東京海洋大学海洋生命科学部の編入試験対策|倍率・出題傾向・出願要件
結論:この試験で最初に決めるべき3つのこと
東京海洋大学海洋生命科学部の編入学は、食品生産科学科だけが募集単位で、推薦試験と学力試験の2つの区分があります。どちらの区分でも、出願要件としてTOEIC L&R・TOEFL iBT・IELTSのいずれかの英語スコアを持っていることが求められます。スコアがなければ、そもそも出願できません。
そのうえで、受験を考えるときに最初に決めるべきことは次の3つです。
- どちらの区分で受けるか。推薦試験は高等専門学校を卒業見込みの人に限られ、筆記は小論文です。学力試験は高専・短大・大学在学者や既卒者が対象で、筆記は理科1科目です。
- 英語スコアをいつ取るか。有効期限は試験実施日から過去2年以内。出願書類の締切は例年5月下旬なので、逆算の起点はここになります。
- 理科は物理か化学か(学力試験の場合)。要項上はどちらも選べますが、大学の公開情報では2026年度・2027年度とも物理は受験者がいませんでした。
大学が公表している直近5年間の選抜状況では、受験者76名に対して合格者29名(実質倍率2.62倍)。区分別では推薦試験1.79倍、学力試験3.40倍で、高専生にとっては推薦試験のほうが通りやすい構造になっています。以下、要項と大学公表データにもとづいて順に整理します。
出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。
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試験概要(2027年度募集要項)
直近で実施が完了しているのは2027年度(令和9年度)の編入学試験です。2026年6月18日に筆記と面接が行われ、2026年7月10日に合格者が発表されました。次の2028年度(令和10年度)の募集要項は、大学の案内では例年2月下旬に公表されます。以下は2027年度要項の内容です。
| 募集学科 | 海洋生命科学部 食品生産科学科(この1学科のみ) |
|---|---|
| 試験区分 | 推薦試験/学力試験の2区分(同じ日に実施) |
| 試験会場 | 東京海洋大学 品川キャンパス(東京都港区港南) |
| 出願期間 | インターネット出願登録 2026年5月15日10時〜5月22日16時/書類の郵送 2026年5月18日〜5月22日17時必着 |
| 試験時間割 | 10時〜11時30分 筆記(推薦は小論文/学力は理科)、13時〜 面接 |
| 合格発表 | 2026年7月10日10時頃(大学ホームページに受験番号を掲載。掲示発表・電話照会はなし) |
| 入学手続 | 2026年7月10日〜7月17日必着 |
| 入学時の経費 | 入学料 282,000円/授業料 年額 535,800円(前期・後期各267,900円) |
出典: 東京海洋大学「令和9(2027)年度 東京海洋大学海洋生命科学部食品生産科学科 編入学学生募集要項(推薦試験・学力試験)」。日程・科目・資格は毎年変わる可能性があります。出願前に必ず大学が公表する最新の募集要項の原本を確認してください。
科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。
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推薦試験と学力試験|自分はどちらで受けるのか
この試験でいちばん最初に確認すべきなのが、2つの区分のうちどちらに出願できるかです。出願資格がまったく違います。
| 項目 | 推薦試験 | 学力試験 |
|---|---|---|
| 出願資格 | 高等専門学校を2027年3月に卒業見込みの人のみ | 高専卒(見込含む)/短大卒(見込含む)/大学卒(見込含む)/大学に2年以上在学し62単位以上取得(見込含む)/大学改革支援・学位授与機構の学士/文部科学大臣の指定した者 |
| 出願要件 | TOEIC L&R・TOEFL iBT・IELTSのいずれか | 同左(区分による差はなし) |
| 筆記試験 | 小論文(10時〜11時30分) | 理科1科目(10時〜11時30分) |
| その他の評価 | 推薦書・調査書・英語スコア・面接 | 成績証明書等・英語スコア・面接 |
| 推薦人員 | 各高等専門学校から2名以内 | — |
| 合格時の扱い | 合格したら入学することを確約できる人が対象 | 確約の要件なし |
つまり、大学2年生・短大生・4年制大学の卒業者は学力試験しか選べません。一方で高専生は、校内の推薦を得られれば推薦試験を、得られなければ学力試験をというように、実質的に2つの入口を持っています。次に見る倍率のデータでも、この2区分の差は無視できない大きさです。
なお、推薦試験の推薦書は大学所定の様式を出身校の学校長が作成し厳封したものが必要で、調査書もあわせて提出します。校内選考の締切は高専側の都合で決まるため、推薦を狙うなら大学の出願期間よりずっと早い時期に担任・学科の教員へ相談を始める必要があります。
出願要件の英語スコアがすべての起点になる
この試験の設計でもっとも見落とされやすいのが、英語が「試験科目」ではなく「出願要件」かつ「得点」である点です。試験当日に英語の筆記試験はありません。そのかわり、出願時点で提出した外部試験のスコアが得点に換算されます(換算方法は非公開)。
- 使えるのは TOEIC L&R(公開テストのみ)、TOEFL iBT、IELTS(アカデミック/ジェネラル、コンピュータ版も可)の3種類。
- TOEIC-IP(団体特別受験制度)とTOEFL-ITPは認められません。学校で受けたIPテストのスコアしか持っていない人は、公開テストを受け直す必要があります。
- 有効期限は試験実施日から過去2年以内。2027年度入試(2026年6月18日実施)であれば、2024年6月以降に受験したスコアが対象という計算になります。
- 証明書を提出しなければ受験できません。要項のQ&Aに明記されています。
- 複数の証明書を提出でき、そのうち高得点のものが使われます。基準スコアの下限は要項に示されていません。
さらに、英語は入学後にも効いてきます。要項の「編入学後の履修等」には、4年次に進級するために専門導入科目の必修「TOEIC演習」1単位を修得する必要があり、その単位修得にはTOEIC 600点以上のスコアが必要と書かれています。しかも、入学前2年以内に受験したTOEIC L&R公開テストで600点以上を取得していれば、入学後の申請で単位認定ができるとされています。受験前にTOEIC 600点を超えておくと、出願要件と進級要件を一度に片づけられるということです。英語の目標をどこに置くか迷ったら、まずこの600点を目安にするのが合理的です。
難易度・倍率(大学公表データ5年分)
東京海洋大学は「編入学者選抜状況」を入試データのページで公開しており、募集要項の巻末にも同じ数字が掲載されています。以下は海洋生命科学部 食品生産科学科の行だけを取り出したものです(同じPDFには海洋工学部の数字も並んでいますが、それらは含めていません)。年度は入学年度で、たとえば2026年度の試験は2025年6月に実施されています。実質倍率は 受験者数÷合格者数 で編入総研編集部が計算しました。
区分をあわせた学科全体の推移
| 年度 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 入学者 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年度 | 18名 | 18名 | 8名 | 8名 | 2.25倍 |
| 2023年度 | 13名 | 11名 | 6名 | 6名 | 1.83倍 |
| 2024年度 | 16名 | 14名 | 6名 | 5名 | 2.33倍 |
| 2025年度 | 25名 | 24名 | 4名 | 4名 | 6.00倍 |
| 2026年度 | 9名 | 9名 | 5名 | 3名 | 1.80倍 |
| 5年通算 | 81名 | 76名 | 29名 | 26名 | 2.62倍 |
区分別に見ると景色が変わる
学科全体の数字だけを見ていると判断を誤ります。同じPDFには推薦と学力の内訳が載っており、両者の性格はかなり違います。
| 年度 | 推薦 受験 | 推薦 合格 | 推薦 倍率 | 学力 受験 | 学力 合格 | 学力 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年度 | 3名 | 3名 | 1.00倍 | 15名 | 5名 | 3.00倍 |
| 2023年度 | 2名 | 2名 | 1.00倍 | 9名 | 4名 | 2.25倍 |
| 2024年度 | 5名 | 3名 | 1.67倍 | 9名 | 3名 | 3.00倍 |
| 2025年度 | 9名 | 3名 | 3.00倍 | 15名 | 1名 | 15.00倍 |
| 2026年度 | 6名 | 3名 | 2.00倍 | 3名 | 2名 | 1.50倍 |
| 5年通算 | 25名 | 14名 | 1.79倍 | 51名 | 15名 | 3.40倍 |
ここから読み取れることは3つあります。
- 推薦試験のほうが通りやすい傾向がある。5年通算で1.79倍。各高専から2名以内という推薦人員の制限が、そのまま志願者数の上限として効いているためと考えられます。高専生で校内推薦を得られる見込みがあるなら、まずこちらを検討する価値があります。
- 学力試験は年ごとの振れが極端に大きい。1.50倍の年もあれば15.00倍の年もあります。志願者数(3〜16名)と合格者数(1〜5名)の両方が小さいため、少しの増減で倍率が大きく動きます。倍率の平均値を目標設定の根拠にしないでください。「合格者が1名しか出ない年もある」という前提で仕上げるのが安全です。
- 合格者数そのものが縮小傾向にある。2022年度は8名でしたが、直近3年は4〜6名で推移しています。募集人員が「若干名」としか示されていないため、合格者数は年ごとの判断で決まります。
出典: 東京海洋大学「編入学者選抜状況」2022(令和4)〜2026(令和8)年度/および「令和9(2027)年度 東京海洋大学海洋生命科学部食品生産科学科 編入学学生募集要項」7.入学者選抜状況。2つの資料の数値が一致することを確認しています。学科別の内訳を持つ資料であり、海洋工学部・海洋資源環境学部の数字は含んでいません。実質倍率は受験者数÷合格者数で編入総研編集部が算出しました。2027年度の選抜状況は本記事の更新時点で未公表です。
学力試験の出題傾向|理科は事実上「化学」
物理を選ぶ人はいなくなっている
募集要項の学力試験教科・科目は「理科(物理・化学から1科目選択)」で、出題範囲は物理が力学・熱力学、化学が基礎化学・有機化学、いずれも大学教養程度と定められています。制度上はどちらでも受けられます。
ただし、大学が公開している「編入学試験入試問題、解答例および出題意図」のページには、2026年度・2027年度のいずれについても「物理は受験者なしのため非公開」と記載されています。つまり直近2年は、受験者全員が化学を選んだことになります。特別な事情がなければ化学で準備するのが現実的な判断です。物理を選ぶ場合は、大学が問題を公開していないため出題の実像がつかみにくく、力学・熱力学という限定された範囲で高い完成度が求められる点を理解しておく必要があります。
化学の大問構成と問われる分野
東京海洋大学は編入学試験の問題と解答例、そして出題意図まで公開しています。2027年度の出題意図には、4つの大問がそれぞれ次の狙いで作られたと書かれています。
- 第1問: 高校レベルの計算問題を解けるか、化学の基礎的知識が備わっているか
- 第2問: 大学1年生で習うレベルの有機化学の基礎的な知識が備わっているか
- 第3問: 大学1年生で習う化学反応の反応機構の基礎を理解できているか、一次反応の基本を理解しているか
- 第4問: 大学1〜2年生で習う有機化学に出てくる基本的な反応と人名反応を理解しているか
公開されている過去の問題を分野の水準で整理すると、出題の柱は次の4つに集約されます(著作権の観点から、設問そのものは記載していません)。
| 柱 | 扱われる分野 |
|---|---|
| ① 高校化学〜基礎の計算 | モル濃度と質量パーセント濃度の換算、弱酸の電離度とpH、中和滴定・逆滴定による純度の算出、凝固点降下や浸透圧などの束一的性質からの分子量決定、同位体と分子の種類、気体の体積とアボガドロ定数、溶解度と析出量、化学平衡と圧平衡定数、分子間力(ファンデルワールス力・水素結合)と沸点の順序 |
| ② 命名法と立体化学 | IUPAC系統名と構造式の相互変換、鎖状・環状・芳香族化合物の置換位置、R/S表記とE/Z表記、フィッシャー投影式・ニューマン投影式、立体配座(アンチ形・ゴーシュ形)、不斉炭素と光学活性 |
| ③ 有機反応の機構 | 求核置換反応(SN1・SN2)と脱離反応(E1・E2)の区別、カルボカチオン中間体の安定性、ザイツェフ則、アンチ脱離、アルケンへの求電子付加とマルコフニコフ則、共役ジエンへの付加と共鳴、芳香族求電子置換反応と置換基効果、反応エネルギー図(活性化エネルギー・遷移状態) |
| ④ 人名反応と応用 | グリニャール反応、ディールス・アルダー反応、フリーデル・クラフツ反応、アルドール反応、ヒドロホウ素化、ジアゾ化とカップリング、脱炭酸。加えて年によって一次反応の速度式を微分方程式として解く出題、分子軌道法(ヒュッケル近似)、質量分析による分子式の決定などが加わる |
この構成から導かれる学習の優先順位ははっきりしています。
- 有機化学が主戦場。4つの柱のうち3つが有機化学に関わります。命名法・立体化学・反応機構は毎年何らかの形で問われており、ここを落とすと挽回できません。標準的な有機化学の教科書(マクマリー、ブルースなど)の前半から中盤までを、章末問題まで含めて手を動かして仕上げるのが王道です。
- 第1問の計算は高校化学の範囲。大学の有機化学ばかりやっていると、濃度換算・滴定・束一的性質といった高校範囲の計算が抜け落ちます。高校化学の計算演習を1冊、必ず並行させてください。ここは短期間で得点源にできます。
- 物理化学の周辺分野も無視できない。反応速度論(一次反応の積分形)は近年2年続けて出ています。分子軌道法のような分野が出た年もあります。有機化学一辺倒にせず、基礎物理化学の教科書で速度論と化学平衡の章を押さえておくと安全です。
- 食品科学に近い知識が問われた年もある。糖質・脂質・タンパク質の化学、酵素反応、食品の変化に関わる話題が、有機化学の設問の一部として登場した年があります。食品生産科学科の学びに関心があることを示すという意味でも、教養レベルの食品化学に触れておくと面接にも効きます。
推薦試験の小論文|英文読解と時事の理解が問われる
推薦試験の筆記は小論文1科目(10時〜11時30分)です。大学が公開している問題と出題意図から、構成には一定のパターンがあることが分かります。
- 大問は2題。1題は英文の課題文で、学術誌の記事から抜粋・一部改変されたものが使われています。もう1題は日本語の課題文です。
- 2027年度は、英文側が抗菌薬耐性(AMR)を題材に、ヒト・動物・農業・環境にまたがる問題としてOne Health approachの観点から理解できているかを問い、分野横断的な対策を考察させるものでした。日本語側は日本の水産資源の減少について基礎的知識を確認し、提示された文章を正確に読み取ったうえで、自分の考えを根拠にもとづいて論理的に記述できるかを評価するものでした。
- 2026年度も同じ形で、英文側は有機フッ素化合物(PFAS)による水環境の汚染と各国の規制値、日本語側は食を通じた地域振興(ガストロノミーツーリズム)が題材でした。
ここから読み取れる対策の方向は明確です。
- 科学系の英文を読み慣れておく。辞書なしで、環境・食品・健康に関する英文記事の主旨と数値情報を取り出せる力が要ります。TOEICの学習だけでは足りない部分なので、英語のニュースサイトの科学欄などで、短い記事を要約する練習を積んでおくと効果があります。
- 食品・水産・環境の時事に対する基礎知識を持つ。設問には、課題文に書かれていない「日本で直近に問題になった事例」を書かせるものが含まれていました。課題文の読解だけでは答えられません。食品安全・水産資源・水環境の分野で、この1〜2年に報道された出来事を自分の言葉で説明できるようにしておく必要があります。
- 結論と根拠をそろえて書く訓練をする。出題意図には「自身の考えを根拠に基づいて論理的に記述できるか」と明記されています。感想ではなく、課題文の情報と自分の知識を根拠として並べる書き方を身につけてください。90分で2題なので、1題あたり40分強という時間配分の練習も必要です。
面接(推薦・学力に共通)
面接はどちらの区分でも同じ日の13時から行われます。2027年度の試験を受けた方から寄せられた試験直後アンケートによれば、面接官は2人、個別形式で、時間は10分程度、雰囲気は和やかで「お話する感じ」だったとのことです。聞かれた内容として挙がっていたのは、志望理由、いまの大学に進学した理由、在籍校で受けていた食品関連の授業の成績、留学の意思、いまの大学で化学を学んで生きていること、そして逆質問でした。
・面接は、先生にもよると思うが、深く聞かれることはなく、ゆるかった
・筆記試験は、高校化学と有機化学の基礎が分かれば解ける難易度
出典: オンライン編入学院に寄せられた試験直後アンケート(2026年6月18日実施の試験を受験)
短時間で、しかも成績や現在の学びについて具体的に聞かれる形式です。準備すべきは長い自己PRではなく、「いま学んでいる化学(または専門科目)が、食品生産科学科で何をするためにどう役立つのか」を1〜2分で説明できる状態にしておくことです。成績表は面接官の手元にあると考えて、評価が低い科目についても事実として説明できるようにしておくと落ち着いて臨めます。
出願手続きの実務チェックリスト
この大学の出願はインターネット登録と郵送の二段構えで、しかも登録期間と書類の必着日が別です。ここを取り違えると出願そのものができません。
- 英語スコアを確定させる(出願年の春まで)。公開テストのTOEIC L&R、TOEFL iBT、IELTSのいずれか。IPテスト・ITPは不可。成績証明書のコピーを提出します。
- 証明書類を出身校に依頼する(出願の2〜4週間前)。卒業(見込)証明書、成績証明書または調査書(厳封)。在学中の人は履修中の単位を証明できる書類(履修登録画面のコピーでも可)も必要です。推薦試験の場合はこれに加えて大学所定の推薦書と調査書が要ります。
- マイページを登録し、出願内容を登録する(2027年度は2026年5月15日10時から)。パソコンとプリンターを用意します。スマートフォン・タブレットは非推奨とされています。
- 検定料30,000円を支払う(登録と同じ期間内)。クレジットカード、コンビニ、ペイジー対応銀行ATM、ネットバンキングから選べます。
- 書類を郵送する(2027年度は2026年5月18日〜5月22日17時必着)。角形2号封筒を自分で用意し、書留速達郵便で送ります。大学へ直接持参しても受け付けられません。登録と支払いを済ませただけでは出願は完了しません。
- 受験票を自分で印刷する(2027年度は2026年5月29日以降)。大学から受験票は発送されません。スマートフォンの画面表示による提示は認められないため、必ず紙で印刷して持参します。
障害等があり受験上・修学上の配慮が必要な場合は、出願に先立って事前相談が必要です(2027年度は2026年5月7日まで)。該当する可能性がある人は、出願準備より先にこの日程を確認してください。
合格までのロードマップ
試験が6月中旬にあるため、多くの大学の編入試験より半年ほど前倒しのスケジュールになります。大学2年生であれば2年前期の途中が本番です。以下は試験1年前から逆算した進め方の目安です。
- 試験1年前(前年6〜8月)
受験区分を確定します。高専生は校内推薦を狙うかどうかを担任・学科の教員に相談。あわせて英語スコアの取得計画を立てます。TOEIC L&Rは公開テストの受験回だけが有効なので、受験日をカレンダーに入れてしまうのが確実です。学力試験を受ける人は、この時点で有機化学の教科書を1冊決めて着手します。
- 9〜12月
有機化学の主要分野を一巡します。命名法と立体化学(R/S・E/Z・投影式)→ 置換・脱離反応 → 求電子付加 → 芳香族反応 → 主要な人名反応、の順に積み上げると理解が途切れません。並行して英語スコアを一度確定させ、TOEIC 600点を目安に届いていなければ受け直します。600点は入学後の進級要件にも直結する数字です。
- 1〜3月
高校化学の計算演習を集中的に入れます。濃度換算・滴定・pH・束一的性質・化学平衡は、演習書1冊分を回せば安定します。あわせて基礎物理化学の反応速度論(一次反応の積分形)を確認。推薦試験を受ける人は、科学系の英文記事の要約練習と、食品・水産・環境分野の時事の整理をこの時期から始めます。2月下旬に翌年度の募集要項が公表されるので、公表され次第すぐに原本を確認します。
- 4〜5月
証明書類の手配と出願。大学が公開している過去の入試問題で、本番と同じ90分の時間配分を試します。志望理由を文章にまとめ、いまの学びと食品生産科学科での研究テーマをつなぐ説明を作ります。5月中旬にインターネット出願登録が始まり、5月下旬に書類が必着です。
- 6月(直前期)
新しい参考書には手を出さず、公開されている過去問と自分の演習ノートの復習に絞ります。面接対策として、志望理由・在籍校での学び・成績・留学への関心・逆質問を口に出して練習します。試験は10時開始、面接は13時からで1日で終わります。会場は品川キャンパスです。
おすすめ参考書|有機化学と高校化学の計算
出題の柱に対応する順に、オンライン編入学院の参考書データベースで対応が確認できている本を紹介します。カードをタップするとレビュー記事に移動できます。まずは有機化学の教科書を1冊決めて最後まで通し、そのうえで演習量を足すのが基本の使い方です。
マクマリー有機化学 上有機化学の教科書
ブルース有機化学 上有機化学の教科書
ベーシック有機化学有機化学の入門
単位が取れる有機化学ノート反応機構の整理
工学のための有機化学要点の総復習
化学の新標準演習高校化学の計算演習
教科書は上に挙げた3冊のどれか1冊で十分です。複数を並行させると進みません。反応機構の整理と要点の総復習にあたる本は、教科書を一巡したあとに理解の穴を埋める用途で使います。最後の1冊は第1問の計算対策で、高校化学の範囲を一気に取り戻すために入れています。
編入学後に知っておきたいこと
編入後の履修条件は、受験するかどうかの判断そのものに関わります。募集要項に記載されている範囲で整理します。
- 卒業要件は124単位、在学は2年以上。卒業すると学士(海洋科学)の学位が授与されます。
- 編入学時に56単位が修得したものとみなされます。内訳は総合科目29単位、専門導入科目21単位、専門科目のうち他学部・他学科等開講科目6単位です。
- これに加えて専門科目から最大18単位が認定されます。ただし18単位は上限を定めたもので、実際にどれだけ認定されるかは出身校での履修状況によって一人ひとり異なります。
- 4年次に進級するには「TOEIC演習」1単位が必須で、その単位修得にはTOEIC 600点以上が必要です。入学前2年以内のTOEIC L&R公開テストで600点以上あれば、入学後の申請で単位認定ができるとされています。
- 3年次末までに104単位以上を修得しないと4年次に進級できません。総合科目の外国語系6単位以上と、専門導入科目の「統計学」「TOEIC演習」の単位を含む必要があります。編入後の2年間は履修が詰まると考えておくべきです。
- 食品衛生コースがあります。卒業要件に加えてコース修了に必要な単位をすべて修得すれば、食品衛生法にもとづく食品衛生監視員・食品衛生管理者の任用資格が得られます。輸入食品の安全性チェックや食品製造施設の衛生監視といった進路を考えている人には、この学科を選ぶ大きな理由になります。
併願を考えるときの整理
東京海洋大学の編入学試験は、海洋生命科学部(食品生産科学科)と海洋工学部がそれぞれ別の募集要項で実施されます。2027年度でいえば、出願期間はどちらも2026年5月18日〜5月22日で同じですが、試験日は海洋工学部が6月12日、海洋生命科学部が6月18日と分かれていました。試験日が重ならない年であれば日程上の衝突は起きませんが、出願の可否や手続きは学部ごとの要項に従うため、併願を考える場合は必ず両方の要項を突き合わせて確認してください。海洋資源環境学部は編入学者選抜状況に掲載がなく、編入学の実施対象になっていません。
学外の併願先を考えるうえでの軸は2つあります。1つは英語の扱いです。この試験は英語の筆記がなく外部スコアを使う方式なので、同じく外部スコアを使う大学とは準備が共通化できます。当日に英語の筆記がある大学と併願すると、対策が二重になります。もう1つは専門科目の範囲です。有機化学を軸に据えるなら、化学・生物系の専門科目で受けられる農学・生命科学・生物資源系の学部と相性がよくなります。国立大学の農学・生命系は6〜7月に試験が集中しやすいため、日程の重複は早い段階で確認しておいてください。
直前期のチェックリスト
- 受験票は印刷したか(スマートフォンの画面提示は不可)
- 試験時間割を確認したか(筆記10時〜11時30分、面接13時〜。1日で完結)
- 会場は品川キャンパス。当日の交通手段と所要時間を確認したか
- 電卓・定規・コンパスは使用できない。試験時間中に机上やかばんの外に置くこと自体が不正行為にあたるため、事前にしまっておく
- 携帯電話・スマートウォッチ・イヤホン・電子辞書はかばんにしまう(耳に装着しているだけで使用とみなされる)
- 面接で聞かれる可能性が高い項目(志望理由・在籍校での学び・成績・留学への関心・逆質問)を口に出して練習したか
- 合格発表は7月上旬、入学手続はその翌週までに必着。手続書類の準備と費用の目処を立てたか
よくある質問
東京海洋大学海洋生命科学部の編入試験の倍率はどのくらいですか?
東京海洋大学が公表している編入学者選抜状況によると、2022〜2026年度の5年間で食品生産科学科の受験者は合計76名、合格者は合計29名でした。受験者数÷合格者数で計算した実質倍率は5年通算で2.62倍です。ただし区分によって差が大きく、推薦試験は5年通算1.79倍、学力試験は5年通算3.40倍でした。学力試験は年ごとの振れが大きく、2026年度は1.50倍、2025年度は15.00倍でした。
海洋生物資源学科や海洋政策文化学科にも編入できますか?
2027年度の募集要項は「東京海洋大学海洋生命科学部食品生産科学科 編入学学生募集要項」という名称で、募集学科の欄も食品生産科学科のみです。大学が公表している編入学者選抜状況でも、海洋生命科学部の欄に並ぶのは食品生産科学科だけです。海洋生物資源学科と海洋政策文化学科は編入学の募集対象に含まれていません。募集学科は年度によって変わる可能性があるため、出願前に必ず最新の募集要項で確認してください。
英語の外部試験スコアは必ず必要ですか?
必要です。募集要項では推薦試験・学力試験のどちらにも出願要件として、TOEIC L&R(公開テストのみ)、TOEFL iBT、IELTS のいずれかの英語資格を有することが定められています。要項のQ&Aにも、英語資格検定証明書を提出しなければ受験できないと明記されています。団体受験のTOEIC-IPやTOEFL-ITPのスコアは認められません。スコアの有効期限は試験実施日から過去2年以内です。複数の証明書を提出でき、高得点のものが使われます。
学力試験の理科は物理と化学のどちらを選ぶべきですか?
募集要項では物理(力学・熱力学)と化学(基礎化学・有機化学)から1科目を選択でき、どちらも大学教養程度の範囲とされています。ただし東京海洋大学が公開している入試問題のページでは、2026年度・2027年度ともに物理は受験者がいなかったため非公開と記載されています。事実として直近2年は受験者全員が化学を選んでいることになります。学習材料の入手しやすさという点でも化学のほうが情報が多く、特別な事情がなければ化学を選ぶのが現実的です。
大学2年生でも出願できますか?
学力試験であれば出願できます。2027年度の募集要項では、学力試験の出願資格として「現に大学に2年以上(休学期間を除く)在学し、62単位以上取得した者および取得見込みの者」が挙げられています。一方で推薦試験の出願資格は高等専門学校を卒業見込みの人に限られているため、大学在学者は推薦試験には出願できません。単位数が要件に届くかどうかは、履修中の単位を証明できる書類の提出が求められるため、早めに在籍校で確認しておいてください。
編入学後は2年で卒業できますか?単位はどのくらい認定されますか?
卒業には学部に2年以上在学し、124単位を修得する必要があります。募集要項によれば、編入学時に総合科目29単位・専門導入科目21単位・専門科目のうち他学部他学科等開講科目6単位の合計56単位が修得したものとみなされます。加えて専門科目のコア課程科目およびアドバンスト課程科目から最大18単位が認定されますが、この18単位は上限であり、実際の認定数は出身校での履修状況によって異なります。3年次末までに104単位以上を修得しないと4年次に進級できない点にも注意が必要です。
対策はいつから始めればよいですか?
英語の外部試験スコアが出願要件になっているため、逆算の起点は筆記対策ではなく英語のスコア取得です。スコアは試験実施日から過去2年以内のものが有効で、出願書類の締切は例年5月下旬なので、遅くとも出願年の春までにはスコアを確定させておく必要があります。化学は高校範囲の計算から大学1〜2年の有機化学までが範囲になるため、半年から1年程度の準備期間をとると無理がありません。試験は例年6月中旬、合格発表は7月上旬です。
まとめ
東京海洋大学海洋生命科学部の編入学は、食品生産科学科の1学科のみを対象に、推薦試験と学力試験の2区分で行われます。試験は6月中旬の1日で完結し、筆記(推薦は小論文、学力は理科1科目)と面接、そして出願時に提出した英語外部スコアの総合で判定されます。
大学公表の5年分のデータでは、実質倍率は学科全体で2.62倍、推薦試験1.79倍、学力試験3.40倍。学力試験は年による振れが極端に大きく、合格者が1名だけの年もありました。倍率の平均に安心せず、少数選抜であることを前提に仕上げるのが現実的な構えです。
やるべきことの順番は明快です。まず英語の外部スコアを確定させ(TOEIC 600点は入学後の進級要件にも直結します)、次に化学であれば有機化学の教科書を1冊仕上げ、高校化学の計算演習を並行させる。推薦試験であれば科学系の英文読解と、食品・水産・環境分野の時事の整理を加える。最後に、いまの学びと食品生産科学科でやりたいことをつなぐ説明を用意する。ここまで整えば、この試験の要求にはひととおり応えられます。
募集要項は毎年2月下旬に公表されます。日程・科目・出願資格は変わる可能性があるため、出願前には必ず大学が公表する最新の募集要項の原本を確認してください。
あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。
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この記事について
監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)
本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要と選抜状況は東京海洋大学が公表する募集要項および入試データをもとに毎年度確認し、出題傾向は大学が公開している入試問題・出題意図とオンライン編入学院の過去問分析にもとづいています。合格者の声は、オンライン編入学院に寄せられた試験直後アンケートを引用しています。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ|最終更新: 2026年8月6日

