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編入試験の小論文

編入試験の小論文|出るテーマの型800字の組み立て方

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-07​‌​​​​​​‌‌​​​​​​​​​​​​‌‌​​​​​​​​

結論:小論文は「テーマを当てる」試験ではなく「型で書き切る」試験

編入試験の小論文でいちばん多い失敗は、出そうなテーマを予想して知識を集めることに時間を使い、答案を1本も書かないまま本番を迎えることです。小論文は知識を測る試験ではありません。制限時間内に、与えられた問いに対して自分の立場を決め、根拠を並べ、日本語の文章として成立させられるかを見る試験です。

この能力は、書いた本数でしか伸びません。そして編入試験の小論文には、テーマの型・字数・時間に明確な傾向があります。型を知って、その型に合わせて数本書けば、本番で「見たことのないテーマ」が出ても手は止まりません。この記事では、出題の型・字数の設計・練習の始めどきを順に説明します。

約54%小論文を課す学部
600〜1000字頻出の字数帯
60〜90分試験時間の目安
5つ出題の型はほぼこれで尽きる

この記事で分かること

  • 編入試験の小論文で出るテーマが、どの5つの型に分かれるか
  • 実際に扱われている題材が収まる6つのテーマの束と、ネタ帳の作り方
  • 学部系統別の各論: 法学政治系・経済経営系・教育系・社会メディア系・医療看護系・理工農学系で何を準備すべきか
  • 字数と時間の実測(大学によってどこまで違うか)と、800字の配分の設計図
  • 「双方をふまえて多角的に論じよ」への答え方
  • 落ちる答案に共通する5つの特徴と、日本語の作法で削られる点
  • いつから、どのくらいの頻度で練習を始めればよいか

編入試験は大学ごとに出願資格も科目も違います。いまの学年・在籍区分で受けられる大学がどこかは、条件を突き合わせて初めて分かります。

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まず確認:志望校が小論文を課すか

編入試験を実施している学部のうち、小論文を課す学部は約54%です。面接(約95%)に次いで多く、半数以上の学部で書かされることになります。専門科目を課す学部は全体の一部なので、実質的に「筆記の主戦場が小論文」という受験生は多いのが実情です。

注意したいのは、募集要項での呼び方が大学によって違うことです。次のような名前で書かれていても、やることは同じです。

  • 小論文論述試験課題論文作文
  • 総合問題(英語や専門科目と一体になっている場合がある)
  • 専門科目という名前でも、内容は用語説明と論述という大学がある

「小論文」という語がないから対策不要、と判断しないでください。選抜方法の欄に論述形式の試験が含まれていないかを、募集要項の原文で確認してください。志望校がまだ固まっていない場合は、先に編入の志望校の決め方で候補を絞ってから戻ってくると、対策の的が定まります。

出題は5つの型に分かれる

実際に出題された内容を整理すると、編入試験の小論文はおおむね次の5つに分類できます。自分の志望学部がどの型かが分かれば、練習で使う教材と書き方が決まります。

出題の型問われ方この型に必要な準備
テーマ提示型一行のお題だけが示され、自由に論じさせる分野の時事キーワードと、自分の立場の作り方
課題文読解型日本語の文章を読ませ、要約・説明のあとに意見を書かせる要約の訓練。筆者の主張と自分の主張を分ける習慣
資料・グラフ提示型統計やグラフを読み取らせ、そこから政策や解決策を論じさせる数字を言葉に翻訳する練習。増減の読み取り
専門知識論述型分野の用語を説明させ、その意義や問題点を論じさせる専門科目の学習と一体。定義を自分の言葉で言える状態
研究計画接続型大きな問いを立てさせ、自分の研究や学びたいことにつなげさせる志望理由書と同じ材料。編入後に何を学ぶかの言語化

複数の型が混ざることもあります。課題文を読ませたうえでグラフも提示し、最後に自分の意見を書かせるという組み合わせは珍しくありません。英語の長文と一体にして「総合問題」として出す大学もあります。

学部系統ごとにテーマの寄り方が違う

テーマは無限に見えて、実際には志望学部の分野に紐づいています。傾向として、次のような寄り方があります。

学部系統出やすいテーマの方向
法学・政治系制度のあり方をめぐる論点、司法や立法の役割、権利と社会の関係。専門知識論述型との併用が多い
経済・経営・商学系企業活動や経済政策、産業やエネルギーをめぐる話題。資料・グラフ提示型が組み合わさりやすい
社会・メディア系情報環境と社会の変化、多様性、地域や家族に関する社会課題
教育系学びのあり方、一人ひとりに応じた指導、子どもが自ら考えることの意義
医療・看護・福祉系ケアの現状と課題、専門職としての向き合い方、必要な教育のあり方
理工・農学系技術や環境をめぐる問題について、知識をふまえて記述させる形

共通しているのは、時事的な話題を題材にしつつ、その分野の考え方で論じさせるという構図です。ニュースの知識だけでも、教科書の知識だけでも足りません。

「時事」は無限ではない

時事対策というと新聞を毎日読むイメージがありますが、編入試験で必要なのは、志望分野に接続する時事だけです。準備の方法はこうです。

  1. 志望学部の分野に関わる話題を20個ほど書き出す。環境・エネルギー・人口・情報技術といった大きな見出しで構いません
  2. 1つにつき、事実を3行・論点を2つ・自分の立場を1行にまとめる。これが「ネタ帳」になります
  3. 本番では、出たテーマに最も近いネタを引き出して組み立てる。完全に一致しなくても、論点の立て方は流用できます

20個のネタ帳があれば、初見のテーマでも「これは人口と地域の話だ」と当たりを付けられます。ネタを増やすことより、1つのネタで論点を2つ言えることのほうが本番で効きます。学部系統ごとの出題傾向は学部別対策から確認できます。

テーマの束は6つに収まる

「ネタ帳を20個」と言われても、何を選べばよいか分からないはずです。編入試験の小論文で実際に扱われている題材を整理すると、6つの束にまとまります。この6つを埋めれば、初見のテーマでも、必ずどれかの引き出しにつながります。

テーマの束実際に扱われている題材寄りやすい系統
① 人口と地域少子高齢化、人口減少、地方創生・地域活性化、多文化共生、家族のあり方と出生率社会・政策・経済
② 環境とエネルギーSDGs、気候変動と温暖化対策、生物多様性、持続可能性、エネルギー政策経済・理工・農学
③ 技術と社会人工知能と生成AI、SNSと情報環境、デジタル化と働き方、イノベーション、科学技術の責任と規制情報・経済・法学
④ 医療と生命倫理感染症と公衆衛生、医療政策、終末期医療、出生前診断、専門職と患者の関係医療・看護・福祉
⑤ 制度と自由民主主義、表現の自由、多様性、社会保障、グローバル化と自由貿易、権利と社会の関係法学・政治・社会
⑥ 学びと研究学校教育のあり方、自ら考えることの意義、自分の学習経験、研究計画や卒業論文との接続教育・心理・全系統

この表で決められるのは「ネタ帳の目次」です。6つの束それぞれに3つずつ話題を入れれば18個。冒頭で挙げた20個にほぼ届きます。ゼロから探すのではなく、この6行を埋める作業だと考えてください。

そして⑥は全系統に効きます。「あなたのこれまでの学びを交えて」「自分の経験をもとに」という条件が付く出題は、系統を問わず現れます。この条件が付いた瞬間、一般論だけの答案は条件未達になります。自分の学習経験・関心・編入後にやりたいことを1本の話として言えるようにしておくと、⑥が付いたどのテーマにも接続できます。これは志望理由書と同じ材料です。

学部系統別の各論:何を準備すれば書けるようになるか

ここからは系統ごとの具体論です。自分の系統の項だけ読めば足ります。なお、著作権の観点から、設問そのものは記載していません。以下は分野・テーマのレベルでの整理です。

法学・政治系:制度の当否を「双方から」論じさせる

法学・政治系の小論文は、5つの型のうち専門知識論述型に寄ります。用語や制度を説明させたうえで、その意義や問題点を論じさせる形です。実際に扱われたテーマとしては、リーガルマインドとその身につけ方、修復的司法のメリットとデメリットおよび日本で広がらない理由、立法や司法に感情は必要かという問い、ある制度を裁判制度一般へ導入することの当否、高度な技術の開発・利用に対する監視と責任のあり方、といったものが報告されています。

共通するのは「制度の当否を、賛否の双方をふまえて多角的に論じさせる」という構図です。したがって準備は次の3点になります。

  1. 制度の趣旨を1〜2文で言えるようにする。何のために作られた仕組みなのかが言えないと、当否の議論に入れません
  2. その制度への批判を最低1つ持っておく。賛成側の理由だけでは「多角的に」の条件を満たせません
  3. 専門科目の学習と一体で進める。この系統では小論文と専門科目の準備が重なります。別々の時間を取る必要はありません

法学系では、小論文の対策と専門科目の対策がほぼ同じ作業になります。憲法・民法・刑法の用語を「定義→趣旨→具体例→批判」の4点セットで押さえておけば、そのまま小論文の材料になります。別々の時間を確保する必要はありません。学部系統ごとの実施大学と対策は法学・政治学系の編入対策から確認できます。

経済・経営・商学系:資料を読ませてから政策や戦略を言わせる

経済・経営系は、資料・グラフ提示型と専門知識論述型の組み合わせが中心です。新聞記事を複数並べて読ませ、そこから政策を論じさせる形や、経営学の概念を説明させてから応用させる形が報告されています。実際に扱われたテーマとしては、エネルギー政策、企業の持続的な成長と利害関係者との関係、組織文化と経営理念・リーダーシップの関係、市場調査における信頼性と妥当性、外部環境分析とマーケティング戦略の関係、官僚制とその逆機能といったものがあります。

この系統で決めるべきは「数字を言葉にする練習を入れるかどうか」です。答えは入れる、です。グラフや表が出たとき、増減・差・傾きを1〜2文の日本語にできないと、そこから先の主張に進めません。練習は簡単で、新聞や白書のグラフを1つ選び、「何が・いつからいつまで・どれだけ変化したか」を2文で書く。これを10本もやれば形になります。

経営学の概念を扱う出題では、定義を書いて終わらせないことが分かれ目になります。定義→具体例→限界や副作用、の3段構えで書けると、同じ知識量でも答案の厚みが変わります。

教育系:「学びのあり方」を自分の言葉で言えるか

教育系は、テーマ提示型と、専門用語の説明を組み合わせる形が目立ちます。実際に扱われたテーマとしては、一人ひとりの学びの個性やニーズをどう実現するか、子どもが自ら思考し表現することの意義、移民や多文化の背景を持つ子どもの教育、通級指導が増えた理由とその背景、巡回指導のあり方といったものが報告されています。教育用語を説明させる問題を、小論文とは別に出す大学もあります。

この系統の準備は、他の系統と少し違います。時事のネタ帳より先に、教育の専門用語を自分の言葉で説明できる状態を作ってください。用語を借りてこないと論じられないテーマが多く、しかも用語の意味を取り違えたまま書くと、内容が良くても評価されません。

もう1つ、教育系では自分の学習経験や指導経験を根拠として書けるという強みがあります。抽象語だけで進む答案が最も減点されやすいので、自分が受けてきた教育の中の具体的な場面を、1つか2つ書けるように準備しておいてください。

社会・メディア系と心理・人間科学系

社会・メディア系は、情報環境と社会の変化が中心テーマです。実際に扱われたテーマとしては、フィルターバブルやエコーチェンバーといった現象への対応をメディアリテラシーの観点から論じさせる形、家族のあり方と出生率の関係、記憶や認識をめぐる複数の文章を比較させる形などが報告されています。2つの文章を読ませ、どちらが分かりやすいかを理由とともに選ばせるような、比較を求める出題もあります。

心理・人間科学系では、専門職としての関わり方を問う出題が見られます。90分で1800字という長めの条件で、支援の場面での適切な関わり方を論じさせた例が報告されています。この系統は字数が多い傾向があるため、時間内に書き切る訓練の比重が上がります。1800字は、手書きだと想像よりはるかに時間がかかります。必ず一度、本番と同じ条件で実測してください。

医療・看護・福祉系:現場の課題と専門職教育をつなぐ

医療・看護・福祉系では、ケアの現状と、そこから見た専門職教育のあり方を問う形が中心です。関心のある疾患に対する看護の現状と、今後必要になる看護教育を論じさせるといった出題が報告されています。テーマの束としては④(医療と生命倫理)と⑥(学びと研究)が重なる領域です。

この系統で効くのは、自分が見てきた現場の具体です。実習・アルバイト・家族の介護など、経験を1つ具体的に書けると、一般論の答案と明確に差がつきます。ただし経験を書いて終わらせず、そこから「だから教育・制度はこうあるべきだ」へ必ずつなげてください。体験談で終わる答案が、この系統でいちばん多い失点です。

理工・農学系と学際・融合系

理工・農学系では、小論文が独立して課されるより、専門科目の中に記述問題として混ざる形が目立ちます。環境問題についての知識と考えを記述させる出題が報告されており、ある受験生は「筆記試験は全て記述問題だったので、知識をつけるよりも理解を深める方が大切」「環境問題については早めから対策をしておくべき」と書いています。

学際・融合系(地域創生、政策、データサイエンスと社会をつなぐ学類など)では、大きなテーマを与えて、自分の学びと結びつけさせる形が特徴的です。デジタル化による働き方の変化とワークライフバランスを題材に、課題を自分で設定して解決策を述べさせるといった出題が報告されています。字数は800〜900字程度の指定が見られます。

この系統では「自分で課題を設定する」ところが採点対象になります。与えられた大テーマをそのまま論じると、誰でも書ける一般論になります。テーマを自分の関心の側へ一段絞り込む——この一手を、練習のときから毎回やってください。

字数と時間から答案を設計する

編入試験の小論文は、600〜1000字を60〜90分で書かせる形が中心です。150〜200字程度の短い説明問題と、600字以上の論述を組み合わせる出題もよく見られます。字数と時間は大学ごとに違うので、必ず募集要項と、大学が公表している過去問で確認してください。

実測すると、大学によってここまで違う

「600〜1000字が中心」という平均値は、対策の役には立ちません。実際の条件は、大学によってこれだけ幅があります。受験直後の記録から、条件の組み合わせを整理したものが次です。

条件の型実際の組み合わせ対策で変わること
短文+長文の複合150字程度の説明問題と800字の意見記述、さらに用語の論述を組み合わせる(北海道大学教育学部で報告)説明の圧縮と論述の展開、2つの書き方を持つ必要がある
大問の選択制2つの大問から1つを選び、60分で解答(法政大学法学部で報告)/4問中2問を選択(新潟大学法学部で報告)本番で迷わないよう、得意分野を先に決めておく
長い1本勝負90分で1800字(奈良女子大学生活環境学部で報告)手書きの速度を実測しておかないと確実に足りない
資料・記事の複合新聞記事が複数並び、漢字問題・計算問題とあわせて600字以上の小論文(武蔵大学経済学部で報告)小論文以外に時間を取られる。配分の設計が要る
課題設定型大テーマを与えられ、自分で課題を設定して850字以内で解決策を述べる(金沢大学融合学域で報告)絞り込みの一手を練習に入れる
専門科目に混在試験全体が記述問題で90分(岐阜大学応用生物科学課程で報告)小論文単体ではなく専門の理解が土台になる

この表から決められるのは「練習の1本をどの条件で書くか」です。志望校が800字型なら800字で、1800字型なら1800字で練習しないと、時間配分の感覚が身につきません。汎用の問題集の字数のまま練習して、本番で条件が違って崩れるのが典型的な失敗です。なお、これらは受験直後の記録であり、年度によって変わります。必ず志望校の最新の募集要項でご確認ください。

800字ならこの配分で組み立てる

時間内に書き切るには、書き始める前に配分を決めておく必要があります。800字を書く場合の設計図が次です。

部分字数の目安ここに書くこと
序論100〜150字問いを自分の言葉で言い換え、結論を先に示す。「私は〜と考える」まで書く
本論①250〜300字最も強い根拠。事実・データ・具体例を1つ入れる
本論②200〜250字2つ目の根拠、または反対の立場への言及とその反論
結論100字前後序論と同じ結論を、本論をふまえた言い方で締める

いちばん重要なのは序論で結論を出し切ることです。「これから考えていきたい」と書き出して最後まで立場が決まらない答案が、最も点になりません。採点者は多数の答案を読みます。最初の3行で主張が分かる答案が有利です。

時間配分は、60分なら「構想10分・執筆40分・見直し10分」が目安です。構想の10分でやるのは、立場を1つに決めることと、根拠を2つ箇条書きにすることだけです。ここを飛ばして書き始めると、途中で論旨が変わり、書き直す時間がなくなります。

「双方をふまえて多角的に論じよ」への答え方

この指示は、法学系をはじめとして繰り返し現れます。そして、いちばん誤解されている指示でもあります。「双方をふまえて」と言われると、賛成と反対を半分ずつ並べたくなりますが、それをやると立場のない答案になり、最も点になりません。

正しい組み立てはこうです。

  1. 序論で自分の立場を出す。「双方をふまえて」は、立場を出すなという指示ではありません
  2. 本論①で、自分の立場の根拠を書く。ここが最も長くなります
  3. 本論②で、反対の立場の言い分を「正確に」書く。わざと弱い反対意見を作って倒すのは、多角的とは評価されません
  4. そのうえで、なぜそれでも自分の立場を取るのかを書く。ここが「多角的に」の答えです
  5. 結論で、条件付きの形にする。「◯◯という条件を満たすかぎりにおいて賛成である」と書けると、論の精度が上がります

「多角的に」の実際の意味は、視点の数を増やせということです。賛否という1本の軸だけでなく、誰にとっての利益か(当事者・第三者・社会全体)、いつの時点で見るか(短期・長期)、どの制度と比べるか、といった別の軸を1つ足すと、それだけで答案の見え方が変わります。軸を1つ足す。これが、この型でいちばん費用対効果の高い一手です。

課題文がある場合の書き出し方

課題文読解型では、順番が決まっています。

  1. 筆者の主張を1文で言えるようにする。ここを取り違えると以降がすべて崩れます
  2. 設問が「要約」を求めているのか「意見」を求めているのかを確認する。要約の問題に自分の意見を書くと減点されます。逆も同じです
  3. 意見を書く欄では、筆者に賛成・反対のどちらかに立つ。「一理あるが一概には言えない」は立場ではありません
  4. 自分の経験を入れてよいと指示があれば、必ず入れる。指示は採点の観点そのものです

資料・グラフ型は「読み取り」と「主張」を分ける

グラフが出る問題では、読み取った事実と、そこから導く主張を段落で分けてください。「増えている/減っている/差が大きい」を数字とともに1〜2文で述べ、そのあとに「したがって〜すべきだ」と続けます。事実と主張が混ざった答案は、根拠が見えず評価されません。

「計算とかの知識もつけて資料を読み取れるようにすることと、臨機応変な対応ができるようにすること。」

2026年度受験者(学際系学部)

落ちる答案の共通点

書き方の失敗は、内容の良し悪しより先に点を削ります。次の5つは、練習の段階で潰せます。

  1. 字数制限を守っていない。「800字以内」を超える、「600字以上」に届かない、いずれも大幅減点の対象です。本番で条件を読み違える例は実際にあります
  2. 設問に答えていない。「メリットとデメリットの双方をふまえて論じよ」に対し、片方しか書かない答案は、内容が良くても条件未達です
  3. 立場が決まっていない。両論を並べて終わると、何を主張したのかが伝わりません
  4. 抽象語だけで進む。「重要である」「必要である」を繰り返し、具体例が1つも出てこない答案は中身がないと判断されます
  5. 選択問題で迷って時間を失う。2問から1問を選ぶ形式では、選び直しが致命傷になります
「まず、迷わずに1度決めた問題をやり抜くべきです。60分しかないので、自分に期待しすぎず選んだ問題をやってください。答案設計を軽くした上で書くのが大切だと思います。」

2026年度受験者(法学・政治系)

この受験生は、字数制限を読み違えて途中で修正することになったとも書いています。設問の条件(字数・選択・指示語)を最初に丸で囲むだけで防げる失点です。練習のときから毎回やってください。

日本語の作法で削られる点もある

内容の勝負に入る前に、書き方だけで削られる点があります。ここは1回覚えれば二度と落としません。

やってしまいがちなこと正しくはこう書く
「〜だと思う」「〜じゃない」「〜と考える」「〜ではない」。話し言葉と縮約形は使わない
一文が3行以上続く1文は40〜60字を目安に切る。読点でつなぎ続けると主語と述語がずれる
段落を作らずに書き切る序論・本論・結論で必ず改行する。読み手は段落で構造を見ている
「私は〜」を毎文の頭に置く立場は序論と結論で示せば足りる。本論は根拠そのものを書く
「〜など」「〜といったもの」の多用具体を1つ挙げて言い切る。ぼかすと中身がないと読まれる
問いの言葉を使わずに書き出す序論で設問の語をそのまま使って言い換える。答えていることが伝わる

あわせて、原稿用紙の形式が指定されている場合は、その作法に従ってください。書き出しと段落の頭は1マス空ける、句読点や閉じ括弧は行頭に置かない、といった基本です。手書きの答案では、読める字で書くことも実質的な採点対象です。速く書こうとして崩れた字は、内容以前に伝わりません。

いつからどう練習するか

編入試験は10月〜11月に山があり、6月〜7月に実施する大学もあります。小論文は伸びるまでに時間がかかるので、専門科目より先に始めても損はしません。

  • 試験の4〜6か月前

    志望校が小論文を課すかを確認し、公表されている過去問があれば、まず解かずに眺めて型を判定します。テーマ提示型か、課題文読解型か、資料型か。同時にネタ帳を作り始めます。この時期は書く量より、分野の話題に触れて論点を書き留めることを優先します。

  • 3〜2か月前

    週1本、時間を計って書きます。本数はこれで十分です。大切なのは書いたあとで、①条件を守れたか、②序論で立場を出せたか、③本論に具体例が入ったか、を自分で採点します。書きっぱなしにすると伸びません。可能なら他人に読んでもらってください。自分では気づけない「意味の通らない一文」が必ずあります。

  • 1か月前

    志望校の形式に合わせて書きます。字数・時間・設問の数を本番と同じにして、手書きで書き切る練習をします。手で800字を書く速度は、思っているより遅いものです。ここを実測しておかないと、本番の時間配分が崩れます。

  • 直前の1週間

    新しいテーマに手を広げず、ネタ帳を読み返します。答案の型(序論で結論、本論2つ、結論)を確認し、過去に書いた答案の中でうまくいったものを1本読み直しておくと、本番で書き出しに迷いません。

「筆記試験は日頃から時間配分を考えた対策が必須だと感じます。」

2026年度受験者(教育系)

教材と添削の考え方

市販の小論文の参考書は、「書き方の型」を教える本と「テーマの知識」を扱う本に分かれます。最初に必要なのは前者です。型が身についてから、志望分野のテーマ本に進むのが順番です。小論文の参考書一覧から、いまの段階に合うものを選んでください。

そして、小論文は自分ひとりでは採点できません。読み手にとって意味が通っているかは、読み手にしか判定できないからです。学校の先生でも、家族でもかまいません。他人に読んでもらう機会を、練習の中に必ず組み込んでください。独学で進める場合の全体設計は編入の専門科目と勉強の順番にまとめています。

志望理由書と材料は共通する

研究計画接続型(「自分の学びとつなげて論じよ」という形)は、志望理由書で書いた内容がそのまま使えます。編入後に何を学びたいか、なぜその分野なのかを言語化しておくと、小論文でも面接でも同じ材料が効きます。書き方は編入の研究計画を面接でどう話すかを参照してください。

よくある質問

編入試験の小論文は何字くらい書かされますか?

600〜1000字を60〜90分で書かせる形が中心です。150〜200字程度の短い説明問題と、600字以上の論述を組み合わせる出題も多く見られます。字数と時間は大学ごとに大きく違うため、必ず募集要項と、大学が公表している過去問で確認してください。練習では、本番と同じ字数・同じ時間で、手書きで書き切るところまでやっておくと時間配分を外しません。

どんなテーマが出ますか?

志望する学部の分野に紐づいた、時事的な話題が題材になる傾向があります。法学・政治系なら制度や司法のあり方、経済・経営系なら企業活動や産業・エネルギーをめぐる話題、社会・メディア系なら情報環境や社会課題、教育系なら学びのあり方、医療・看護系ならケアと専門職教育といった方向です。出題形式はテーマ提示型・課題文読解型・資料提示型・専門知識論述型・研究計画接続型のいずれか、またはその組み合わせに収まります。

小論文の対策はいつから始めればいいですか?

試験の4〜6か月前に型の確認とネタ集めを始め、3〜2か月前から週1本のペースで書き始めるのが目安です。編入試験は10月〜11月に山があり、6月〜7月に実施する大学もあります。小論文は書いた本数でしか伸びず、しかも1本に時間がかかるため、専門科目より先に着手しても損はありません。直前期は新しいテーマに手を広げず、書いた答案とネタ帳の見直しに絞ります。

何本くらい書けばいいですか?

週1本を2〜3か月続ければ十分です。本数を増やすことより、1本ごとに条件を守れたか、序論で立場を出せたか、本論に具体例が入ったかを点検するほうが伸びます。書きっぱなしにすると、同じ弱点を繰り返したまま本番を迎えます。可能なら他人に読んでもらってください。文章が読み手に通じているかは、自分では判定できません。

小論文に専門知識は必要ですか?

学部系統によります。法学系や経済系では、分野の用語を説明させたうえで論じさせる形が見られ、この場合は専門科目の学習と一体になります。一方、教育系や社会系では、身近な課題について自分の考えを述べさせる形が中心で、専門知識より論の立て方が問われます。志望校の過去問で、用語の説明を求められているかどうかを確認すると、どちらの準備が必要かが分かります。

賛成か反対か決められないときはどう書きますか?

どちらかに立ってください。「一概には言えない」で終わる答案は、主張がないと判断されます。決め方は簡単で、根拠を2つ思いつくほうを選べばよいだけです。自分の本心と一致している必要はありません。そのうえで、反対の立場にも触れ、それでも自分の立場を取る理由を書くと、論の厚みが出ます。設問が「双方をふまえて」と指示している場合は、両方に触れることが条件になります。

「多角的に論じよ」とはどう書けばいいですか?

視点の軸を1つ足してください。賛成か反対かという1本の軸だけでなく、誰にとっての利益か(当事者・第三者・社会全体)、短期で見るか長期で見るか、どの制度と比べるか、といった別の軸を加えると条件を満たせます。「双方をふまえて」と指示されていても、賛否を半分ずつ並べるのは誤りです。序論で自分の立場を出し、本論で自分の根拠を書き、次に反対の立場の言い分を正確に書いたうえで、それでも自分の立場を取る理由を述べる、という順で組み立ててください。

時事のネタは何を集めればいいですか?

実際に扱われている題材は6つの束に収まります。①人口と地域(少子高齢化・地方創生・多文化共生)、②環境とエネルギー(SDGs・気候変動・生物多様性)、③技術と社会(人工知能や生成AI・情報環境・働き方)、④医療と生命倫理(公衆衛生・医療政策・終末期医療)、⑤制度と自由(民主主義・表現の自由・多様性・社会保障)、⑥学びと研究(教育のあり方・自分の学習経験)です。この6つに3つずつ話題を入れれば、初見のテーマでも必ずどれかにつながります。新聞を毎日読む必要はありません。

編入試験の小論文は何字くらい書かされますか?

600〜1000字を60〜90分で書かせる形が中心です。150〜200字程度の短い説明問題と、600字以上の論述を組み合わせる出題も多く見られます。字数と時間は大学ごとに大きく違うため、必ず募集要項と、大学が公表している過去問で確認してください。練習では、本番と同じ字数・同じ時間で、手書きで書き切るところまでやっておくと時間配分を外しません。

どんなテーマが出ますか?

志望する学部の分野に紐づいた、時事的な話題が題材になる傾向があります。法学・政治系なら制度や司法のあり方、経済・経営系なら企業活動や産業・エネルギーをめぐる話題、社会・メディア系なら情報環境や社会課題、教育系なら学びのあり方、医療・看護系ならケアと専門職教育といった方向です。出題形式はテーマ提示型・課題文読解型・資料提示型・専門知識論述型・研究計画接続型のいずれか、またはその組み合わせに収まります。

小論文の対策はいつから始めればいいですか?

試験の4〜6か月前に型の確認とネタ集めを始め、3〜2か月前から週1本のペースで書き始めるのが目安です。編入試験は10月〜11月に山があり、6月〜7月に実施する大学もあります。小論文は書いた本数でしか伸びず、しかも1本に時間がかかるため、専門科目より先に着手しても損はありません。直前期は新しいテーマに手を広げず、書いた答案とネタ帳の見直しに絞ります。

何本くらい書けばいいですか?

週1本を2〜3か月続ければ十分です。本数を増やすことより、1本ごとに条件を守れたか、序論で立場を出せたか、本論に具体例が入ったかを点検するほうが伸びます。書きっぱなしにすると、同じ弱点を繰り返したまま本番を迎えます。可能なら他人に読んでもらってください。文章が読み手に通じているかは、自分では判定できません。

小論文に専門知識は必要ですか?

学部系統によります。法学系や経済系では、分野の用語を説明させたうえで論じさせる形が見られ、この場合は専門科目の学習と一体になります。一方、教育系や社会系では、身近な課題について自分の考えを述べさせる形が中心で、専門知識より論の立て方が問われます。志望校の過去問で、用語の説明を求められているかどうかを確認すると、どちらの準備が必要かが分かります。

賛成か反対か決められないときはどう書きますか?

どちらかに立ってください。「一概には言えない」で終わる答案は、主張がないと判断されます。決め方は簡単で、根拠を2つ思いつくほうを選べばよいだけです。自分の本心と一致している必要はありません。そのうえで、反対の立場にも触れ、それでも自分の立場を取る理由を書くと、論の厚みが出ます。設問が「双方をふまえて」と指示している場合は、両方に触れることが条件になります。

「多角的に論じよ」とはどう書けばいいですか?

視点の軸を1つ足してください。賛成か反対かという1本の軸だけでなく、誰にとっての利益か(当事者・第三者・社会全体)、短期で見るか長期で見るか、どの制度と比べるか、といった別の軸を加えると条件を満たせます。「双方をふまえて」と指示されていても、賛否を半分ずつ並べるのは誤りです。序論で自分の立場を出し、本論で自分の根拠を書き、次に反対の立場の言い分を正確に書いたうえで、それでも自分の立場を取る理由を述べる、という順で組み立ててください。

時事のネタは何を集めればいいですか?

実際に扱われている題材は6つの束に収まります。①人口と地域(少子高齢化・地方創生・多文化共生)、②環境とエネルギー(SDGs・気候変動・生物多様性)、③技術と社会(人工知能や生成AI・情報環境・働き方)、④医療と生命倫理(公衆衛生・医療政策・終末期医療)、⑤制度と自由(民主主義・表現の自由・多様性・社会保障)、⑥学びと研究(教育のあり方・自分の学習経験)です。この6つに3つずつ話題を入れれば、初見のテーマでも必ずどれかにつながります。新聞を毎日読む必要はありません。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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まとめ

編入試験の小論文は、知識で当てにいく試験ではなく、決められた条件の中で主張を組み立てる試験です。やることを整理します。

  1. 志望校が小論文を課すかを確認する。「総合問題」「論述試験」という名前のこともある
  2. 出題の型を判定する。テーマ提示・課題文読解・資料提示・専門知識論述・研究計画接続の5つ
  3. 分野に紐づく時事のネタ帳を20個作る。1つにつき論点2つと自分の立場
  4. 800字なら序論150・本論550・結論100で設計する。序論で結論まで書き切る
  5. 設問の条件(字数・選択・指示)を最初に丸で囲む。失点の多くはここで防げる
  6. 週1本を時間を計って書き、他人に読んでもらう。書きっぱなしにしない
  7. 直前は新しいテーマを増やさず、型とネタ帳を確認する。

小論文と面接は、材料の多くが共通します。準備の全体像は編入の志望校の決め方で確認してください。

この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)

本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。小論文の実施状況・字数・試験時間は、各大学が公表する募集要項をもとに毎年度確認しています。実際の出願にあたっては、必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

最終更新: 2026年8月7日

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