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工学部

富山大学工学部の編入試験対策|推薦・学力検査の日程・倍率・小論文と口頭試問

2027年度(2027年4月入学)の出願期間
2026年6月15日〜2026年6月19日
出願前に必ず大学の最新の募集要項でご確認ください。

編入総研(オンライン編入学院)|最終更新: 2026年9月6日‌​​‌​‌‌‌​​‌​​‌‌​‌​‌‌​​​​​‌​​‌‌​​

富山大学の編入試験まとめ(全6学部の日程・科目)

富山大学工学部の第3年次編入学試験は、推薦による選抜(6月)と学力検査による選抜(7月)の2区分で行われます。学力検査といっても当日の筆記は小論文1科目だけで、英語は出願時に提出するTOEIC L&R/TOEFL iBTのスコアで評価され、専門科目は面接のなかの口頭試問として問われます。2027年4月入学(令和9年度)は募集人員17名で、推薦の試験日が2026年6月3日、学力検査が7月1日。この記事を公開している2026年8月6日時点で、この2区分はすでに終了しています。

大学は編入学入学試験実施状況を毎年公表しており、直近3年の工学部合計の実質倍率は1.4〜2.7倍。数字だけ見れば手が届く水準ですが、TOEIC/TOEFLのスコアがなければ出願書類が揃わない点、専修学校や海外の課程から出願する場合は出願期間より約3週間早い事前照会の締切がある点が、実質的な第一関門になります。この記事では、大学が公表している募集要項・実施状況・過去問題・出題意図の原本にあたって、2028年4月入学を目指す方が今から何を準備すればよいかまで整理します。

試験概要(2027年4月入学の確定データ)

令和9年度以下は、富山大学工学部が2026年4月24日に公表した「令和9年度第3年次編入学学生募集要項」の内容です。2028年4月入学(令和10年度)の要項は例年4月下旬に公表されるため、最新の情報は必ず大学公式の募集要項で確認してください。

17名募集人員(工学科全体)
2区分推薦/学力検査
5コース出願時に1つ選択
3年次編入学年次
大学・学部富山大学 工学部 工学科(五福キャンパス・富山市五福3190)
編入学年次第3年次(2年次編入の実施はありません)
募集人員工学科全体で17人。出願時に志望するコースを1つ選択し、合格したコースに入学します(提出後のコース変更は不可)
コース電気電子工学/知能情報工学/機械工学/生命工学/応用化学 の5コース。すべてのコースで推薦・学力検査の両方を実施
推薦による選抜出願 2026年5月11日(月)〜5月15日(金)16時必着/試験日 6月3日(水)13時〜/合格発表 6月12日(金)13時
学力検査による選抜出願 2026年6月15日(月)〜6月19日(金)16時必着/試験日 7月1日(水)小論文10:00〜11:30・面接13:00〜/合格発表 7月10日(金)13時
試験科目
(学力検査)
英語(外部英語検定試験)・小論文・面接(基礎学力に関する試問を含む)+調査書。全コース共通の科目構成
配点英語100点満点+小論文100点満点+面接3段階評価+調査書を総合(募集要項「入試情報開示」より)
試験科目
(推薦)
学力検査を免除し、調査書と面接(基礎学力に関する試問を含む)の3段階評価を総合
出願方法インターネット出願のみ。出願登録・検定料納入のうえ、書類を書留速達郵便で郵送(持参不可)
検定料30,000円
試験場所富山大学工学部 G16総合教育研究棟(工学系)
入学手続合格者は「入学確約書」を2026年7月24日(金)までに提出。入学手続の案内は同年11月下旬頃に改めて通知
学費(参考)入学料282,000円(予定額)/授業料 年額535,800円(令和8年度の額)

出典:富山大学工学部「令和9年度第3年次編入学学生募集要項」(2026年4月公表)、富山大学「令和9年度富山大学入学試験関係日程(編入学)」。日程・科目・出願資格は毎年変わる可能性があります。出願前には必ず大学が公表する最新の募集要項を確認してください。

科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。

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2つの選抜区分は「別の試験」と考える

富山大学工学部でまず押さえるべきなのは、推薦と学力検査が、出願資格も評価材料もまったく違う2つの試験だという点です。データパックや一般的な情報サイトでは学力検査の情報だけが載っていることがありますが、それだけを見て準備すると、受験機会を1つ丸ごと逃すことになります。

推薦による選抜(6月)

推薦は学力検査が免除され、調査書と面接だけで合否が決まります。ただし出願資格が厳しく限定されています。

  • 一般入試の推薦:高等専門学校(商船学科を除く)・短期大学・大学のいずれかを翌年3月に卒業見込みで、人物・学力がともに優れ、出身学校長が責任を持って推薦できる方。すでに卒業している方はこの区分では出願できません。
  • 社会人特別入試の推薦:高専・短大・大学を卒業した方で、翌年3月末までに同じ勤務先で2年以上在職し、勤務先の所属長が勤務成績・人物ともに優秀と認めて推薦できる方。

提出書類は、推薦書(本学所定の様式・厳封)、卒業(見込)証明書、調査書(本学所定の様式・厳封)の3点が中心です。推薦書と調査書はいずれも学校側または勤務先に作成してもらう書類なので、出願期間(5月中旬)の1か月以上前には依頼しておく必要があります。

そして見落とされがちですが、推薦で不合格になった方が、あらためて学力検査による選抜に出願することは募集要項で認められています。推薦は6月3日、学力検査の出願は6月15日開始なので、6月12日の合格発表を見てから学力検査に切り替える時間があります。推薦資格がある方にとって、推薦は「使わない理由がない受験機会」です。

学力検査による選抜(7月)

学力検査による選抜は、7区分の出願資格のいずれかに該当すれば出願できます。当日の筆記は小論文1科目のみ(90分)で、午後に面接があります。英語は当日の試験ではなく、出願時に提出した外部英語検定試験のスコアで100点満点として評価されます。

ここで重要なのは、専門科目の筆記試験がないという点です。かつては数学の筆記試験が課されていましたが、2026年4月入学の選抜以降、学力検査による選抜の科目は英語(外部試験)・小論文・面接の3つに整理されており、理系科目の基礎学力は面接のなかの「基礎学力に関する試問」で確認される形になっています。数学の筆記対策だけを積み上げても、答案用紙で得点する場面は今の制度にはありません。過去に配布された旧制度の問題を「現行の出題傾向」と取り違えないよう注意してください。

第2次募集は「あるかもしれない」

募集要項には「入学手続締切日において、入学手続完了者数が募集人員に満たない場合は、追加合格による欠員補充を行うことがある」と書かれています。そして2026年4月入学分では、実際に12月に第2次募集が実施されました。募集は5名(機械工学3・生命工学1・応用化学1の目安。電気電子工学と知能情報工学は募集なし)、出願2025年11月17日〜21日、試験日12月10日、合格発表12月19日という日程でした。科目構成は7月の選抜と同じ英語・小論文・面接です。

ただし、大学の「編入学入試のお知らせ一覧」で確認できる範囲では、工学部の第2次募集が公表されたのは2026年4月入学分が初めてです(理学部・都市デザイン学部はほぼ毎年実施しています)。2027年4月入学分については、2026年8月6日時点で第2次募集の実施は公表されていません。前年は9月1日に要項が公表されたので、もし実施されるなら同じころに工学部のウェブサイトに掲載されるとみるのが妥当です。第2次募集を前提に計画を立てるべきではありませんが、7月で結果が出なかった場合に9月以降の告知を確認する価値はあります。

難易度と倍率(大学公表の実施状況3年分)

富山大学は「富山大学編入学入学試験実施状況」を毎年公表しており、工学部については募集人員・志願者数・受験者数・合格者数・入学者数が、コース別かつ「学力」「推薦」の区分別に載っています。ここまで細かく公表している国立大学は多くありません。以下はその原本から工学部の行だけを抜き出したものです。

入学年度区分志願者受験者合格者入学者実質倍率
2024年度
(令和6年度)
学力検査40371293.1倍
推薦44331.3倍
合計444115122.7倍
2025年度
(令和7年度)
学力検査26211591.4倍
推薦33221.5倍
合計292417111.4倍
2026年度
(令和8年度)
学力検査3425823.1倍
推薦55551.0倍
合計39301372.3倍

出典:富山大学「令和6年度/令和7年度/令和8年度 富山大学編入学入学試験実施状況(確定)」。募集人員は3年とも17名。実質倍率は受験者数÷合格者数で算出し、小数第2位を四捨五入しています。年度は入学年度で、たとえば2026年度(令和8年度)は2025年7月に実施された選抜の結果です。表中の人数には外国人留学生が内数で含まれます。
なお、大学サイトの「過去の実績」ページでは、令和6年度の実施状況PDFに「令和7年度」というラベルが付いています。PDFの1ページ目に印刷された表題が正しいので、年度はファイル名やリンク文言ではなく表題で確認してください。

45 30 15 0 41 24 30 15 17 13 2024年度 2025年度 2026年度 受験者数 合格者数

この数字から読み取れること

1|学部全体の実質倍率は1.4〜2.7倍。3年通算では受験95名に対し合格45名で約2.1倍です。旧帝大の工学部編入と比べれば、倍率という点では十分に射程に入る水準です。ただし母数が小さいため年度による振れが大きく、「去年が1.4倍だったから今年も」という読み方はできません。実際、2025年度の1.4倍から2026年度は2.3倍へ動いています。

2|推薦のほうが明らかに通りやすい。推薦は3年間で志願12名・受験12名・合格10名、通算1.2倍です。2026年度は志願5名全員が合格しています。一方の学力検査は3年通算で受験83名・合格35名の2.4倍。推薦の志願者は毎年3〜5名しかおらず、資格がある人が出願していないのが実情です。高専・短大・大学を卒業見込みで学校長の推薦を得られるなら、まず推薦を検討してください。

3|合格者数は募集人員を下回る年が続いている。募集人員17名に対し、合格者は15名(2024年度)、17名(2025年度)、13名(2026年度)。さらに入学者は12名・11名・7名と、合格者からも減っています。定員を埋めるために合格ラインを下げているわけではなく、基準に達した人だけを採る運用と読むのが自然です。募集人員が17名あるからといって「17番目までに入ればいい」という考え方は当てはまりません。

4|辞退が多い試験である。2026年度は合格13名に対して入学7名で、合格者のほぼ半数が入学していません。これが12月の第2次募集につながりました。裏を返せば、他大学と併願している受験生が多い試験だということでもあります。

5|出願したのに受験しない人が一定数いる。志願者と受験者の差は、2024年度が3名、2025年度が5名、2026年度が9名。とくに2026年度は志願39名に対し受験30名で、約4分の1が当日欠席しています。他大学の合否が先に出て受験を取りやめるケースが含まれているとみられます。志願者数だけを見て「倍率が高い」と判断すると実態を読み違えます。

コース別の志願状況

実施状況はコース別にも公表されています。志望コースを決めるうえで参考になるので、3年分を合算した数字を掲載します。

コース区分志願者
(3年計)
受験者
(3年計)
合格者
(3年計)
電気電子工学学力検査25209
推薦333
知能情報工学学力検査25199
推薦222
機械工学学力検査363114
推薦775
生命工学学力検査1092
推薦000
応用化学学力検査441
推薦000

出典:富山大学「令和6年度・令和7年度・令和8年度 富山大学編入学入学試験実施状況」の工学部の行を合算。令和6年度の実施状況PDFでは応用化学コースが「応用科学コース」と表記されていますが、募集要項の正式名称は応用化学コースです。

この表の読み方には注意が必要です。生命工学コース(3年間で受験9名・合格2名)と応用化学コース(受験4名・合格1名)は母数が小さすぎて、倍率という形では難易度を測れません。合格者0名の年もあります。「志願者が少ない=入りやすい」とは限らず、そもそも合格基準に達する受験生がその年にいなかった可能性も同じくらいあります。この2コースを志望する場合は、倍率ではなく面接の口頭試問で問われる範囲(化学4分野、あるいは数学・物理・化学・生物)をどこまで説明できるかを基準に自己評価してください。

一方、機械工学コースは3年間の学力検査志願者36名と最も多く、推薦の志願者も7名と唯一まとまった数がいます。2026年4月入学の募集要項で受け入れ予定人数が8人とされていたことからも、工学部のなかで最も枠が大きく、同時に最も競争相手が多いコースだと言えます。電気電子工学と知能情報工学は、学力検査の3年通算がそれぞれ受験20名・合格9名、受験19名・合格9名で、いずれも2.1〜2.2倍とほぼ同水準です。

出願資格と「知らないと出願できない」3つの締切

学力検査による選抜の出願資格(7区分)

2027年4月入学の募集要項では、次のいずれかに該当する方が出願できるとされています。

  1. 高等専門学校を卒業した者および翌年3月卒業見込みの者(商船学科は翌年9月卒業見込みの者)
  2. 短期大学を卒業した者および翌年3月卒業見込みの者
  3. 大学を卒業した者および翌年3月卒業見込みの者
  4. 大学に2年以上在学(休学期間を除く)し、62単位以上を修得した者および翌年3月末までに同要件を満たす見込みの者(本学在学中の者を除く)
  5. 専修学校の専門課程のうち文部科学大臣の定める基準(修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上)を満たすものを修了した者および翌年3月修了見込みの者
  6. 外国において学校教育における14年以上の課程を修了した者および翌年3月までに修了見込みの者
  7. 高等学校・中等教育学校後期課程・特別支援学校高等部の専攻科の課程(文部科学大臣の定める基準を満たすもの)を修了した者および翌年3月修了見込みの者

62単位は「大学に2年以上在学」の区分にだけかかる要件です。高専・短大・大学卒業(見込み)の方や専修学校専門課程を修了した方には、この単位要件は適用されません。学部全体の共通要件として書かれている情報を見かけることがありますが、募集要項の条文では第4号にだけ付いています。大学2年生から編入を目指す方は、2年終了時点で62単位に届く履修計画になっているかを、早い段階で確認してください。

締切①出願資格の事前照会(5月下旬)

募集要項には、出願資格(5)(専修学校の専門課程)または(6)(外国の学校教育14年以上)により出願しようとする者は、5月27日(水)までに工学部事務室(入試担当)に必ず問い合わせることと明記されています。学力検査の出願開始は6月15日ですから、出願受付が始まる約3週間前に、事実上の第一関門が閉じることになります。この照会を済ませていないと出願手続きに進めません。専門学校出身の方、海外の学校を出た方は、要項が公表される4月下旬に真っ先にこの日付を確認してください。

締切②受験上の配慮の事前協議(推薦5月上旬・学力5月下旬)

障害があり受験上および修学上特別な配慮を必要とする方は、出願前にあらかじめ学部へ申し出る必要があります。協議申請の期限は推薦による選抜が5月8日(金)、学力検査による選抜が5月29日(金)で、いずれも出願期間より前です。健康診断書などの必要書類を添えた協議申請書の提出が求められ、必要に応じて面談が行われます。

締切③英語スコアの有効期限

提出できる外部英語検定試験のスコアは、試験日のちょうど2年前以降に受験したものに限られます。2027年4月入学の選抜(試験日2026年7月1日)では「2026年7月1日以降のテストに対して発行されたもの」、その前年(試験日2025年7月2日)では「2025年7月2日以降」とされていました。1年生のうちに受けたスコアは失効している可能性があります。出願年の前年夏以降にもう一度受験しておくのが安全です。

推薦書・調査書は他人が作る書類

推薦による選抜では推薦書と調査書、学力検査による選抜では調査書が、いずれも大学所定の様式を出身学校長(または勤務先の所属長)が作成し、厳封したものと定められています。様式は工学部のウェブサイトからダウンロードでき、調査書はA3サイズ、推薦書は一般入試用がA3・社会人特別入試用がA4と指定されています。自分では書けない書類なので、要項公表後すぐに担任・指導教員へ依頼してください。推薦の出願期間は5月11日〜15日と短く、ここで書類が間に合わないと受験機会そのものを失います。

英語(TOEIC・TOEFL)の準備

富山大学工学部の学力検査による選抜では、英語の当日試験はありません。出願時に提出する外部英語検定試験のスコアが、そのまま100点満点として合否判定に使われます。100点満点の科目が2つ(英語・小論文)しかない試験なので、英語は総合点の約半分を占めると考えてよい構造です。

使えるスコアTOEIC L&R の Official Score Certificate(公式認定証)/TOEFL iBT の Test Taker(Examinee)Score
使えないものTOEIC IPテストのスコアレポート(個人成績表)は認められません。学校で団体受験するIPテストは対象外です
有効期限試験日のちょうど2年前以降に受験したテストに対して発行されたもの
両方出した場合換算した点数の高い方が使われます
原本確認提出書類の原本確認を面接時に行うため、原本を当日必ず持参。確認できない場合はスコアが利用できなくなることがあります
持参不要にできる方法TOEIC L&R のデジタル公式認定証(PDF版を印刷して提出)/TOEFL iBT のスコア直送(ETSアカウントからDIコードを選択し、出願書類到着期限までに大学へ到着するよう手配)

スコアの換算表は募集要項に掲載されていません。何点で100点満点になるかは公表されていないため、「◯点あれば満点」という情報を前提に計画を立てるのは危険です。実務的には、出願の1年以上前から受験を始め、出願年の前年夏以降に取り直して、そこから可能な限り上積みするという進め方になります。ここで見落としがちなのが、公開テストは申込締切が試験日よりかなり前に設定されており、さらに受験から公式認定証が手元に届くまで日数がかかるという点です。6月中旬の出願に間に合わせるには、春のうちに受験を終えておく必要があります。申込締切と結果発送の日程は必ずTOEIC公式サイトで確認し、出願日から逆算して「使えるスコアが手元にある状態」を作ってください。

また、TOEIC IPテストが使えないという条件は見落とされやすいポイントです。高専や大学では授業の一環としてIPテストを受ける機会が多く、「スコアは持っている」と思っていても出願書類には使えません。公開テストを自分で申し込んで受験する必要があることを、早い段階でスケジュールに組み込んでください。

小論文の傾向と対策

当日の唯一の筆記試験が小論文です。大学は直近3年分の問題・解答用紙をウェブサイトで公開しており、あわせて「出題意図」も公表しています。原本を確認したところ、形式は3年間まったく変わっていません。

90分試験時間
1題全コース共通問題
700〜800字字数(25字×32行)
100点配点

3年間で共通している出題の型

テーマは年によって変わりますが、問いの構造は3年とも同じです。社会的な課題や新しい技術動向が提示され、それを「自分が志望するコースで学ぼうとする分野」と結びつけて論じさせるという形になっています。直近3年で扱われたテーマ領域は、社会課題の解決に寄与する科学技術の選択、ウェルビーイング(心も身体も社会的にも満たされた状態)の向上、スマート農業といった技術による産業の高度化です。いずれも特定の専門知識がなければ書けない問題ではなく、時事的な話題を自分の専門とつなげられるかを見る問題です。なお著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません。

大学が公表している出題意図には、「最近の時事問題に対する関心度、課題の発見と解決に関する能力に加え、論理的思考力、文章表現力等を評価する」と書かれています。第2次募集の小論文についても同じ出題意図が示されており、評価の観点は一貫しています。

対策の組み立て方

  • 志望コースの「技術の引き出し」を10個作る。問題は必ず志望コースと結びつけて書かせます。電気電子ならパワーエレクトロニクスや無線通信、機械ならロボティクスや材料加工、応用化学なら触媒や材料化学、生命工学ならバイオセンサや代謝工学、知能情報なら機械学習や画像処理といった具合に、自分のコースの技術を10個ほど、それぞれ「何ができる技術か」「どんな社会課題に効くか」の2点セットで説明できるようにしておきます。どんなテーマが出ても、この引き出しから1つ選べば書き出せます。
  • 700〜800字の型を先に決める。25字×32行の解答用紙は最大800字で、下限が700字なので、実質的に書ける幅は狭いです。「①課題の確認150字 → ②取り上げる技術の説明250字 → ③その技術がどう課題解決に貢献するか250字 → ④自分の学びとの接続100字」のように配分を決めておくと、90分のうち構成に15分、執筆に60分、見直しに15分という配分で安定します。
  • 時事の仕込みは「富山県・北陸の課題」から。過去には富山県のウェブサイトの記載が課題文に引用されたこともあります。地域産業(医薬品、アルミ、機械、農業)、人口減少と労働力不足、再生可能エネルギーといったテーマは、工学と結びつけやすく出題との相性も良い領域です。
  • 手書きの練習を必ず入れる。横書き・25字詰めという指定があるため、原稿用紙の使い方に慣れていないと字数調整で時間を失います。時間を計って最低5本は書き、書き上げたものを他人に読んでもらってください。小論文は独学で完成度を上げにくい科目です。

面接と「基礎学力に関する試問」

面接は推薦・学力検査の両方で課され、複数教員による20分程度の個人面接と募集要項に明記されています。志望動機のほか、理系科目の基礎学力や工学に関する基礎的知識を問い、志望するコースへの適性を総合的に評価するとされています。評価は3段階です。

2027年4月入学の要項から出題範囲が明記された

大きな変更点として、2027年4月入学の募集要項から、コースごとの出題範囲が表として明記されました。前年度の要項では「基礎的な学力をみる内容を尋ねる」という一般的な記述にとどまっていたため、受験生にとっては準備の的が絞りやすくなっています。推薦・学力検査のいずれも同じ範囲です。

コース出題範囲(募集要項の記載)
電気電子工学数学:微分積分、線形代数/物理:電気回路、電磁気学
知能情報工学大学学部2年次終了までに習得しておくことが期待される数学、基礎的な物理学、および情報学
機械工学数学:微分積分、線形代数/物理:力学/機械工学
生命工学大学学部2年次終了までに習得しておくことが期待される数学・物理学・化学、および基礎的な生物学
応用化学大学学部2年次終了までに習得しておくことが期待される化学(物理化学、有機化学、分析化学、無機化学)

出典:富山大学工学部「令和9年度第3年次編入学学生募集要項」注記。

大学が公表している面接の意図

富山大学工学部は、入試情報開示の一環としてコース別の「面接意図」をウェブサイトで公表しています。前年度分を読むと、各コースが何を見ているかがはっきりわかります。

  • 電気電子工学コース:志望理由や動機、現在取り組んでいる研究や大学で取り組みたい研究の理解度、面接時の態度や受け答えを通じたコミュニケーション能力、そして数学や物理に関する口頭試問を通じた基礎的学力を確認する、とされています。
  • 機械工学コース:志望動機、自己の適性評価、向学心・熱意・積極性、コミュニケーション能力、科学技術への興味と理解度に加え、物理では力学の理解度、数学では微分積分と線形代数の理解度を確認し、論理的に物事を説明する能力を見る、とされています。
  • 知能情報工学コース:志望動機を尋ね、その回答に応じて学習態度や興味のある分野への学習意欲を質問し、これまでの学習内容に関する基本的な事項を確認して、2年次までの修得知識または編入学後に修得できる素地があるかを評価するとされています。
  • 生命工学コース生物学、化学、物理学、数学の基礎学力を問い、十分な学力があるかを判断するとともに、生命工学分野への興味や適性を確認するとされています。
  • 応用化学コース:主体的な学習意欲と3年次編入に必要な学力を評価するため、志望動機および化学の基礎事項(気体の状態方程式、炭水化物・脂肪酸、酸と塩基)について試問を行った、と具体的な項目まで公表されています。

受験者の報告では、口頭試問はホワイトボードに解答を書きながら説明する形式で行われることがあり、数学と志望コースの専門分野からそれぞれ問われるという傾向があります。答えを出すことよりも、考え方を口に出して説明できるかが見られていると考えるのが実態に近いでしょう。募集要項の「論理的に物事を説明する能力」「口頭による表現力」という表現とも一致します。

面接対策でやっておくこと

  • 板書しながら説明する練習。紙の上で計算できることと、人前でホワイトボードに書きながら筋道を説明できることは別の技能です。微分積分・線形代数の基本問題を、声に出して解く練習を10問ほど積んでおいてください。
  • 卒業研究・実験の内容を3分で話せるようにする。複数のコースの面接意図に「現在取り組んでいる研究」「これまでの学習内容」が挙がっています。専門外の教員にも伝わる言葉で、目的・方法・結果・そこで自分が何をしたかを整理しておきましょう。所属先で開示できる範囲を、事前に指導教員へ確認しておくと安心です。
  • 「なぜ富山大学のこのコースか」を研究室レベルまで具体化する。募集要項の巻末には5コースそれぞれの教育研究内容一覧(研究室名と研究テーマ)が掲載されています。志望理由をこの一覧と接続させて語れると、面接意図にある「興味と適性」の評価に直結します。
  • 併願校について聞かれる前提で答えを用意する。合格者の入学辞退が多い試験であることは大学側も把握しています。正直に答えたうえで、富山大学で学びたい理由を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

コースの選び方

富山大学工学部は工学科1学科・5コース制で、出願時に志望コースを1つ選び、出願書類の提出後は志望コースの変更が認められません。合格したコースにそのまま入学するため、コース選択は出願前に確定させる必要があります。判断材料は次の3つです。

  1. 面接の口頭試問で問われる範囲に、自分の学んできた分野が入っているか。これが最も実務的な基準です。たとえば電気系の高専出身者が生命工学コースを志望すると、口頭試問で生物学の基礎まで問われることになります。上の出題範囲表と自分の履修歴を突き合わせてください。
  2. 単位認定の見通し。募集要項には「出身校で学んだ分野と入学希望のコースで学ぶ分野が大きく異なる等により、出身校で修得した科目単位を本学2年次までの専門科目の単位として十分認定できない場合には、卒業までに2年を超える期間を要することもある」と明記されています。工学部は「専門科目履修の手引き」をウェブサイトで公開しているので、志望コースの卒業要件と専門科目の構成を出願前に確認しておきましょう。
  3. コース別の志願状況。上の3年合算表のとおり、機械工学が最も志願者が多く、生命工学・応用化学は志願者が極端に少ない状態が続いています。ただし志願者が少ないことは合格しやすさを保証しません。

なお、募集人員のコース別内訳は2027年4月入学の要項では示されていません。前年度の要項には受け入れ予定人数の目安(電気電子3人・知能情報2人・機械8人・生命工学2人・応用化学2人)が記載されていましたが、最新の要項ではこの表記がなくなり「工学科全体で17人」とだけ書かれています。コース別の枠を前提にした戦略は立てにくくなっていると考えておくのが安全です。

対策ロードマップ

ここでは、2028年4月入学(令和10年度)を目指す方を想定した時期別の進め方を示します。学力検査による選抜の試験日は例年7月上旬の水曜日、出願は6月中旬です。

  • 受験の12〜10か月前

    英語から着手します。TOEIC L&Rの公開テストを申し込み、まず現在地を測ってください。学校で受けたIPテストのスコアは出願に使えないので、必ず公開テストを自分で申し込みます。並行して、志望コースの候補を2つまでに絞り、それぞれの専門科目履修の手引きを読んで、卒業までに何を学ぶのかを把握しておきます。

  • 受験の9〜7か月前

    英語のスコアを積み上げつつ、口頭試問の土台となる数学(微分積分・線形代数)を一周します。編入試験向けの標準的な問題集で、基本問題を「解ける」だけでなく「説明できる」状態を目指してください。志望コースの物理・化学・生物の基礎も、この時期に教科書レベルで通読しておきます。

  • 受験の6〜5か月前

    小論文の準備を開始します。志望コースの技術を10個リストアップし、それぞれ400字程度で説明できるようにします。あわせて、前年度の実施状況PDFと過去問題を大学サイトからダウンロードし、形式と字数を確認しておきましょう。推薦を狙う場合は、担任・指導教員へ推薦の意思を伝えておく時期でもあります。

  • 4月下旬|要項公表

    募集要項が公表されます(2026年は4月24日、2025年は4月25日、2024年は4月26日)。公表当日に必ず原本を読み、日程・出願資格・提出書類・出題範囲をすべて自分のカレンダーに落とし込んでください。専修学校や海外の課程から出願する方は、事前照会の締切(5月下旬)をこの時点で確認します。受験上の配慮が必要な方の協議申請期限も、推薦は5月上旬と非常に早いです。

  • 5月|推薦の出願

    推薦資格がある方は、推薦書・調査書・卒業見込証明書を揃えて5月中旬の出願期間に間に合わせます。書類はすべて学校側が作成・厳封するものなので、依頼から受け取りまでの日数を逆算してください。この時期には英語のスコアも確定させておきます(学力検査に切り替える可能性を考えると、公開テストは4月受験が実質的な最終便です)。

  • 6月|推薦の結果と学力検査の出願

    推薦の試験が6月上旬、合格発表が6月中旬。不合格でも学力検査に出願できます。学力検査の出願は6月中旬の5日間で、書類は書留速達郵便で郵送します(持参不可)。この期間は小論文の実戦演習と口頭試問の想定問答に充ててください。

  • 7月|試験当日と発表

    午前に小論文90分、昼休みを挟んで午後に面接。TOEIC/TOEFLの原本を必ず持参します(デジタル公式認定証やスコア直送を利用した場合を除く)。合格発表は約10日後で、合格者は「入学確約書」を7月下旬までに提出します。入学手続の案内は11月下旬頃に改めて届くので、間が空くことを覚えておいてください。

出願から入学までのチェックリスト

  • 要項の入手:工学部のウェブサイトで最新の募集要項を確認する(例年4月下旬公表)。紙の冊子は配布されず、ウェブサイトからのダウンロードのみです。
  • 出願資格の確認:自分がどの区分で出願するかを特定する。大学2年以上在学の区分で出願する方は、62単位の要件を満たす見込みかを確認する。
  • 事前照会:専修学校の専門課程・外国の学校教育課程から出願する方は、指定された期限(2027年4月入学では5月27日)までに工学部事務室へ問い合わせる。
  • 受験上の配慮:必要な方は協議申請書を期限までに提出する(推薦は出願期間より前に締め切られます)。
  • 英語スコアの取得:TOEIC L&R公開テストまたはTOEFL iBTを受験する。IPテストは不可。有効期限は試験日の2年前以降。
  • 証明書類の手配:調査書(大学所定様式・A3・厳封)、卒業(見込)証明書または在学(期間)証明書。推薦の場合はさらに推薦書(大学所定様式・厳封)。発行に時間がかかるため、出願期間の3〜4週間前には依頼する。
  • その他の書類:在職中の方は所属長発行の受験許可書(様式任意)。外国人志願者は在留資格が明示された住民票の写し。出願資格(7)の方は出願資格証明書。
  • インターネット出願:出願サイトで登録し、検定料30,000円(別途手数料)を納入。支払い後に編入学志願票が印刷できるようになります。
  • 書類の郵送:宛名シートを貼付した角形2号封筒に必要書類を入れ、書留速達郵便で送付(持参不可)。締切前日までの消印があれば期間後の到着でも受理されます。
  • 受験票の印刷:出願書類受理後、指定日以降に出願サイトから印刷。A4カラー印刷で当日持参(スマートフォンの画面表示は不可)。
  • 試験当日:受験票、筆記用具、TOEIC/TOEFLの原本。学力検査は小論文と面接の両方を受けないと選考対象から外れます
  • 合格後:入学確約書を期限までに提出(提出しないと入学の意志がないものとして扱われます)。入学手続の詳細は11月下旬頃に通知。

併願をどう組むか

富山大学内での併願

富山大学は5学部で編入学試験を実施しており、2027年4月入学の日程は次のとおりでした。

学部・区分出願期間試験日合格発表
工学部(推薦)5月11日〜15日6月3日6月12日
工学部(学力検査)6月15日〜19日7月1日7月10日
理学部5月11日〜15日6月3日6月12日
都市デザイン学部5月11日〜15日6月3日6月12日
人文学部9月2日〜8日10月28日11月13日
経済学部10月15日〜21日11月25日12月4日

出典:富山大学「令和9年度富山大学入学試験関係日程(編入学)」。医学部は別日程です。

ここから読み取れる併願の可能性は2つです。第一に、工学部の学力検査(7月1日)は、理学部・都市デザイン学部(ともに6月3日)と日程が重なりません。理工系で幅広く受けたい方は、6月に理学部または都市デザイン学部、7月に工学部という組み方ができます。第二に、工学部の推薦(6月3日)は理学部・都市デザイン学部と同日なので、この3つを同じ年に受けることはできません。推薦資格がある方は、推薦を出すか、6月3日を他学部に充てるかの二択になります。

ただし学部ごとに出願資格・試験科目・出願期間はまったく異なります。都市デザイン学部は材料デザイン工学科の実施教科・科目について変更予告が出た年もあり、併願を考える場合は各学部の募集要項を個別に確認してください。

学外の併願先

富山大学工学部の学力検査は専門科目の筆記がなく、小論文と外部英語スコアが中心という、国立大学工学部としてはかなり特殊な構成です。専門科目の筆記を課す大学と併願する場合、対策の中身がほとんど重なりません。逆に言えば、専門科目の筆記対策を進めている人にとって、富山大学は追加の学習コストが小さい併願先になります。必要なのはTOEIC/TOEFLのスコアと小論文の練習、そして口頭試問で説明できる基礎学力です。北陸・信越の国立大学工学系との組み合わせを検討する方は、以下の記事もあわせて確認してください。

2028年4月入学(令和10年度)に向けて

2026年8月6日時点で、2027年4月入学の推薦(6月3日)と学力検査(7月1日)はいずれも終了し、合格発表も済んでいます。これから受験を目指す方の実質的な次の機会は2028年4月入学(令和10年度)です。すでに公表されている情報を整理します。

出願資格の変更予告(外国人志願者)

工学部は2026年4月24日に「令和10年度第3年次編入学試験に係る変更(予告)」を公表しました。学力検査による選抜の出願資格(6)(外国において学校教育における14年以上の課程を修了した者)で出願する外国人志願者について、日本語能力に関する要件が新たに追加されます。具体的には、日本学生支援機構が主催する日本留学試験(日本語)を受験した者、または日本語能力試験(1級またはN1レベル)を受験した者であることが求められ、いずれも出願期間最終日から遡って2年以内に受験した試験に限るとされています。詳細は2027年4月に公表予定の募集要項で確認してください。

要項の公表時期

直近3年の公表日は、2026年4月24日(令和9年度)、2025年4月25日(令和8年度)、2024年4月26日(令和7年度)。例年4月下旬と考えてよいでしょう。公表は富山大学の「編入学入試のお知らせ一覧」にも掲載されるため、このページを定期的に確認しておくと、要項公表や変更予告を取りこぼしません。

高専商船学科の方へ

高等専門学校の商船学科は卒業が9月のため、扱いが別になっています。令和9年度の募集要項は「令和9年度高等専門学校商船学科卒業見込者対象 令和10年度第3年次編入学学生募集要項」を兼ねており、商船学科を令和9年9月に卒業見込みの方は、この要項で令和10年4月入学として若干名の枠に出願する形になります。試験科目は他の受験生と同一で、入学手続の案内時期だけが1年後ろにずれます(令和9年11月下旬頃)。

試験科目に対応するおすすめ参考書

富山大学工学部の選抜で得点に直結するのは、①外部英語検定試験のスコア、②小論文(100点)、③面接内の口頭試問で問われる基礎学力の3つです。ここでは、募集要項が明示している出題範囲に対応する分野から、編入試験で広く使われている定番書を紹介します。各カードをタップすると詳しいレビュー記事に移動できます。

上記は募集要項に記載された出題範囲(数学=微分積分・線形代数、物理=力学・電気回路・電磁気学、化学=物理化学・有機化学・分析化学・無機化学など)に対応する分野の書籍です。富山大学工学部の出題との対応が個別に確認されているものではありません。志望コースの出題範囲に合わせて選んでください。

よくある質問

富山大学工学部の編入試験の倍率はどのくらいですか?
大学が公表している編入学入学試験実施状況によると、工学部合計の実質倍率(受験者数÷合格者数)は、2024年度入学分が2.7倍(受験41名・合格15名)、2025年度が1.4倍(受験24名・合格17名)、2026年度が2.3倍(受験30名・合格13名)です。3年を通算すると受験95名に対し合格45名で約2.1倍になります。区分別に見ると学力検査による選抜は3年通算で2.4倍、推薦による選抜は1.2倍で、推薦のほうが通りやすい傾向がはっきり出ています。
富山大学工学部の編入試験の科目と配点は?
学力検査による選抜は、英語(外部英語検定試験)100点満点、小論文100点満点、面接(基礎学力に関する試問を含む)の3段階評価、そして調査書を総合して判定されます。この配点は募集要項の「入試情報開示」に大学自身が明記しています。推薦による選抜は学力検査が免除され、調査書と面接の3段階評価だけで判定されます。英語の当日試験はなく、出願時に提出するTOEIC L&RまたはTOEFL iBTのスコアで評価されます。
英語はTOEICが必須ですか。IPテストでもいいですか?
学力検査による選抜では、TOEIC L&Rの公式認定証またはTOEFL iBTの受験者用控えスコアレポートのコピーが出願書類に含まれており、提出できなければ出願そのものが成立しません。TOEIC IPテストのスコアレポート(個人成績表)は認められないと募集要項に明記されています。有効なスコアは試験日のちょうど2年前以降に受験したものに限られ、2027年4月入学の選抜では2026年7月1日以降のテストに対して発行されたものが対象でした。TOEICとTOEFLの両方を提出した場合は、換算後の点数が高い方が使われます。
推薦による選抜は誰でも受けられますか?
一般入試の推薦は「高等専門学校(商船学科を除く)・短期大学・大学のいずれかを翌年3月に卒業見込みの者」で、出身学校長が責任を持って推薦できる方に限られます。すでに卒業している方は一般入試の推薦では出願できず、同じ勤務先に2年以上在職していることを条件とする社会人特別入試の推薦が別に用意されています。なお推薦で不合格になった方が、あらためて学力検査による選抜に出願することは募集要項で認められています。
小論文はどんな問題が出ますか?
全コース共通の1題で、試験時間は90分、解答用紙は25字×32行の横書き、字数は700字以上800字以内という形式が3年続いています。大学が公表している問題を見ると、社会的な課題や新しい技術動向がテーマとして示され、それを「自分が志望するコースで学ぶ分野」と結びつけて論じさせる構成が共通しています。大学が公表する出題意図でも、最近の時事問題に対する関心度、課題の発見と解決に関する能力、論理的思考力、文章表現力を評価するとされています。なお著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません。
面接ではどんなことを聞かれますか?
募集要項によると、面接は複数教員による20分程度の個人面接で、志望動機のほか、理系科目の基礎学力や工学に関する基礎的知識を問う「基礎学力に関する試問」が含まれます。2027年4月入学の募集要項からは、コースごとの出題範囲が表として明記されました。電気電子工学コースは数学(微分積分・線形代数)と物理(電気回路・電磁気学)、機械工学コースは数学(微分積分・線形代数)と物理(力学)および機械工学、応用化学コースは物理化学・有機化学・分析化学・無機化学、知能情報工学コースは数学・基礎的な物理学・情報学、生命工学コースは数学・物理学・化学および基礎的な生物学です。
募集人員17名はコースごとにどう配分されますか?
2027年4月入学の募集要項では「工学科全体で17人」とだけ書かれており、コース別の内訳は示されていません。前年度(2026年4月入学)の募集要項には各コースの受け入れ予定人数として電気電子3人・知能情報2人・機械8人・生命工学2人・応用化学2人という目安が載っていましたが、最新の要項ではこの内訳が消えています。出願時に志望コースを1つ選び、提出後の変更は認められないため、コース選択は要項が公表される4月下旬までに固めておくのが安全です。
定員に満たなかった場合、第2次募集はありますか?
募集要項には「入学手続完了者数が募集人員に満たない場合は、追加合格による欠員補充を行うことがある」と書かれています。実際に2026年4月入学分では、7月の選抜で入学手続者が募集人員17名を大きく下回ったため、12月に第2次募集が行われました(募集5名、機械工学・生命工学・応用化学の3コースのみ、出願2025年11月17日〜21日、試験12月10日、合格発表12月19日)。ただし工学部で第2次募集が行われたのはこの年度が近年では初めてで、毎年必ず実施されるものではありません。

まとめ

富山大学工学部の第3年次編入学試験は、当日の筆記が小論文1科目だけという、国立大学工学部としては珍しい構成です。英語は出願時に提出する外部検定試験のスコア(100点満点)、専門は面接内の口頭試問。つまり「試験当日までに何を仕上げておくか」で勝負が決まる試験です。

大学公表の実施状況から見た実質倍率は直近3年で1.4〜2.7倍、3年通算で約2.1倍。とくに推薦による選抜は3年通算1.2倍で、志願者が毎年3〜5名しかいません。卒業見込みで学校長の推薦を得られる方は、まずここを検討してください。推薦で不合格になっても、あらためて学力検査に出願できます。

準備の優先順位は明快です。第一にTOEIC L&R(IPテスト不可・有効期限は試験日の2年前以降)、第二に700〜800字の小論文、第三に志望コースの出題範囲を口で説明できる状態。この3つはいずれも数か月単位の時間が必要で、要項が出てから始めたのでは間に合いません。

そして、出願資格まわりには「知らないと出願できない」締切があります。専修学校の専門課程や外国の学校教育課程から出願する方の事前照会は、出願開始の約3週間前。受験上の配慮の協議申請は、推薦では出願期間より1週間以上前。推薦書・調査書は学校側が作る書類です。要項が公表される4月下旬に原本を読み、これらの日付を最初にカレンダーへ書き込むこと——それが、学力と同じくらい合否を左右する準備になります。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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ボタンを押すと予約ページが開きます。相談は無料で、志望校がまだ固まっていない段階でも大丈夫です。

この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)

本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要・日程・配点・出願資格・募集人員は、富山大学工学部「令和9年度第3年次編入学学生募集要項」および富山大学「編入学入学試験実施状況」「入学試験関係日程(編入学)」の原本を確認して記載し、出題傾向は大学がウェブサイトで公開している過去問題・出題意図・面接意図にもとづいて整理しています。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

最終更新: 2026年9月6日

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