編入試験の英語|和訳・長文読解の対策と外部試験を取るかの判断
結論:英語の対策は「志望校がどの型か」を確かめてから始める
編入試験の英語でまず避けたいのは、志望する学部・年度・選抜区分の扱いを確かめないまま教材を決めることです。英語の筆記、外部試験のスコア、英語以外の外国語、口述などの扱いは、同じ大学でも学部や選抜区分で異なります。志望校ごとの募集要項で、何を提出し、何を受けるかを確認してから準備を決めてください。
候補校に共通して求められる英語の条件がある場合は、その条件を満たす準備を早めに計画します。英語の筆記・外部スコア・外国語が選抜に使われないことを志望校ごとに確認できた場合は、編入選抜のための英語対策より、専門科目・小論文・面接など必要な準備へ時間を配分できます。
この記事で分かること
- 志望校の英語がどの型かの見分け方と、型ごとにやることの違い
- 外部試験(TOEIC・TOEFL・IELTS)を取るべきかの判断基準と、スコアの有効期限という落とし穴
- 筆記の英語で実際に問われる出題の型(和訳・要約・内容説明・語句記述)と、設問構成の定番パターン
- 系統別の各論: 法学系・経済系・工学情報系・農学系などで、どの分野の英文が出て何の語彙を足すか
- 和訳で崩れる7か所の構文と、1本の英文をどう演習に使うか
- 「日本語で説明せよ」「要約せよ」の書き方(和訳とは別の技術)
- 英語以外の外国語を課す大学があるという落とし穴
- いつ何を始めるかの逆算
編入試験は大学ごとに出願資格も科目も違います。いまの学年・在籍区分で受けられる大学がどこかは、条件を突き合わせて初めて分かります。
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手順1:志望校の英語がどの型かを確かめる
英語の対策を決める前に、候補校の条件を次の観点で整理してください。学部・年度・選抜区分ごとに確認すると、やるべきことを決められます。
| 志望校で確認する英語の扱い | 準備の決め方 |
|---|---|
| 英語の筆記 | 和訳・読解・要約など、募集要項と過去問にある形式に合わせて演習する |
| 外部試験のスコア | 受け付ける試験の種類、スコアの有効な受験日、スコアの提出・到着期限、出願締切を確認して逆算する |
| 筆記と外部スコアの関係 | どちらかを選べるか、筆記が免除されるか、両方が必要かを、学部・年度・選抜区分ごとに確認する |
| 英語以外の外国語・英語なし | 選べる言語や、英語を含む外国語が選抜・出願に使われないことを確認してから、他科目との配分を決める |
TOEIC・TOEFL・IELTSなど、受け付ける外部試験の種類は学部ごとに異なります。すでに持つスコアが使える場合もあるため、新たに受験する前に最新の募集要項で確認してください。
型が分かると時間の配分が決まる
ここが、この記事でいちばん実利のある部分です。判断は次の3つです。
- 候補校に、外部スコアの提出を必須とする学部が1校でもあるなら、その条件を満たすスコアを準備します。提出方法、スコアの提出・到着期限、出願締切まで確認し、受験日を逆算してください。
- 筆記と外部スコアの選択制、または外部スコアで筆記が免除される場合は、要件・準備期間・得意な形式を比べて、どちらを使うか決めます。選べることを確認しないまま、スコアだけを準備する必要はありません。
- 候補校のすべてで、外部スコアを課さず、受け付けず、選抜資料にも使わないことを確認できたなら、TOEICの得点はその編入選抜の直接評価には使われません。ただし、英語学習で得た読解力などの効果と、試験スコアが選抜で評価されることは別です。筆記がある学部では和訳・読解の演習を、英語が選抜に使われない学部では専門科目・小論文・面接など、要項にある準備へ時間を配分してください。
候補校がまだ固まっていない段階でここを決めようとすると、判断できません。志望校の絞り込み自体が終わっていない場合は、先に編入の志望校の決め方で候補を十数校まで減らしてから戻ってきてください。
手順2:外部試験を取るかどうかを決める
外部試験は、取るか取らないかを早い時期に決め切るべき項目です。中途半端に「一応やっておく」のがいちばん損をします。
スコアには有効期限がある
これが編入試験の英語で最も多い事故です。TOEIC・TOEFL・IELTSのスコアは、受験してからの経過期間によって使えなくなります。大学の募集要項にも「出願時点で受験日から◯年以内のもの」「◯年◯月以降に受験したもの」という形で条件が書かれます。年数の指定は大学ごとに違うため、必ず志望校の募集要項の原文で確認してください。
実務上、次の3つを同時に満たす必要があります。
| 確認すること | 見落とすとどうなるか |
|---|---|
| 受験日が大学の指定する期間内か | 高いスコアを持っていても、古すぎて使えない |
| 提出形式(公式認定証の原本かコピーか) | 原本の取り寄せが間に合わず出願できない |
| スコアが手元に届く日と出願締切の関係 | 受験は済んでいるのに、結果が締切に間に合わない |
受験日だけではなく、結果の確定日、証明書の発行・公式送付にかかる日数、スコアの提出・到着期限、志望校の出願締切を同じ予定表に置いて逆算してください。たとえば京都大学経済学部の2027年度第3年次編入学学生募集要項は、TOEFL公式スコアを「出願期間までに」大学へ到着させるよう求め、発送手続きから到着まで1〜2か月かかる場合があるとしています。文系・理系、国公立・私立だけで準備期限は決まりません。志望する学部・年度・選抜区分の要項で、受験日、有効期限、提出方法、スコアの提出・到着期限、出願締切を確認してください。
取るか取らないかの決め方
判断は次の順で行ってください。
- 候補校の募集要項で、外部スコアを出願・選抜に使う学部があるかを確認する。候補校のすべてで、外部スコアを課さず、受け付けず、選抜資料にも使わないと確認できた場合、編入選抜のためにスコアを取る必要はありません。就職など別の目的は、編入選抜とは分けて判断してください。
- 外部スコアを利用すると決めた場合は、その大学が指定する試験の種類を確認する。TOEICだけを認める大学、TOEFLだけの大学、複数を認める大学があります。筆記との選択制やスコアによる筆記免除なら、要件・準備期間・得意な形式を比べて、利用する方法を決めてください。
- 外部スコアを利用すると決めた場合に、必要な水準と、いまの自分の距離を測る。必要ならまず1回受けて現在地を知り、目標との距離や出願までの期限を踏まえて計画します。
TOEFLを指定する大学を受ける場合は京都大学編入に必要なTOEFLスコアとは?もあわせてご覧ください。教材選びはTOEICの参考書一覧とIELTSの参考書一覧から探せます。
手順3:筆記の英語で何が問われるかを知る
筆記の英語試験の形式は、大学・学部・年度・選抜区分で異なります。下線部和訳、全文和訳、内容説明、語句記述、意見記述などがあるため、志望校の募集要項と大学が公表する過去問で、実際の形式を確認します。
| 出題の型 | 答案を作る前に確認すること | 練習の例 |
|---|---|---|
| 下線部和訳 | 文の構造と前後の文脈 | 精読し、訳を読み返す |
| 全文和訳 | 設問の範囲と時間の条件 | 必要に応じて時間を計って訳す |
| 内容説明・要約(日本語で答える) | 本文の主張、根拠、字数などの指示 | 設問に必要な要素をメモしてまとめる |
| 空欄補充・語句記述 | 語句の意味と文中での働き | 志望校の公開資料に出る用語を確認する |
| 英文を読ませて意見を書かせる | 本文の説明と自分の意見を分ける指示 | 設問に沿って理由を整理する |
選択肢を選ぶ問題、日本語で書く問題、語句を記述する問題など、求められる回答は大学によって異なります。志望校の過去問に日本語で書く設問がある場合は、英文を読むだけでなく、設問に沿って日本語で答える練習も加えます。
設問の組み合わせ方の例を見る
この5つの型は、単独ではなく組み合わせて出されます。受験直後の記録から、実際の構成を整理したものが次です。自分の志望校がどの構成かを過去問で確かめると、練習の中身が具体的に決まります。
| 構成のパターン | 実際の組み合わせ | この構成ならやること |
|---|---|---|
| 全訳1本勝負 | 長文をまるごと日本語にさせる(法政大学法学部で報告) | 速度と精度の両立。時間内に最後まで訳し切る訓練 |
| 下線部訳+全訳 | 1題目は長文の3か所の下線部を訳し、2題目は全文和訳(同志社大学理工学部で報告) | 下線部訳と全訳では戦い方が違う。両方を練習する |
| 説明+和訳の複合 | 本文の内容を説明する問題が3問、日本語訳の問題が3問(東京海洋大学海洋工学部で報告) | 「説明」と「訳」の書き分け。字数感覚を作る |
| 和訳+説明+抜き出し | 和訳2問、説明問題1問、語句を抜き出す問題4問(北海道大学教育学部で報告) | 設問ごとに配点が細かい。取りこぼしを作らない |
| 要約+和訳+意見 | 英文量が多く、要約と下線部和訳に加えて、自分の専攻の観点から論じさせる(筑波大学社会学類で報告) | 読解と小論文が地続き。両方の対策が要る |
| 読解+自分で書かせる | 長文の大問2つに加え、空欄に3〜4語の英単語を自分で考えて書く問題、英文の並べ替え(東京農工大学工学部で報告) | 選ぶのではなく書く。分野の語彙を綴れる状態にする |
| 英語が2科目 | 「外国語1(辞書使用可)」で説明と和訳、「外国語2」で文法・語法の書き取りと選択(東京海洋大学海洋工学部で報告) | 辞書が使える科目と使えない科目が分かれる。文法の詰めが要る |
いちばん見落とされるのは最後の行です。英語が1科目とは限りません。読解中心の科目と、文法・語法を単独で問う科目が分かれている大学があります。この場合、長文だけを練習していると片方が丸ごと空白になります。試験科目の欄に「外国語」がいくつあるかを、まず要項で数えてください。
ここに挙げた構成は、受験直後の記録をもとにしたものです。年度によって変わります。著作権の観点から、設問そのものは記載していません。実際の出題形式は、志望校の最新の募集要項と、大学が公表している過去問で必ずご確認ください。
辞書の持ち込みを認める大学がある
編入試験では、英和辞書の持ち込みを認めている大学があります。辞書で調べられる範囲や持ち込みの条件は大学ごとに異なります。語義を確認した後も、文の構造や前後の関係が本文に合うかを自分で確かめます。
持ち込みの可否・電子辞書の扱い・辞書の種類の制限は大学ごとに違い、要項に明記されます。ここを確認しないまま「辞書があるはず」と思って本番に臨むのは危険です。必ず募集要項で確認してください。
出題される英文は志望学部の分野に寄る
編入試験の英文は、学部の専門分野から題材が取られる傾向があります。法学系なら法と社会の関係を論じた文章、経済・経営系なら企業活動や持続可能性を扱った文章、工学・情報系なら技術を説明した文章、農学・生命系なら生物や環境に関する文章、というように、読む前から分野の見当がつきます。
これが意味するのは、汎用の英語長文問題集だけでは語彙が足りないということです。実際、受験直後の受験生からはこうした声が届いています。
「単語が『沸騰』や『分子』など、あまり見慣れない科学技術系の単語で答えなければならないので対策が必要だと思います。」
2026年度受験者(工学系)
志望校の公開資料や過去問で専門用語が出る場合は、専門科目で使う日本語の用語と対応する英語を確認します。必要な語彙の範囲は、志望校の形式と自分の理解度に合わせて決めます。
系統別の各論:どの分野の英文が出るのか
「分野に寄る」だけでは動けません。系統ごとに、実際にどういう英文が来て、何を足しておけばよいかを具体化します。自分の系統の行だけ読めば足ります。
| 学部系統 | 題材になりやすい内容 | 足しておく語彙 |
|---|---|---|
| 法学・政治系 | 法と社会の関係、権利、功利主義や正義をめぐる議論、制度と自由 | 法学の定訳。日常語と訳し分けが必要な語が多い |
| 経済・経営・商学系 | 企業の持続的な成長、利害関係者との関係、産業や市場の動向 | 経済・経営の基本用語。時事的な話題の語彙 |
| 工学・情報系 | 技術の説明、科学技術一般の解説文 | 科学技術の基本語。読むだけでなく綴れる状態が要る場合がある |
| 農学・生命系 | 生物、食料、環境をめぐる説明文 | 生物・化学の基本語(英語の教科書で使われる水準) |
| 教育系 | 学びのあり方、多文化・移民の背景を持つ子どもの教育 | 教育学の基本語。現代文の記述力のほうが効く場合もある |
| 医療・看護系 | 医療とケア、公衆衛生に関する説明文 | 医療の基本語。専門用語の定訳 |
| 人文・国際系 | 文化・思想・社会をめぐる論説 | 抽象語彙。加えて第二外国語が課される場合がある |
単語帳を追加するかは、志望校の形式と自分の不足から決めます。公開資料や過去問で分野の用語が必要だと分かった場合は、その語を優先して確認します。汎用語彙、分野の語彙、文の構造のどこを補うかは、解いた英文で手が止まった理由をもとに選びます。
「英語は化学単語をわかっていないと和訳しにくいものだった。自分は英語が苦手なので和訳を考える時間が足りなかったり、答えられない箇所があった。」
2026年度受験者(工学系)
工学・情報系では、さらに一歩進んで分野の語を英語で書かせる大学もあります。空欄に3〜4語の英単語を自分で考えて入れる形式で、そこに科学技術系の語が来るという報告があります。この場合、読んで分かるだけでは足りず、綴れる必要があります。志望校がこの形式なら、分野の基本語は書いて覚えてください。
法学系では、定訳のある語を日常語で訳すと減点されるという別の難しさがあります。ある受験生は、法学の文脈で使われた語を専門の訳語に置き換える必要があったと書き、「テクニカルタームの勉強も必要になる」「句でくくり、関係を見抜くこと」と振り返っています。分野の英文を訳すというのは、英語の力と専門の知識を同時に使う作業です。
学部系統ごとの出題内容は学部別対策から確認できます。
手順4:和訳を見直す書き方
和訳では、構文を取り違えず、原文の関係を日本語で伝えられているかを確かめる練習が役立ちます。個別の大学が何をどう採点するかは、志望校・年度・選抜区分の公式資料で確認してください。
和訳を見直す5つの視点
- 構文の取り違え。関係詞がどこまでかかるか、分詞構文が何を修飾しているか、比較の対象が何と何かを確認し、文全体の意味を取り違えないようにします。
- 指示語・代名詞をそのまま残す。「それ」「これ」で指す内容が読み手に伝わるかを、本文に戻って確かめます。
- 無生物主語の直訳。「この研究は〜を示す」の形を含め、誰が何をしたのか、どのような状況なのかが日本語で伝わる表現を検討します。
- 専門語を日常語で訳す。専門語は辞書や入門資料で候補を確認し、本文の文脈に合う日本語を選びます。
- 日本語として意味が通らない。訳し終わったあと、原文を隠して自分の日本語だけを読み返すと気づけます。
構文で見落としやすい7つの確認箇所
「構文を取り違える」と感じたときに、どこから見直すかのための編集部の確認表です。英文の形はこれだけに限られないため、下の7項目以外にも、主語・述語・修飾の関係を本文ごとに確かめます。
| 崩れる場所 | 何を確認するか |
|---|---|
| 関係詞の作用域 | 関係節がどこで終わるか。先行詞は直前の名詞とは限らない。前置詞+関係代名詞の形では、その前置詞が節の中でどう働くかを確認する |
| 分詞構文 | 意味上の主語が主節の主語と同じか。同じでない独立分詞構文があり、これを見落とすと主語がすり替わる |
| 比較の対象 | 何と何を比べているか。than 以下が省略されている場合、省略された語を補ってから訳す |
| 否定の作用域 | 否定がどこまでかかるか。全体否定と部分否定を取り違えると、結論が正反対になる |
| 同格の that と関係代名詞の that | 直前の名詞の中身を説明しているのか、修飾しているのか。訳の形が変わる |
| 挿入・倒置 | コンマで挟まれた部分をいったん外して、骨格(主語と述語)だけを取り出す |
| of と to の多義 | 「AのB」で処理しない。主語・目的語の関係になっていることがある |
この表は見直しの入口として使います。訳した後に、「関係節はどこで終わっているか」「比較の相手は何か」を順に確認します。答えに詰まる箇所があれば、前後の文も含めて訳を見直します。7項目を確認できても、答案の正確さや採点結果を保証するものではありません。
辞書の持ち込みの可否や使い方は、志望校・年度・選抜区分で異なります。辞書で調べた語義も文の構造や前後関係と照らし、本文に合うかを確かめます。
英文1本を4段階で使い切る
和訳は、量をこなすより1本を深く使うほうが伸びます。次の順で進めてください。
- まず仮訳を書く。分からない語や構文には印を付け、分かる範囲で文の骨格を書き出します。
- 辞書と文法書で自分の訳を検証する。答えを見る前に、語義・構文・前後のつながりを確かめて修正します。
- 解説や参考訳と比べ、迷った点を記録する。構文だけでなく、語義や文と文のつながりで判断に迷った点も書き残します。
- 数日空けて、同じ英文をもう一度訳す。前回の記録を見ずに訳し、何が変わったかを確認します。
取り組める本数で、訳した後の見直しまで行います。新しい長文を増やす前に、書いた訳を読み返し、次に直す点を一つ決めます。必要に応じて、先生や学習仲間に読み手として確認してもらう方法もあります。
「日本語で説明せよ」は和訳とは別の技術
編入試験でよく出るのに、対策が抜けやすいのが内容説明と要約です。和訳ができれば書けると思われがちですが、別の技術です。和訳は「その1文を移す」作業、内容説明は「本文の複数箇所から答えを組み立てる」作業だからです。
書き方は次の順で固定できます。
- 設問が本文のどこを指しているかを特定する。下線部の説明なら、設問が示す箇所と必要に応じて本文全体を見て、答えの材料を集めます。
- 指示語・代名詞の参照先を確認する。「それ」が何を指すかを本文から確かめ、答案では読み手に伝わる具体的な語へ置き換えるかを検討します。
- 因果と対比を日本語の接続で明示する。「〜だから」「〜に対して」などが本文の関係に合うかを確認します。
- 字数指定と設問の要素を照合する。上限・下限の指示がある場合は守り、本文にある必要な要素を入れられているかを見直します。
要約の場合は、段落の役割を先に見取ってから書きます。各段落の要旨を1行でメモし、「主張」と「例示」を分けます。例示は主張との関係を説明するために必要かを設問と字数に照らして判断します。本文の前半だけを訳す形になっていないかも見直してください。
要約と意見記述を組み合わせて出す大学もあります。この場合、要約の部分に自分の意見を混ぜないでください。意見を求める欄がある場合は、本文の要約と分け、設問の指示に従って書き分けます。意見を書く欄では、立場と根拠の関係が伝わるかを見直します。教材選びは小論文の参考書一覧も参考になります。
編集部作成の1題で、和訳から内容説明へ移る
ここからは、本文の関係を日本語で説明する練習です。英文・仮訳・設問・答案はすべて編集部が作成したものであり、大学の過去問・出題予想・配点・模範解答ではありません。
まず、短い英文を読む
At a city library, staff once assumed longer opening hours would benefit every resident equally. After speaking with parents, however, they learned that many could not visit in the evening because they cared for children or worked late. The library then began offering short online information sessions during the afternoon. Attendance did not rise in every neighborhood, but the change helped staff see that access depends not only on time, but also on people's daily responsibilities.
仮訳例
ある市立図書館では、職員はかつて、開館時間を長くすれば、すべての住民に同じように役立つと考えていた。しかし保護者に話を聞くと、子どもの世話や遅い時間までの勤務のために、夕方に来館できない人が多いと分かった。そこで図書館は午後に短いオンライン案内の時間を設けた。どの地域でも参加者が増えたわけではないが、この変更により職員は、利用しやすさは時間だけでなく、人々の日々の責任にも左右されると理解した。
編集部設定の設問に答える
設問:本文によれば、図書館職員は何を見直し、どのような対応を始めましたか。理由を含めて90〜120字で日本語で説明してください。字数はこの練習のために編集部が設定したものであり、大学が指定するものではありません。
弱い答案と、本文に戻した改善答案
弱い答案(編集部作成)
図書館は利用者を増やすために午後にオンライン案内を始めた。開館時間を長くすれば誰でも利用できると考えている。
改善答案(編集部作成・111字)
職員は、開館時間を延ばせば全ての住民に同じように役立つという考えを見直した。子どもの世話や遅い勤務で夕方に来館できない保護者がいたため、午後に短いオンライン案内の時間を設けた。利用しやすさは時間だけで決まらないと理解した。
どこを本文へ戻して確かめるか
- 主張:本文の結びは、利用しやすさが時間だけで決まらず、日々の責任にも関わると述べています。弱い答案の「利用者を増やすため」は本文に書かれておらず、以前の考えを現在も職員が持つかのように書いています。
- 対比:once assumed の「以前の考え」と、After speaking with parents, however の保護者への聞き取りの後に分かったことをつなげます。however は二つを対比させる手掛かりです。
- 指示語:the change は、午後に短いオンライン案内の時間を設けたことを指します。答案では「変更」だけで終えず、何を始めたかまで書きます。
- 本文にない意見を足さない:本文は、参加者が全地域で増えたとは述べていません。「利用者を増やすため」という弱い答案の目的づけも本文にはありません。設問が意見を求めない限り、本文にない評価を加えません。
1回だけ書き直し、自己点検する
自分の答案で、①職員が見直した以前の考え、②保護者が夕方に来館しにくい理由、③始めた対応、を本文に沿って書けたかを確認します。次に、however が対比させる二つの内容と、the change の指す対応をそれぞれ説明できるか、本文にない評価を足していないかを見直してから、一度だけ書き直します。
速く読むより正確に読む
英文の分量や1文の長さ、求められる読み方は、大学・学部・年度・選抜区分で異なります。志望校の形式を確認したうえで、まずは文の構造と前後の関係を確かめながら読み、必要な場合に時間を計る練習を加えます。
教材は筆記英語の参考書一覧から、いまの自分の段階に合うものを選んでください。文法に穴があると感じるなら、長文教材より先に文法の総復習を挟むほうが結果的に早く進みます。
英語以外の外国語を課す大学がある
見落とされやすい論点をもう1つ挙げます。外国語の試験=英語とは限りません。外国語学部・国際系や人文系の一部では、英語以外の言語を選択できる、あるいは英語に加えてもう1言語を課す大学があります。実際に扱われている言語としては、中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語・朝鮮語などがあります。
出題の中身は、英語ほど読解に寄っておらず、文法・語彙・和訳・作文が中心という傾向があります。動詞の活用、前置詞、接続法、語順の整序、日本語訳、その言語での短い作文といった形です。
ここで決められることは2つです。
- いま学んでいる第二外国語を、受験に使えるかどうか。短大や大学で第二外国語を履修しているなら、それを選択できる大学は候補として有利になります
- 逆に、英語しか用意していないのに第二外国語が必須の大学を志望していないか。これは出願段階で気づかないと取り返しがつきません
試験科目の欄に「外国語」とだけ書かれていて、選択できる言語が別表に載っている、という書き方をする大学があります。「外国語」という語を見たら、必ず何語が選べるのかまで要項をたどってください。
いつ何を始めるか
出願時期と試験時期は、大学・学部・年度・選抜区分ごとに異なります。募集要項の出願締切と試験日から逆算して、準備の順番を決めてください。
外部スコアを使う場合は、受験日、結果確定日、証明書の発行・公式送付にかかる日数、スコアの提出・到着期限、出願締切を確認し、必要な時期までに手続きが完了するよう計画します。
-
受験の半年以上前
志望校の英語の型を確認し、外部試験を取るかどうかを決めます。取ると決めたら、この時点で1回受験して現在地を測ります。筆記型なら、文法と語彙の穴を埋める時期です。ここで基礎を飛ばすと、あとの和訳演習がすべて「知らない単語を調べる作業」になってしまいます。
-
半年前〜3か月前
精読と和訳の演習は、確保できる学習時間と見直しまで行える量で進めます。志望校の形式に合わせ、必要になった時点で志望学部に関係する英文も取り入れます。
-
3か月前〜1か月前
大学が公表している過去問があれば、時間を計って解きます。ここで確認するのは、設問形式(下線部訳か全訳か、日本語で説明させるか)と、辞書の可否、時間配分の3点です。形式が分かったら、その形式に合わせた答案の型を固めます。
-
直前の1か月
直前期は、これまでの教材を見直すか、新しい教材を使うかを、志望校の形式と残り時間に合わせて決めます。新しい教材を使う場合も、設問形式の確認と見直しの時間を確保します。
やりがちな失敗
- 候補校で外部スコアを使うか不要かを確認しないままTOEICを勉強している。手順1で、英語の筆記・外部スコア・外国語が選抜に使われるかを確認してください
- 外部試験型なのに、スコアの有効期限と証明書の到着日を確認していない。出願できなくなる失敗です
- 単語帳と長文問題集だけをやり、和訳を1本も書いていない。読めることと訳を書けることは別の能力です
- 汎用の長文だけで仕上げ、分野の語彙に触れていない。本番で知らない専門語に当たって手が止まります
- 英語に時間を使いすぎて専門科目が仕上がらない。志望校の選抜で英語に何が求められるかを確認し、必要な科目へ時間を配分してください
よくある質問
編入試験の英語はどのくらいの難易度ですか?
英語の形式、英文の分量、回答方法、辞書の扱いは、大学・学部・年度・選抜区分によって異なります。下線部和訳、全文和訳、内容説明、要約などがあるため、志望校の募集要項と大学が公表する過去問で確認してください。本文を読んで日本語で答える形式では、構文だけでなく、設問に対応する内容を整理して伝える練習も行います。
TOEICは取っておいたほうがいいですか?
志望する学部・年度・選抜区分の募集要項で判断します。外部スコアの提出を必須とする学部が1校でもあるなら、その学部が受け付ける試験の種類・有効な受験日・提出方法・スコアの提出や到着の期限を確認して準備します。筆記と外部スコアの選択制、または外部スコアで筆記が免除される場合は、要件・準備期間・得意な形式を比べて、どちらを使うか決めます。候補校のすべてで外部スコアを課さず、受け付けず、選抜資料にも使わないことを確認できたなら、TOEICの得点はその編入選抜の直接評価には使われません。英語学習の効果とスコアの評価は別なので、筆記がある場合は和訳・読解の演習、英語が選抜に使われない場合は他の必要科目へ時間を配分します。
外部試験のスコアに有効期限はありますか?
あります。募集要項には、受験日からの有効期間や対象となる受験日が示されます。指定は志望する学部・年度・選抜区分ごとに確認してください。受験日、結果の確定日、証明書の発行・公式送付にかかる日数、スコアの提出・到着期限、出願締切を並べて逆算します。京都大学経済学部の2027年度第3年次編入学学生募集要項は、TOEFL公式スコアを「出願期間までに」大学へ到着させるよう求め、発送手続きから到着まで1〜2か月かかる場合があるとしています。
和訳の練習はどうやればいいですか?
まず仮訳を書き、辞書と文法書で語義・構文・前後のつながりを検証します。その後、解説や参考訳と比べて、構文・語義・文と文のつながりで迷った点を記録します。数日空けて同じ英文をもう一度訳し、前回の記録を見ずに訳して変化を確認します。取り組む本数は学習時間に合わせ、訳語の違いだけでなく本文の意味を取り違えた箇所を見直してください。
英語の長文はどんなテーマが出ますか?
志望する学部の専門分野に寄る傾向があります。法学系なら法と社会の関係、経済・経営系なら企業活動や持続可能性、工学・情報系なら技術の説明、農学・生命系なら生物や環境といった題材です。そのため、汎用の英語長文問題集だけでは分野の語彙が足りなくなります。専門科目で使っている日本語の教科書の基本用語を英語でも押さえておくと、本番で手が止まりにくくなります。全分野に手を広げる必要はありません。
英語が苦手でも編入はできますか?
できます。英語を主な準備対象にしない選抜を候補にすることは可能です。ただし、学部・年度・選抜区分ごとに、英語の筆記、外部スコア、英語以外の外国語、出願書類の条件を確認してください。英語に不安がある場合は、候補校を絞る段階で英語の扱いを条件に入れ、必要な専門科目・小論文・面接との配分を決めるのが現実的です。
「日本語で説明せよ」はどう書けばいいですか?
和訳とは別の技術だと考えてください。まず設問が示す範囲を確認し、下線部だけで足りなければ本文のほかの箇所も照合します。次に指示語や代名詞の参照先を本文で確認し、答案で読み手に伝わる具体的な語へ置き換えるかを検討します。そのうえで、因果や対比の関係が本文に合うよう、「〜だから」「〜に対して」などを使います。字数指定がある場合は上限・下限を守り、設問が求める要素を入れられているか見直します。
英語以外の外国語を課す大学はありますか?
あります。外国語学部・国際系や人文系の一部では、英語以外の言語を選択できる大学や、英語に加えてもう1言語を課す大学があります。中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語・朝鮮語などが扱われており、出題は文法・語彙・和訳・作文が中心という傾向です。試験科目の欄に「外国語」とだけ書かれ、選べる言語が別表になっていることがあるため、その語を見たら何語が選べるところまで募集要項をたどってください。いま第二外国語を履修中なら、それを使える大学は候補として有利になります。
編入試験の英語はどのくらいの難易度ですか?
英語の形式、英文の分量、回答方法、辞書の扱いは、大学・学部・年度・選抜区分によって異なります。下線部和訳、全文和訳、内容説明、要約などがあるため、志望校の募集要項と大学が公表する過去問で確認してください。本文を読んで日本語で答える形式では、構文だけでなく、設問に対応する内容を整理して伝える練習も行います。
TOEICは取っておいたほうがいいですか?
志望する学部・年度・選抜区分の募集要項で判断します。外部スコアの提出を必須とする学部が1校でもあるなら、その学部が受け付ける試験の種類・有効な受験日・提出方法・スコアの提出や到着の期限を確認して準備します。筆記と外部スコアの選択制、または外部スコアで筆記が免除される場合は、要件・準備期間・得意な形式を比べて、どちらを使うか決めます。候補校のすべてで外部スコアを課さず、受け付けず、選抜資料にも使わないことを確認できたなら、TOEICの得点はその編入選抜の直接評価には使われません。英語学習の効果とスコアの評価は別なので、筆記がある場合は和訳・読解の演習、英語が選抜に使われない場合は他の必要科目へ時間を配分します。
外部試験のスコアに有効期限はありますか?
あります。募集要項には、受験日からの有効期間や対象となる受験日が示されます。指定は志望する学部・年度・選抜区分ごとに確認してください。受験日、結果の確定日、証明書の発行・公式送付にかかる日数、スコアの提出・到着期限、出願締切を並べて逆算します。京都大学経済学部の2027年度第3年次編入学学生募集要項は、TOEFL公式スコアを「出願期間までに」大学へ到着させるよう求め、発送手続きから到着まで1〜2か月かかる場合があるとしています。
和訳の練習はどうやればいいですか?
まず仮訳を書き、辞書と文法書で語義・構文・前後のつながりを検証します。その後、解説や参考訳と比べて、構文・語義・文と文のつながりで迷った点を記録します。数日空けて同じ英文をもう一度訳し、前回の記録を見ずに訳して変化を確認します。取り組む本数は学習時間に合わせ、訳語の違いだけでなく本文の意味を取り違えた箇所を見直してください。
英語の長文はどんなテーマが出ますか?
志望する学部の専門分野に寄る傾向があります。法学系なら法と社会の関係、経済・経営系なら企業活動や持続可能性、工学・情報系なら技術の説明、農学・生命系なら生物や環境といった題材です。そのため、汎用の英語長文問題集だけでは分野の語彙が足りなくなります。専門科目で使っている日本語の教科書の基本用語を英語でも押さえておくと、本番で手が止まりにくくなります。全分野に手を広げる必要はありません。
英語が苦手でも編入はできますか?
できます。英語を主な準備対象にしない選抜を候補にすることは可能です。ただし、学部・年度・選抜区分ごとに、英語の筆記、外部スコア、英語以外の外国語、出願書類の条件を確認してください。英語に不安がある場合は、候補校を絞る段階で英語の扱いを条件に入れ、必要な専門科目・小論文・面接との配分を決めるのが現実的です。
「日本語で説明せよ」はどう書けばいいですか?
和訳とは別の技術だと考えてください。まず設問が示す範囲を確認し、下線部だけで足りなければ本文のほかの箇所も照合します。次に指示語や代名詞の参照先を本文で確認し、答案で読み手に伝わる具体的な語へ置き換えるかを検討します。そのうえで、因果や対比の関係が本文に合うよう、「〜だから」「〜に対して」などを使います。字数指定がある場合は上限・下限を守り、設問が求める要素を入れられているか見直します。
英語以外の外国語を課す大学はありますか?
あります。外国語学部・国際系や人文系の一部では、英語以外の言語を選択できる大学や、英語に加えてもう1言語を課す大学があります。中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語・朝鮮語などが扱われており、出題は文法・語彙・和訳・作文が中心という傾向です。試験科目の欄に「外国語」とだけ書かれ、選べる言語が別表になっていることがあるため、その語を見たら何語が選べるところまで募集要項をたどってください。いま第二外国語を履修中なら、それを使える大学は候補として有利になります。
あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。
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まとめ
編入試験の英語は、実力を上げる前に「自分に必要かどうか」を判定するところから始まります。手順をもう一度整理します。
- 候補校の英語の扱いを、学部・年度・選抜区分ごとに確認する。英語の筆記、外部スコア、英語以外の外国語、出願書類で何が必要かを要項で確認する
- 外部スコアの提出が必須の学部があるなら、その条件を満たすスコアを準備する。筆記との選択制や、スコアによる筆記免除なら、要件・準備期間・得意な形式を比べて使う方法を決める。すべての候補校で外部スコアを使わないと確認できた場合は、編入選抜の直接評価に必要な準備へ時間を配分する
- 受験日、有効期限、結果確定日、証明書の発行・公式送付にかかる日数、スコアの提出・到着期限、出願締切を先に確認する。志望校ごとの期限から逆算する
- 筆記型なら、志望校の過去問で確認した出題の型に合わせて演習する。必要な回答形式を確認する
- 和訳は1本を4段階で使い切る。構文・語義・文のつながりで迷った点を記録する
- 必要なら、志望校の公開資料や過去問に出る分野の語彙を確認する。自分の不足に合わせて範囲を決める
- 直前期は、残り時間と志望校の形式に合わせて教材と見直しの配分を決める。
英語の型が決まったら、残りの科目の配分も見えてきます。全体の進め方は編入の志望校の決め方、独学で進める場合の組み立ては編入の専門科目と勉強の順番を参照してください。
この記事について
監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)
本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。英語の扱い・外部試験の指定・辞書の可否は、各大学が公表する募集要項をもとに毎年度確認しています。実際の出願にあたっては、必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ
最終更新: 2026年9月28日

