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香川大学農学部

香川大学農学部の編入試験対策|倍率推移・出題傾向・合格ロードマップ

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-06‌​‌‌‌‌‌​​‌‌​​‌‌‌​‌​‌​‌​‌‌​​​‌​​‌

結論:香川大学農学部の編入試験はこんな試験

香川大学農学部の3年次編入学試験は、筆記試験100点と面接100点の合計200点で合否が決まる試験です。募集単位は応用生物科学科の1学科のみ、募集人員は「若干人」。筆記試験は「応用生物科学科2年次生程度の科学的基礎知識(英語を含む)と論理的思考力」を評価する内容で、独立した英語科目やTOEICなどの外部スコア提出はありません。大学が公表している試験問題を見ると、毎年ほぼ同じ形で大問4題の全問必答、そのうち1題は専門書から抜粋した英文の読解です。

大学公表の実施状況によると、受験者数は年によって2〜10名と少なく、実質倍率(受験者数÷合格者数)は1.3〜5.0倍のあいだで大きく揺れています。倍率が低い年でも合格者が1名しか出ない年があるため、「受験者が少ないから入りやすい」という読み方は危険です。相対競争というより、一定の学力水準に届いているかどうかを見る試験だと考えて準備するのが安全です。

今日から始めるなら、まず生物と化学の基礎を教科書レベルから積み直すこと、次に計算過程を書かせる問題と字数制限つきの論述に慣れること、そして生命科学の英文を辞書なしで読む練習の3つです。この記事では、2027年度の募集要項原本、大学公表の実施状況8年分、大学が公開している編入学試験問題をもとに、対策の全体像を解説します。

出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。

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試験概要(最新要項データ)

2027年度直近に公表された2027年度(2026年6月実施)の募集要項にもとづくデータです。この節は毎年の要項公表に合わせて更新されます(更新日: 2026-08-06)。

若干人募集人員
2026年6月11日試験日
5月7日〜5月15日出願期間
200点筆記100+面接100
募集単位応用生物科学科(農学部は1学科制)/第3年次編入学
募集人員若干人
出願期間2026年5月7日(木)〜5月15日(金)17時必着。簡易書留・速達で郵送。最終日の9〜17時に限り農学部学務係へ持参可
試験日2026年6月11日(木)。志願者が多数の場合は6月12日(金)にも面接を実施
試験時間9時30分までに集合/筆記試験 10:00〜12:00/面接 13:30〜
試験場三木町農学部キャンパス(香川県木田郡三木町大字池戸2393番地)。高松市中心部の幸町キャンパスとは別の場所
選抜方法筆記試験100点+面接100点=200点。志望理由書とその他の提出書類も含めて総合判定。筆記試験か面接のどちらかを受験しなかった場合は合格者にならない
筆記試験の内容応用生物科学科2年次生程度の科学的基礎知識(英語を含む)と論理的思考力を評価。独立した英語科目はなく、英語は筆記試験のなかに含まれる
外部英語スコア不要(香川大学で提出が必要なのは法学部・経済学部)
出願資格(主なもの)短期大学・高等専門学校の卒業/大学の卒業(学士)/専攻科の修了/専修学校専門課程の修了/他大学に2年以上在学し62単位以上を修得/外国での14年課程の修了 ほか全12区分(いずれも見込み含む。条件は区分ごとに異なる → 次節)
検定料30,000円。振込受付期間は2026年4月24日(金)〜5月15日(金)。金融機関の窓口のみ(ATM・ゆうちょ銀行は不可)
合格発表2026年7月10日(金)午前9時(予定)。大学ホームページ掲載+合格通知書の送付
入学手続編入学確約書を2026年7月24日(金)までに農学部学務係へ提出(未提出は辞退扱い)。入学手続期限は2027年3月15日(月)17時
納付金(予定額)入学料282,000円/授業料 年額535,800円(前期分267,900円)

2027年度の試験(2026年6月11日実施)は終了しています。2028年4月入学を目指す方は、例年2月ごろに公表される次年度の募集要項で日程・募集人員・選抜方法を必ず確認してください。要項は請求すると出願用の所定用紙(願書・志望理由書など)が同封されており、この用紙でなければ出願できません。日程・科目・資格は年度により変わる可能性があります。

科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。

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出願資格は「自分の区分」で読む

香川大学農学部の出願資格は12区分あり、条件は区分ごとに違います。ここを取り違えると出願そのものができなくなるため、まず自分がどの区分に当たるかを決めてから条件を読んでください。とくに誤解されやすいのが「62単位」という数字です。

  • 短期大学・専門職短期大学・高等専門学校を卒業(見込み)する場合: 卒業(見込み)そのものが資格です。62単位という条件は付いていません。香川大学農学部は「主に高等専門学校および農・理工・生活科学系短期大学を卒業する者を対象」と選抜の基本方針に明記しており、この層が中心の試験です。
  • 他の大学・専門職大学に2年以上在学している場合: 2027年3月までに2年以上在学となり、かつその大学で62単位以上を修得(見込み含む)していることが条件です。「62単位」はこの区分にかかる要件です。さらに、見込みで受験して要件を満たせなかった場合は、入学手続を完了していても入学が許可されません。退学していない場合も二重在籍となるため入学できません。
  • 専修学校の専門課程(専門学校)を修了(見込み)する場合: 修業年限2年以上で、課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上または62単位以上であることが条件です。出願時には大学所定の「専修学校専門課程修了等証明書」を提出します。
  • 大学を卒業した(学士を持つ)場合: 卒業(見込み)または学位授与(見込み)で出願できます。学士入学という別制度ではなく、同じ第3年次編入学の枠組みです。
  • 外国で14年の課程を修了した留学生・帰国子女の場合: 農学部だけ独自の手続きがあります。履歴書と卒業証明書の写しを試験年の4月下旬までに農学部学務係へ提出して「出願資格の確認」を受ける必要があります(2027年度は2026年4月24日が期限)。結果の通知まで1週間程度かかるため、出願期間の直前に動き出すと間に合いません。

上記は2027年度要項にもとづく整理です。区分の番号や条件は年度によって改定されることがあります。出願前に必ず最新の募集要項で、自分の区分の条文を確認してください。

出願手続きの実務(チェックリスト)

香川大学農学部の出願期間は5月7日から5月15日までの9日間と短く、しかも検定料の振込には金融機関の窓口へ行く必要があります。要項の記載から逆算すると、準備は次の順番になります。

  • 試験の3〜4か月前(1〜2月ごろ): 次年度の募集要項が公表されているか大学の入試情報ページを確認し、公表されていれば資料請求する。出願には要項に添付された本学所定の用紙(願書・志望理由書など)が必要で、様式のダウンロードだけでは出願できません。
  • 試験の2か月前(4月上旬): 出身校へ卒業(修了)証明書・成績証明書を依頼する。農学部の成績証明書には修得単位数が明記されていることが必要で、在学中の人は「その年の3月までに単位修得見込みの科目の評価欄に○印を付したもの」という農学部固有の指定があります。学校側にこの指定を伝えないと作り直しになります。証明書は出身学校長が作成し厳封したものを提出します。
  • 試験の2か月前(4月下旬): 外国の学校教育課程を経ている場合は、履歴書と卒業証明書の写しを農学部学務係へ送り「出願資格の確認」を受ける(2027年度は4月24日が期限)。検定料の振込受付もこの時期に始まります。
  • 出願1か月前まで: 志望理由書(800字以内・日本語で本人が直筆)を書き上げ、第三者に読んでもらう。この書類は面接の資料としてそのまま使われるため、書いた内容は必ず口頭で説明できる状態にしておきます。
  • 出願期間(5月7日〜15日): 検定料30,000円を金融機関の窓口で振り込み、願書下部の「受付金融機関出納印」欄に押印を受ける。ATM・ゆうちょ銀行は使えず、窓口の取扱時間は通常平日15時までです。書類一式を出願用封筒に入れ、簡易書留・速達で郵送します。
  • 締切当日: 最終日17時必着。17時を過ぎて着いた場合でも、2日前までの消印(2027年度は5月13日)があり簡易書留・速達であれば受け付けられます。最終日の9時〜17時に限り農学部学務係へ持参も可能です。

必要書類の正式なリストと様式、振込受付期間は年度ごとに変わります。必ず香川大学が公表する最新の募集要項で確認してください(大学公式サイトで「香川大学 第3年次編入学 募集要項」と検索すると見つかります)。

難易度・倍率(大学公表データ8年分)

香川大学は毎年、全学部をまとめた「香川大学編入学試験実施状況」を公表しています。この表から農学部(応用生物科学科)の行だけを抜き出したのが次の推移です。年度は入学年度(たとえば2026年度=2026年4月入学、試験は2025年6月実施)で、各表は当該年度の3月31日時点の集計です。

年度募集人員志願者受験者合格者入学手続者実質倍率
2019年度若干人76322.0倍
2020年度若干人95105.0倍
2021年度若干人75431.3倍
2022年度若干人1010631.7倍
2023年度若干人55212.5倍
2024年度若干人43113.0倍
2025年度若干人55222.5倍
2026年度若干人22112.0倍
8年通算494120132.1倍

出典: 香川大学「香川大学編入学試験実施状況」(2019〜2026年度の各年度版。大学公式サイトの入試実施状況ページに掲載)。実質倍率は受験者数÷合格者数で編入総研編集部が計算し、小数第2位を四捨五入しました。同一の表に教育・法・経済・医・創造工の各学部が並んでいるため、農学部(応用生物科学科)の行のみを抽出しています。

2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 (年度) 6 5 5 10 5 3 5 2 3 1 4 6 2 1 2 1 受験者数 合格者数

この8年分から読み取れることを、受験生の判断に効く順に並べます。

  • 倍率の数字を単年で見てはいけません。 受験者は年間2〜10名で、1人増減するだけで倍率が跳ねます。実際、2020年度は5.0倍、翌2021年度は1.3倍と、隣り合う年で4倍近い差がついています。8年を通算すると受験41名に対し合格20名で実質倍率は約2.1倍。これが実像に近い水準です。
  • 「若干人」は0名も1名もあり得るという意味です。 合格者数は8年間で1名(2020・2024・2026年度)から6名(2022年度)まで動いています。志願者が減った年に合格者も減っているため、志願者が少ないから合格しやすいという関係は成り立ちません。定員を埋める選抜ではなく、基準に達した人だけを通す選抜と考えるのが安全です。
  • 受験者の半分前後は不合格になっています。 8年通算で受験41名・合格20名。合格しても入学しない人もおり、合格20名に対し入学手続者は13名(2020年度は合格1名・手続0名)でした。
  • 農学部は追加合格・第2次募集の対象外です。 2027年度要項では、欠員が生じた場合に追加合格または第2次募集を行うことがあるのは法学部・経済学部・創造工学部の3学部で、農学部は含まれていません。一発勝負であり、後から枠が開く可能性は要項上ありません。

出題傾向:筆記は4題必答(過去問分析)

香川大学は編入学試験の問題を公式サイトで公開しています(原則として直近1年分、掲載期間は限定)。公開されている問題と、オンライン編入学院の過去問分析を突き合わせると、農学部応用生物科学科の筆記試験には年度をまたいで安定した型があることがわかります。ここでは「どの分野をどう準備するか」を決められるところまで整理します(著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません)。

まず押さえる:大問4題・全問必答・選択なし

問題冊子の冒頭には毎年、4題すべてに解答するよう指示が書かれています。選択問題はありません。試験時間は2027年度要項で10:00〜12:00の2時間なので、単純計算で1題あたり30分です。分野を絞って捨てる戦略が取れない一方、出題される分野の幅はある程度決まっています。確認できた大問の構成は次のとおりです。

年度大問1大問2大問3大問4
2023年度化学(定量計算)生化学生化学英文読解
2024年度細胞・分子生物学植物生理生態英文読解
2025年度有機化学・実験操作分子生物学生態英文読解
2026年度化学(定量計算)植物科学・遺伝代謝生化学英文読解

この表からわかる要点は3つです。第一に、大問4は毎年必ず英文読解です。第二に、化学が大問1に置かれる年が多いこと。生物系の学部だからと生物だけを準備すると、いきなり1題分(25点相当)を失うことになります。第三に、生物系の2題は「分子・細胞・生化学」から1題、「植物生理・生態」から1題という組み合わせで出ることが多く、ミクロ(分子)とマクロ(個体・生態系)の両方を見ておく必要があります。

化学:教科書の計算問題を「過程つき」で書けるか

化学の大問では、モル濃度・質量パーセント濃度の換算、中和滴定、pHの計算、酸化還元滴定といった、高校化学から大学初年次の定量計算が問われています。出題の特徴は次の点です。

  • 計算過程を書かせる指示が付きます。「計算過程も示すこと」「有効数字3桁で求めなさい」といった条件が明示され、答えだけでは点になりません。原子量が問題文で与えられる形式です。
  • 実験操作そのものを説明させる設問があります。 ホールピペット・メスフラスコ・ビュレットなどの器具を、それぞれどう扱うか(純水で濡れたまま使ってよいか等)を理由つきで説明させたり、分液ロートを使った分離操作の手順を説明させたりする問題が出ています。教科書を読むだけでなく、学生実験でやった操作を言葉で説明できるかが問われます。
  • 有機化学の反応と精製(エステル化、洗浄・乾燥・溶媒留去の手順など)が問われた年もあります。

対策は、高専・短大の分析化学や基礎化学の教科書の計算問題を、答えだけでなく途中式と単位まで書き切る形で解き直すのが最短です。実験レポートを読み返し「なぜその操作をするのか」を一文で言える状態にしておくと、そのまま得点源になります。

分子生物学・生化学:用語の穴埋めと字数制限つき論述

生物系の大問のうち1題は、分子・細胞・生化学の分野から出ています。確認できた出題テーマは、細胞小器官の名称と機能、ヒストンとクロマチン、遺伝情報がDNAであることを示した古典的実験、mRNA前駆体から成熟mRNAへの加工(スプライシング・ポリA付加など)、アミノ酸の構造と等電点、タンパク質の一次〜四次構造、多糖類とグリコシド結合、PCR法とRT-PCR法の原理、解糖系・クエン酸回路・電子伝達系と脂質代謝の使い分けなどです。

形式には共通のパターンがあります。前半が長文中の空欄補充(用語を答える)、後半が字数制限つきの論述という組み立てです。論述の字数は80字・100字・180字・300字・400字といった幅で、指定されたキーワードをすべて使って説明させる形が繰り返し使われています。つまり、用語を知っているだけでは足りず、複数の用語を因果関係でつないで文章にする力が採点対象です。

準備は、①標準的な生物のテキストで用語と現象を一通り押さえる、②各テーマを「キーワード3〜4個で200字」に書く練習を課す、③第三者に読んでもらい論理の飛びを指摘してもらう、の3段階が効率的です。

植物生理・生態:グラフと表から読み取って計算する

もう1題の生物系大問は、植物生理または生態から出ています。確認できたテーマは、種子発芽と光受容(赤色光・遠赤色光とフィトクロム)、光合成の反応と限定要因、C3植物とC4植物の違いと乾燥適応、花器官形成のABCモデルと変異体の解釈、減数分裂と倍数体の染色体数、種間競争の実験データの解釈、陸上生態系の物質循環と落葉分解などです。

この分野の特徴は、図表を読み取ってから答えさせる設問が多いことです。グラフから限定要因を判定させたうえで一定時間・一定面積あたりのグルコース合成量を原子量から計算させる、といった読解と計算の複合問題が出ています。変異体の図から「どの遺伝子が壊れているか」を理由つきで推論させる設問もあり、暗記では対応できません。対策は、生物の問題集でグラフ・データ解析の単元を集中的に解くこと。答え合わせでは「グラフのどこを見て、どの式に入れたか」を口で説明できるか確認してください。

英語:専門書からの英文読解と和訳

大問4は毎年、生命科学・化学分野の英語の専門書から抜粋された文章の読解です。実際に出典として示されているのは、有機化学の標準的な教科書や食品化学の専門書といった、大学の専門課程で使われるレベルの英語です。設問は次の型が繰り返されています。

  • 下線部の和訳(多くの年で2問)。英文を日本語に訳す設問が必ず含まれます。
  • 本文の内容にもとづく専門知識の設問。たとえば本文に出てきた化合物を分類させる、指定された用語を使って理由を説明させる、本文中の矛盾を指摘させる、といった形です。
  • 英語で答えさせる設問が出た年もあります。

ここで大事なのは、英語力そのものより専門用語の英語表記を知っているかで差がつく点です。設問は本文の理解を前提に専門知識を問う形なので、日本語で理解している内容を英語の語彙と結びつけておけば、文構造が多少難しくても読めます。使っている生物・化学のテキストの巻末索引の用語を英語でも言えるようにし、日本語版のある教科書の原書などを1日1ページ読む習慣が有効です。

香川大学は編入学試験問題を公式サイトで公開していますが、公開されるのは原則として直近1年分で、掲載期間も限られます(2026年度分の掲載期間は2026年11月30日まで)。それより前の年度は香川大学入試課または各学部の窓口で閲覧できます(9時〜17時、土日祝・大学の休業期間を除く)。なお、著作権の許諾が得られていない英文などは公開版では本文が省略されており、設問の指示から形式を読み取る形になります。

面接対策:配点の半分は面接

見落とされやすいのですが、香川大学農学部の配点は筆記100点・面接100点で、面接が総得点の半分を占めます。要項には、面接は志望理由書と成績証明書を参考にしながら質疑応答を行い、編入学後の専門科目への学習意欲などを専門的素養を含めて評価すると書かれています。さらに、筆記試験と面接のどちらか一方でも受験しなかった場合は合格者にならないと明記されています。

ここから逆算すると、準備すべきことは次の3点です。

  • 志望理由書は面接の台本になる。 800字以内・日本語で本人が直筆する様式です。書いた内容はそのまま質問の材料になるので、「掘り下げられて困ることは書かない/掘り下げてほしいことを書く」という基準で内容を選びます。とくに、農学部の5コース(後述)のうちどこで何を学びたいのかを具体的に書けると、専門的素養の評価につながります。
  • 成績証明書も面接資料になる。 成績のなかで説明が必要な科目(極端に評価が低い科目、履修していない基礎科目など)があれば、理由と補い方を用意しておきます。逆に、実験・実習や卒業研究で得意な分野があれば、そこを話せるように整理しておきます。
  • 「編入学後の学習意欲」は具体で示す。 大学は求める資質として、生物資源の生産と利用に関する情報を理解し、自らの論理的思考と判断で説明するプレゼンテーション能力・コミュニケーション能力を挙げています。抽象的な意欲表明ではなく「いま何を学んでいて、それが香川大学のどの学びにつながるか」を1分で話せる形にしてください。

なお、香川大学の編入試験の面接は学部を問わず深く掘り下げられる傾向があると、合格者から報告されています。記事末尾に、香川大学創造工学部の合格者が面接の実態を語ったインタビュー動画を掲載しています。学部は異なりますが、質問がどこまで踏み込まれるかの温度感をつかむ材料になります。

合格ロードマップ(時期別)

試験は6月中旬、出願は5月上旬です。高専4年生・短大1年生の段階から準備を始める前提で、時期別の到達目標を整理します。

  • 試験の10〜12か月前

    土台づくり。生物(細胞・遺伝子発現・代謝・植物生理・生態)と化学(濃度計算・酸塩基・酸化還元)の教科書レベルを一周します。この段階は「知っている」で構いません。並行して5コースの内容を読み、志望動機の材料を集め始めます。

  • 試験の6〜9か月前

    論述と計算の型づくり。問題集で計算問題を、途中式と単位まで書く形で解きます。生物は主要テーマごとに「指定語句を使って200字」で書く練習を始めます。英語は専門用語の英語表記を集め始め、英文のテキストを毎日少量ずつ読む習慣をつくります。

  • 試験の3〜5か月前

    過去問で型を確認。大学が公開している問題を通しで解き、2時間4題の配分(1題30分)を体感します。それより前の年度は入試課・学部窓口で閲覧できます。解いた後は手が止まった分野を洗い出して教科書に戻ります。

  • 試験の2か月前(4月)

    出願準備を並行。募集要項を請求し、出身校へ証明書を依頼します。農学部指定の成績証明書の書式(単位修得見込み科目への○印)を学校に伝えるのを忘れずに。志望理由書の初稿を書き、添削を受けます。留学生・帰国子女は4月下旬までに出願資格の確認手続きを済ませます。

  • 試験の1か月前(5月)

    出願と弱点補強。出願期間内に検定料の窓口振込と簡易書留・速達の郵送を済ませます。学習は、論述の書き上げ速度と計算ミスの撲滅に集中。志望理由書の内容について想定質問への答えを声に出して確認します。

  • 試験直前〜当日

    持ち物と移動の確認。試験場は高松市中心部ではなく三木町農学部キャンパスです。集合は9時30分、筆記10:00〜12:00、面接13:30〜で、拘束時間が長いため昼食の準備が要ります。受験票は成績開示の申請に必要なので、試験後も保管します。自動車での入構はできません。

直前期チェックリスト

  • 受験票・筆記用具・時計を確認(携帯電話・スマートフォン等の電子機器は使用禁止。所持している場合は電源を切る)
  • 会場は三木町農学部キャンパス(木田郡三木町大字池戸2393番地)。ことでん長尾線「農学部前駅」から徒歩約2分。自動車での入構は不可
  • 集合は9時30分までに農学部学務係。面接が午後13時30分からのため、昼食と待ち時間の過ごし方を決めておく
  • 志願者が多い年は翌日に面接が回ることがある(2027年度は6月12日)。宿泊や帰路の予定に余裕を持たせる
  • 志望理由書のコピーを手元に置き、当日の朝に読み返す
  • 試験後も受験票を保管する(成績開示の申請に必要)

併願戦略:学内併願と近隣国立大

農学部は追加合格・第2次募集の対象外で、不合格の場合に後から枠が開くことはありません。そのぶん併願の設計が重要になります。

香川大学の学内併願は制度上可能です。2027年度要項の日程表では試験日が学部ごとに分かれていました(創造工学部5月30日、農学部6月11日、経済学部6月27日、法学部9月10日、教育学部9月11日)。日程が重ならないため両方に出願できますが、出願書類は学部ごとにそろえる必要があり、検定料も学部ごとに30,000円かかります。試験科目もまったく異なる(創造工学部は数学必須+4科目から1科目選択、さらにTOEICスコアが必要)ため対策の負担は単純に2倍です。学内併願は「行きたい学部が2つある」場合に限るのが現実的です。

学外の併願先は、試験時期と科目の重なりで選びます。農学・生命科学系の国立大学編入は5〜7月に集中するため、日程の衝突を先に確認してください。生物と化学の基礎+専門書の英文読解という香川大学農学部の出題構成は他の国立大学農学部とも重なる部分が大きく、対策を共有しやすい組み合わせがあります。四国・近畿圏では愛媛大学農学部神戸大学農学部が候補です。学部別の一覧は農学部の編入対策ページにまとめています。

併願先の試験日・出願期間は年度によって前後します。第一志望の出願準備と重なる時期に他大学の出願締切が来ることもあるため、候補が決まったら年間カレンダーに全部の日付を書き出して、物理的に回れるかを確認してください。

編入後の学び:3年次から5コースに分かれる

香川大学農学部は応用生物科学科の1学科制です。学部生は2年後期から5つのコースに分かれて専門科目を履修します。編入学生は第3年次生として、合格後にコースを選択して履修を開始します。ただし要項には「希望のコースに必ずしも分属できない場合があります」と明記されているため、第2希望まで考えておくのが安全です。志望理由書と面接でどのコースに関心があるかを語ることになるので、内容を把握しておいてください。

コース学ぶ内容
先端生命科学生命活動を遺伝子・タンパク質のレベルで解明する生命科学の基礎と、それを有用生物の開発や生物資源の利用へつなげる応用技術
アグリサイエンス遺伝資源の評価と品種改良、持続可能な生産管理技術と生産環境解析、生産物の流通・利用システム
フィールド環境生物と環境の相互作用、環境中の物質循環。里海・里山・水辺を対象にフィールドと実験室の両方で調査解析
バイオ分子化学生物が生産する有機化合物の探索・構造解析・化学合成・作用機構の解析と、農業・医薬・食品分野への応用
食品科学食品の機能性・安全性・嗜好性と加工特性。講義と実験・実習(学外見学を含む)を組み合わせて学ぶ

単位認定には注意が必要です。要項には、出身校での修得科目について各学部が定めた認定基準により単位を認定するが、場合によっては第3年次に編入しても2年間で卒業できないことがあると明記されています。修業年限は2年、在学可能年数は6年です。編入学生は入学後ただちに実験・実習と学部開設の専門科目を履修することになるため、入学前に基礎科目の穴を埋めておくと最初の学期が楽になります。なお、香川大学は2021年度入学生からノートパソコンの必携化を実施しています。

おすすめ参考書

農学・生命科学系の編入試験対策で使われている参考書のうち、香川大学農学部の出題分野に対応する本を紹介します。各カードをタップすると詳しいレビュー記事に移動できます。

このうち『2025セミナー生物基礎+生物』は、オンライン編入学院の分析で香川大学農学部の出題分野(光受容と発芽に関わる赤色光・遠赤色光、光合成色素、遺伝情報など)との対応が確認できています。同系統の『リードα生物基礎+生物 改訂版』も同様に、細胞小器官・スプライシング・植物ホルモン・個体群密度といった出題テーマとの対応が確認できました。

使い分けの目安です。まず網羅型の講義書(大森徹の最強講義126講、生物合格77講)で用語と現象を通し、問題集(セミナー生物、リードα)で図表読解と計算に慣れます。分子・細胞分野の論述を厚くしたいときは『理系総合のための生命科学』『Essential細胞生物学』、辞典的に調べたいときは『キャンベル生物学』へ。化学は大問1で定量計算が問われる年が多いのに、生物系の参考書ではカバーできません。出身校の分析化学・基礎化学の教科書と問題集をそのまま計算演習に使ってください。

よくある質問

香川大学農学部の編入試験の倍率はどのくらいですか?

香川大学が公表している「香川大学編入学試験実施状況」によると、農学部(応用生物科学科)の実質倍率(受験者数÷合格者数)は2019年度から2026年度までの8年間で1.3〜5.0倍でした。ただし受験者数が毎年2〜10名と少なく、1人の増減で倍率が大きく動きます。8年間を通算すると受験41名に対して合格20名で、通算の実質倍率は約2.1倍です。倍率の数値そのものより、合格者数が年によって1名から6名まで変動する点に注意してください。

香川大学農学部の編入試験の試験科目は何ですか?

2027年度募集要項によると、選抜は筆記試験100点と面接100点の合計200点で行われます。筆記試験は「応用生物科学科2年次生程度の科学的基礎知識(英語を含む)と論理的思考力」を評価する内容で、独立した英語科目はなく、英語は筆記試験のなかに組み込まれています。TOEICなどの外部スコア提出は求められていません(提出が必要なのは香川大学の法学部・経済学部です)。

筆記試験はどのような構成ですか?

大学が公表している編入学試験問題を見ると、いずれの年度も大問4題の全問必答という構成でした。試験時間は2027年度要項で10時から12時までの2時間です。4題のうち1題は専門書から抜粋した英文の読解で、和訳を含みます。残りの3題は化学の定量計算、分子生物学・生化学、植物生理や生態といった分野から出題されています。選択問題はないため、特定分野だけを捨てる戦略は取れません。

香川大学農学部の編入試験の出願資格と必要単位は?

2027年度要項では12の区分が定められており、短期大学・専門職短期大学・高等専門学校の卒業(見込み含む)、大学・専門職大学の卒業(見込み含む)、学士の学位取得(見込み含む)、高等学校等の専攻科修了、専修学校専門課程の修了、外国での14年課程の修了などが対象です。「62単位以上」という単位要件は全区分に一律にかかるものではなく、他の大学に2年以上在学して出願する区分にかかる要件です。専修学校専門課程の区分は修業年限2年以上かつ総授業時数1,700時間以上または62単位以上が条件です。自分がどの区分で出願するかを先に決め、その区分の条件を要項で確認してください。

面接ではどんなことが聞かれますか?

2027年度要項によると、面接は志望理由書と成績証明書を参考にしながら質疑応答を行い、編入学後の専門科目への学習意欲などを専門的素養を含めて評価するとされています。配点は100点で筆記試験と同じ重みがあり、筆記試験と面接のどちらか一方でも受験しなかった場合は合格者になりません。出願時に提出する志望理由書は800字以内・日本語で本人が直筆する様式なので、面接で深掘りされることを前提に書き込む内容を選んでください。

過去問は入手できますか?

香川大学は編入学試験の問題を公式サイトで公開しています。ただし公開されるのは原則として過去1年分で、掲載期間も限られます(2026年度分は2026年11月30日まで掲載)。それ以前の年度分は香川大学入試課または各学部の窓口で閲覧できます。閲覧時間は9時から17時までで、土日祝と大学の休業期間は除きます。なお著作権の許諾が得られていない英文などは公開版では本文が省略されているため、設問の指示から出題形式を読み取る形になります。

香川大学のほかの学部と併願できますか?

2027年度要項では学部ごとに試験日が分かれており、創造工学部が2026年5月30日、農学部が6月11日、経済学部が6月27日、法学部が9月10日、教育学部が9月11日でした。日程が重ならないため制度上は学内併願が可能です。ただし出願書類は学部ごとに用意し、検定料も学部ごとに30,000円が必要です。また農学部は募集人員に欠員が生じた場合の追加合格・第2次募集の対象外で、この点は法学部・経済学部・創造工学部と扱いが異なります。

まとめ

香川大学農学部の編入学試験は、筆記100点+面接100点の200点満点で、筆記は大問4題の全問必答・2時間、うち1題は専門書からの英文読解という形が続いています。化学の定量計算が大問1に置かれる年が多く、生物だけの準備では足りません。大学公表の実施状況では受験者が毎年2〜10名と少なく、単年の倍率は1.3〜5.0倍と大きく揺れますが、8年通算では受験41名に対し合格20名(約2.1倍)。合格者が1名しか出ない年もあり、志願者が少ない年ほど合格しやすいという関係は成り立っていません。

やるべきことは明確です。生物と化学の基礎を教科書レベルから積み直し、計算過程を書く癖と字数制限つき論述の型をつくり、専門用語の英語表記を押さえる。そして配点の半分を占める面接に向けて、志望理由書を「深掘りされる前提」で書き上げる。出願は5月上旬の9日間と短く、証明書には農学部固有の指定もあるため、書類準備は4月から始めてください。日程・募集人員・選抜方法は年度により変わるため、出願前には必ず香川大学が公表する最新の募集要項を確認しましょう。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)

本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要・日程・選抜方法は香川大学が公表する第3年次編入学学生募集要項の原本で確認し、倍率は同大学が公表する「香川大学編入学試験実施状況」(2019〜2026年度)にもとづいています。出題傾向はオンライン編入学院の過去問分析によるものです。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

最終更新: 2026年8月6日

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