東京大学 工学部 編入の合格体験記|ammさん・高専から5か月で計数工学科へ
結論:計算をあえて飛ばす高速周回で、出遅れた分を5か月で埋めた
高等専門学校から、東京大学 工学部 計数工学科へ進んだ方の体験記です。卒業後すぐ就職する気はなく、いつか編入するとは思っていたものの、4年の終わりに周りが動き出すのを見て参考書を買い、実際に手を付けたのは2月でした。情報系と数理モデルの両方に関心があり、計数工学科なら入学後に数か月の猶予を置いてから進むコースを選べる点が、東京大学を第一志望にした決め手になっています。
対策は2025年2月から6月本番までの5か月。『編入数学徹底研究』を5周、『編入数学過去問特訓』は6回以上回していますが、特徴的なのはその回し方です。左手を問題、右手を解答のページに挟み、時間のかかる計算はすべて飛ばして解法の組み立てだけを頭の中で確認する。解けなかった問題の番号だけを控え、次の周回はそこだけ。物理も同じやり方で電磁気学演習を6回以上重ね、学校にあった過去問20年弱分を潰しました。
| 合格校 | 東京大学 工学部 計数工学科 |
|---|---|
| 前籍 | 高等専門学校 |
| 前籍の学部・学科 | 工学系 |
| 入学年 | 2026年4月 入学 |
| 入学のしかた | 後期課程へ直接入学(修業年限3年) |
| 受験年度 | 2026年度入学 |
この記事で分かること
- 高専4年の終わりに動き出し、東京大学を第一志望に決めるまで
- 実際に出願した3大学と、その結果
- 2月から本番の6月まで、5か月をどう詰めたか
- 編入数学徹底研究・過去問特訓・電磁気学演習の高速周回のやり方
- 東京大学の試験当日と、数学・物理・英語で実際に出た問題
なぜ編入を目指したのか
私が編入を決意したのは、 編入前の学校の1年目・前期 のことでした。
元々、高専卒業直後に就職することは考えておらず、どこかの大学に編入しようとは思っていました。4年の終わり頃、周りの友達が編入に向けて勉強を始めたので、「そろそろ始めないとまずいな…」と考え出し、参考書を買いました。ダラダラと過ごしてしまい、結果的に勉強を始めたのは2月頃になってしまいました。どの大学を受験するか考えた際、情報系の学科への興味や数理モデルへの興味があったことから、上記3つの志望校を受験することに決めました。
志望校を選んだ決め手
東大を受験した理由は、BMIの研究や数理モデルの研究に興味があったからです。どちらにも興味があったのですが、東大なら計数工学科に所属してから更に数ヶ月間、BMIを扱えるシステム情報工学コースか数理モデルを扱える数理情報工学コースを選ぶまでの猶予があったこと、大学でできる研究や勉強のレベルが高いと考えたことが理由です。阪大の志望理由については、東大同様に数理モデルへの興味とレベルの高さです。電通大に関しては、情報系への興味の気持ちで受験しました。
編入を周りに伝えた時の反応
伝えた相手: 家族・大学・学校の先生・先輩・後輩 / 伝えた時期: 試験の1〜3ヶ月前
両親は驚いていましたが、応援してくれました。弟はあまり驚いていませんでした。特に仲の良い友人は驚いておらず、勉強が大変そうだ…と苦笑いしていました。その他の友人は大体の人が驚いていました(彼らには直接つたえていないので、「東大受けるって聞いたけどマジなの?」という風に聞かれて、肯定すると驚いていた感じです)。先輩は全く驚いていませんでした。先生は楽しそうな反応でした。反対してくる人はいませんでした。
受験した大学とその結果
この合格者が実際に出願した大学です。編入試験は日程も科目も大学ごとにばらばらなので、どこをどう組み合わせたかは志望校選びの参考になります。
| 結果 | 大学・学部 | 編入年次 | 試験区分 | 受験者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 合格(入学) | 東京大学 工学部 計数工学科 | 3年次 | 一般編入 | 60 | 3.2倍 |
| 合格(辞退) | 大阪大学 基礎工学部 数理科学コース | 3年次 | 一般編入 | 12 | 4.0倍 |
| 合格(辞退) | 電気通信大学 I類 情報数理工学 | 3年次 | 一般編入 | 47 | 3.9倍 |
受験者数・倍率は、この合格者が試験当日に見聞きした記憶にもとづく数値です。大学が公表している数字とは異なる場合があります。出願前には必ず各大学の学生募集要項で確認してください。
東京大学は、入学の時期を「◯年次」という形では定めていません。高等専門学校の卒業者を対象に後期課程へ直接入学する形で、修業年限は3年、高等専門学校で修得した単位は最大43単位まで認定されます。上の表や本文にある「2年次」「3年次」という言い方は、合格者本人の受け取り方にもとづくものです。出願前には必ず各大学の学生募集要項で確認してください。
合格までの学習計画
私が編入試験対策を始めたのは 2025年2月 、本番の試験は 2025年6月 でした。
時期別の1日の学習時間
平日と休日それぞれ、1日に何時間やっていたかです。棒の長さは平日・休日を通して同じ目盛りで比べられます。
平日
休日
1日あたりの学習時間の推移
月ごとの、1日あたりの学習時間です。どの時期にどれだけ積み上げたのかが分かります。
月ごとの学習の中身
- 2025年2月
主な科目: 数学, 物理, 英語 / 気持ちの状態 2/5
編入数学徹底研究や物理学演習1、複素関数や確率の参考書、シス単をやっていた。これらの参考書はこの月にほぼ終わらせた。
- 2025年3月
主な科目: 英語長文や過去問特訓、電磁気学、和文英訳の勉強を2月のものに追加して行った。これらもこの月に大体終わらせた。(定着は全然していない) / 気持ちの状態 3/5
- 2025年4月
主な科目: 志望理由書 / 気持ちの状態 5/5
上記の参考書をひたすら理解に努めながら周回していた。ここら辺で過去2ヶ月の参考書の知識が定着してきたと思う。
- 2025年5月
主な科目: 参考書の周回をしながら過去問を解き始めた。大体各科目5割くらい解けていた。この時は時間を計らずに解いている、 / 気持ちの状態 2/5
- 2025年6月
主な科目: 数学, 物理, 英語 / 気持ちの状態 1/5
参考書の周回と解いた過去問の分析や復習、比較的新しい年度の過去問を解いた。過去問の出来は、6〜7割。過去問は時間を意識しながら解いている。
勉強場所と環境
三限か四限が終わって放課後になったら、教室近くのリフレッシュルームという空き教室に数人で集まり、勉強をしていた。自宅では、自室の机かベッドの上で横になりながら勉強していた。
スランプとメンタル回復
直前期になり、緊張と焦りと後悔で勉強の質が落ち、メンタルが悪化したが、個人的には乗り越えられなかった。自分と同じ状況になっている人が沢山いるはずだから、ここで自分だけ勉強の追い込みをかけられれば一気に有利になる、と頭ではわかっていたが、諦観と後悔が拭えず、暗い顔で、最後まで質の悪い勉強を行っていた。質が悪いとはいえ、直前まで勉強は継続していたし、それによって過去問の手応えもどんどん良くはなっていったので、とにかく質が悪くても勉強し続けるのが大事だと思う。勉強出来なくなってしまったら、更にメンタルが悪化することが分かっていたので、完全に辞める愚挙には出ずに済んでいたのだと思う。やはり、何よりも大事なのは早くから始めることで、順調に勉強が進めば、メンタルがライバルより安定するので始めた時期が早い分以上のアドバンテージが得られると思う。
科目ごとの対策と使った教材
科目ごとに、どの時期に何を使って、どう進めたかです。
数学
2025年2月 〜 2025年6月
編入数学徹底研究 5周
選んだ基準: 編入試験に出てくる標準的な数学の問題が解説から詳しく載っていることや、多くの体験記でこの本から始めている人が多かったこと。
この参考書の章末問題以外の問題の多くは、解法をただ暗記するのではなく正しく理解していないと、難関大の難しい問題は全く解けなくなるので、とにかく理解に努めた。
編入数学過去問特訓 6回以上
選んだ基準: 易〜難問がバランスよく載っていることと、解説が丁寧であったことと、徹底研究と同じシリーズであったこと。
宮廷以上の大学を受ける場合、出題分野の章のCまで全て解けるようにしておいた方が良いと考えて、ひたすら周回した。左手の指を問題のページに、右手の指を回答のページに挟んで、頭の中でどういう風に計算を組み立てるかを考える、というやり方で時短して何度も高速周回を行った。(例えば、「対角化しろ」という問題であれば、「固有値だして、固有ベクトルだして、行列P内に固有ベクトルをこのように配置して、逆行列を求めて、P^(-1)APの形で行列の積を求めて…」といった風に、時間がかかる計算部分を全部飛ばす)
細野真宏の確率が面白いほどわかる本 4周
選んだ基準: 解説がものすごく分かりやすい。確率のかの字も知らない小学生が読んでも最後まで理解できる。
過去問特訓と同じように、どのような計算をするかだけ頭の中で考えて、計算自体はせずに解答方針だけノートに書きなぐって進めるやり方で高速周回した。どの参考書にも言えることだが、解けなかった問題の番号とページをノートにメモして、次の周回ではそこだけやるような形で周回するのが良いと思う。
複素関数 攻略への一本道 5周
選んだ基準: 複素関数論を全く知らない状態からでも学べる点
知識が何も知らない状態から使える本ではあるが、東大対策に使う場合、写像に関する問題が一切載っていないので別の本で勉強する必要がある。私は結局過去問でしか写像を勉強しなかったが、ほかの東大編入生では、マセマの複素関数演習を使用している人が多いようだった。
物理
2025年2月 〜 2025年6月
演習力学 2周
選んだ基準: 体験記を読むと多くの人が使っていたので、買った。
時間があるなら質点の章から始めた方が良いと思うが、私は時間がなかったので5章の剛体分野だけやった。それなりに難しいので1冊目にやるのはオススメしない。
電磁気学演習 6回以上
選んだ基準: 電磁気学を初めから学びたかったこと
電磁気学をあまりしっかりと勉強したことが無い状態から始めたので物凄く難しかった。解答を丸暗記するだけのようになっていたのを何とか矯正し理解するように努めた。理解した上で解けるようにすることが大切だと思う。
弱点克服大学生の初等力学 4周
選んだ基準: 解説が丁寧でわかりやすいと友達に聞いた
高校物理の復習が終わったら、剛体分野の勉強はこの本から始めるのが良いと思う。とても分かりやすい。この本から始めれば良かった。剛体の問題は質点の問題を解けない人は恐らく解けないので、時間が余程無い場合を除き最初から最後までやるべき
英語
2025年2月 〜 2025年6月
関正生の英語長文 2周
選んだ基準: 長文問題の練習がしたかった。
ただ解くだけで終わらず、音読して、長文を読む速度をあげられるように使った。
システム英単語 6回以上
選んだ基準: 鉄壁をやりたくなかった。ターゲットとシス単ならシス単の方が良いと言っている人が多いように感じた。
とにかく高速で何度も周回することに努めた。最初はひとつの意味だけ覚えて、周回を繰り返し定着するごとに他の意味も覚えるようにした。
竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本 6回以上
選んだ基準: 和文英訳の練習をしたかったので、ネットで評判が良い本を選んだ
なるべく解答を暗記して、暗記したものを少し改変して回答とすることで、様々な和文英訳問題に対処できるようにすることを目的に周回した。
過去問対策(入手・分析・周回)
過去問は学校に置いてあったので、20年弱分程周回した。昔のものは時間を意識せず解き、そもそも解くこと自体が可能かどうかを試し、最近のものは時間も意識しながら解くようにした。高専の先生に聞いたりAIに質問して模範解答を作って、どのような考え方や計算で解けるのかなどは分析したが、いくつかの問題は先生もAIも解けなかった。現在のAIは進化しているので解けるようになっているかもしれない。AIを積極的に使うのが大事だと思う
振り返ってみて、これもやっておけばよかった
もっと早く勉強を始めるべきだった。受験の直前は、やってない人ほど後悔と緊張で睡眠や勉強の質、時間が低下し、やってきた人ほど自身がどんどん身につきメンタルも比較的安定していて、より勉強が出来る。先に始めた人に追いつく、というのは物凄くプレッシャーとストレスがかかるので、メンタルに自信がある人以外は今日から始めるべき。
AIの活用方法
英語では、和文英訳の問題を出してもらい、採点してもらうという風に使った 数学や物理は、過去問の写真を送って、模範解答やそこに至るまでの考え方を教えてもらったり、別解を作ってもらった。
英語のスコアをどう上げたか
受験で利用した英語試験は TOEIC L&R です。以下、それぞれのスコア推移です。
TOEIC L&Rのスコア
| 2025年4月 | 735 (L 360 / R 375 ) 提出 |
|---|
試験当日はどうだったか
当日の時間の流れと、会場で感じたことです。
東京大学 工学部 計数工学科
| 当日の受験者数 | 59/60 |
|---|---|
| 試験時間の構成 | 9時集合 9:30〜11:00 英語 12:30〜14:30 数学 15:15〜16:45 物理 |
| 当日の気づき | 東京は物凄く暑いので熱中症対策は大事。近くのホテルに泊まれなかったならタクシーを使って体力温存するべき。あの暑い中10分以上歩いたらそれだけで疲労がハンデになる。 |
大阪大学 基礎工学部 数理科学コース
| 当日の受験者数 | 12/12 |
|---|---|
| 試験時間の構成 | 9:30〜11:30 数学 13:00〜14:30 物理 終了後解散 |
| 当日の気づき | 大阪はありえない暑さをしているのでできる限り近くにホテルを取るのが大事。当日は、辿り着くまでに熱中症になるかと思った。水がなければたどり着かなかった可能性があったほどには暑かった。 |
電気通信大学 I類 情報数理工学
| 当日の受験者数 | 学科ごとに教室が分けられておらず、人数が多すぎる上、別教室もあったので完全に不明 |
|---|---|
| 試験時間の構成 | 10:00〜12:00 数学 13:00〜14:30 物理又は化学 15:30〜17:00 英語 |
| 当日の気づき | 夜行バスで行き、夜行バスで帰ったが、東京はこの時期から既に暑くなり始めている上、夜行バスは体調が悪くなるので使用しない方が良い。夜行バスでは全く眠れず、翌日の試験本番は朝から夜までずっと気分が悪かった。 |
ammさんが東京大学の面接で実際に聞かれた質問
面接で投げられた質問と、その場での答え方
志望理由書のどこを突かれたか
筆記で何がどう出たか(科目ごと)
面接の準備は、聞かれる中身が分かっているかどうかで負荷がまったく変わります。無料相談では、志望校や現在の状況をうかがったうえで、口頭でお伝えできる範囲でご案内します。資料のお渡しは受講生の方に限らせていただいています。
ボタンを押すとオンライン編入学院の公式LINEが開きます。相談は無料で、志望校がまだ固まっていない段階でも大丈夫です。
受験にかかった費用
編入試験対策にかかった費用の内訳です。これから編入を目指す後輩の、予算の参考になれば嬉しいです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| ① 教材・書籍代 | ¥30,000 |
| ② 対策指導費 | ¥0 |
| ③ 試験関連費 | ¥7,810 |
| ④ 出願関連費 | ¥90,000 |
| ⑤ 当日関連費 | ¥50,000 |
| 合計 | ¥177,810 |
編入したあとの生活
ammさんが編入したあとに分かったこと
編入を決める前に不安だったこと、入学後の実際
編入後の就職活動の状況
編入学後に気づいた貴重な情報
単位認定でどこを詰めておくべきだったか、入学前の不安が実際どうだったか、就職活動はどう動いているか。入ってからでは取り返しがつかない話です。無料相談では、志望校や現在の状況をうかがったうえで、口頭でお伝えできる範囲でご案内します。資料のお渡しは受講生の方に限らせていただいています。
ボタンを押すとオンライン編入学院の公式LINEが開きます。編入は入って終わりではありません。入学後の単位と時間割は、出願先を決める段階で効いてきます。
編入前の自分へ
とにかく早く勉強を始める
2ヶ月早く始めた人と2ヶ月遅く始めた人の間にある差は2ヶ月分じゃない
早く始めた人はメンタルが安定するから直前期の勉強の質も量も上がる
遅く始めれば後悔や焦りに邪魔をされて勉強の質も量も落ちる
最終的に両者の間には2ヶ月分以上の差が開いてしまう
だから1日でも早く始めるべきである
— ammさん(東京大学 工学部)
この記事について
監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)
本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。本文は、合格者本人が回答した編入体験アンケートをもとに構成し、公開について本人の同意を得ています。氏名・連絡先は掲載していません。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ
最終更新: 2026-08-08
この合格者が使った参考書
本文に出てきた教材のうち、編入総研にレビューがあるものです。各カードをタップすると、中身・使いどころ・つまずきやすい箇所をまとめた記事に移動します。

