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編入の研究計画を面接でどう話すか

編入の研究計画を面接でどう話すか|深掘りされる7つの角度と答え方

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-07​​​​​​‌​​​​​​‌‌‌‌‌​‌‌​​​‌​​‌​‌‌‌

結論:話すのは「問い1つ・方法1つ・この大学である理由1つ」

編入の研究計画は、書類として書けていても、口で話せるかどうかは別の問題です。面接では書いた文章を読み上げることはできません。試験官の目を見て、30秒で要点を言い、そこから飛んでくる質問に2手・3手と答えていく必要があります。

オンライン編入学院が、受験を終えた直後の受験者から集めた記録を分析すると、「編入後に何を学びたいか・どんな研究をしたいか」は質問全体の約15%を占め、志望動機(約17%)に次いで2番目に多い質問でした。この2つを合わせると、面接で聞かれることの3割を超えます。

約15%学びたいこと・研究計画の割合
2番目質問の多さの順位
約12分面接時間の中央値
30秒最初に話す長さの目安

用意するものは多くありません。①答えを出したい問いが1つ、②その問いにどう近づくかが1つ、③それをこの大学でやる理由が1つ。この3点を、30秒・1分・3分の3つの長さで話せるようにする。これだけで、研究計画に関する質問の大半は自分の言葉で返せます。

この記事では、実際に飛んでくる深掘りの角度を整理したうえで、書いたものを「話せる形」に組み替える方法を説明します。

この記事で分かること

  • 学部編入で言う「研究計画」が何を指すのか(大学院の研究計画書との違い)
  • 書けているのに面接で話せなくなる理由と、その直し方
  • 30秒・1分・3分の3つの長さで話す型の作り方
  • 研究計画に対して実際に飛んでくる7つの角度と、それぞれに用意しておくもの
  • 研究計画を一から組み立てる手順(ゼロから探さないこと)
  • 研究室をどこまで調べておけばいいか(訪問できない場合の代わりも含めて)
  • 学部の系統ごとに、深掘りがどこへ降りてくるか

編入試験は大学ごとに出願資格も科目も違います。いまの学年・在籍区分で受けられる大学がどこかは、条件を突き合わせて初めて分かります。

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そもそも編入の研究計画とは何を指すのか

まず言葉の整理をします。編入の研究計画は、大学院入試で提出する研究計画書とは別物です。学部への編入なので、求められているのは「編入後の2年間で、どんなテーマの卒業研究に向かうつもりか」という見取り図です。仮説の検証方法まで詰めた論文の設計図を出せ、という話ではありません。

書類としての扱いは大学によって分かれます。

大学ごとの扱い受験者がやること
「研究計画書」を独立した書類として求める指定の様式・字数で書く。面接はここから作られる
「学習計画書」という名前で求める研究テーマだけでなく、履修したい科目まで含めて書く
志望理由書の一部として書かせる志望理由の後半で「編入後に学びたいこと」として書く
書類では求めない提出物はないが、面接では必ず聞かれる。口頭のぶんだけ用意する

ここで決まることが1つあります。書類として求められていない大学でも、準備は必要だということです。「研究計画書の提出なし」と要項に書いてあるのを見て準備を省くと、面接で最も多く聞かれる領域の1つが空になります。提出物の有無は募集要項に書かれているので、志望校の要項で必ず確認してください。

この記事は、その内容を口で話すときに何が起きるかに絞って扱います。

書けているのに話せなくなるのはなぜか

書類が通っているのに面接で崩れる人には、共通した理由があります。文章と口頭では、情報の届け方が逆だからです。

文章は、読み手が自分のペースで何度でも読み返せます。だから前提を先に置き、条件を足し、最後に結論へ向かう書き方でも成立します。ところが面接では、聞き手は一度しか聞けません。前提を長々と話している間に、試験官は「この人は何を言いたいのだろう」と考え始めます。

「説明不足だったら基本的に深掘ってくれるから、最初から全部説明しようとしなくて大丈夫。むしろ冗長になって分かりづらくなる方がやばい。」

— 2026年度受験者(私立大学・個別面接20分程度)の試験直後アンケートより

これが口頭の要点です。足りない部分は試験官が聞いてくれます。だから最初の答えは短く、結論だけでいい。一文が長くなるほど、伝わる量は減ります。

ここで決めるのは、「一度に全部話さない」という方針です。研究計画の説明を1つの長い塊として覚えるのをやめて、短い核と、そこにつなぐ枝に分けます。次の節で、その分け方を示します。

30秒・1分・3分の3つの長さで用意する

面接では時間を指定して聞かれることがあります。「志望動機を30秒で」「研究したいことを3分で」といった形です。指定がなくても、答えの長さは自分で決めなければなりません。そこで、同じ内容を3つの長さで用意します。

長さ入れるもの使う場面
30秒版答えを出したい問い+なぜそれが大事か最初に「何を研究したいですか」と聞かれたとき
1分版30秒版+そのテーマに向かったきっかけ+どう調べるか「もう少し具体的に」と促されたとき
3分版1分版+いま分かっていること(先行研究)+この大学でやる理由「研究計画を説明してください」と時間を与えられたとき

順番が重要です。3分版を書いてから削るのではなく、30秒版から作ってください。削って作った30秒版は、要点ではなく「残った部分」になります。先に核を決めてから枝を足せば、どの長さで話しても筋が通ります。

ここで決めるのは、30秒版に何を入れるかです。入れるのは問いと、その問いが解けると何がうれしいのかの2つだけ。きっかけも、読んだ本も、大学名も入れません。それらは1分版・3分版の材料です。

テーマではなく「問い」の形にする

話が続かなくなる人の研究計画は、たいてい名詞で止まっています。「地域活性化について研究したいです」「マーケティングに興味があります」といった形です。これだと試験官は「それで、何を調べるのですか」と聞くしかなく、そこで答えが出てこないと会話が止まります。

直し方は単純です。疑問文に書き換えます。

名詞で止まっている形問いの形に直したもの
地域活性化について移住者が増えた地域と増えなかった地域で、何が違っていたのか
マーケティングについていったん評価を落とした商品が支持を取り戻すとき、何が効いているのか
教育格差について同じ制度の下でも学校ごとに差が出るのは、どこに要因があるのか
環境問題についてある政策が導入された前後で、企業の行動はどう変わったのか

問いの形にすると、自動的に「何を比べれば答えが出るか」が決まります。上の例なら、比べる対象(地域・商品・学校・企業)と、比べる時点(導入の前後)が見えます。それがそのまま「どう調べるか」の答えになり、面接で方法を聞かれたときに詰まらなくなります。

ここで決めるのは、いま持っているテーマを1つの疑問文に書き換えることです。疑問文にできないうちは、まだ研究計画になっていません。

抽象度の階段を3段用意しておく

ここからが、書類にはなくて口頭にだけ必要な準備です。面接では、話の高さを上下に動かす必要があります。

試験官が専門の近い教員なら、深いところまで一気に掘ってきます。逆に、分野が違う教員や事務職員が同席していることもあり、その人には具体的な話ほど伝わりません。同じ研究計画を、3つの高さで言えるようにしておきます。

  1. 上段(分野レベル)。「中小企業が海外に出ていく過程を研究したい」——専門外の人にも1文で伝わる高さ
  2. 中段(対象と論点)。「海外展開でつまずく企業とうまくいく企業で、何が分かれ目になっているのかを知りたい」——面接の標準的な高さ
  3. 下段(具体的な問い)。「特定の業種にしぼって、進出先の選び方と現地人材の採用のどちらが成否に効いているかを比べたい」——深掘りされたときに降りていく高さ

質問が来たら下へ降り、相手の表情が曇ったら上へ戻る。この上下移動ができると、どんな試験官に当たっても会話が成立します。

ここで決めるのは、自分の計画を3段に書き出しておくことです。紙に3行書くだけの作業ですが、これをやっていないと、深掘りされたときに同じ説明を繰り返すことになります。

研究計画に飛んでくる7つの角度

受験直後の記録を読むと、研究計画への深掘りはほぼ決まった7つの角度から来ています。大学も学部も違うのに、聞き方は驚くほど似ています。

角度実際にはこう聞かれる用意しておくもの
①きっかけなぜそのテーマに興味を持ったのか授業・アルバイト・自分の経験など、具体的な出来事を1つ
②先行研究挙げた本や論文は読んだか/印象に残ったところは/参考にした研究と自分の関心はどう違うか実際に読んだ1〜2本と、そこで「まだ分かっていない」と感じた点
③方法どうやって調べるのか/そのデータはどれくらいの規模なのか比べる対象と、比べる材料をどこから得るか
④実現性2年でできるのか/単位認定によっては留年するかもしれないが大丈夫か2年に収まる大きさに切った計画と、その前提での進学意思
⑤範囲それは他の分野でもやっているのでは/この学部でやる意味は隣接分野との違いを1文で言えること
⑥場所なぜこの大学・この研究室か/大学院からではだめなのか/希望の研究室に入れなかったらどうするか教員名・科目名と、第2希望まで含めた受け皿
⑦接続いまの学びとどうつながるか/卒業後どうつながるか履修した科目との接点と、進路との一貫性

この表の右の列が、そのまま準備リストになります。7つすべてに1行ずつ答えを書けば、研究計画の準備は終わりです。想定問答を数十問つくるより、この7つを深く埋めるほうが効きます。

②先行研究:読んだものしか口に出さない

7つのうち、最も事故が起きやすいのが②です。志望理由書に書いた本や論文の名前は、ほぼ確実に質問になります。

「面接は、とにかく志望理由書をもとに質問された。志望理由書に書いたワードを深める質問が多くあった。」

— 2026年度受験者(公立大学・個別面接20分程度)の試験直後アンケートより

「この本のどこが印象に残ったか」「その手法の前提となる知識は何か」「参考にした研究と、あなたの関心はどこが違うのか」。ここまで聞かれます。名前を挙げただけで読んでいない本があると、この時点で分かります。

ここで決めるのは、書類に載せる文献の数を「説明できる範囲」まで絞ることです。5冊挙げて3冊しか読んでいない状態より、1冊挙げてその1冊を深く語れる状態のほうが強い。読んだ1〜2本について、「そこで何が分かっていて、何がまだ分かっていないと感じたか」まで言えるようにしておけば、②の質問はむしろ得点源になります。

④実現性は聞かれる前に自分から言う

編入生には、一般の学生にはない制約があります。入学が3年次からなので、研究に使える時間が短いのです。研究室配属が後回しになる、単位認定の結果によっては2年で卒業できない、といった事情もあります。大学側はそれを知っているので、実現性の確認が入ります。

「圧迫というよりも確認が多い面接という印象でした。編入生は研究室配属が後回しになるため希望の研究室に入りにくい可能性があるが大丈夫か、編入後2年間で卒業できるとは限らないくらい大変だが大丈夫か、といった確認もありました。」

— 2027年度受験者(国立大学・面接官5人程度)の試験直後アンケートより

この質問は落とすためのものではなく、入学後に想定と違って辞めないかを確かめるためのものです。ここで動揺すると、志望度が低いと受け取られます。

ここで決めるのは、計画を2年でできる大きさに切ることです。「日本の地方経済を再生させたい」は計画ではなく願望です。2年で手が届く形——調べる対象を絞る、比べる時点を絞る、既にあるデータを使う——まで落としてから話してください。自分から「この範囲なら2年で形にできると考えています」と言えると、実現性の質問はそこで終わります。

⑥場所:1人の教員に賭けない

「なぜこの大学なのか」に答えるとき、指導を受けたい教員の名前を出すのは有効です。ただし、そこに全部を賭けると崩れます。教員が異動する、研究室の定員がいっぱいになる、編入生は配属が後回しになる、といったことが実際に起こるからです。

そのため「第一希望の研究室に入れなかったらどうしますか」という質問が来ます。ここで黙ると、その大学でなくてもよかったのではないかと疑われます。

「研究室の話のところで詰まってしまったのは完全に自分の準備不足だった。内容で100点を取れたとしても、志望理由があやふやなのは本当にダメだと思った。」

— 2027年度受験者(国立大学・口頭試問を含む面接)の試験直後アンケートより

ここで決めるのは、第2希望まで理由を持って言えるようにしておくことです。そのためには、研究室を1つだけ調べるのをやめて、その学部に「自分の問いを受け止められる場所」がいくつあるかを見ます。2つ以上見つかる大学なら、志望理由も自然に厚くなります。逆に1つしか見つからないなら、志望校選びの段階から見直したほうがいいかもしれません。志望校の絞り込みは編入の志望校の決め方で解説しています。

調べる場所は、大学のシラバス(開講科目の一覧と各科目の内容)と研究室・ゼミの紹介ページです。学部系統ごとの試験内容や大学の一覧は学部別対策から確認できます。

研究室は「どこまで調べたか」を確かめられる

⑥に関連して、もう一段だけ具体的な話をします。受験直後の記録を読むと、研究室に関する質問は「なぜこの研究室か」だけで終わらないことが分かります。実際に飛んでいるのは次のような聞き方です。

  • その研究室を知ったきっかけは何か
  • 本学に見学に来たことはあるか/研究室を訪問した経緯は
  • 志望理由書に挙げた先生の研究を、簡単に説明してほしい
  • 第2志望に挙げた教員の論文は読んだか
  • 他の研究室は気にならなかったのか
  • その研究室がなくなったらどうするか

並べると意地悪に見えますが、聞かれていることは1つです。この受験者は、その学部を「面」で調べたのか、それとも1つの研究室の名前を拾ってきただけなのか。1つしか調べていない人は、2問目か3問目で必ず止まります。

「自分が興味のある、入りたい研究室以外の研究室も調べる。その研究室で行なっている研究に関する基礎知識を身につけておく。」

— 2027年度受験者(国立大学・個別面接20分程度)の試験直後アンケートより

ここで決めるのは、研究室を何件、どの深さまで調べるかです。目安は、志望学部の中で自分の問いを受け止められそうな研究室を3件見つけ、そのうち第1・第2希望については「どんな対象を、どんな方法で扱っている研究室か」を2〜3文で説明できるようにしておくことです。論文を全部読む必要はありません。研究室のサイトにある研究紹介と、代表的な業績のタイトル・要旨で足ります。

訪問や見学については、行ければ強い材料になりますが、行けないこと自体は不利になりません。遠方の受験者も、在学中で時間が取れない受験者も大勢います。行けない場合は「オープンキャンパスの動画と公開されている講義概要を見た」「その先生の一般向けの記事を読んだ」など、自分が実際にした行動を言えるようにしてください。「行っていません」で止めるのと、代わりに何をしたかを言えるのとでは、伝わる熱量がまったく違います。

深掘りの降り方は系統でだいたい決まっている

どこまで深く聞かれるかは、学部の系統によって傾向が分かれます。受験直後の記録から、系統ごとに実際に触れられているところを整理すると次のようになります。

系統研究計画のどこに降りてくるか
経済・経営・商志望理由書で挙げた論文や著書の中身、その論文と自分の関心の距離、なぜその対象(業種・企業・地域)に絞ったのか、入りたいゼミの教員の著書を読んだか
法・社会・人文そのテーマを取り上げた理由、いま問題だと思っていること、これまで読んできた本や論文、卒業論文のテーマを考えているか
心理・教育・福祉現時点での見解、どこに要因があると考えているか、目指す資格を取るのかどうか、資格課程で忙しくなるが両立できるか
工学・情報志望研究室で使われている手法・材料・仕組みの説明、いま自分がやっている研究の内容、研究の専門用語の意味、その研究をしている企業はどこか
農・生命なぜその作物・生物を選んだのか、なぜその性質に注目したのか、関心のあるその分野の話題

文系は「読んだもの」と「自分の考え」の側へ、理系は「その研究室が扱っている中身」の側へ降りていくのが大きな傾向です。理系では、答えられないところまで降りてきた例も記録されています。志望研究室の手法について説明を求められ、使われている材料や仕組みまで聞かれて止まった、という報告があります。

「ゼミの指導教員も具体的な先行研究も深掘りはなく、背景知識やその研究を自分がやる理由をひたすら問われた印象。」

— 2027年度受験者(国立大学・個別面接30分程度)の試験直後アンケートより

この声のように、逆のパターンもあります。文献や教員名にはまったく触れられず、「なぜあなたがそれをやるのか」だけを掘り続けられることもあります。どちらに転んでもいいように、両方を用意しておくのが安全です。

ここで決めるのは、自分の系統に合わせて準備の重心をどこに置くかです。理系なら、志望研究室が扱う対象と手法について、専門用語の意味を自分の言葉で言えるところまで。文系なら、読んだ1〜2本の内容と、そこに対する自分の立場まで。加えて、どちらの系統でも「なぜ自分がそれをやるのか」の答えだけは共通で必要になります。

掘られる場所は書類の書き方である程度こちらが決められる

最後に、準備の順番を変える視点を1つ。面接の質問は提出書類から作られます。ということは、書類の書き方によって、掘られる場所をこちらから誘導できるということです。

「面接の質問は志望理由書から出るので、しっかり聞いてほしい所、掘り下げてほしい所を書くようにする。」

— 2026年度受験者(国立大学・個別面接10分程度)の試験直後アンケートより

自信を持って語れる部分は厚く、具体的に書きます。逆に、自分でも根拠が薄いと分かっている部分——読んでいない本、まだ理解していない手法、聞きかじりの数字——は書かない。書けば必ず質問になり、答えられなければその1問で信用を落とします。

ここで決めるのは、研究計画を書き終えたあとに「掘られたい順」で読み返す作業を1回入れることです。各文に「ここを聞かれたら3文で答えられるか」を確かめ、答えられない文は削るか、答えられるところまで調べ直す。この一手間で、面接の当日に起きることの半分は自分の設計どおりになります。

専門用語は「言い換え」とセットで出す

試験官が複数いる面接では、全員が同じ分野の専門家とは限りません。専門の近い教員、学部の別分野の教員、事務職員が並ぶこともあります。専門用語をそのまま出すと、分野外の人には何も伝わりません。

かといって、専門用語を避けて話すと、専門の教員には「理解が浅い」と映ります。両方に届かせる方法は1つです。用語を出したら、直後に10字程度の言い換えを添えます。「◯◯という手法——要は、制度が変わる前と後で数字がどう動いたかを見るやり方です——を使いたいと考えています」という形です。

ここで決めるのは、自分の計画に出てくる専門用語を書き出し、それぞれに短い言い換えを用意することです。だいたい3〜5語で足ります。この作業は、自分がその用語を本当に理解しているかの確認にもなります。

研究計画を組み立てる5つの手順

まだテーマが決まっていない場合の進め方です。順番を間違えると、後半で全部やり直しになります。

  1. いまの学びから出発する。ゼロから「かっこいいテーマ」を探さないでください。履修した科目、実習、アルバイト、身近な出来事のうち、少しでも引っかかったものを書き出します。①の「きっかけ」も、⑦の「いまの学びとの接続」も、ここから出てきます
  2. 疑問文に書き換える。書き出した中から1つ選び、「なぜ〜なのか」「〜と〜では何が違うのか」の形にします
  3. 関係する本や論文を1〜2本だけ読む。数を増やす必要はありません。読んだうえで「ここはまだ分かっていない」と感じた点をメモします。これが②の答えになります
  4. 2年でできる大きさに切る。対象・時期・範囲を絞ります。切ったあとの計画で④の実現性に答えます
  5. 志望校に受け皿があるか確かめる。シラバスと研究室紹介で、その問いを扱える教員・科目を探します。2つ以上見つかれば⑥に答えられます

1〜4は志望校が決まっていなくても進められます。先に自分の問いを作り、あとから受け皿のある大学を探すほうが、志望理由に無理が出ません。準備全体の流れは編入の志望校の決め方を、独学で進める場合の設計は編入の専門科目と勉強の順番をご覧ください。

やってはいけない4つのこと

  1. 読んでいない本や論文の名前を出す。②で必ず聞かれます。1冊も挙げないほうが、読んでいない本を挙げるより安全です
  2. 壮大すぎる計画にする。社会問題そのものを解決する計画は、実現性を聞かれた時点で崩れます。大きな関心は上段に置き、下段には手の届く問いを置きます
  3. 志望理由書と違うことを話す。試験官は書類を見ながら質問しています。当日になって「もっと良い言い方」を思いついても、書いた内容から離れないでください。食い違いはそのまま次の質問になります
  4. 直前にテーマを変える。新しいテーマは、②〜⑦の7つすべてを作り直す必要があります。面接の直前に変えると、どの角度から掘られても浅い答えしか出せなくなります
「専門知識をその場で答えるような難しさよりも、自分がなぜその大学・学部に編入したいのか、入学後に何を学びたいのかを自分の言葉で説明できるかが大切だと思いました。」

— 2027年度受験者(国立大学・面接官5人程度)の試験直後アンケートより

よくある質問

編入の研究計画は、大学院の研究計画書と同じものですか?

別物です。学部への編入で求められるのは、編入後の2年間でどんなテーマの卒業研究に向かうかという見取り図で、仮説の検証方法まで詰めた論文の設計図ではありません。ただし、答えを出したい問いが1つに定まっていること、その問いにどう近づくかが言えること、それをその大学でやる理由があることは求められます。大学によって「研究計画書」「学習計画書」「志望理由書の一部」と扱いが違うので、提出物の名称と様式は必ず志望校の募集要項で確認してください。

研究計画書の提出がない大学でも、準備は必要ですか?

必要です。編入試験を実施している学部の約95%が面接を課しており、面接の質問のうち約15%は「編入後に何を学びたいか・どんな研究をしたいか」に関するものです。志望動機に次いで2番目に多い領域なので、書類として求められていなくても口頭では必ず問われると考えてください。提出物がない場合はむしろ、書きながら考える機会がないぶん、早めに問いの形まで言語化しておく必要があります。

研究したいテーマがまだ決まりません。どう探せばいいですか?

ゼロから探さず、いま在籍している学校での学びから出発してください。履修した科目、実習、アルバイト、身近な出来事のうち、少しでも引っかかったものを書き出し、その中から1つを「なぜ〜なのか」「〜と〜では何が違うのか」という疑問文に書き換えます。この順番だと、面接で必ず聞かれる「なぜそのテーマに興味を持ったのか」「いまの学びとどうつながるのか」に自然に答えられます。かっこよく見えるテーマを外から持ってくると、きっかけを聞かれた時点で答えに詰まります。

面接で「2年でできるのか」と聞かれたらどう答えますか?

聞かれる前に自分から範囲を示すのが最も安全です。編入生は3年次からの入学で研究に使える時間が短く、研究室配属が後回しになることや、単位認定の結果によっては2年で卒業できない可能性もあります。大学側はそれを確認しています。対象・時期・範囲を絞って「この範囲なら2年で形にできると考えています」と言えると、この質問はそこで終わります。逆に「日本の地方経済を再生したい」のような大きさのまま話すと、実現性の質問が続きます。

希望する研究室に入れなかったらどうするか、と聞かれるのはなぜですか?

研究室配属は入学後の成績や定員で決まり、編入生は配属が後回しになることがあるためです。志望する研究室が1つしかない受験者は、入学後につまずく可能性があると見られます。意地悪な質問ではないので、第2希望まで理由を持って答えられるようにしておいてください。そのためには研究室を1つだけ調べるのをやめて、その学部に自分の問いを受け止められる場所がいくつあるかを見ます。2つ以上見つかる大学なら、志望理由そのものも厚くなります。

面接で専門用語はどこまで使っていいですか?

使ってかまいませんが、直後に短い言い換えを添えてください。試験官は複数いることが多く、専門の近い教員だけでなく、別分野の教員や事務職員が同席する場合があります。用語をそのまま出すと分野外の人に伝わらず、逆に用語を避けると専門の教員には理解が浅いと映ります。「◯◯という手法——要は……を見るやり方です——」の形にすれば両方に届きます。自分の計画に出てくる用語を3〜5語書き出し、それぞれに10字程度の言い換えを用意しておくとよいです。

研究計画の話は、どれくらいの長さで話せばいいですか?

最初は30秒で十分です。面接時間は12分前後が中心で、1つの答えに3分もかけると聞かれるはずだった質問が消えます。まず問いと、その問いが解けると何がうれしいのかだけを話し、足りない部分は試験官が掘ってくれます。そのうえで「もう少し具体的に」と促されたとき用の1分版、「研究計画を説明してください」と時間を与えられたとき用の3分版を用意します。作る順番は30秒版が先で、そこに足していく形にすると、どの長さでも筋が通ります。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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まとめ

編入の研究計画は、書けているかどうかではなく「口で説明できるか」で評価されます。準備の要点をまとめます。

  1. 用意するのは問い1つ・方法1つ・この大学である理由1つ。それ以上は要らない
  2. テーマを疑問文に書き換える。名詞で止まっていると会話が続かない
  3. 30秒版から作る。3分版を削って作らない
  4. 抽象度の階段を3段用意する。深掘りされたら降り、伝わらなければ上がる
  5. 深掘りは7つの角度(きっかけ・先行研究・方法・実現性・範囲・場所・接続)から来る。1行ずつ答えを書く
  6. 文献は読んだものだけを挙げる。数より深さ
  7. 実現性は自分から言う。2年で手が届く大きさに切ってから話す
  8. 研究室は3件調べる。1件しか調べていないことは、2問目で見抜かれる
  9. 掘られたい場所を厚く書く。書類の設計が、そのまま当日の質問の設計になる

研究計画が固まると、志望動機も、卒業後の進路の答えも、自然に決まります。面接で聞かれることの3割以上がこの領域なので、ここに時間を使う価値は十分にあります。書類に書く材料の集め方は編入の志望校の決め方もあわせてご覧ください。

この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)

本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。質問の内訳と深掘りの傾向は、受験を終えた直後の受験者から集めた記録を分析した結果です。提出書類の名称・様式・字数は大学および年度によって異なるため、必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

最終更新: 2026年8月7日

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