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物理化学演習 —大学院入試問題から学ぶ—

物理化学演習 —大学院入試問題から学ぶ—の表紙

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物理化学演習は編入に向くか|大学院入試が題材の問題集の使い方

物理化学は、教科書は充実しているのに問題集が少ない分野です。読んで理解したつもりでも、手を動かす機会がないまま試験を迎える受験生が多くいます。

本書は、その不足を埋めるために作られた問題集です。ただし題材は大学院入試問題なので、編入受験生には水準の見きわめが要ります。

著者真船文隆・廣川淳
出版社株式会社東京化学同人
発行2022年7月28日(第1版第1刷)
ページ数356ページ
ISBN978-4-8079-0963-6

この本の位置づけ

まえがきに、本書が作られた理由が書かれています。大学の教養・専門課程で学び始めると、教科書はたくさんある一方で、いわゆる問題集があまりないことに気づく。教科書を熟読して学ぶことも重要だが、手を動かして問題を解くことで理解が深まるのも事実だ、という問題意識です。

構成は全10章で、各章が説明文、それに対応する例題、演習問題、解答例と解説という並びになっています。説明文は、これまでに学んだ知識の確認という位置づけで、なるべく短く簡単にとどめられています。一方で解説は、なるべく数式を省略せず丁寧に、という方針が明記されています。

問題は、最近10年ほどの間に大学院入試で出題されたものが中心です。各大学から許諾を得て掲載されています。

編入受験生にとっての位置づけは、はっきりさせておく必要があります。題材が大学院入試である以上、編入試験より高い水準の問題が含まれます。物理化学の出題が重い大学を志望する場合や、編入後の院進を視野に入れている場合には価値がありますが、そうでない場合は過剰です。

判断材料は志望校の過去問です。この記事の「ターゲット大学と対策できるテーマ」で、本書の内容と重なる大学・学部と頻出テーマを確かめてください。

いつどのタイミングの編入受験生におすすめか

物理化学の教科書を1冊読み終え、基本的な計算ができる状態になってから入る本です。説明文は既習知識の確認という位置づけなので、そこで理論を学ぶ本ではありません。

編入試験の準備では、専門科目の演習を厚くする段階に置きます。数学と英語の目処が立ち、専門の教科書を読み終えたあとが目安です。

直前期に新しく買うのは勧めません。水準が高いぶん1問あたりの時間がかかり、残り時間を消費します。

演習書の水準が志望校に対して高すぎると、時間をかけたわりに得点が伸びません。志望校の過去問と現在の到達度をうかがったうえで、必要な水準を整理します。

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ターゲット大学と対策できるテーマ

過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。

東京農工大学工学部

数学

頻出テーマ断熱過程、回転エネルギー、軌道エネルギー、熱力学第一法則、化学熱力学、有効核電荷

本書の該当ページ断熱過程(p.306)、回転エネルギー(p.100)、軌道エネルギー(p.71)、熱力学第一法則(p.137)

神戸大学理学部

化学物理数学

頻出テーマ断熱過程、熱力学第一法則、有効核電荷、第一法則、対称操作、シュレーディンガー方程式

本書の該当ページ断熱過程(p.306)、熱力学第一法則(p.137)、有効核電荷(p.46)、第一法則(p.137)

東京大学工学部

英語

頻出テーマ剛体回転、回転エネルギー、断熱過程、熱力学第一法則、第二法則、分配関数

本書の該当ページ剛体回転(p.24)、回転エネルギー(p.100)、断熱過程(p.306)、熱力学第一法則(p.137)

筑波大学理工学群

物理数学化学

頻出テーマ断熱過程、回転エネルギー、熱力学第一法則、定常状態近似、第一法則、速度論

本書の該当ページ断熱過程(p.306)、回転エネルギー(p.100)、熱力学第一法則(p.137)、定常状態近似(p.244)

京都工芸繊維大学工芸科学部

化学物理

頻出テーマ量子化学、断熱過程、熱力学第一法則、多電子原子、調和振動、速度論

本書の該当ページ量子化学(p.26)、断熱過程(p.306)、熱力学第一法則(p.137)、多電子原子(p.44)

お茶の水女子大学理学部

化学数学

頻出テーマ量子化学、断熱過程、回転エネルギー、軌道エネルギー、統計力学、有効核電荷

本書の該当ページ量子化学(p.26)、断熱過程(p.306)、回転エネルギー(p.100)、軌道エネルギー(p.71)

東北大学理学部

化学

頻出テーマ量子化学、変分法、定常状態近似、量子化、調和振動子、結合次数

本書の該当ページ量子化学(p.26)、変分法(p.21)、定常状態近似(p.244)、量子化(p.26)

電気通信大学情報理工学域

数学

頻出テーマ断熱過程、軌道エネルギー、化学熱力学、熱力学第一法則、反結合性軌道、結合次数

本書の該当ページ断熱過程(p.306)、軌道エネルギー(p.71)、化学熱力学(p.166)、熱力学第一法則(p.137)

新潟大学理学部

化学物理

頻出テーマ剛体回転子、熱力学第一法則、結合次数、実在気体、結合性軌道、化学ポテンシャル

本書の該当ページ剛体回転子(p.24)、熱力学第一法則(p.137)、結合次数(p.72)、実在気体(p.129)

九州大学理学部

物理

頻出テーマ変分法、断熱過程、回転エネルギー、熱力学第一法則、第一法則、調和振動

本書の該当ページ変分法(p.21)、断熱過程(p.306)、回転エネルギー(p.100)、熱力学第一法則(p.137)

東京海洋大学海洋生命科学部

化学物理

頻出テーマ第一法則、水素分子、反結合性軌道、速度論、結合性軌道、波動関数

本書の該当ページ第一法則(p.137)、水素分子(p.66)、反結合性軌道(p.71)、速度論(p.248)

神戸大学工学部

化学数学物理

頻出テーマ定常状態近似、第一法則、速度論、モル分率、速度定数、化学平衡

本書の該当ページ定常状態近似(p.244)、第一法則(p.137)、速度論(p.248)、モル分率(p.179)

※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。

この本の使い方

章の説明文を読んでから例題に入り、そのあと演習問題に進んでください。説明文は短いので、ここで理解が足りないと感じたら教科書に戻ります。

全問を解く必要はありません。志望校の頻出テーマに対応する章から取りかかってください。この記事の「本書の該当ページ」で、テーマごとの掲載ページを確かめられます。

解説は数式を省略しない方針で書かれているので、途中式を追う価値があります。ただし、読んで納得することと白紙から解けることは別です。日を空けてから解き直して、再現できるかを確かめてください。

解けない問題が出たときは、水準の問題なのか理解の問題なのかを区別してください。大学院入試の水準を超えて解けない問題は、編入対策としては飛ばして構いません。

注意点

題材は大学院入試問題です。編入試験の水準を超える問題が含まれるので、全問を解けるようにする必要はありません。

また、理論の解説書ではありません。説明文は確認用なので、教科書を別に持っておいてください。

最後に時間配分です。物理化学は範囲が広く、演習にいくらでも時間を使えます。志望校の配点と出題比率を確かめ、かける時間の上限を先に決めてから取りかかってください。

動画でも解説しています

【大学編入】お茶の水女子大学 理学部 化学科 編入合格者インタビュー|合格枠2名の狭き門を突破するためにやるべきこととは?

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※調査対象期間 2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ
※調査方法: 企業担当者へのヒアリング、企業発表情報、デスクリサーチ/調査対象: 大学編入試験対策の予備校・個別指導塾(医学部・看護学部系除く)/調査項目: 2025年度と2026年度の大学編入試験合格者数

オンライン編入学院 公式サイト

オンライン編入学院は、演習の水準が志望校に合っているかの判断から指導しています。2027年度入学の合格にはお茶の水女子大学理学部化学科が含まれます。年度ごとの一覧は合格者速報にまとめています。

演習の範囲が決まったら、次は他の科目との配分です。現在の状況をうかがって、専門科目全体の進め方を一緒に整理します。

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