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編入の専門科目

編入の専門科目|学部系統別の出題科目と勉強の順番

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-07​‌‌​​‌​‌‌​‌​‌​​‌​​​​​‌​‌‌​​‌​‌​‌

結論:専門科目は「志望する学部系統」で決まる

編入の専門科目でいちばん多い遠回りは、「何を勉強すればいいか分からない」まま参考書を買い集めることです。編入試験の専門科目は、大学ではなく学部系統でほぼ決まります。経済学部ならミクロ経済学とマクロ経済学、法学部なら憲法・民法・刑法、工学部なら数学と物理。大学が違っても、同じ系統なら勉強する中身は大きく重なります。

つまり、専門科目の勉強を始めるために必要なのは、志望校の一覧ではなく「自分がどの学部系統を受けるか」の1点です。それさえ決まれば、やることは3段階に整理できます。①基本書を1冊、最後まで通す。②志望校の出題形式に合わせて範囲を絞る。③答案として書ける状態まで仕上げる。この順番を崩すと、知識はあるのに点が取れないという結果になります。

この記事では、まず自分の志望校が専門科目を課すのかを確かめ、次に学部系統ごとの出題科目を確認し、最後に何を使ってどの順で進めるかまでを説明します。

この記事で分かること

  • 専門科目を課す大学はどれくらいあるのか(面接・小論文との比重の違い)
  • 系統別の各論: 経済学系・経営商学系・法学系・工学情報系・農学生命系で、実際にどの分野まで問われるのか
  • どの科目から手をつけるか、何を使って勉強するか
  • 過去問から何を読み取るか(範囲・形式・時間配分)
  • 試験月から逆算した、専門科目の進め方の目安
  • 筆記がない大学でも専門が問われる「口述試験」への備え方

編入試験は大学ごとに出願資格も科目も違います。いまの学年・在籍区分で受けられる大学がどこかは、条件を突き合わせて初めて分かります。

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まず確認:志望校は専門科目を課すのか

編入試験の勉強を専門科目から始めるべきかどうかは、志望校の選抜方法によって変わります。編入試験を実施している学部が課している選抜方法の内訳は、次のとおりです。

選抜方法課している学部の割合(目安)どう読むか
面接・口述試験約95%ほぼ全員が受ける。志望校が決まる前から対策できる
小論文約54%半数超。専門科目の代わりに課す学部も多い
英語(筆記または外部試験)約38%外部試験のスコア提出で代替できる大学がある
専門科目(「専門」として出題)約16%主に文系の学部で、系統ごとの専門知識を問う
数学約14%理系では専門科目そのもの。文系でも経済系で出る
化学約12%理学・工学・農学・医療系
物理約9%工学・理学
生物約8%農学・生物・医療系
国語約8%人文・教育系の一部

この表から決められることは2つあります。

1つ目は、専門科目に時間を割くべきかどうかです。「専門科目」という名前で出題する学部は全体の一部です。ただし、これを「専門科目はあまり出ない」と読むのは誤りです。理系では、専門科目が「数学」「物理」「化学」「生物」という科目名で出題されるため、ラベルが分かれているだけです。数学・化学・物理・生物を足せば、専門知識を筆記で問う試験はかなりの割合になります。自分の系統ではどの名前で出るのかを、志望校の要項で確かめてください。

2つ目は、専門科目を避ける進み方もあるということです。面接と小論文だけで選抜する学部は実際に存在します。専門科目に不安があるなら、その構成の学部を軸に志望校を組む道があります。ただし、面接と小論文だけの選抜は受験できる人が多く、その分だけ志願者も集まります。「楽な道」ではなく「戦い方が違う道」だと考えてください。志望校の組み方は編入の志望校の決め方にまとめています。

学部系統ごとに出る科目は決まっている

専門科目の中身は学部系統でほぼ決まります。自分の系統の行を見れば、明日から何を開けばよいかが決まります。

学部系統中心になる専門科目あわせて課されやすいもの
経済学系ミクロ経済学・マクロ経済学経済数学・英語
経営・商・会計学系経営学・商学簿記・会計学
法学・政治学系憲法・民法・刑法小論文・英語
社会学系社会学の基礎理論時事的なテーマの小論文
人文学系専門論述(文学・史学・哲学)外国語・第二外国語
言語・国際学系英語(比重が高い)TOEIC・TOEFLのスコア提出
教育学系教育学面接・口述試験の比重が高い
心理・人間科学系心理学の基礎・統計英語の専門文献読解
スポーツ健康学系スポーツ・健康科学の専門科目小論文・面接
地域創生・政策学系社会科学の幅広い知識小論文・面接の比重が高い
理学系数学・物理・化学・生物の専門数学・英語
工学系数学・物理・各分野の専門高専からの編入枠を持つ大学が多い
建築学系建築の専門科目製図・ポートフォリオ
情報学系数学・情報科学プログラミングの基礎
農学・生物学系生物・化学英語
医療福祉系看護・保健・福祉の専門科目面接・小論文の比重が高い

この表で決めるのは「自分が今年やる科目名」です。ここが曖昧なまま参考書を選ぶと、範囲外の本に時間を使うことになります。系統ごとの実施大学と対策の詳細は、上のリンク先の学部別対策ページから確認できます。

系統をまたぐ併願は、勉強量が倍になります。経済学部と教育学部と看護学部を併願すると、3つの専門科目を並行して仕上げることになります。同じ系統でそろえれば、1つの勉強が複数の大学に効きます。専門科目の負担は、志望校を決める段階でほぼ確定します。

系統別の各論:実際にどこまで問われるのか

ここからが、この記事でいちばん実利のある部分です。「経済学系ならミクロとマクロ」と言われても、教科書のどこまでを、どの深さでやればよいかは分かりません。編入試験で実際に扱われている範囲を、分野のレベルまで落として整理します。自分の系統の項だけ読めば足ります。

著作権の観点から、設問そのものは記載していません。以下はすべて分野・テーマのレベルでの整理です。出題範囲は年度や大学によって変わるため、志望校の最新の募集要項と、大学が公表している過去問で必ず確認してください。

経済学系:ミクロとマクロを「計算して説明する」ところまで

経済学系の専門科目は、ミクロ経済学とマクロ経済学の2本立てが標準です。扱われる分野は、次のようにかなり固まっています。

分野実際に扱われるテーマ問われ方
ミクロ|消費者行動効用関数と効用最大化、予算制約、需要関数の導出、需要の価格弾力性、所得効果と代替効果計算と図。「なぜそうなるか」を数行で説明させる
ミクロ|生産者行動生産関数、費用関数、限界費用、利潤最大化、労働供給と労働市場計算中心。導出の過程を書かせる
ミクロ|市場と余剰市場均衡と均衡価格、消費者余剰・生産者余剰・社会的余剰、従量税と死荷重図を描いて数値を出させる
ミクロ|不完全競争独占、クールノー均衡、ゲーム理論とナッシュ均衡反応関数や利得表から均衡を求める
マクロ|国民経済計算GDP、国民所得、物価指数定義の説明と計算
マクロ|財市場消費関数、限界消費性向、投資、貯蓄、政府支出乗数の計算
マクロ|IS-LM分析IS曲線とLM曲線、均衡利子率、財政政策と金融政策、クラウディングアウト政策を動かしたときの効果を計算し、言葉で説明させる
マクロ|経済成長ソロー成長モデル、資本蓄積、定常状態定常状態の条件を導かせる

この表で決められるのは「1周目で飛ばしてはいけない範囲」です。ミクロは消費者行動→生産者行動→市場と余剰→不完全競争の順、マクロは国民経済計算→財市場→IS-LM→成長理論の順に固めれば、扱われる範囲のほとんどを覆えます。逆に、教科書の後半にある高度な話題を先に読み込む必要はありません。

もう1つ、経済学系では数学の道具が前提になります。微分・偏微分は毎回のように使い、制約付き最大化ではラグランジュ乗数法が出てきます。「経済数学」という科目名で数学を別に課す大学もあります。数学から離れて久しい場合は、専門書に入る前に微分の計算をひととおり戻しておくほうが、結局は速く進みます。

「基本的なところを抑えるのが大事な気がした。大変だがミクロに関しては幅広く手をつけることをおすすめします。」

2026年度受験者(経済学系)

この受験生は、苦手だった生産関数の分野が出て取り切れなかったと書いています。ミクロは「山を張る」のが最も危険な科目です。分野の数がそもそも多くないので、狭く深くより広く一定の深さで、が正解になります。

経営・商・会計系:選択科目制の大学が多く、「何で受けるか」を先に決める

経営・商・会計系でまず知っておくべきなのは、複数の科目から選んで解答させる大学が多いことです。経営学と経済学から選ぶ、会計学を含めた3つから選ぶ、といった形が実際にあります。同志社大学商学部では経済学と経営学を選ぶ形、神戸大学経営学部でも経営学と経済学の選択、名古屋大学経済学部では経済学と会計学という組み合わせが受験生から報告されています。

扱われる分野は次のとおりです。

科目実際に扱われるテーマ
経営学(組織)組織文化、リーダーシップ、経営理念、官僚制とその逆機能、モチベーション理論
経営学(戦略)経営戦略、競争戦略と競争優位、外部環境分析
マーケティングマーケティング戦略、市場調査における信頼性と妥当性、消費者行動
会計・簿記仕訳、三分法、決算整理、減価償却、損益計算書と貸借対照表
経済学(選択する場合)ミクロ・マクロの基礎(上の経済学系の表と同じ範囲)

ここで決めるのは「選択科目をどれにするか」です。選択制の大学を複数受けるなら、すべての大学で選べる科目を1つ選び、そこに時間を集中させてください。経営学を軸にするなら組織論と戦略論、会計を軸にするなら簿記の処理まで手を動かす、という具合に、準備の中身がまったく変わります。本番で「どちらを解くか」を迷うのは、いちばん高くつく時間の使い方です。過去問を見た段階で決め切ってください。

出題の形は、用語を説明させたうえで、その意義や問題点を論じさせるものが中心です。「知っている」では届かず、定義を自分の言葉で1〜2文にし、そこから議論を展開できる状態が必要になります。会計を選ぶ場合だけは計算問題の比重が上がるため、手を動かす練習の量が変わります。

法学系:用語の定義と事例へのあてはめがセットで来る

法学系は、憲法・民法・刑法の3本が中心で、これに政治学や法思想が加わります。扱われる分野は次のように整理できます。

科目実際に扱われるテーマ
憲法基本的人権、表現の自由、法の下の平等、違憲審査、司法権、権力分立、プライバシー権
民法(総則・物権)意思表示、法律行為、契約自由の原則、所有権、対抗要件と登記、取得時効、抵当権
民法(債権・不法行為)契約、不法行為、損害賠償、過失責任主義
刑法罪刑法定主義、故意と過失、因果関係、正当防衛、未遂犯、財産犯(窃盗・器物損壊)
法学の基礎・法思想法源、法解釈、法と道徳、法実証主義と自然法論、社会契約論
政治学・国際関係民主主義、選挙制度、議院内閣制、政治参加、安全保障、ナショナリズム

実際の出題を見ると、「用語の定義を書かせて、そこから論じさせる」形が繰り返し使われています。大阪公立大学法学部では民法の基本原則を歴史的背景と現代的意義まで含めて説明させる形や、占有・取得時効・登記といった論点が受験生から報告されています。神戸大学法学部ではADR(裁判外紛争解決)や意思能力・行為能力といった制度の説明、安全保障をめぐる論点が扱われました。京都大学法学部では、ある制度を導入することの当否をメリットとデメリットの双方から多角的に論じさせる形が報告されています。

ここから決められるのは、勉強の仕上げ方です。法学系は用語の暗記だけでは届きません。1つの用語について、①定義を1〜2文、②なぜその制度があるのか(趣旨)、③具体例を1つ、④それに対する批判や論点を1つ、という4点セットを作っておくと、どの問われ方にも対応できます。判例が問われる大学もあるため、教科書に太字で載っている代表的な判例は、事案と結論を短く言えるようにしておいてください。

大問の選択制がある大学では、捨てる分野を決められます。4問のうち2問を選ぶ、2つの大問から1つを選ぶといった形式が実際にあります。この場合、全範囲を同じ濃さで仕上げる必要はありません。ただし本番で選び直すと時間を失います。過去問の段階で「自分はこの分野で勝負する」を決めておいてください。

工学・情報系:数学は出る分野がほぼ固定されている

理系の中でも、工学・情報系の数学は出題分野の固まり方が際立っています。大学が違っても、扱われるのは次の3領域です。

領域実際に扱われるテーマ優先度
線形代数行列式、逆行列、連立一次方程式、固有値と固有ベクトル、対角化、行列のべき乗、線形写像、基底と部分空間、内積空間、直交行列最優先。固有値・対角化は定番中の定番
微分積分極限、偏微分と偏導関数、多変数関数の極値と極値判定、重積分(累次積分)、変数変換と極座標変換、広義積分、テイラー展開・マクローリン展開、接平面と接線最優先。重積分と偏微分は落とせない
微分方程式変数分離、一般解と初期条件、特性方程式、連立微分方程式高い。線形代数と組み合わせて出ることがある

物理は、力学と電磁気の2本が主軸です。力学では運動方程式、剛体の回転と慣性モーメント、モーメントのつり合い、振動、エネルギー保存。電磁気では電場と電位、静電容量、磁束密度、アンペールの法則。熱力学(理想気体・サイクル)を加える大学もあります。情報系ではこれに、C言語などのプログラム読解、論理回路、確率統計、情報理論が乗ります。

受験直後の記録を分野レベルで並べると、この固まり方がよく分かります。東京農工大学工学部では接平面・接線、重積分、固有値と対角化、連立微分方程式に加えて力学と電磁気。岡山大学工学部では広義積分、n次導関数、行列に、滑車のモーメントとクーロン力。筑波大学理工学群では広義積分、実対称行列の対角化、円盤の回転運動、導体平板と点電荷。埼玉大学工学部では導関数、2次偏微分、不定積分、二重積分、行列とベクトル、常微分方程式。大学は違っても、出ている分野の名前はほとんど同じです。

ここから決められるのは、演習の順番です。固有値・対角化と重積分は、出ない年を探すほうが難しい分野です。この2つを時間内に完答できる状態が、工学・情報系の最低ラインになります。志望校が固まっていない段階でも、この2つに時間を使えば無駄になりません。逆に、教科書の後半にある発展的な話題を先に触るのは順番が違います。

「数学に重点を置いた方がいい。」

2026年度受験者(工学系)

同じ大学を受けた別の受験生は「英語は簡単だったが数学が一番難しかった」とも書いています。合否を分けているのは英語ではなく数学だという声が、工学系では繰り返し出てきます。配点を確認したうえで、時間の配分を決めてください。

農学・生命系と理学系:化学は4本立て、生物は高校範囲+大学初年次

農学・生物資源系と理学系(化学・生物)では、化学と生物が専門科目になります。

化学は、有機化学・無機化学・分析化学・物理化学の4本立てが標準です。大阪公立大学工学部応用化学科ではこの4つがそのまま出題科目として報告されており、お茶の水女子大学理学部化学科では有機・無機に加えて物理化学と生物化学が混ざった形、筑波大学理工学群化学類では無機化学・物理化学(熱力学)・有機化学という構成でした。扱われるテーマは、芳香族化合物の性質と反応、電子軌道、イオン結合と共有結合、溶解度積、結晶構造(面心立方格子など)、熱力学といった、大学初年次の標準的な範囲に収まります。

生物は、高校生物の範囲を土台に、大学初年次の内容が乗る形です。実際に扱われたテーマとしては、酵素、浸透圧と膨圧、転写と翻訳、真核生物と原核生物の違い、逆転写酵素、植物の屈性(オーキシン)、腎臓での尿生成、血糖調節、遺伝、視細胞といったものが報告されています。用語を10問程度説明させる形式を取る大学もあります。

「全ては基本に基づいた問題であるので、基本を体系的に習得していくのが重要です。そして難しい問題は解けなくても良いので、基本レベルでいかに完答するかが重要です。」

2026年度受験者(医療系)

この受験生は、生物については「大学範囲が出るので要対策」、化学・生物とも「高校の内容を固めておくべき」と書いています。高校範囲を捨てて大学の専門書から始めると、かえって回り道になるのが生命系の特徴です。手元に高校の教科書が残っているなら、まずそこからです。

農学・生命系では、専門科目と一緒に環境や食料に関する記述問題が出ることもあります。ある受験生は「筆記試験は全て記述問題だったので、知識をつけるよりも理解を深める方が大切」「環境問題については早めから対策をしておくべき」と書いています。暗記した用語をそのまま書く問題は、この系統ではあまり出ません。

勉強の順番は3段階に分ける

科目が決まったら、次は進め方です。専門科目は、次の3段階を順に踏むのがいちばん速く仕上がります。

段階1:基本書を1冊、最後まで通す

最初にやることは、その科目の標準的な入門書・基本書を1冊、最後まで読み切ることです。何冊も並行して買わないでください。編入の専門科目は「大学2年生までに学ぶ内容」が前提になっているので、まずはその全体像を一度通す必要があります。

ここでよくある失敗が、1章を完璧にしてから次へ進もうとして、半年経っても3章までしか進んでいないという状態です。1周目は分からないところを飛ばして構いません。全体像が入っていないと、どこが重要かの判断がつかないためです。分からないところに印を付けて先に進み、2周目で回収します。

段階2:志望校の出題に合わせて範囲を絞る

1周したら、志望校の過去問を見ます。ここで確認するのは答えではなく、出題の形です。

  1. 出題形式。用語説明か、計算か、論述か。論述なら指定字数はどれくらいか
  2. 範囲の偏り。教科書の全範囲から満遍なく出るのか、特定の分野に寄っているのか
  3. 時間配分。試験時間と大問の数から、1問にかけられる時間を出す
  4. 選択の有無。複数の大問から選んで解答する形式なら、捨てる分野を決められる

この4つが分かると、勉強量を減らせます。たとえば論述中心で3分野からの選択制なら、全範囲を同じ濃さで覚える必要はありません。逆に用語説明が広く浅く出るなら、深掘りより網羅が優先になります。過去問は「解けるかどうか」を試すためではなく、やらなくてよいことを決めるために最初に見てください。

過去問が入手できない場合は、募集要項の「選抜方法」に書かれた出題範囲の記載と、大学が公表する出題科目名から推測します。同じ系統の他大学の出題形式も参考になります。

段階3:「書ける」状態まで仕上げる

編入の専門科目は、多くがマークシートではなく記述・論述です。読んで分かることと、白紙に書けることの間には大きな差があります。段階3では、次の形で仕上げます。

  • 主要な用語について、何も見ずに200〜400字で説明できる状態を作る
  • 理系の科目は、計算過程を省略せずに手で最後まで書き切る訓練をする
  • 論述は、時間を計って書く。書いたものを翌日に読み返して、論理の飛びを直す
  • 面接で専門知識を問われる大学もあるため、書いた内容を口頭でも言えるかを確かめる

この段階で初めて「覚えたつもり」が崩れます。早めに書き始めるほど、修正の時間が取れます。

何を使って勉強するか

教材選びは、次の3つの手がかりを上から順に当たれば決まります。自分で探し回る必要はありません。

手がかりどこで分かるか優先度
志望校が指定する参考図書募集要項・大学の入試ページに記載があることがある最優先。指定があれば必ずそれに従う
編入後に履修する科目のシラバス大学公式サイトのシラバス検索高い。担当教員が挙げる教科書は出題の傾向と重なりやすい
その系統の標準的な基本書学部別対策ページの参考書案内指定がない場合の土台にする
いま在籍している学校の教科書手元にある捨てない。既習範囲の復習はここが最速

いちばん見落とされるのは4行目です。短大・高専・専門学校・大学で既に学んだ科目は、編入試験の出題範囲と重なることが多くあります。新しい本を買う前に、いま持っている教科書とノートで戻れる範囲を確認してください。ゼロから積むより速く、内容も自分の理解に合っています。

出願までにやることの全体像は編入の志望校の決め方にまとめています。

いつから始めるか

試験日は10月・11月に大きな山ができます(11月が約26%、10月が約18%)。ここから逆算すると、専門科目の進め方の目安は次のようになります。

時期専門科目でやること判断の材料になること
試験の10〜12か月前学部系統を決める。基本書を1冊決めて読み始めるこの時点で系統が決まらないと、教材が決まらない
6〜8か月前基本書を1周し終える。過去問で出題形式を確認するここで範囲を絞れるかどうかで、後半の負荷が変わる
4〜5か月前絞った範囲を2周目。用語を書いて説明する練習を始める出願書類の作成と重なり始める時期
2〜3か月前時間を計って答案を書く。併願校の形式差を埋める文系は出願開始が9〜11月、理系の国公立は5〜6月。書類作業と重なる時期が違う
直前1か月書いた答案の見直しと、口頭で説明する練習面接で専門知識を問われる大学への備えも兼ねる

この表で決められるのは「いま何をしていればよいか」です。試験まで半年を切っていて基本書が1周していないなら、範囲を絞る作業を先に持ってきてください。全範囲を追うより、出る範囲を確実にするほうが点になります。

理系の場合の数学・物理・化学の位置づけ

理系の編入では、数学が事実上の必須科目です。数学を課す学部は約14%で、「専門」というラベルの科目(約16%)に迫ります。化学が約12%、物理が約9%、生物が約8%と続きます。

ここで決めるべきことは「数学にどれだけ時間を配分するか」です。工学系・情報学系では、専門科目より数学のほうが配点が大きい大学もあります。微分積分・線形代数は多くの大学で共通して問われるため、併願先が変わっても無駄になりません。専門分野の勉強に迷ったら、まず数学を進めるほうが期待値が高くなります。

高専から工学系へ進む場合は、本科で学んだ内容と出題範囲の重なりが大きく、既習分野の復習が最短経路になります。系統ごとの実施大学は学部別対策から確認できます。

「筆記なし」でも専門は問われる:口述試験という形

ここは見落とされやすいところです。募集要項に専門科目の筆記がなくても、口述試験で専門知識を問う大学があります。面接はほぼすべての学部で課されるため、「筆記がない=専門の勉強は不要」とはなりません。

実際の形は、大学によってかなり違います。受験直後の記録からは、次のような形が確認できます。

形式どういうものか必要な準備
紙を渡して答えさせる問題を書いた紙をその場で渡され、制限時間内に考えて口頭で答える解法を声に出して説明する練習。手が動くだけでは足りない
専門科目の口頭試問生物・化学などの分野について、その場で問われて答える。分からないとヒントを出す試験官もいる基本用語を1〜2分で説明できる状態
いまの学びを掘り下げる在学中に学んだ内容や卒業研究について、深いところまで質問される自分の履修内容・研究テーマを説明できるようにしておく
志望理由からの派生「編入後に何を学びたいか」に関連づけて専門知識を確認される学びたい分野の基本文献・基本概念を押さえておく
「口頭試問はとても緊張するし問題も難しいですが気負わなくていいと思います。分からなかったらヒントを出してくれる先生もいました。」

2026年度受験者(工学系)

ここで決められるのは、直前期の練習の中身です。筆記の対策だけを続けていると、口頭で説明する経験がないまま本番を迎えます。段階3で作った「200〜400字で書ける状態」の内容を、そのまま声に出して1〜2分で説明する練習を、直前の1か月に入れてください。書けることと話せることは別の能力です。

口述で何を聞かれるかの全体像は編入の志望校の決め方もあわせてご覧ください。

よくある質問

編入の専門科目はいつから始めればいいですか?

試験の10〜12か月前に学部系統を決め、基本書を読み始めるのが目安です。編入試験は11月と10月に試験日が集中するため、前年の秋から冬にかけて始めると1周する時間が取れます。半年を切っている場合は、全範囲を追うのをやめ、志望校の過去問から出題形式と範囲の偏りを先に確認して、出る範囲に絞ってください。専門科目は範囲を絞れるかどうかで必要な時間が大きく変わります。

専門科目はどの科目から手をつければいいですか?

志望する学部系統の中心科目からです。経済学系ならミクロ経済学とマクロ経済学、法学系なら憲法・民法・刑法、工学系なら数学と物理というように、系統ごとに出る科目は決まっています。複数科目が課される場合は、併願先でも共通して出る科目を先に進めてください。理系であれば数学が多くの大学で共通して問われるため、志望校が固まりきっていない段階でも無駄になりません。

専門科目を課さない大学はありますか?

あります。面接と小論文だけで選抜する学部は実際にあり、面接はほぼすべての学部で、小論文は半数以上の学部で課されています。専門科目に不安がある場合は、この構成の学部を軸に志望校を組む方法があります。ただし出願できる人が多いぶん志願者も集まるため、面接と志望理由書の完成度がそのまま合否に響きます。楽な道ではなく、準備の中身が変わる道だと考えてください。

過去問はどう使えばいいですか?

解けるかを試すためではなく、やらなくてよい範囲を決めるために最初に見てください。確認するのは、出題形式(用語説明か計算か論述か)、指定字数、範囲の偏り、大問の選択制の有無、試験時間に対する問題量の5点です。この5点が分かると、教科書のどこを深くやるかが決まります。過去問が手に入らない場合は、募集要項の出題科目や出題範囲の記載と、同じ系統の他大学の形式から推測します。

参考書は何冊くらい必要ですか?

科目ごとに基本書1冊を最後まで通すのが先です。複数冊を並行すると、どれも中途半端になります。1周し終えて出題範囲が絞れた段階で、足りない分野だけを補う本を足してください。志望校が募集要項で参考図書を指定している場合は、それが最優先です。指定がない場合は、編入後に履修する科目のシラバスに挙がっている教科書が、出題の水準を知る手がかりになります。

いまの学校で学んだ内容は編入試験で使えますか?

使えます。短大・高専・専門学校・大学で履修した科目は、同じ系統へ編入する場合、出題範囲と重なることが多くあります。新しい参考書を買う前に、手元の教科書とノートで戻れる範囲を確認してください。既習分野の復習はゼロから積むより速く、内容も自分の理解の仕方に合っています。あわせて、履修した科目名と内容は編入後の単位認定の資料にもなるため、シラバスを保存しておくと後で役立ちます。

専門科目は面接でも問われますか?

問われることがあります。面接はほぼすべての学部で課され、口述試験という形で専門知識を確認する大学もあります。筆記で書けるようにした内容を、口頭で1〜2分で説明できるかを試しておいてください。特に「編入後に何を学びたいか」と結びついた分野は、面接で掘り下げられやすいところです。書いた答案をそのまま声に出して説明する練習を、直前期に入れておくと安全です。

工学系の数学はどの分野から手をつければいいですか?

線形代数の固有値・固有ベクトルと対角化、そして微分積分の偏微分・重積分からです。この2つは大学を問わず繰り返し扱われる分野で、志望校が固まっていない段階でも無駄になりません。次に微分方程式(変数分離・特性方程式・連立微分方程式)、余力があればテイラー展開や広義積分に広げます。物理は力学(運動方程式・慣性モーメント・振動)と電磁気(電場・電位・静電容量)の2本が主軸です。教科書の後半にある発展的な話題を先に触るのは順番が違います。

選択科目制の大学ではどの科目を選べばいいですか?

併願先すべてで選べる科目を1つ決めて、そこに時間を集中させてください。経営・商・会計系では経営学と経済学、会計学などから選ばせる大学が多く、法学系でも複数の大問から選んで解答させる形があります。本番で選び直すと時間を失うため、過去問を見た段階で「この分野で勝負する」を決め切るのが安全です。決め方の基準は、得意かどうかより、その科目が複数の志望校で使えるかどうかです。

編入の専門科目はいつから始めればいいですか?

試験の10〜12か月前に学部系統を決め、基本書を読み始めるのが目安です。ただし始める時期は文系か理系かで半年ずれます。文系は10〜11月に試験が集中するため、前年の秋から冬に始めると1周できます。一方、理系の国公立は6〜8月が本番で、6月だけで4割近くを占めます。この層は前年の春から夏には着手しないと間に合いません。なお理系でも私立は秋が中心です。半年を切っている場合は、全範囲を追うのをやめ、志望校の過去問から出題形式と範囲の偏りを先に確認して、出る範囲に絞ってください。専門科目は範囲を絞れるかどうかで必要な時間が大きく変わります。

専門科目はどの科目から手をつければいいですか?

志望する学部系統の中心科目からです。経済学系ならミクロ経済学とマクロ経済学、法学系なら憲法・民法・刑法、工学系なら数学と物理というように、系統ごとに出る科目は決まっています。複数科目が課される場合は、併願先でも共通して出る科目を先に進めてください。理系であれば数学が多くの大学で共通して問われるため、志望校が固まりきっていない段階でも無駄になりません。

専門科目を課さない大学はありますか?

あります。面接と小論文だけで選抜する学部は実際にあり、面接はほぼすべての学部で、小論文は半数以上の学部で課されています。専門科目に不安がある場合は、この構成の学部を軸に志望校を組む方法があります。ただし出願できる人が多いぶん志願者も集まるため、面接と志望理由書の完成度がそのまま合否に響きます。楽な道ではなく、準備の中身が変わる道だと考えてください。

過去問はどう使えばいいですか?

解けるかを試すためではなく、やらなくてよい範囲を決めるために最初に見てください。確認するのは、出題形式(用語説明か計算か論述か)、指定字数、範囲の偏り、大問の選択制の有無、試験時間に対する問題量の5点です。この5点が分かると、教科書のどこを深くやるかが決まります。過去問が手に入らない場合は、募集要項の出題科目や出題範囲の記載と、同じ系統の他大学の形式から推測します。

参考書は何冊くらい必要ですか?

科目ごとに基本書1冊を最後まで通すのが先です。複数冊を並行すると、どれも中途半端になります。1周し終えて出題範囲が絞れた段階で、足りない分野だけを補う本を足してください。志望校が募集要項で参考図書を指定している場合は、それが最優先です。指定がない場合は、編入後に履修する科目のシラバスに挙がっている教科書が、出題の水準を知る手がかりになります。

いまの学校で学んだ内容は編入試験で使えますか?

使えます。短大・高専・専門学校・大学で履修した科目は、同じ系統へ編入する場合、出題範囲と重なることが多くあります。新しい参考書を買う前に、手元の教科書とノートで戻れる範囲を確認してください。既習分野の復習はゼロから積むより速く、内容も自分の理解の仕方に合っています。あわせて、履修した科目名と内容は編入後の単位認定の資料にもなるため、シラバスを保存しておくと後で役立ちます。

専門科目は面接でも問われますか?

問われることがあります。面接はほぼすべての学部で課され、口述試験という形で専門知識を確認する大学もあります。筆記で書けるようにした内容を、口頭で1〜2分で説明できるかを試しておいてください。特に「編入後に何を学びたいか」と結びついた分野は、面接で掘り下げられやすいところです。書いた答案をそのまま声に出して説明する練習を、直前期に入れておくと安全です。

工学系の数学はどの分野から手をつければいいですか?

線形代数の固有値・固有ベクトルと対角化、そして微分積分の偏微分・重積分からです。この2つは大学を問わず繰り返し扱われる分野で、志望校が固まっていない段階でも無駄になりません。次に微分方程式(変数分離・特性方程式・連立微分方程式)、余力があればテイラー展開や広義積分に広げます。物理は力学(運動方程式・慣性モーメント・振動)と電磁気(電場・電位・静電容量)の2本が主軸です。教科書の後半にある発展的な話題を先に触るのは順番が違います。

選択科目制の大学ではどの科目を選べばいいですか?

併願先すべてで選べる科目を1つ決めて、そこに時間を集中させてください。経営・商・会計系では経営学と経済学、会計学などから選ばせる大学が多く、法学系でも複数の大問から選んで解答させる形があります。本番で選び直すと時間を失うため、過去問を見た段階で「この分野で勝負する」を決め切るのが安全です。決め方の基準は、得意かどうかより、その科目が複数の志望校で使えるかどうかです。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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まとめ

編入の専門科目は、次の順で進めれば迷いません。

  1. 志望校が専門科目を課すかを確認する。理系では「数学」「物理」「化学」などの科目名で出る
  2. 学部系統を決める。ここで勉強する科目が確定する
  3. 基本書を1冊、最後まで通す。1周目は分からないところを飛ばしてよい
  4. 過去問で出題形式と範囲の偏りを確認し、やらない範囲を決める
  5. 書ける状態まで仕上げる。記述・論述が中心なので、読むだけでは届かない
  6. 併願は同じ系統でそろえる。1つの勉強が複数の大学に効く

科目が決まったら、志望校の要項で出題科目と配点を確認してください。出題範囲は年度ごとに変わることがあるため、必ず最新の募集要項を大学公式サイトでご確認ください。

この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)

本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。出題科目・選抜方法は、各大学が公表する募集要項をもとに毎年度確認しています。実際の対策にあたっては、必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

最終更新: 2026年8月7日

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