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オンライン編入学院の裏側知っている法律を、伝わる答案へ。『編入法学演習』をつくった新田先生との対談

法学の知識を学んだ後、答案にどう書けばいいのか。新田先生と國生学長が、演習書『編入法学演習』の制作を振り返りました。書き方の型、使う順番、独学する受験生への思い。そしてジェンダー、AI、SNSを法の視点から考える対談を紹介します。

2026年9月9日公開(9月8日収録)の対談を、趣旨を変えず編集しました。教材・出題傾向は対談当時の情報です。AIの権利や司法への活用は、将来を考える議論として紹介します。

知っている法律を、伝わる答案へ。『編入法学演習』をつくった新田先生との対談

法学の学びを、答案に変える一冊ができるまで

全力講座の直前期の手応えから始まった対談。この日のもう一つの主役は、新しく制作した『編入法学演習』でした。

國生学長聞き手

今日は、オンライン編入学院で法学を教えている新田先生にお越しいただきました。収録しているのは9月8日で、直前期に入ってきましたね。全力講座は、どのような感触ですか。

新田先生法学担当

受講している皆さんの熱量は高いですね。答案を提出してくれる方の中には、かなり良いものを書ける方もいます。僕も添削をしながら刺激を受けています。

國生学長聞き手

その裏で、もう一つ進んでいた仕事があります。今日は、先生に監修していただいた新しい参考書『編入法学演習』を紹介しつつ、試験で考えておきたいテーマも聞いていきます。

新田先生を迎え、法学の演習書に込めた工夫を聞きました。原動画と同じイラスト表示で紹介しています。
國生学長聞き手

本が形になりましたね。制作は、やはり大変でしたか。

新田先生法学担当

大変でした。かなりの時間をかけて作りました。法学の答案は、ただ知識を並べればいいわけではありません。どう書けば相手に伝わるのか、具体的な答案を通して見せたかったんです。

知っていることと、書いて伝えられることは違う

國生学長聞き手

どういうコンセプトで作った本なのか、教えてください。

新田先生法学担当

法学には、答案を書くときの型があります。段落や番号をどう付けるか、言葉をどう定義するか、条文や判例をどう使うか。そうしたことは、知識を学ぶだけでは身に付きにくいんです。

新田先生法学担当

大学で法律を学んでいても、自分の答案を細かく添削してもらえる機会は多くありません。ほかの学部から法学部を目指す人なら、なおさら難しいと思います。そこで、回答例と説明を通して、答案の書き方が見えるようにしました。

法律の知識だけでなく、段落や定義、条文の使い方まで、答案の型を伝えることを目指しました。
國生学長聞き手

インプットとアウトプットは、別のものだということですね。

新田先生法学担当

たとえば「罪刑法定主義とは何か」を理解するのがインプットだとすると、それを答案として説明し、自分が理解していることを採点する人に伝えるのがアウトプットです。分かっていることを、筋道立てて書けるようにする必要があります。

國生学長聞き手

つまり、初めて法律を学ぶ人がいきなり取り組むというより、基礎を学んだ後の演習に使う本ですね。

新田先生法学担当

そうです。まずは基礎的な法学の知識を身に付けて、その後に実際に書く練習をしてほしいです。

これまで指導の中にあった知見を、独学の人にも

新田先生法学担当

これまで指導してきた合格者にも、どんなことを書いたのか聞いてきました。そうした経験を踏まえて、どのような答案を目指すのかが分かるようにしています。

國生学長聞き手

独学で頑張っている方にも、その水準や書き方を届けたいということですよね。

新田先生法学担当

正直に言うと、最初は、ここまで公開していいのかなという気持ちもありました。これまで指導してきたノウハウを、かなり出すことになるので。

國生学長聞き手

それでも、出しましょうと話しました。参考書があれば、すべての困りごとが解消するわけではありません。学習の管理をしてほしい人、自分に合う進め方を一緒に考えてほしい人もいます。

國生学長聞き手

必要な情報に触れられる人を増やし、編入に挑戦しやすくしたい。本を使って進められる人には使ってもらい、困ったときには先生に頼れる。そういう形でいいと思っています。

指導で蓄積してきた答案作成の知見を、独学する受験生にも届けることを話し合いました。

まず自分で考える。志望校に合わせて演習を選ぶ

國生学長聞き手

この本は、具体的にどのように使うのがいいですか。

新田先生法学担当

回答例を先に読んで、分かった気になる使い方は避けてほしいです。まず問題を見て、自分ならどう答えるか考えてみてください。最初は答案の構成だけでもいいので、10分、20分と時間を区切って取り組み、その後で回答例と比べてみるのがいいと思います。

新田先生法学担当

自分の答えと例の違いを確かめることが大事です。書く練習として使ってほしいですね。

國生学長聞き手

問題も、かなりの数を収録していますね。全部やるべきなのでしょうか。

新田先生法学担当

およそ200問ありますが、全員が全部を解く必要があるとは思いません。大学によって、グローバル化のようなテーマが多いところもあれば、民法・刑法や財産に関わる内容が多いところもあります。

新田先生法学担当

志望校の傾向を踏まえて、先生や合格者にも相談しながら、優先するところを選んでほしいです。やみくもに全部やるより、必要な練習を考えることが大事ですね。

『編入法学演習』の表紙を紹介。基礎を学んだ後、実際に答案を組み立てる練習に使う一冊です。

対談で挙がったテーマ① ジェンダーを、法の視点から考える

ここからは、動画公開当時の出題傾向を踏まえた新田先生の見立てです。

國生学長聞き手

ここからは、試験に向けて考えておきたいテーマを聞いていきたいです。どういう分野に注目していますか。

新田先生法学担当

大学を一つずつ予想するというより、いろいろな大学に通じるテーマを三つ挙げたいと思います。まずは、ジェンダーと法です。

新田先生法学担当

たとえば、入試や採用、昇進で女性を優先する取り組みをどう考えるか。一見、平等ではないようにも見えますが、そもそも社会の仕組みの中に不均衡がないか、考える必要があります。

新田先生法学担当

子育てや家事など、賃金が支払われない労働の負担が偏っていることもあります。子どもが体調を崩したとき、収入が低い側が仕事を休む判断を重ねれば、その差がまた広がることもある。そうした背景も含めて考えるテーマです。

ジェンダーの議論では、制度の表面だけでなく、生活や働き方の背景にも目を向けました。
國生学長聞き手

こういう問題は、どちらの立場で答えた方がいいというものなのですか。

新田先生法学担当

賛成か反対かだけで決まるものではありません。自分の立場を、合理的に、説得力を持って説明できるかが大切です。別の立場にも理由があることを踏まえて、筋道を立ててほしいと思います。

対談で挙がったテーマ② AIと人は、どう共存するのか

新田先生法学担当

二つ目はAIと法です。さまざまな大学で、AIに関わる問題が扱われてきました。根本には、人間とAIがどう共存していくかという問いがあると思います。

新田先生法学担当

AIが社会で使われるほど、権利や責任、紛争の扱いを考える必要が出てきます。今ある法律の考え方を使って、新しい状況をどう整理するかが問われます。

國生学長聞き手

裁判のような仕事も、AIが代わりに担うことはあり得るのでしょうか。

新田先生法学担当

将来的な代替を考える余地はあると思います。ただ、今のAIで何ができるかという点では、法律の調べ物に使ってみても、まだ不安を感じる部分があります。検索などは変化しているので、その進歩も見ていきたいです。

AIの進歩を踏まえながら、人間の判断や法律の仕組みとの関係を考えます。
新田先生法学担当

AIに権利を持たせるのか、という問題もあります。人間ではない法人にも法律上の権利を認めていますから、そうした考え方と比べながら、AIならどうかと考えてみることができます。

新田先生法学担当

著作権などを巡って、今は人間側からAIに関わる問題を考えていますが、将来、逆にAIの側から権利が主張されるような状況を想像したらどうでしょうか。これは将来の社会を考える問いです。

國生学長聞き手

今は想像の話に見えることでも、社会の仕組みとして備える必要が出てくるかもしれない、ということですね。

新田先生法学担当

そうですね。たとえばAIと政治の関わりも、思考実験として考えられます。答案でロボット三原則に触れた受験生もいましたが、知っている話を並べること自体が目的ではありません。法の原理や原則に戻って、そこから何が言えるのか考えることが大切です。

新田先生法学担当

決まった正解がない状況を、法の考え方から推論する。そこを練習しておくといいと思います。

AIの情報格差と、専門家への信頼も論点になる

新田先生法学担当

AIについて詳しい人と、そうでない人との間に、情報の差があることも論点です。技術を作る人や政治に関わる人が知っていても、一般の人には見えていないことがあります。その差が社会に何をもたらすか、という問題ですね。

新田先生法学担当

医師とAIが協力できるのか、それとも患者がAIの情報を信じ過ぎて、医師との信頼関係が崩れるのか。そうした問いもあります。弁護士と依頼者の関係にも通じる問題です。

國生学長聞き手

医師から言われたことを、AIに確かめる人もいそうですね。AIではこう言われた、と持ってきた情報で、関係が崩れることもありそうです。

新田先生法学担当

医師から見れば、AIが都合のよい根拠だけを集めて、マイナス面を落としていると分かっても、患者にはその誤りが分からないことがあります。情報を使う人と専門家との関係も、考える必要があるのです。

AIの機能だけでなく、それを使う人の受け止め方や、専門家との信頼も話題になりました。

対談で挙がったテーマ③ SNSと民主主義

新田先生法学担当

三つ目は、SNSと民主主義です。法律では「思想の自由市場」という考え方があります。いろいろな意見が自由に出され、議論されることで、より良い考えが残っていくという発想です。

新田先生法学担当

ただ、それが成り立つには、冷静に話し合えることが前提になると思います。SNSでは、匿名のアカウントが大量に意見を投稿したり、攻撃的な言葉が飛び交ったりして、発言しにくくなることもあります。

新田先生法学担当

匿名だから意見を言いやすいという良い面もあります。一方で、対立が激しくなり、極端な主張が広がることもあります。自由な発言を守ることと、議論が成り立つ環境をどう両立させるかが論点です。

自由に意見を言えることと、冷静に議論できる環境の両方を考える、SNSと民主主義のテーマ。
國生学長聞き手

SNSは何年も前からありますよね。なぜ今、試験のテーマとして出てくるのでしょうか。

新田先生法学担当

社会で問題が起きてから、それを学問の中でどう捉えるか整理するまでには時間がかかるのだと思います。研究や議論が蓄積されて、問題として問いやすくなる、という面もあるのではないでしょうか。

國生学長聞き手

ジェンダー、AI、SNSと民主主義。この三つを、法学の基礎とつなげて考えておくということですね。

新田先生法学担当

本にも関連する問題を入れています。ただ、テーマを覚えるだけで終わらず、どう考え、どう書くかの練習として使ってほしいです。

編入という機会を、もっと多くの人へ

國生学長聞き手

最後に、受験生の方へ伝えたいことはありますか。

新田先生法学担当

編入に挑戦する人が、もっと増えてほしいと思っています。そのためにも、情報や教材に触れやすくすることには意味があると思います。

新田先生法学担当

18歳のときの結果だけで、その人の可能性が決まるわけではありません。その後に学び、成長して、もう一度自分の行きたい場所に挑戦できる。編入は、そういう価値のある機会だと思っています。

新田先生法学担当

今までと違う価値観に触れたり、自分の可能性を広げたりできるので、関心のある人には挑戦してほしいです。

國生学長聞き手

編入という機会を使って、自分の人生をより良くしていく。そのために、今回の参考書も役立ててもらえたらうれしいです。今日はありがとうございました。

教材を届けることと、挑戦する機会を広げること。対談の最後には、二人の思いが重なりました。

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