年が上がるにつれ高専で学びを終えるのはもったいないと感じるようになり、3年の前期には受験を決めています。(後略)
一方で、「楽」とは違う実感を語る声も別の合格者から出ています。
編入は大学受験よりも仲間が少なく、孤独な戦いになります。受験が近づくにつれ就職組の人は内定が出始め自由に過ごしている中で勉強するのは正直だいぶきついです。(後略)
2つの声は矛盾していません。「科目数が少ない」という出発点の動機と、「情報も仲間も少ない中で1人で準備する」という実際の負担は、両立します。「ずるい」と言われる理由も、「つらい」と言われる理由も、同じ制度の別の面を見ているにすぎません。
tkさん自身も、動機がそのまま結果につながったわけではないと振り返っています。楽をしたいという最初の気持ちは、学年が上がるにつれて「高専で学びを終えるのはもったいない」という前向きな理由に変わり、実際の対策では英語に時間がかかりすぎたという反省も語っています。「ずるい」入り口から始めても、そのあとに必要な準備量が減るわけではないということです。
編入生の生の声をもっと見たい方へ
よくある質問
結局、編入は楽なの?大変なの?
科目数だけを見れば一般入試より少なく、その意味では「楽」です。ただし出願資格・情報収集・孤独な準備期間という別の負担があり、その意味では「大変」です。どちらか一方だけが正しいわけではなく、比べている場所によって答えが変わる質問だと理解しておくのが実務的です。
「ずるい」と言われたら、どう答えればいい?
感情に感情で言い返す必要はありません。大学編入はやめとけと言われる理由の比較表のように、事実を並べて「負担のかかる場所が違うだけ」と説明できれば十分です。言い返す言葉を用意すること自体より、自分が引き受けている負担を自分で把握しておくことのほうが、準備の役には立ちます。
高専から編入する人は本当に多い?
高専からは編入試験を実施している学部の約8割に出願でき、学科によっては編入が多数派です。詳しい実施校の一覧は高専生が受けられる大学で確認できます。
一般入試で入った人と、編入した人で、入学後に差はある?
この記事の範囲では判断できません。ここで扱ったのは出願前の負担の違いであり、入学後の学業成績や活動については、大学ごと・個人ごとに事情が異なるため、単純な比較はできません。入学後の単位認定や生活面の実際は「大学編入はやめとけ」と言われる理由で詳しく扱っています。
自分の在籍している高専・学科から、実際にどの大学に出願できるかは、条件を突き合わせて初めて分かります。
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この記事について
監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)
本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。引用は本人が書いた合格体験記の文章そのままで、言い換えはしていません。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

