立正大学地球環境科学部の編入試験対策|学科別の編入年次・日程・出題傾向
立正大学地球環境科学部の編入試験で最初に確認すべきなのは、学科によって入れる学年が違うことです。環境システム学科は2年次編入だけ、地理学科は2年次と3年次の両方を募集しています。しかも地理学科の3年次には「地理学科もしくはそれに準ずる学科に在籍中または在籍していた者」という条件が付きます。試験は11月と3月の年2回あり、11月試験を実施するのは全9学部のうち経済学部・仏教学部・地球環境科学部の3学部だけです。選考は書類審査・課題(小論文)・面接が軸で、3月試験にはこれに英語が加わります。そして特徴的なのが、小論文の出題テーマが募集要項にあらかじめ書かれていて、自宅で書いて出願書類として提出する形式であることです。この記事では、2027年度の募集要項と大学が公表している入試結果データ・過去問題をもとに、いつ・どの学科で・何を準備して出願すればよいかを順に整理します。
出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。
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まず確認|学科で編入できる学年が違う
編入というと「短大や高専を卒業して3年次から入る」形を思い浮かべる人が多いはずです。しかし立正大学地球環境科学部では、その形を選べる学科が限られています。
環境システム学科は2年次編入のみ。3年次は「募集なし」です。2027年度入学試験要項の「実施学部・学科(コース)および試験区分・募集定員」で、環境システム学科の欄は2年次「若干名」・3年次「募集なし」となっています。3年次編入を実施しているのは地理学科だけで、こちらは2年次・3年次とも「若干名」です。
これは、短大卒業者や高専卒業者が環境システム学科に出願できないという意味ではありません。出願資格そのものは満たしますが、入学するのは2年次になります。短期大学を2年で卒業してから環境システム学科に進む場合、卒業までにさらに3年間が必要になる計算です。合計6年かかることになるので、この見込み違いは進路設計に直結します。
また、環境システム学科の編入学選抜はコース単位の募集です。生物・地球コースと気象・水文コースのどちらで出願するかを最初に決める必要があり、出願後の変更はできません。この点は大学が公表している入試結果データの注記にも明記されています。
立正大学全体で3年次編入を実施しているのは、文学部(哲学科・史学科・社会学科・文学科)、仏教学部、データサイエンス学部、地球環境科学部地理学科、社会福祉学部社会福祉学科(教育福祉・社会デザインコース)です。3年次にこだわるのであれば、学部・学科の選択そのものを含めて考えることになります。
| 学科・コース | 2年次編入 | 3年次編入 | 募集の単位 |
|---|---|---|---|
| 環境システム学科 生物・地球コース | 若干名 | 募集なし | コース単位 |
| 環境システム学科 気象・水文コース | 若干名 | 募集なし | |
| 地理学科 | 若干名 | 若干名 | 学科単位 |
出典: 立正大学「2027年度 入学試験要項 特別選抜」(社会人対象選抜・海外帰国生徒対象選抜・編入学選抜)4ページ「実施学部・学科(コース)および試験区分・募集定員」。募集する学科・年次は年度によって変わることがあるため、出願前に必ず大学が公表する最新の募集要項の募集定員表で確認してください。
試験概要|2027年度の日程と選考方法
2027年度(2027年4月入学)
| 11月試験 | 3月試験 | |
|---|---|---|
| 出願期間 | 2026年10月22日(木)〜 10月28日(水)16時00分 | 2027年2月6日(土)〜 2月16日(火)17時00分 |
| 試験日 | 2026年11月22日(日) | 2027年3月4日(木) |
| 試験会場 | 熊谷キャンパス | 熊谷キャンパス |
| 合格発表 | 2026年12月1日(火) | 2027年3月10日(水) |
| 入学手続締切 | 2026年12月11日(金) | 2027年3月16日(火) |
| 選考方法 | 書類審査/課題(小論文)/面接 | 書類審査/課題(小論文)/英語(60分)/面接 |
| 当日の時間割 | 入構12時30分〜13時10分/面接13時30分〜 | 入構13時00分〜14時10分/英語14時30分〜15時30分/面接15時30分〜 |
| 対象学科 | 環境システム学科(2年次)/地理学科(2年次・3年次) | 環境システム学科(2年次)/地理学科(2年次・3年次) |
出典: 立正大学「2027年度 入学試験要項 特別選抜」8〜9ページ「日程・試験会場」および14〜16ページ「編入学選抜入学試験 選考方法」。要項は2026年8月6日に公開されました。出願はWEB出願で、郵送書類は出願締切日消印有効です。合否は受験ポータルサイト「UCARO」に掲載されます。日程・科目は毎年変わる可能性があるため、出願前に必ず大学が公表する最新の募集要項で確認してください。
当日の時間割を見て気づくのは、試験当日に小論文を書く時間がないことです。11月試験は面接だけ、3月試験は英語と面接だけで、小論文の時間帯が組まれていません。これは後述するとおり、課題(小論文)を出願時に提出する仕組みだからです。当日に会場で長文を書く必要はありません。
もう一つ重要なのが11月試験を実施する学部が限られている点です。立正大学の編入学選抜で11月試験があるのは経済学部・仏教学部・地球環境科学部の3学部のみで、ほかの学部は3月試験だけです。地球環境科学部を志望する人は、年に2回の受験機会を使える立場にあります。11月試験の結果は12月1日に分かるので、そこで結果が出なくても3月試験に出願し直す時間が残ります。
履修キャンパスは熊谷キャンパス(埼玉県熊谷市万吉1700)で、試験会場と同じです。熊谷駅南口からバスで約10分、東武東上線の森林公園駅北口からバスで約12分の場所にあります。入学検定料は35,000円(別途支払手数料)です。
科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。
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最大の関門|出願前の相談と2つの出願要件
この学部の編入試験でいちばん見落とされやすいのは、当日の点数ではなく出願にたどり着くまでの条件です。要項には、地球環境科学部の志願者だけに向けた条件が3つ書かれています。
1. 出願締切の3週間前までに学部事務室へ相談する
地球環境科学部の志願者は、出願締切の3週間前までに地球環境科学部事務室(TEL:048-539-1630)へ連絡・相談してください。これは要項の「出願要件」および「編入学選抜入学試験志願者への注意事項」に明記されています。理由は、他大学・短期大学等での既修得科目の単位認定状況によっては、卒業までに定められた年限以上を要する場合があるためです。
要項の出願要件の条文は地理学科の志願者を対象として書かれていますが、25ページの「地球環境科学部編入学志願者への注意事項」は学部全体の見出しで同じ連絡を求めています。環境システム学科の志望者も、連絡しておくほうが安全です。
2027年度の日程に当てはめると、実質的な締切は次のようになります。
| 11月試験 | 3月試験 | |
|---|---|---|
| 出願締切 | 2026年10月28日 | 2027年2月16日 |
| 事務室への 連絡・相談の目安 | 2026年10月7日ごろまで | 2027年1月26日ごろまで |
出願期間の初日が来てから動き出すと間に合いません。要項が公表された時点で、まず電話をかけるのが正しい順番です。相談の場では成績証明書の内容をもとに話すことになるので、手元に取得単位の一覧を用意しておくとやり取りが早く進みます。
2. 地理学科3年次には在籍学科の条件がある
地理学科の3年次編入に出願できるのは、地理学科もしくはそれに準ずる学科に在籍中または在籍していた者です。2027年度入学試験要項の「編入学選抜入学試験 出願資格・出願要件」に、地球環境科学部に対する追加条件として書かれています。
「それに準ずる学科」に自分が当てはまるかどうかは、要項の文面だけでは判断できません。地理学を専門に学んでいなくても、地域調査・地図・GIS(= 地理情報システム。地図の上でデータを重ねて分析する仕組み)・自然環境などを扱う学科であれば該当する可能性があります。この判断こそが、前項の学部事務室への相談で確認すべき中身です。
逆に言えば、この条件に当てはまらない人にとって、3年次編入という選択肢はありません。その場合は2年次編入で出願することになります。2年次編入には在籍学科の条件がないため、地理学を学んでいなくても地理学科を志望できます。
3. 11月試験は英語4単位が出願資格そのもの
11月試験に出願できるのは、大学・短期大学・専修学校において外国語科目(英語)を4単位以上すでに修得している人だけです。その代わり、11月試験では英語の筆記試験が実施されません。3月試験ではこの4単位が出願資格ではなく英語試験の免除条件になります。
この構造は、受験する回の選び方を決定的に変えます。整理すると次のとおりです。
| 英語4単位の状況 | 11月試験 | 3月試験 |
|---|---|---|
| 4単位以上を修得済み | 出願できる。英語の筆記試験なし | 出願できる。英語が免除される |
| 4単位に届いていない | 出願できない | 出願できる。当日60分の英語を受験 |
出典: 2027年度入学試験要項「編入学選抜入学試験 出願資格・出願要件」および「選考方法一覧(概要)」の注記。免除を受ける場合も、11月試験に出願する場合も、大学所定の様式E「出願資格確認書(11月試験)兼英語試験免除申請書(3月試験)」の提出が必要です。11月試験の志願者は必ず提出、3月試験の志願者は免除を希望する場合のみ提出します。
つまり、英語4単位を持っているかどうかが、受験機会が2回になるか1回になるかを決めます。しかもすでに修得している単位の話なので、これから点数を伸ばす種類の条件ではありません。まず成績証明書を開いて、英語科目の単位数を合計してください。大学の一般教養で英語を通年2科目(各2単位)履修していれば4単位に届きます。短期大学や専門学校の英語科目も算入されます。
4単位に届いていない在学生であれば、出願までの学期に英語科目を履修しておくという手が使えます。これは筆記の点数を上げる努力より確実で、効果も大きい準備です。
出願資格|2年次と3年次で条件が違う
全学部共通の出願資格は、2年次編入と3年次編入で1項目だけ差があります。2027年度入学試験要項の記載は次のとおりです。
2年次編入・3年次編入に共通する資格(いずれかに該当)
- 大学卒業者(2027年3月卒業見込み者を含む)
- 大学第2学年修了者(2027年3月修了見込み者を含む)
- 短期大学または高等専門学校卒業者(2027年3月卒業見込み者を含む)
- 旧制高等学校高等科、旧制専門学校卒業者
- 外国の大学第2学年修了者(修了見込み者)または短期大学卒業者(卒業見込み者)
- 大学の通信課程第2学年修了者(修了見込み者)
- 修業年限が2年以上で、総授業時数が1700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者および2027年3月修了見込みの者(学校教育法第90条に規定する大学入学資格を有する者に限る)
2年次編入だけに認められている資格
- 大学第1学年修了者(2027年3月修了見込み者を含む)
最後の項目が2年次編入と3年次編入の違いです。大学1年を終えた段階でも出願できるのは2年次編入だけで、3年次編入の資格には含まれていません。大学に入って1年で進路を考え直した人にとって、時間を無駄にせず学部を移せる現実的な選択肢になります。
一方で注意点もあります。短期大学の第1学年修了者(修了見込み者を含む)は2年次編入学選抜を受験できませんと要項に明記されています。短大生の場合は卒業(見込み)が条件です。高等学校専攻科の修了者については、要項が「立正大学入試センター品川入試課(03-3492-6649)まで問い合わせてください」としているので、個別の確認が必要です。
専修学校の専門課程から出願する場合は、修業年限2年以上・総授業時数1700時間以上であることを証明する書類、または「専門士」と称することができると明記された卒業(見込)証明書の提出が必要です。この証明書は学校側での発行に時間がかかることがあるため、出願の1か月前には依頼しておくと安全です。
なお、地理学科の3年次編入を志望する場合は、この共通資格に加えて前述の在籍学科の条件を満たす必要があります。
志願状況|大学公表データの読み方
立正大学は入試情報サイトの「入試結果データ」で、特別選抜(社会人・海外帰国生徒・専門高校・外国人留学生・編入学)の結果を学部・学科・コース別に公表しています。地球環境科学部の編入学選抜の数字は次のとおりです。
| 入学年度 | 学科・コース | 11月試験 2年次 志願/合格 | 11月試験 3年次 志願/合格 | 3月試験 2年次 志願/合格 | 3月試験 3年次 志願/合格 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度 | 生物・地球 | 0/− | 募集なし | 0/− | 募集なし |
| 気象・水文 | 1/1 | 0/− | |||
| 地理 | 1/0 | 0/− | 1/0 | 0/− | |
| 2025年度 | 生物・地球 | 0/− | 募集なし | 0/− | 募集なし |
| 気象・水文 | 0/− | 0/− | |||
| 地理 | 0/− | 1/0 | 2/1 | 0/− | |
| 2024年度 | 生物・地球 | 募集なし | 募集なし | 0/− | 募集なし |
| 気象・水文 | 0/− | ||||
| 地理 | 1/1 |
出典: 立正大学入試情報サイト「入試結果データ」の特別選抜(社会人/海外帰国生徒/専門高校(学科)・総合学科生徒/外国人留学生/編入学)。2026年度分は公開中の資料、2024年度・2025年度分は同ページで各年度に公開された資料によります。表の「−」は合格者がいない(志願者0名を含む)ことを示します。表は画像として作成されているため、原本を画像で拡大して行と列を1つずつ照合しました。
この表から読み取れるのは、倍率ではなく「誰も受けていない回がある」という事実です。大学が公表している列は志願者数と合格者数の2つだけで、受験者数の列がありません。そのため倍率を出すなら志願者数÷合格者数になりますが、志願者が年間0〜3名という規模では、その数字は難易度を表しません。オンライン編入学院では、この規模の母数で倍率を算出することは読者を誤解させると判断し、本記事では倍率を掲載していません。
そのうえで、数字から言える確かなことが3つあります。
- 出願すれば通る試験ではありません。2026年度の地理学科は11月試験・3月試験あわせて2名が志願して合格者0名でした。2025年度も11月試験の3年次は1名志願・合格者0名です。少人数だからといって選考が形式的なわけではないことがはっきり分かります。
- 地球環境科学部の11月試験と3年次編入は、2025年度から始まった枠組みです。2024年度の資料では、地球環境科学部の欄は11月試験も3年次編入も「募集なし」で、3月試験の2年次編入しか実施されていませんでした。受験機会が増えて日が浅いため、直近の要項での確認がとくに重要です。
- 合格が出た回はいずれも志願者が1〜2名です。2024年度は地理学科の3月試験2年次で1名志願・1名合格、2025年度は同じ枠で2名志願・1名合格、2026年度は環境システム学科の気象・水文コース11月試験で1名志願・1名合格でした。競争相手の数を気にするより、課題(小論文)と面接で自分の学びの方向性を説明しきれるかどうかが勝負になります。
出題傾向|課題(小論文)は事前に公表される
立正大学の編入学選抜でもっとも特徴的なのが、小論文の扱いです。地球環境科学部の小論文は「課題」という名称で、次の3つの点がほかの大学と大きく違います。
- 出題内容が募集要項にあらかじめ書かれています。要項の「選考方法」の欄に、学科ごと・年次ごと・回ごとの課題がそのまま掲載されています。
- 試験当日ではなく、出願時に提出します。大学所定の課題用紙(様式C)に手書きで書き、ほかの出願書類と一緒に郵送します。当日の時間割に小論文の時間帯がないのはこのためです。
- 大学が過年度の課題を過去問題ページで公開しています。2025年度・2026年度の「編入学選抜入学試験」の課題が学科別・年次別・回別に掲載されています。
著作権の観点から、本記事では課題の設問そのものは記載していません。実際の文言は立正大学入試情報サイトの募集要項および過去問題ページで確認してください。
環境システム学科の課題
2027年度の環境システム学科(2年次)の課題は、地球温暖化について、その原因と世界的に行われている対策を、自分が知っている範囲で述べるという主旨で、800字以内です。11月試験・3月試験とも同じ課題が指定されています。
過年度の公開資料を並べると、テーマの動き方が見えてきます。2025年度は、11月試験が地域的課題を扱うテーマ、3月試験が地球温暖化のテーマでした。2026年度は11月試験・3月試験とも地球温暖化のテーマになり、2027年度もこれが引き継がれています。直近2年は地球温暖化の枠組みで安定していると言えます。
この課題は「あなたの意見を述べよ」ではなく「あなたが知っていることを述べよ」という問い方です。求められているのは独創的な主張ではなく、環境科学の基礎知識を正確に、順序立てて説明できるかです。準備の方向としては次のようになります。
- 原因の説明: 温室効果の仕組み、二酸化炭素・メタンなどの温室効果ガスの排出源、産業革命以降の濃度変化。用語を定義してから使う書き方に慣れておくこと。
- 対策の説明: 国際的な枠組み(気候変動枠組条約とその締約国会議、パリ協定など)、排出削減の手段(再生可能エネルギー、省エネルギー、森林の炭素吸収、二酸化炭素の回収・貯留)、適応策との違い。
- 観測と根拠: 気温・海面水位・氷床などの観測データがどう取られているか。環境システム学科は理学的な手法を核にした学科なので、「どう測って分かったのか」に触れられると学科の関心と噛み合います。
800字は短いので、原因と対策を網羅しようとすると箇条書きの羅列になります。原因は仕組みを1つ丁寧に、対策は性格の違う2〜3種類を選んで書くほうが、理解の深さが伝わります。
地理学科の課題
2027年度の地理学科の課題は、自分が住んでいる地域または興味を持っている地域の地理学的環境(自然環境・経済環境・社会環境・文化環境など)を踏まえ、根拠を示しながら、地域的課題の要因と解決策について自分の考えを述べるという主旨で、800字以内です。2年次・3年次とも、11月試験・3月試験とも同じ課題が指定されています。
過年度の公開資料と並べると、この枠組みが3年続いていることが分かります。2025年度は「出身都道府県あるいは出身市区町村」の地域的課題、2026年度は「住んでいる地域または興味を持っている地域」の地域的課題を、いずれも自然的特徴や社会・経済的特徴から要因と解決策を論じる形でした。2027年度はここに「地理学的環境」という言葉と自然・経済・社会・文化という4つの区分が明示され、さらに「根拠を示しながら」という条件が加わっています。
2027年度の変更点は、書き方への要求が具体的になったことです。地域を1つ選んで感想を述べるのではなく、(1)その地域の環境を4つの区分で押さえ、(2)課題を1つ挙げ、(3)根拠を示して要因を説明し、(4)解決策を述べる、という構造が求められています。この4段構成をそのまま答案の骨格にするのが素直な対策です。
「根拠を示しながら」という条件は、地理学科の学びそのものを反映しています。地理学科のカリキュラムには人文地理学調査法・自然地理学調査法・統計調査分析法・デジタル地図の基礎といった調査系の科目が1〜2年次に置かれており、データや地図で裏づけて語ることが学科の作法だからです。答案でも、人口統計・産業統計・地形図・ハザードマップ・国勢調査などの具体的な出所を挙げて書けると、学科の期待に沿います。
選ぶ地域は、有名な事例より自分が現地を歩ける地域のほうが有利です。面接で必ず掘り下げられるため、統計だけで書いた地域だと答えに詰まります。逆に、通学圏や出身地であれば、答案に書ききれなかった観察を面接で足すことができます。
課題用紙の書き方で気をつけること
課題用紙は大学所定の様式C(本学所定用紙)を使います。要項に書かれている実務上の条件は次のとおりです。
- 黒のボールペンで手書きします。消せるボールペンは使用できません。パソコンでの作成・印刷はできない前提で準備してください。
- 記入欄が不足する場合は、必要分をコピーして使用します。
- 課題用紙の「論題」欄には、小論文のテーマを簡潔に記入します。本文だけ書いて論題を空欄にしないよう注意してください。
- 出願書類に不備がある場合は受け付けられません。書き損じたときのために、様式Cは早めに複数枚印刷しておくと安心です。
手書き・清書という条件は、実は準備計画に大きく影響します。本文を推敲し終えてから清書に入る時間を、出願締切の1週間前には確保しておく必要があるということです。テーマが事前に分かっている試験である以上、締切間際に一度書いただけの答案と、何度か書き直した答案では差がつきます。
英語(3月試験)
3月試験の英語は全学部共通の問題で、試験時間は60分です。大学は2026年度の編入学選抜の英語問題を解答つきで公開しており、そこから形式がそのまま分かります。
| 大問 | 形式 | 問数 |
|---|---|---|
| 〔1〕 | 下線部のうち適切でない語(句)を選ぶ(誤り指摘) | 10問 |
| 〔2〕 | 空所に入れる語(句)を選ぶ | 5問 |
| 〔3〕 | 空所に入れる語(句)を選ぶ | 5問 |
| 〔4〕 | 英文記事の読解(内容一致・内容説明) | 5問 |
| 〔5〕 | 英文記事の読解(内容一致・内容説明) | 4問 |
| 〔6〕 | 日本文の意味として最も適切な英文を選ぶ | 5問 |
| 〔7〕 | 会話文の空所補充 | 12問 |
| 合計 | すべて5つの選択肢から1つ選ぶマークシート形式 | 46問 |
出典: 立正大学入試情報サイト「過去問題」に掲載された2026年度 編入学選抜入学試験[3月試験]筆記試験(英語)問題および解答。問数は公開された解答の解答番号1〜46から確認しました。
2026年度の編入学選抜の英語は、同じ2026年3月4日に実施された全学部一般選抜の英語と同一の問題でした。編入学選抜の公開問題と、一般選抜として公開されている同日の英語問題を画像で照合して一致を確認しています。立正大学は一般選抜の英語問題を解答つきで複数日程分公開しているため、演習教材をそのまま入手できます。
この事実は対策の効率を大きく変えます。編入学選抜の公開問題は年に1セットしかありませんが、一般選抜の英語であれば2024年度から2026年度まで、各年度の複数日程分が問題と解答のセットで公開されています。同じ作問方針・同じ形式の問題を十数セット解けることになります。
内容面の特徴は次のとおりです。
- 文法・語法の比重が高い: 〔1〕〜〔3〕の20問と〔6〕の5問、合わせて25問が文法・語法・語彙の知識で解ける問題です。全46問の半分以上を占めます。高校英文法を体系的に一周することが最短距離になります。
- 読解は一般向けの記事: 2026年度の2題は、いずれも健康・生活に関する一般向けの英文記事からの出題でした。専門的な学術論文ではありません。日本語の語注が付いているため、専門用語を暗記していなくても読み進められます。
- 会話文が12問と多い: 〔7〕だけで全体の4分の1を占めます。日常場面のやり取りで自然な応答を選ぶ問題なので、会話表現に絞った演習が得点に直結します。
- 記述問題がない: 和訳・英作文はありません。書く練習より、選択肢を素早く切る練習が効きます。
なお、前述のとおり英語科目を4単位以上修得していれば3月試験の英語は免除されます。免除される見込みの人は英語対策に時間を使わず、課題(小論文)と面接に集中するのが合理的です。免除者の入構時間は受験票に記載されます。
面接
面接は11月試験・3月試験のどちらにもあり、時間割上は最後に置かれています。地球環境科学部の選考は「書類審査および課題(小論文)、面接結果により合格者を決定します」(3月試験はこれに英語が加わります)とされており、面接は3つ(または4つ)の評価軸のうちの1つです。要項には面接の配点や時間の記載はありません。
この試験構成では、面接で問われる内容がある程度絞られます。提出済みの課題(小論文)が面接官の手元にあるため、答案の内容を深掘りされる前提で準備してください。具体的には次の3点です。
- 課題で選んだテーマ・地域を、答案に書ききれなかった部分まで説明できるか。地理学科であれば「なぜその地域を選んだか」「実際に現地を見たか」「そのデータはどこで調べたか」は自然に出てくる問いです。
- 編入後に何を学びたいか。環境システム学科は環境生物学・環境地学・環境情報・環境気象学・環境水文学の5分野、地理学科は人文地理学・自然地理学・地誌学を軸に構成されています。志望学科のどの分野に関心があるかを、科目名のレベルまで具体化しておくと説得力が出ます。
- フィールドワークへの姿勢。両学科ともフィールドワーク(= 現地に出て観察・測定・調査をする実習)を教育の柱に据えており、要項の学費の注記にも「地球環境科学部生は、実験実習料のほかに、フィールドワークの旅費等が必要になります」と書かれています。屋外での調査に参加する意思は、聞かれなくても伝えておきたい点です。
いつ・どの学科で受けるかを決める
ここまでの条件を、出願の意思決定の順に並べ直します。上から順に答えていけば、自分が出願できる枠が1つに絞られます。
| 問い | 答えによって決まること |
|---|---|
| 1. 地理学科もしくは それに準ずる学科に 在籍歴があるか | ある→ 地理学科の3年次編入を検討できる(要事前相談) ない→ 2年次編入のみ。学科は自由に選べる |
| 2. 学びたいのは 地域か、自然現象か | 地域・都市・観光・防災・地図→ 地理学科 気象・水文・地質・生態系→ 環境システム学科(コースまで選ぶ) |
| 3. 英語科目を 4単位以上 修得しているか | している→ 11月試験と3月試験の両方に出願でき、どちらも英語の筆記なし していない→ 3月試験のみ。当日60分の英語あり |
| 4. 卒業までに 何年かけられるか | 2年次編入→ 卒業まで3年以上(単位認定の状況により4年以上になる場合あり) 3年次編入→ 卒業まで2年以上(同じく3年以上になる場合あり) |
4番目の問いは軽視されがちですが、要項が明記している重要な条件です。「他大学・短期大学等における既修得科目の認定単位によっては、卒業まで2年次編入は4年以上、3年次編入は3年以上を要する場合があります」と書かれています。つまり編入したからといって在学年数が自動的に短くなるとは限りません。この見込みを出願前に確認するのが、学部事務室への相談のもう一つの目的です。
環境システム学科のコース選択については、学科の教育内容から逆算します。学科の研究分野は環境生物学・環境地学・環境情報・環境気象学・環境水文学の5つで、募集単位である生物・地球コースは生物と地形・地質の系統、気象・水文コースは大気と水の系統にあたります。フィールドワーク・分析・データ解析の3つの技法を、どの対象に対して身につけたいかで選ぶことになります。
対策ロードマップ
課題(小論文)が事前公表され、出願前に事務室への相談が要る試験なので、逆算の起点は「試験日」ではなく「出願締切の3週間前」になります。11月試験を目指す場合は2026年10月上旬、3月試験を目指す場合は2027年1月下旬です。
- 要項公表〜3か月前
大学公式サイトで最新年度の要項を入手し、募集定員表で志望学科の年次が募集されているかを確認します。成績証明書を取り寄せて英語科目の単位数を数え、11月試験に出願できるかを判定します。4単位に届かない在学生は、この学期に英語科目を履修登録してください。 - 出願2か月前
要項に掲載されている課題のテーマを読み、資料集めを始めます。地理学科志望なら対象地域を決めて現地を歩き、統計・地図を集めます。環境システム学科志望なら温暖化の原因と対策について、教科書レベルの整理から始めます。並行して、3月試験で英語を受験する人は文法の総復習に入ります。 - 出願6週間前
課題の下書きを800字で一度完成させます。書いてみると必ず情報が足りない箇所が見つかるので、そこを埋めるために追加で調べます。3回は書き直す前提で計画してください。 - 出願3週間前(最重要)
地球環境科学部事務室(048-539-1630)へ連絡・相談します。地理学科3年次であれば在籍学科の該当可否、あわせて単位認定と卒業までの年数の見込みを確認します。同時に、出身校へ成績証明書・卒業(見込)証明書を依頼します。 - 出願2週間前
課題用紙(様式C)を印刷し、黒のボールペンで清書します。論題欄の記入を忘れないこと。様式E(出願資格確認書兼英語試験免除申請書)も準備します。WEB出願の登録に必要な顔写真データ(JPEG・640×480ピクセル推奨)も用意します。 - 出願期間中
WEB出願登録・入学検定料の支払い・出願書類の郵送をすべて期間内に完了させます。WEB出願登録だけでは出願完了になりません。郵送書類は出願締切日消印有効です。検定料の支払い後は志望学科・コースの変更ができないので、登録内容を送信前に必ず読み返してください。 - 試験1か月前
面接の準備に入ります。提出した課題を読み返し、書いた内容について3段階(それは何か/なぜそう言えるか/だからどうするか)で説明できるようにします。3月試験で英語を受験する人は、公開されている一般選抜の英語問題を時間を計って解く段階に入ります。 - 試験2週間前
受験票をUCAROから取得してA4サイズで印刷します(11月試験は2026年11月9日11時から、3月試験は2027年2月26日11時から取得可能)。スマートフォンの画面提示では受験できません。会場までの経路と所要時間を確認します。
おすすめ参考書|課題と英語の土台をつくる
この試験は筆記の専門科目がないため、参考書は「課題(小論文)と面接で語る中身をつくる本」と「3月試験の英語を通過する本」の2種類に絞られます。
課題(小論文)と面接の土台をつくる
地理学・環境科学の全体像を短時間でつかむための基本書です。地球温暖化・地域的課題のどちらのテーマでも、用語を正確に使えるかどうかが答案の質を左右します。
『地球環境学』は、気候変動・生態系・地下水・地形といった地球環境の各要素を「どう調査し、どう分析し、どう診断するか」という順で扱う入門書です。環境システム学科の課題が求めている「原因と対策を、知っていることとして説明する」書き方の型がそのまま学べます。
『新詳 資料地理の研究』と『村瀬のゼロからわかる地理B 系統地理編』は、地理学科の課題に必要な自然環境・経済環境・社会環境の見取り図を作るための本です。統計・地図・図表が豊富なので、答案に書く根拠を探す起点としても使えます。『地理用語集』は書いた文章の用語を確認するために手元に置く辞書的な使い方が向いています。
3月試験の英語を通過する
前述のとおり、英語の46問のうち25問が文法・語法・語彙の知識で解ける問題です。読解の量を増やす前に、文法を一周するほうが得点は動きます。次の2冊は、立正大学の英語の出題語彙・文法項目との対応が確認できている本です(立正大学の編入学選抜の英語は全学部共通問題です)。
時制・助動詞・比較・受動態・現在完了といった項目は、〔1〕の誤り指摘と〔6〕の英文選択でそのまま問われます。文法書を読んで終わりにせず、間違いを含む文を見て違和感に気づけるところまで演習を回してください。仕上げは、大学が公開している一般選抜の英語問題を60分で解く実戦形式に切り替えます。
出願手続きのチェックリスト
編入学選抜で提出する書類は次のとおりです(外国人留学生は追加書類があります)。
| 書類 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 卒業証明書等 | 出身学校が発行した修了(見込)証明書・卒業(見込)証明書。大学1〜3年次に在学中の場合は在学証明書を提出します。専修学校専門課程の修了(見込)者は、修業年限2年以上・総授業時数1700時間以上を証明する書類または「専門士」と明記された卒業(見込)証明書が必要です。 |
| 成績証明書等 | 出身学校が発行した、修得単位数とその評価が明記されているもの。2年次編入で成績証明書の提出が不可能な場合は履修証明書を提出します。英語の修得単位数を自分で確認するためにも早めに取り寄せてください。 |
| 課題用紙(様式C) | 本学所定用紙。黒のボールペンで手書き(消せるボールペン不可)。論題欄にテーマを簡潔に記入。記入欄が不足する場合は必要分をコピーして使用します。 |
| 出願資格確認書 兼英語試験 免除申請書 (様式E) | 本学所定用紙。11月試験の志願者は必ず提出します。3月試験の志願者は英語試験の免除を希望する場合のみ提出します。 |
手続きの流れと期限をまとめると次のようになります。
- 出願は3点セットで完了: 出願期間内に「WEB出願登録」「入学検定料の支払い」「出願書類の郵送」をすべて行って初めて出願完了です。WEB出願登録だけでは完了になりません。
- WEB出願にはUCAROの登録が必要: 出願・受験番号の照会・受験票の出力・合否照会・入学手続はすべてUCARO(受験ポータルサイト)を通じて行います。出願サイトは8月下旬から順次オープンします。
- 検定料の支払い後は変更不可: 学部・学科(コース)等の志望内容は、検定料を支払った後は変更できません。誤って登録した場合は立正大学入試センター品川入試課(03-3492-6649)へ連絡します。
- 受験上の配慮が必要な場合の申請期限: 11月試験は2026年9月29日、3月試験は2027年1月5日までです。出願期間よりかなり前に締め切られます。
- 提出書類・検定料は返還されません: 出願書類に不備がある場合は受け付けられないため、郵送前に様式の記入漏れを確認してください。
併願と入学後のこと
学内併願はできない
11月試験は経済学部・仏教学部・地球環境科学部が同じ2026年11月22日に、3月試験は全学部が同じ2027年3月4日に実施されます。したがって、同じ回で立正大学の複数の学部・学科を受けることはできません。学科・コースを1つに絞って出願する必要があります。
ただし、回をまたいだ再挑戦はできます。11月試験の合格発表は2026年12月1日、3月試験の出願開始は2027年2月6日なので、結果を見てから3月試験の準備をやり直す時間が2か月あります。この2か月で課題を書き直せることは、地球環境科学部を志望する人だけが持つ利点です。
入学手続の延期ができない
編入学選抜入学試験で合格した場合、入学手続の延期はできません。要項の「入学手続の延期」の条文で、延期が認められるのは社会人対象選抜・海外帰国生徒対象選抜の合格者に限られ、「編入学選抜入学試験で合格された方は、入学手続の延期をすることはできません」と明記されています。
これは他大学との併願設計に直結します。11月試験に合格した場合、入学手続の締切は2026年12月11日です。この日までに学費等の振込を含む入学手続を完了させる必要があり、他大学の結果を待って判断することはできません。3月試験の場合も締切は2027年3月16日です。
救済にあたる規定として、学費の返還条件が要項に書かれています。2027年3月末日までに大学所定の入学辞退届を提出し大学が確認した場合、または2027年4月1日から4月30日までに大学所定の退学届を提出した場合、納入した学費は入学金を除いて全額返還されます。逆に言えば、入学金252,000円は戻りません。11月試験に出願する時点で、この金額を負担する可能性を織り込んでおいてください。
学費の目安
要項に掲載されている学費は2026年度実績で、2027年度は未定とされています。編入学選抜で入学した場合の初年度納入額の目安は次のとおりです。
| 入学年次・学科 | 初年度合計 | うち第1期 | うち第2期 |
|---|---|---|---|
| 2年次編入 環境システム学科 | 1,626,500円 | 944,500円 | 682,000円 |
| 2年次編入 地理学科 | 1,496,500円 | 879,500円 | 617,000円 |
| 3年次編入 地理学科 | 1,494,000円 | 877,000円 | 617,000円 |
出典: 2027年度入学試験要項33〜34ページ「学費等」。金額は2026年度実績で、2027年度は未定と明記されています。入学金252,000円・授業料814,000円・施設設備資金267,000円のほか、教育充実費・実験実習料・学生健康保険互助会費・校友会費を含みます。学費は半期ごとの納入で、初年度は入学手続時に第1期分に加えて入学金等が必要です。学則改正により変更される場合があります。
2年次編入で環境システム学科と地理学科に13万円の差があるのは、主に実験実習料の設定が違うためです(実験実習料は環境システム学科のほうが高く、教育充実費は地理学科のほうが高く設定されています)。実験・分析を伴う科目が多い学科と、野外調査が中心の学科という教育内容の違いが金額に表れています。
さらに要項には「地球環境科学部生は、実験実習料のほかに、フィールドワークの旅費等が必要になります」という注記があります。学費表の金額がそのまま総額ではない点に注意してください。地理学科には海外フィールドワークの科目も置かれているため、履修する科目によって必要額は変わります。金額の目安は学部事務室に確認するのが確実です。
単位認定と卒業までの年数
単位認定の結果は、卒業までの年数に直結します。要項の「編入学志願者への注意事項」には次のように書かれています。
- 2年次編入: 他大学・短期大学等における既修得科目の認定単位によっては、卒業まで4年以上を要する場合があります。
- 3年次編入: 同じく、卒業まで3年以上を要する場合があります。
地球環境科学部の卒業要件は、環境システム学科の場合、教養的科目28単位以上と専門科目90単位以上で構成されています。専門科目のうち学科基幹科目に必修10単位が置かれ、環境調査・解析実習や卒業課題など学年が指定された必修科目が含まれます。地理学科も同様に、基礎地図学および実習・フィールドワーク入門(1年次)、地理学基礎セミナー(2年次)、地理学セミナー(3・4年次)といった学年配当の必修科目があります。
編入後に何年かかるかは、これらの必修科目を編入年次からどう積み上げられるかで決まります。この見込みは自分では計算できません。だからこそ要項が出願前の連絡・相談を求めています。「3年次編入だから2年で卒業できる」と前提を置いて進路を決めないでください。
指定校制推薦型という別の入口
立正大学には、一般の編入学選抜とは別に編入学選抜[指定校制推薦型]があります。2027年度の対象学部・学科は仏教学部・データサイエンス学部・地球環境科学部地理学科・社会福祉学部で、地球環境科学部では地理学科だけが対象です。環境システム学科は対象外です。
日程は一般の11月試験と同じで、出願期間2026年10月22日〜10月28日、試験日2026年11月22日、合格発表2026年12月1日、入学手続締切2026年12月11日です。提出書類は様式A〜Bの2種類とされており、一般の編入学選抜より少ない構成です。
この区分の入学試験要項は閲覧にパスワードが必要で、パスワードは対象校へ送付される通知文書に記載されています。つまり、自分の在籍校が指定校になっているかどうかは、在籍校の事務室・進路担当に確認するのが唯一の方法です。地理学科を志望する短期大学生・専門学校生は、一般の編入学選抜の準備を始める前に一度確認する価値があります。
キャンパスと取得できる資格
地球環境科学部の履修キャンパスは熊谷キャンパス(埼玉県熊谷市万吉1700)です。品川キャンパス(東京都品川区大崎)には心理学部・法学部・経営学部・経済学部・文学部・仏教学部が置かれており、地球環境科学部は品川では学べません。熊谷キャンパスにはデータサイエンス学部・社会福祉学部も置かれています。通学先・下宿先を検討するときは、大学の所在地ではなく学部のキャンパスで考えてください。学生寮「ユニデンス」も熊谷キャンパスにあります。
学部として取得を目指せる資格・免許は学科によって異なります。大学が公表している一覧では、次のように整理されています。
| 学科 | 教員免許 | その他の主な資格 |
|---|---|---|
| 環境システム学科 | 中学校教諭一種(理科)/高等学校教諭一種(理科)/学校図書館司書教諭 | 測量士補、GIS学術士、自然再生士補、社会教育主事(任用資格)、博物館学芸員(任用資格)、図書館司書ほか(気象予報士・測量士・技術士などは別途試験に合格する必要があります) |
| 地理学科 | 中学校教諭一種(社会)/高等学校教諭一種(地理歴史)/学校図書館司書教諭 | 測量士補(測量学実習修了者)、GIS学術士、地域調査士、社会教育主事、学芸員、国内・総合旅行業務取扱管理者(要受験) |
出典: 立正大学地球環境科学部「取得できる資格」。編入学生が在学期間内にこれらの課程を修了できるかどうかは、認定される単位と履修計画によって変わります。とくに教員免許は必要な科目数が多く、編入後の履修だけでは在学期間内に取りきれない場合があります。資格取得を目的に編入する場合は、出願前の相談で必ず確認してください。
直前期のチェックリスト
試験当日に関する要項の規定のうち、事前に知らないと困るものをまとめます。
- 受験票は自分で印刷して持参します。UCAROからA4サイズのコピー用紙に印刷してください(カラー・白黒は問いません)。スマートフォン等の画面提示では受験できません。受験票の裏面も含めて一切の書き込みが禁止されています。
- 遅刻は試験開始後20分以内まで。公共交通機関の乱れで遅刻が見込まれる場合は、立正大学入試センター品川入試課(03-3492-6649)へ電話で連絡します。
- 時計は試験室に設置されていません。持参し忘れても貸出はありません。ただし辞書・電卓・通信機能があるもの、秒針音がするもの、大型のものは使用できません。
- 持ち込めるもの: 黒鉛筆(HBに限る。和歌・格言等が印刷されているものは不可)、シャープペンシル(黒い芯に限る。芯ケースは不可)、プラスチック製消しゴム、鉛筆削り、時計、眼鏡、無地のハンカチ、目薬、ティッシュペーパー(中身のみ)。
- 持ち込めないもの: 定規、コンパス、電卓、そろばん、グラフ用紙等の補助具、携帯電話・スマートフォン・スマートウォッチ等のウェアラブル端末、タブレット、電子辞書、イヤホン、耳栓、飲食物。
- 英文字や地図等がプリントされている服は着用できません。着用している場合は監督者の指示により脱ぐことになります。地理学科を志望する人はとくに注意してください。地図柄のTシャツやトートバッグを当日に持ち込まないよう、前日に服装を決めておきましょう。
- 昼食は各自で用意します。3月試験は入構が13時からなので昼食を済ませてから向かう形になりますが、11月試験は入構が12時30分からです。
- 合格発表はUCAROのみ: 合格発表日の14時にUCAROへ掲載されます。学内での掲示はなく、合否に関する問い合わせには一切応じないとされています。試験当日に駅や会場周辺で合否の連絡や署名等の勧誘をする者がいても大学とは無関係です。
よくある質問
立正大学地球環境科学部は3年次編入ができますか?
3年次編入を実施しているのは地理学科だけです。2027年度入学試験要項の募集定員表では、環境システム学科は2年次が「若干名」、3年次が「募集なし」となっています。地理学科は2年次・3年次とも「若干名」です。さらに地理学科の3年次編入には、地理学科もしくはそれに準ずる学科に在籍中または在籍していたことという条件が付きます。短期大学や高等専門学校を卒業して3年次から入りたい場合、この条件を満たすかどうかが最初の分かれ道になります。判断は自分では決められないため、出願締切の3週間前までに地球環境科学部事務室へ連絡・相談してください。
立正大学地球環境科学部の編入試験は年に何回ありますか?
年2回です。2027年度は11月試験(試験日2026年11月22日)と3月試験(試験日2027年3月4日)が実施されます。11月試験を実施するのは経済学部・仏教学部・地球環境科学部の3学部だけで、地球環境科学部はその一つです。会場はどちらも熊谷キャンパスです。11月試験で結果が出なかった場合に3月試験へ再挑戦することができるため、受験機会を2回確保できるのがこの学部の利点です。
11月試験と3月試験はどちらを受けるべきですか?
大学・短期大学・専修学校で外国語科目(英語)を4単位以上すでに修得しているかどうかで決まります。4単位以上を修得している人は、11月試験に出願でき、しかも11月試験には英語の筆記試験がありません。加えて3月試験でも英語が免除されるため、両方の回を英語の筆記なしで受けられます。4単位に届いていない人は11月試験に出願できず、3月試験のみとなり、当日60分の英語を受験します。まず自分の成績証明書で英語の修得単位数を数えるところから始めてください。
立正大学地球環境科学部の編入試験の倍率はどれくらいですか?
大学が公表している入試結果データの列は志願者数と合格者数の2つだけで、受験者数の列がありません。そのため倍率を計算する場合は志願者数を合格者数で割ることになります。ただし地球環境科学部の編入学選抜は志願者が年間0〜3名という規模で、合格者が0名の回もあります。2026年度は地理学科が11月試験・3月試験あわせて2名志願して合格者0名、環境システム学科の気象・水文コースが11月試験で1名志願・1名合格でした。この人数では倍率という数字が難易度を表さないため、記事では倍率を算出していません。
小論文ではどんなことが問われますか?
立正大学の編入学選抜の小論文は「課題」という扱いで、出題内容が募集要項にあらかじめ書かれています。試験当日に書くのではなく、大学所定の課題用紙(様式C)に手書きで書いて、出願書類として提出します。2027年度は環境システム学科が地球温暖化の原因と世界的な対策を問うテーマ、地理学科が自分が住んでいる地域または興味のある地域の地理学的環境を踏まえて地域的課題の要因と解決策を論じるテーマで、いずれも800字以内です。テーマが事前に分かっているので、締切までにどこまで調べて書き直せるかが評価を分けます。
3月試験の英語はどんな問題ですか?
全学部共通の問題で、試験時間60分・全46問がすべて5つの選択肢から1つ選ぶマークシート形式です。2026年度の公開問題では、下線部の誤りを指摘する問題が10問、空所補充が10問、英文記事の読解が2題で9問、日本文に合う英文を選ぶ問題が5問、会話文の空所補充が12問という構成でした。読解の英文には日本語の語注が付いています。なお2026年度の編入学選抜の英語は、同じ2026年3月4日に実施された全学部一般選抜の英語と同一の問題でした。大学は一般選抜の英語問題を解答つきで複数日程分公開しているため、そのまま演習教材として使えます。
出願前にやっておくべきことは何ですか?
地球環境科学部の志願者は、出願締切の3週間前までに地球環境科学部事務室(TEL:048-539-1630)へ連絡・相談することが求められています。既修得科目の単位認定状況によっては卒業までに定められた年限以上かかる場合があるためです。2027年度の場合、11月試験は出願締切が2026年10月28日なので10月上旬まで、3月試験は締切が2027年2月16日なので1月下旬までが目安になります。この連絡を忘れると出願要件を満たせません。あわせて、成績証明書・卒業(見込)証明書は発行に時間がかかるため、同じ時期に出身校へ依頼しておいてください。
まとめ
立正大学地球環境科学部の編入試験は、筆記の専門科目がなく、当日の試験も面接(3月試験は英語と面接)だけという構成です。そのぶん、合否を分ける要素は出願前の準備に集中しています。
- 学科で入れる学年が違います。環境システム学科は2年次のみ、地理学科は2年次と3年次。3年次を狙うなら地理学科一択で、しかも在籍学科の条件があります。
- 受験機会が2回あるかどうかは、英語4単位で決まります。すでに修得していれば11月・3月の両方に出願でき、どちらも英語の筆記なし。届いていなければ3月試験のみです。
- 小論文はテーマが事前に公表され、自宅で書いて提出します。締切までに何度書き直せるかがそのまま答案の質になります。
- 出願締切の3週間前までに学部事務室へ連絡・相談する必要があります。これを忘れると出願要件を満たせません。単位認定と卒業年数の見込みも、この場で確認します。
まずやることは、成績証明書を取り寄せて英語の修得単位数を数えること、そして最新の募集要項を大学公式サイトで入手して募集定員表を確認することの2つです。日程・科目・出願資格は毎年変わる可能性があるため、出願前には必ず大学が公表する最新の募集要項を確認してください。
あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。
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監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要・日程・出願資格は立正大学が公表する2027年度入学試験要項(特別選抜)の原本にあたって確認し、志願状況は立正大学入試情報サイトの入試結果データを画像で照合して作成しました。出題形式は大学が公開している編入学選抜の過去問題にもとづいています。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ|最終更新: 2026年8月6日
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