同じ神戸大学経営学部へ。
3人の合格者に見る、
違う準備の進め方
英語を仕上げてから専門科目に集中した人。高専での学びを生かし、会計学を積み上げた人。アメリカでスポーツ系を学んだ後に進路を変え、経営学を一から学んだ人。同じ神戸大学経営学部の合格者でも、出発点も、使った教材も、学習の順番も違います。
この記事では、公開済みの合格体験記から3人の記録を並べました。見るポイントは、点数の高さだけではありません。「自分に近い出発点の人が、何を先に決め、どこで学び方を変えたか」に注目すると、自分の計画へ取り入れやすくなります。
3人の本人回答をもとにした事例紹介です。受験生全体を代表する調査や、合格に必要な点数・期間の目安ではありません。2025年・2026年入学の過去の経験として読み、現在の出願条件は神戸大学経営学部の編入ガイドと大学公式の募集要項で確認してください。
まず、3人の出発点と
学習の順番を比べる
比較するのは、むっくさん、F.Gさん、D.Sさん。同じ学部の合格者ですが、むっくさんは観光・地域創生系、F.Gさんは高専、D.Sさんはアメリカでスポーツ系を学んだ後の進路変更でした。
| 比べる項目 | むっくさん | F.Gさん | D.Sさん |
|---|---|---|---|
| 編入前 | 国公立大学 観光・地域創生系 | 高等専門学校 経営学・商学・会計学系 | アメリカで スポーツ系を学ぶ |
| 神戸大学への入学 | 2026年4月 | 2026年4月 | 2025年4月 |
| 記録された対策期間 | 2025年1月〜11月 | 2023年6月〜2025年11月 | 2024年7月〜11月 |
| 提出したTOEIC | 955点 2025年3月 | 885点 2025年3月 | 845点 2024年6月 |
| 準備した専門科目 | 経営学+マーケティング | 経済学+会計学 | 経営学+マーケティング |
| 進め方の特徴 | 英語の目標達成後、過去問を分析。テーマ別のまとめから、書く練習へ | 英語と専門の準備を一部並行。過去問を難しさで3分類し、繰り返し演習 | 専門の基礎を説明できる状態にし、マーケティング、論述へと段階的に進む |
| 実際に受験した学校 | 神戸大学経営学部に合格 | 神戸大学経営学部・滋賀大学経済学部に合格 | 神戸大学経営学部に合格。埼玉大学経済学部は不合格 |
TOEICの点数は本人が提出したスコアです。表の点数は合格最低点ではなく、専門科目・在籍中の学習・利用できた時間なども異なります。対策期間に、英語学習のすべてが含まれるわけではありません。
例えばD.Sさんは、記録上の専門対策を始める前にTOEIC845点を取得しています。「7月から始めた」という日付だけを見て、英語も専門も一から同じ期間で準備できると考えることはできません。期間を比べるときは、開始時点で既に持っていた力まで一緒に見ることが大切です。
むっくさん|英語の目標達成後、
論述に集中する
国公立大学・観光/地域創生系 → 神戸大学経営学部
2026年4月入学/経営学・マーケティング
むっくさんが経営学をもっと学びたいと感じたきっかけは、在籍大学の授業でした。進路選択に曖昧さが残った大学受験を経て、自分が本当に学びたい分野に向き合いたい。その気持ちが編入につながりました。
英語を先に区切り、次に「何を問われるか」を調べる
月別の記録では、2025年1〜3月はTOEICの対策。大学の授業が忙しい中でも演習を続け、3月に955点を取得しました。4月から専門科目の学習方針を固めています。
専門対策で最初に行ったのは、過去問の分析でした。求められる分野や知識を確かめ、参考書・専門書を読み比べて学習の軸を決めています。英語の点数を確定させたことと、専門の学習方針を決めたことが、一続きの準備になっていたのです。
- 1〜3月|英語の演習模試や苦手なパートの問題に取り組み、3月に目標スコアを達成。
- 4〜6月|分析して、まとめる過去問を分析して教材を選ぶ。覚える項目を500〜800字程度でノートに整理。
- 7月以降|書いて確かめるアウトプット専用ノートを用意。テーマ同士の関連を考えながら書く練習へ。
- 9〜11月|答案を見直す過去問演習で不足する知識を補い、論述の書き方を見直す。直前は復習を中心に。
知識があることと、答案にできることを分ける
9月には、過去問が思ったほど解けず、志望理由書の添削でも論述力への不安が生まれました。それが、文章の書き方を見直すきっかけになっています。7月から書く練習を始めても、それだけで完成ではなかったという点に、準備の実際が表れています。
本人は、志望理由書への着手が遅かったことも振り返っています。提出の2〜3週間前に添削を受けると、修正・加筆が多く、論述試験の対策と重なって負担になったそうです。専門科目の勉強が進んでいても、志望理由書の見直し期間は別に確保する。この記録から取り入れたい点です。
不合格だった場合の進路も、一緒に考えてもらった
むっくさんは当時大学3回生。就職活動や、編入できなかった場合の履修が見えていないことが、大きな不安になっていました。支えとなったのは大学の教授です。履修計画や別の進路を一緒に考えてもらうことで、結果への恐れが和らぎ、勉強に集中しやすくなったと述べています。
英語を区切る目標と時期を決める。専門は「読む→書く→直す」を計画に入れる。そして編入後の希望だけでなく、現在の大学で進む場合の選択肢も整理しておく。
F.Gさん|高専での学びを
会計学につなぐ
高等専門学校・経営/商学/会計学系 → 神戸大学経営学部
2026年4月入学/経済学・会計学
F.Gさんは、高専で経営学・統計学・プログラミングなどを学ぶ中で、会計学に関心を持ちました。大学で何を学びたいかを考え、会計学の授業やゼミに魅力を感じた神戸大学経営学部と滋賀大学経済学部を志望しています。
英語だけに集中した期間と、専門を重ねた期間がある
対策開始は2023年6月。本番は2025年11月でした。長い準備期間の前半ではTOEIC対策を続けつつ、高専の授業で簿記も学んでいます。後半には経済学・会計学の準備も重ね、2025年3月にTOEIC885点で英語対策を終えました。
ここはむっくさんと異なる点です。英語を終えてからすべての専門学習を始めたわけではありません。在籍校の授業で学べることを使いながら、英語と専門を重ねていたというルートです。
- 2023年6月〜|英語と在籍校の学習TOEICの学習を継続。高専の授業でも簿記などを学ぶ。
- 2024年後半|専門の準備を重ねる経済学を学び、12月には会計の記述対策へ。
- 2025年3月|英語を区切るTOEIC885点で対策を終了。その後は過去問や志望理由書の準備を進める。
- 2025年6月以降|受験校を絞り、演習検討していた大阪大学の受験を断念し、神戸・滋賀の2校へ。過去問や面接の準備を続ける。
過去問を「できる・対策する・説明が必要」に仕分ける
過去問について、F.Gさんは11年分を集め、最初に問題を3つに分けたと回答しています。
- すぐに解ける問題
- 対策すれば解けそうな問題
- 解説してもらわないと分かりにくい問題
そのうえで5周以上取り組み、問題を見て解き方が分かる状態を目指しました。回数だけを真似するよりも、「どの問題に、どんな助けが必要か」を先に分けたことに注目したい記録です。
会計学では『会計学基礎論』『財務会計講義』を使い、用語を説明できるように学習。経済学では、基礎的な計算の反復と、記述で足りない部分の補強を分けて進めています。
併願校を決めても、不安がなくなるわけではない
当時は滋賀大学の結果を確認してから神戸大学を受験でき、安心につながったと述べています。一方で、長期間の受験勉強では不合格への不安も続き、振り返りでは受験校を増やした方がよかったかもしれないとも回答しています。
併願の組み合わせは、科目が似ているかだけでは決まりません。受験日・合格発表・入学手続の順番まで確認することで、学習面と気持ちの両方から計画を考えられます。F.Gさんが受験した年の日程が、これからの年度にも当てはまるとは限りません。
授業で既に学んでいる内容と、試験のために追加する内容を分ける。過去問は正誤だけでなく「次に何をすれば解けるか」で分類する。併願は科目と日程を一緒に検討する。
D.Sさん|スポーツから経営へ、
学ぶ分野を変える
アメリカでスポーツ系を学ぶ → 神戸大学経営学部
2025年4月入学/経営学・マーケティング
アスレチックトレーナーを目指して渡米したD.Sさん。学ぶ中で、選手を現場で支えることから、チーム運営や組織づくりというビジネスの側面へ関心が移りました。経営を体系的に学びたいと、日本の大学への編入を選んでいます。
まず「参考書を見ずに説明できる」まで基礎を作る
提出したTOEIC845点は2024年6月のスコア。経営学の対策を始めたのは7月で、専門分野については初学だったと回答しています。7〜8月は重要な概念や理論を整理し、8月末頃には主要な用語を参考書を見ずに説明できる状態を目指して学習しました。
9月にはマーケティングを加えました。経営学と重なる知識を結び付けながら理解を深め、10月からは過去問や論述問題で説明する練習へ移っています。
- 7〜8月|経営学の基礎用語と理論を整理。参考書を見ずに説明できるか確かめる。
- 9月|マーケティングを加える『ゼミナールマーケティング入門』を読み、既に学んだ経営学とつなげる。
- 10月|答案と志望理由書知識を自分の言葉で書く練習へ。将来像を整理し、志望理由書にも着手。
- 11月|理論を具体例につなぐ関連する事例を調べ、答案の説明を補う。
むっくさんと準備した専門科目は同じですが、過去問を本格的に解く時期や、学習を始めたときの条件は異なります。D.Sさんの記録から参考にしたいのは短さそのものより、「用語を説明する→科目同士をつなぐ→答案を書く」という段階の作り方です。
「今日やること」を小さくして、手を止めない
試験に落ちた場合、日本での進学先が決まらないことが不安だったといいます。そこで意識したのが、考える時間と勉強する時間を分け、やることを細かくして1日の達成目標を明確にすることでした。
実際の受験結果は、神戸大学経営学部が合格、埼玉大学経済学部が不合格。同じ人でも、受験した大学のすべてに合格したわけではありません。成功した部分とともに、併願の結果も含めて読むことが、現実的な準備を考える助けになります。
初めての専門科目では、読み終えた冊数だけで進捗を測らない。「本を閉じて説明できるか」を確認する。大きな不安で手が止まるときは、今日終える作業の単位を小さくする。
同じ教材でも、
使い方は同じではない
むっくさんとD.Sさんは、どちらも『ゼミナールマーケティング入門』を使用しています。ただし、むっくさんは同書で基礎を身に付けたうえで『現代マーケティング論』を使い、知識を補っています。D.Sさんは、先に学んだ経営学とつなげながらマーケティングの用語・概念を学び、その後に論述へ進みました。
F.Gさんの会計学では、「用語を説明できるようにする」という目的が教材の使い方に結び付いています。合格者が使った本を揃えるだけでなく、その本で何ができるようになりたいかを決めることが、3人の記録を自分の勉強に生かす出発点です。
ゼミナールマーケティング入門むっくさん・D.Sさんが使用参考書の解説を読む →
現代マーケティング論むっくさんが知識の補強に使用参考書の解説を読む →
会計学基礎論F.Gさんが記述対策に使用参考書の解説を読む →
本人の使用教材の一部を紹介しています。現在の出題範囲をすべて満たす教材一覧ではなく、指定教科書や出典を大学が保証したという意味でもありません。版や収録内容は各書籍の情報をご確認ください。
| 見たいこと | 3人の記録での具体例 | 自分への問い |
|---|---|---|
| インプットの到達点 | D.Sさん:本を見ずに主要な用語を説明する | 読んだ内容を、何も見ずに説明できる? |
| アウトプットへの切り替え | むっくさん:まとめノートから、書くためのノートへ | 理解したことを、設問に合わせて書ける? |
| 復習する順番 | F.Gさん:過去問を取り組みやすさで3分類 | 次に読む、解く、教わるべきものはどれ? |
3人の記録を、
自分の計画に置き換える
ここまでの3例を、自分の得点や残り期間にそのまま当てはめる必要はありません。まずは、次の順番で自分の条件を書き出してみてください。
- 今ある力を分けて書く
英語の取得済みスコア、学校で学んだ専門科目、論述を書いた経験を分けます。「すべて初学」と「英語は準備済み」では、同じ半年でも計画が変わります。
- 専門科目を選ぶ理由を持つ
F.Gさんには会計学への関心と在籍校での学習がありました。自分が学びたい内容、既に持つ知識、過去問の形式を照らし合わせ、候補科目を比べます。
- 読む時期だけでなく、書いて直す時期を決める
本を読み終えた後に時間が残らない計画にしないこと。過去問を見て形式を知る日、答案を書く日、間違いや説明不足を直す日をそれぞれ入れます。
- 併願と、受験後の選択肢も整理する
大学ごとの出願資格・試験科目・試験日・手続期限を確認します。今の学校で卒業を目指す場合の履修や進路も整理しておくと、受験だけに不安を集中させずに済みます。
合格者の「結果」だけでなく、選び方と切り替え方を借りる。それが、違う条件から同じ大学に進んだ3人の記録を読む価値です。
自分の場合の順番を整理したい方へ
今の学校・英語のスコア・気になる専門科目・使える時間をもとに、志望校と学習の進め方を相談できます。まだ神戸大学だけに決めていなくても大丈夫です。
無料相談で学習計画を相談する →今回紹介した合格体験記
出典確認日:2026年10月17日。引用枠は公開体験記の本人回答から抜粋し、比較・解説は編集部が構成しています。

