筑波大学編入のTOEICは何点必要?公式基準の有無と学類別の出願要件
結論からお伝えします。筑波大学は、学群編入学試験について「TOEIC◯点以上で合格」「◯点未満は不合格」といった基準スコアを公表していません。2027年度(令和9年度)の学群編入学学生募集要項を通読しても、TOEICの点数の基準や換算表はどこにも書かれていません。ネット上で見かける「合格ラインは700点」「750〜850点が目安」といった数字は、大学公式の資料では確認できない情報です。
一方で、はっきりしていることが2つあります。1つ目は、生命環境学群・理工学群・情報学群(情報科学類・情報メディア創成学類)では、TOEICまたはTOEFLを受験していること自体が出願資格だということです。2027年度要項は出願資格の柱書を「次のいずれかに該当し、令和6年6月以降にTOEIC又はTOEFLを受験している者」と定めており、スコア票がなければそもそも出願できません。2つ目は、提出したスコアが「外国語(英語)」の得点に換算され、選抜の点数として使われることです。学力検査の表にはどの学類でも「英語(TOEIC又はTOEFLの点数を換算。)」と明記されています。
つまり筑波大学のTOEICは「足切りラインを超えるための資格」ではなく、提出した時点で得点が確定している試験科目です。この記事では、学類ごとのTOEICの扱い、スコア票の提出ルール、有効期限、出願スケジュールから逆算した準備の進め方を、2027年度要項にもとづいて整理します。
この記事で分かること
- 「TOEIC何点で合格」という公式基準が存在しないこと(要項に記載なし)
- TOEIC/TOEFLの受験が出願の必須要件になる学群・学類はどこか
- TOEICが不要な学類(知識情報・図書館学類など)と、扱いが違う学類(医学類・社会学類)
- スコア票の提出ルール(IPテスト不可・有効期限・原本提出)
- 出願6月・試験7月から逆算した、TOEICと専門科目の準備スケジュール
出典: 筑波大学「令和9年度(2027年度)学群編入学学生募集要項」(2026年4月17日更新版)。年度は入学年度で表記しています。2027年度の試験は2026年7月に実施済みです。次のサイクル(2028年度)の要項は大学の公表をお待ちください。
学群・学類別に見るTOEICの扱い
筑波大学の編入試験は、学類によってTOEICの扱いが大きく3つに分かれます。まずこの表で、自分の志望学類がどのパターンかを確認してください。
| 学群・学類(2027年度) | TOEICの扱い |
|---|---|
| 生命環境学群(生物・生物資源・地球) 理工学群(数学・物理・化学・応用理工・工学システム・社会工学) | 必須。TOEICまたはTOEFLの受験が出願資格。スコアを「外国語(英語)」の得点に換算——選抜は専門科目+外国語+個別面接 |
| 情報学群 情報科学類・情報メディア創成学類 | 必須。扱いは上と同じ。ただし面接がなく、学力検査(専門科目+外国語換算)のみで選抜 |
| 情報学群 知識情報・図書館学類 | 不要。出願資格に英語要件がなく、試験も30分程度の面接・口述試験のみ |
| 医学群 医学類(2年次編入) | 提出は「受験している者」のみ。TOEFL iBT・TOEIC・IELTSのいずれかを受験している場合はスコア票の写しを提出。選抜の中心は英語・数学・化学・生物学の学力試験+適性試験 |
| 社会・国際学群 社会学類 | 別日程・TOEIC不使用。2026年度は秋実施(2025年11月試験)で、英語は90分の筆記試験。2027年度分の要項は例年9月ごろ公表(2026年8月18日時点で未公表) |
注意したいのは、同じ情報学群の中でも扱いが正反対に割れている点です。情報科学類・情報メディア創成学類はTOEIC/TOEFLが出願の必須要件ですが、知識情報・図書館学類は英語のスコアが一切不要で、選抜も面接・口述試験だけです。「筑波の情報系=TOEIC必須」とひとくくりにせず、学類単位で要項を確認してください。
なお、医学群の看護学類・医療科学類は2027年度の学群編入学学生募集要項に含まれていません(2025年度までは募集実績があります)。人文・文化学群、人間学群、体育・芸術専門学群も同要項には含まれていません。
「何点必要か」への要項ベースの答え
大学が公表しているルールを並べると、次のようになります。
| 項目 | 要項の定め(2027年度) |
|---|---|
| 基準スコア | 記載なし。「◯点以上」という出願の下限も、合格の目安も要項にはありません |
| スコアの使われ方 | 「英語(TOEIC又はTOEFLの点数を換算。)」として外国語の得点になる。換算方法・配点は非公表 |
| 有効なスコア | 令和6年(2024年)6月以降に受験したもの。約2年前までのスコアが有効という計算です |
| 認められる試験 | TOEIC Listening & Reading(公開テスト)、TOEFL iBT、TOEFL iBT Home Edition |
| 認められない試験 | TOEIC IPテスト(団体特別受験制度)、TOEIC Bridge、TOEIC Speaking & Writing、TOEFL ITP。MyBestスコアも活用されません |
| 提出方法 | 出願書類として提出(全員)。TOEICはデジタル公式認定証(PDF)の印刷物、TOEFLはTest Taker Score Report原本の郵送またはETSからの大学直送(DIコード: C238)。コピー不可・顔写真付きのみ有効 |
基準点がない以上、「何点あれば安全か」を大学の資料から言うことはできません。ただし、スコアがそのまま外国語の得点に換算される仕組みである以上、スコアの差はそのまま選抜上の得点差になります。専門科目の出来で挽回する余地はありますが、TOEICは試験当日より前に得点を確定させられる唯一の科目です。ここを先に固めてから専門科目に集中するのが、筑波大学の制度に合った順序です。
もう1つ実務上の注意があります。スコア票は出願書類として、出願期間内(2027年度は2026年6月1日〜5日必着)に原本を郵送提出します。提出書類に不備があると出願自体が受理されません。「6月の出願直前に初めてTOEICを受ける」計画では、公式認定証の発行が間に合わないリスクを自分で作ることになります。遅くとも出願の2〜3か月前までに受験を終えておくのが安全です。
試験の概要(2027年度実績)
| 項目 | 内容(2027年度=令和9年度) |
|---|---|
| 対象 | 生命環境学群・理工学群・情報学群・医学群医学類(要項掲載分) |
| 編入年次 | 原則3年次——修得単位・在学年数によっては2年次。知識情報・図書館学類は3年次のみ、医学類は2年次 |
| 主な出願資格 | 大学・短大・高専の卒業(見込み)、大学に2年以上在学し62単位以上修得(見込み)、修業年限2年以上の専門学校修了(見込み)など——62単位の条件は「大学2年以上在学」の区分にかかるものです。加えて上記のTOEIC/TOEFL要件(対象学類のみ) |
| 出願期間 | 2026年6月1日(月)〜5日(金)必着・郵送のみ(持参不可) |
| 試験日 | 2026年7月11日(土)〜12日(日)。1日目に専門科目、2日目に面接(学類により1日で完結) |
| 合格発表 | 2026年7月23日(木) |
| 検定料 | 30,000円 |
| 募集人員 | 生物資源10名・応用理工10名・工学システム5名・情報科学14名・情報メディア創成14名・知識情報10名・医学類5名、その他の学類は若干名 |
情報科学類と情報メディア創成学類は併願が可能で、さらに知識情報・図書館学類への重複出願もできます(別日程・別封筒で出願)。筑波大学の中で受験機会を増やせる、要項に明記された数少ない組み合わせです。
志願者数と合格者数(大学公表値)
筑波大学は入学試験実施結果として、学群編入学試験の募集人員・志願者数・合格者数・入学者数を年度ごとに公表しています。直近の2026年度(令和8年度)入学分は次のとおりです(志願者数→合格者数。受験者数は公表されていないため、競争率を見るときの分母は志願者数になります)。
| 学類(2026年度) | 志願者数 → 合格者数 |
|---|---|
| 情報科学類 | 122名 → 22名 ※志願者数は単願+併願第1志望の合計 |
| 医学類 | 118名 → 6名 |
| 応用理工学類 | 56名 → 13名 |
| 工学システム学類 | 39名 → 9名 |
| 情報メディア創成学類 | 40名 → 17名 ※志願者数は単願+併願第1志望の合計 |
| 知識情報・図書館学類 | 35名 → 12名 |
| 生物学類 | 34名 → 5名 |
| 生物資源学類 | 21名 → 11名 |
| 社会学類 | 64名 → 11名 |
物理学類は19名→2名、化学類は13名→2名、社会工学類は16名→3名、数学類は7名→2名でした。地球学類は志願者3名に対して合格者0名——「若干名」募集の学類は、水準に達する受験者がいなければ合格者を出さない年があるということです。募集人員の多い少ないだけで難易度を判断せず、専門科目とTOEICの両方で得点を積み上げる前提で準備してください。
TOEICと専門科目の準備スケジュール
筑波大学の制度上、TOEICは「出願の前提条件」かつ「先に確定する得点」です。出願が6月上旬、試験が7月中旬という日程から逆算すると、進め方は次の形になります。
- 出願の1年〜半年前
TOEIC L&R(公開テスト)の受験を開始。スコアは受験年度の約2年前の6月以降のものが有効なので、早く受けても無駄になりにくい制度です。納得のいくスコアが出るまで複数回受験し、ベストスコアの公式認定証を残します。
- 出願の2〜3か月前
TOEICの受験を終え、スコア票(デジタル公式認定証の印刷物)を確保。ここから先は専門科目(数学・物理・化学・生物・情報基礎など志望学類の科目)に学習時間を全振りします。
- 6月上旬
出願(5日間・必着・郵送のみ)。志願票・成績証明書・スコア票原本などを簡易書留速達で送付。出願後の学類変更・事前選択科目の変更はできません。
- 7月中旬
試験本番。1日目に専門科目の学力検査、2日目に面接(情報科学類・情報メディア創成学類は学力検査のみ)。すべての指定試験を受験しないと欠席扱いになります。
TOEICのスコアメイク自体は、リスニング・リーディングの弱点をパート別に潰していく一般的な対策で構いません。大事なのは順序です。試験直前期にTOEICと専門科目を並行させないこと——筑波大学の専門科目は大学2年修了程度の内容(数学なら微分・積分、線形代数、微分方程式、複素関数など)で出題範囲が広く、直前期の時間はすべてそちらに使えるようにしておくべきです。
FAQ
筑波大学の編入に必要なTOEICの点数は公表されていますか?
公表されていません。2027年度(令和9年度)の学群編入学学生募集要項には、出願に必要な最低スコアも、合格の目安になる点数も記載がありません。スコアは「英語(TOEIC又はTOEFLの点数を換算。)」として外国語の得点に換算されますが、換算方法や配点も非公表です。「合格ラインは◯点」という情報を見かけたら、大学公式の資料で確認できるものかどうかを疑ってください。
TOEICを受けていないと筑波大学の編入には出願できませんか?
学類によります。生命環境学群(生物・生物資源・地球)、理工学群(数学・物理・化学・応用理工・工学システム・社会工学)、情報学群の情報科学類・情報メディア創成学類は、「令和6年6月以降にTOEIC又はTOEFLを受験している者」が出願資格の柱書に入っており、どちらかのスコアがなければ出願できません。一方、情報学群の知識情報・図書館学類は英語スコアが不要で、試験も30分程度の面接・口述試験のみです。医学群医学類は、TOEFL iBT・TOEIC・IELTSのいずれかを受験している場合にスコア票の写しを提出する扱いで、選抜の中心は英語・数学・化学・生物学の学力試験です。
TOEIC IPテストやTOEFL ITPのスコアでも出願できますか?
できません。2027年度要項では、TOEICは公開テストのTOEIC Listening & Readingのみが有効で、団体特別受験制度(IPテスト)・TOEIC Bridge・TOEIC Speaking & Writingは不可と明記されています。TOEFLもTOEFL iBTとTOEFL iBT Home Editionのみ有効で、団体向けのTOEFL ITPは不可、複数回のベストを組み合わせるMyBestスコアも活用されません。学校で受けたIPテストのスコアしか持っていない場合は、公開テストを受け直す必要があります。
TOEICのスコアはいつまでに、どうやって提出しますか?
出願書類の一部として、出願期間内に原本を郵送提出します。2027年度は2026年6月1日〜5日必着(持参不可)でした。TOEICはデジタル公式認定証(PDF)の印刷物、TOEFLはTest Taker Score Report原本の郵送か、ETSから大学への直送手続き(DIコード: C238)で提出します。コピーは不可で、顔写真付きのスコア票のみ有効です。有効なのは令和6年(2024年)6月以降に受験したスコアで、およそ出願の2年前まで遡れる計算です。認定証の発行を待つ期間も考えて、出願の2〜3か月前までに受験を終えておくと安全です。
社会・国際学群(社会学類)の編入にもTOEICが必要ですか?
社会学類は制度が別で、TOEICは使いません。他学群と別日程(秋実施)で、2026年度は2025年11月に試験が行われ、英語は90分の筆記試験、そのほか専門科目(社会学・法学・政治学・経済学から事前選択した1科目)と個別面接で選抜されました。2027年度分の募集要項は例年9月ごろの公表で、2026年8月18日時点ではまだ公表されていません。受験を考えている方は大学入試情報サイトで最新の要項を確認してください。
筑波大学編入の倍率はどれくらいですか?
大学が入学試験実施結果として志願者数・合格者数を公表しています。2026年度(令和8年度)入学分では、情報科学類が志願122名(単願+併願第1志望)に対し合格22名、医学類が志願118名に対し合格6名、応用理工学類が志願56名に対し合格13名などでした。受験者数は公表されていないため、志願者数を分母にした数字で見ることになります。なお「若干名」募集の学類では、地球学類のように志願者がいても合格者0名の年があります。
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この記事の内容は、筑波大学「令和9年度(2027年度)学群編入学学生募集要項」(2026年4月17日更新版)、同「令和8年度 学群編入学学生募集要項(社会・国際学群 社会学類)」、大学公表の入学試験実施結果にもとづいて2026年8月18日時点で整理したものです。日程・出願資格・選抜方法は年度ごとに変わります。出願前に必ず大学公式の最新の募集要項をご確認ください。

