産業組織論 編入で問われる範囲を体系で押さえる|章立てが問いの形
産業組織論は、ミクロ経済学の理論を市場と企業の分析に使う分野です。編入試験では、経済学部でも経営学部でも出題されることがあり、どこまで踏み込むかの判断が難しい範囲でもあります。
本書は、理論から戦略、政策までを順に積み上げる教科書です。この記事では、その構成をどう使うかを整理します。
この本の位置づけ
本書の構成は明快です。序章で産業組織論とは何かを示し、競争政策と独占禁止法に触れたうえで、第Ⅰ部の基礎理論編に入ります。第1章が消費者と生産者、第2章が完全競争と独占、第3章が寡占、第4章が参入とコンテスタブル市場。続く第Ⅱ部が戦略編で、価格戦略の多様性から始まります。
特徴的なのは、章のタイトルが問いの形になっていることです。需要曲線・費用曲線は何を表すか、競争はなぜ望ましいか、企業間の相互作用をどう分析するか、規制緩和をいかに進めるか、といった具合です。読む前に、その章で答えるべき問いが分かる作りになっています。
編入試験の記述式では、まさにこの形の問いが出ます。「なぜ競争が望ましいのか」を説明させる問題に対して、章タイトルがそのまま設問になっているようなものです。読みながら、各章の問いに自分の言葉で答えられるかを確かめていくと、答案の準備がそのまま進みます。
事例から入る構成の教科書とは役割が違います。体系で押さえたいなら本書、まず具体例から入りたいなら事例型、という選び分けになります。志望校の出題水準は、この記事の「ターゲット大学と対策できるテーマ」で確かめてください。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
ミクロ経済学の入門書を1冊終えたあとに入る本です。需要曲線と費用曲線の意味、利潤最大化の考え方が入っていることが前提になります。
編入試験の準備では、志望校で産業組織論が問われると確かめたうえで、中盤以降に置きます。ミクロとマクロの主要論点より優先すべき分野ではありません。
第Ⅱ部の戦略編は、経営学部の志望者にとっては経営戦略論と重なる部分があります。両方が出題される大学では、この重なりを利用して効率よく回せます。
産業組織論は、経済学部と経営学部のどちらでも出題されることがあり、求められる水準が違います。志望校の過去問と現在の状況をうかがったうえで、どこまでやるかを整理します。
ボタンを押すとオンライン編入学院の公式LINEが開きます。相談は無料で、志望校がまだ固まっていない段階でも大丈夫です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
経済学数学
頻出テーマ社会的最適、市場構造、自然独占、競争均衡、価格差別、独占的競争
本書の該当ページ社会的最適(p.119)、市場構造(p.26)、自然独占(p.69)、競争均衡(p.31)
経営学
頻出テーマ浸透価格戦略、完全価格差別、ネットワーク効果、自然独占、価格差別、競争均衡
本書の該当ページ浸透価格戦略(p.135)、完全価格差別(p.85)、ネットワーク効果(p.283)、自然独占(p.69)
経済学
頻出テーマ完全価格差別、企業数、価格差別、競争均衡、クールノー均衡、限界収入
本書の該当ページ完全価格差別(p.85)、企業数(p.119)、価格差別(p.85)、競争均衡(p.31)
経済学
頻出テーマ完全競争均衡、社会的最適、企業数、価格差別、クールノー均衡、限界収入
本書の該当ページ完全競争均衡(p.31)、社会的最適(p.119)、企業数(p.119)、価格差別(p.85)
経済学数学
頻出テーマ独占均衡、販売価格、競争均衡、製品差別化、組織論、競争優位
本書の該当ページ独占均衡(p.37)、販売価格(p.262)、競争均衡(p.31)、製品差別化(p.107)
新潟大学経済科学部
経済学
頻出テーマ独占均衡、完全競争均衡、組織論、競争優位、限界収入、完全競争
本書の該当ページ独占均衡(p.37)、完全競争均衡(p.31)、組織論(p.1)、競争優位(p.158)
経済学
頻出テーマ完全競争均衡、市場構造、産業組織論、競争均衡、完全競争、価格弾力性
本書の該当ページ完全競争均衡(p.31)、市場構造(p.26)、産業組織論(p.1)、競争均衡(p.31)
経済学
頻出テーマ市場構造、競争企業、反応曲線、競争均衡、クールノー均衡、価格弾力性
本書の該当ページ市場構造(p.26)、競争企業(p.174)、反応曲線(p.56)、競争均衡(p.31)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
この本の使い方
章のタイトルの問いに、読む前に自分なりの答えを考えてから本文に入ってください。答えを持って読むと、どこが自分の理解と違うのかがはっきりします。
各章を読み終えたら、その問いに200字から400字で答える練習をしてください。編入試験の記述式では、この長さで説明を求められることが多くあります。書けない章が、そのまま試験で落とす範囲です。
第Ⅰ部の基礎理論編は、ミクロ経済学の復習を兼ねています。ミクロが不安な受験生は、ここを丁寧に読むと二重に効きます。
この記事の「本書の該当ページ」で、志望校の頻出テーマの掲載ページを確かめられます。過去問で問われている論点から逆引きしてください。
注意点
ミクロ経済学の基礎が前提です。需要と費用の扱いがあいまいなまま読むと、寡占の分析で止まります。
また、政策の部分は法制度に関わるため、記述が現行の制度と一致しているかを別に確かめる必要があります。試験で制度を問われる場合は、最新の情報を公式の資料で確認してください。
最後に、産業組織論が志望校で出るかどうかを過去問で確かめてください。出題されない大学で1冊読むのは、時間の使い方として最善ではありません。
動画でも解説しています
【大学編入】主要難関大学の過去問傾向を大学准教授が徹底解説!〜ミクロ経済学編〜
【准教授対談】編入受験生への提言!経済学の最短学習法はこれだ!
【4校合格】難関大学の編入合格者に対策のスケジュールや戦略、参考書など全て話してもらいました!【神戸大学 経営学部】【名古屋大学 経済学部】【長崎大学 経済学部】【滋賀大学 経済学部】
【大学編入】同志社大学 商学部 商学総合コース・神戸大学 経営学部 経営学科 編入合格者インタビュー|参考書の使い方まで詳しく解説
【大学編入】プロが分析!編入難易度ランキング〜経済学部編〜
2年連続 合格者数No.1
大学編入試験
合格者数 No.1
※調査対象期間 2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ
※調査方法: 企業担当者へのヒアリング、企業発表情報、デスクリサーチ/調査対象: 大学編入試験対策の予備校・個別指導塾(医学部・看護学部系除く)/調査項目: 2025年度と2026年度の大学編入試験合格者数
オンライン編入学院 公式サイト
オンライン編入学院は、理論の体系づくりから、答案に落とす練習まで指導しています。最新の合格状況は合格者速報で公開しています。
理論を押さえたあと、答案に落とす練習へ移る時期は残り時間で変わります。現在の状況をうかがって、次にやることを一緒に決めます。
ボタンを押すとオンライン編入学院の公式LINEが開きます。相談は無料で、志望校がまだ固まっていない段階でも大丈夫です。








