中京大学文学部の編入試験対策|2年次編入の科目・日程・出願資格
中京大学文学部の編入試験は、名前から想像される姿とかなり違います。第一に、入学年次は2年次のみで、3年次編入は実施されていません。第二に、文学部には3つの学科がありますが、編入学・転入学試験を実施しているのは日本文学科だけです。第三に、筆記は「国語(小論文)」1科目のみで、英語がありません。そして最後に、その「国語(小論文)」は、テーマを与えて意見を書かせるだけの試験ではなく、漢字・古文・文学史の知識を確かめたうえで記述させる複合型でした。この記事では、2027年度の募集要項と大学が公表している選抜結果、そしてオンライン編入学院の過去問分析をもとに、出願できる条件・当日の流れ・何をどの順で勉強するかを整理します。
出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。
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試験概要(2027年度要項)
2027年度(2027年4月入学)
| 試験区分 | 編入学試験/転入学試験(同一の要項・同一の試験日) |
|---|---|
| 試験会場 | 名古屋キャンパス(愛知県名古屋市昭和区八事本町) |
| 筆記試験 | 国語(小論文)1科目のみ・10:00〜11:00。英語の筆記なし |
| 面接 | 面接(口頭試問)・13:00〜 |
| 選考方法 | 出願書類+筆記試験+面接(口頭試問)による総合判定 |
| 入学検定料 | 35,000円(納入は出願開始日の1週間前から出願締切日まで) |
| 出願方法 | 郵送(簡易書留速達郵便・消印有効) |
| 学内併願 | 不可(同一試験日の他学科・他専攻、他の入試方式との併願はできない) |
2027年度「中京大学 編入学・転入学試験要項」(2026年5月現在の内容にもとづき作成と大学が明記)にもとづきます。日程・科目・出願資格は毎年変わる可能性があるため、出願前に必ず大学が公表する最新の募集要項の原本を確認してください。
科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。
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最初に確認したい3つの前提
ここを取り違えると、準備の方向がまるごとずれます。順に確認してください。
1|入学年次は2年次のみ
要項の「編入学・転入学の入学時期」には、「学年の始めは4月とし、2年次での入学となります」と書かれています。この記述は学部ごとの但し書きではなく全学共通の条文で、試験科目の表でも文学部の入学年次欄は「2年次のみ」となっています。つまり、合格した場合は2年生として入学し、卒業までに入学後3年間かかります。短期大学や専門学校を卒業してすぐ3年次に入り、2年で学士を取ることを想定している人にとっては、在学期間が1年延びる計算になります。学費も在学年数も、この前提で見積もってください。
一方で、2年次入学には利点もあります。専門科目を1年多く積めるため、卒業論文につながる関心を落ち着いて育てられますし、教職課程のように積み上げに時間がかかる履修にも取り組みやすくなります。「早く卒業する」ことを目的にした編入には向きませんが、「学びたい分野を腰を据えてやり直す」ことを目的にした編入とは相性が良い設計です。
2|文学部で実施しているのは日本文学科だけ
中京大学文学部は、日本文学科・言語表現学科・歴史文化学科の3学科で構成されています。しかし2027年度要項の「実施学部・試験科目・試験時間」の表に載っている文学部の行は日本文学科の1行だけで、言語表現学科と歴史文化学科は表に現れません。編入学・転入学試験の対象になっていないということです。
大学案内やカリキュラムの説明には3学科がすべて登場するため、学科紹介のページだけを見ていると「どの学科でも編入できる」と誤解しやすい部分です。日本語表現やメディアの言語分析に関心がある人、日本史や民俗学に関心がある人は、中京大学の学部改編や次年度以降の要項で募集学科が変わっていないかを、その年度の要項の実施学科表で確認する必要があります。募集する学科が年度ごとに入れ替わる大学は珍しくないため、「去年こうだったから今年もこうだろう」と考えないでください。
3|筆記に英語がないのは文学部と経済学部だけ
中京大学の編入学・転入学試験は、全学部が同じ時間割で動きます。10時から11時が1科目め、11時15分から12時15分が2科目め、13時から面接という枠組みです。この1科目めに何が置かれるかが学部ごとに違い、下の表のようになっています。
| 学部 | 10:00〜11:00 | 11:15〜12:15 |
|---|---|---|
| 国際学部 | 英語(一定水準の英語資格・検定スコアがあれば免除) | 英語小論文 |
| 文学部(日本文学科) | 国語(小論文) | ― |
| 心理学部 | 英語 | 一般心理学 |
| 法学部 | 英語 | 法学 |
| 経済学部 | 経済学 | ― |
| 経営学部 | 英語 | 小論文 |
| 総合政策学部 | 英語 | ― |
| 現代社会学部 | 英語 | 小論文 |
2027年度要項「実施学部・試験科目・試験時間」より、学部ごとの筆記科目を抜き出したものです。面接(口頭試問)は全学部共通で13:00〜に実施されます。
この表からわかるのは2つです。ひとつは、文学部は英語の準備がまったく要らないということ。英語が苦手で編入をあきらめかけている人にとって、これは大きな意味を持ちます。もうひとつは、文学部は筆記が1科目しかないということです。他学部の多くが2科目で得点を分散できるのに対し、文学部は国語(小論文)の1科目に筆記の評価が集中します。1科目しかないぶん、その1科目の完成度が直接効いてくる構造だと理解してください。
なお、中京大学の編入試験を扱う情報の中には英語の出題に触れているものがありますが、それは心理学部や法学部など英語を課す学部の話です。中京大学心理学部の編入試験や中京大学法学部の編入試験とは筆記の構成が根本的に違うため、学部をまたいだ情報をそのまま自分の対策に持ち込まないよう注意してください。
出願資格|編入学と転入学のどちらで出すか
中京大学の要項は、出願資格を「編入学」と「転入学」の2区分に分けています。どちらに当てはまるかで、必要な書類も条件も変わります。まず自分がどちらなのかを確定させてください。
| 編入学 | 大学・短期大学・高等専門学校・高等学校等の専攻科を卒業および卒業見込みの者、または専修学校の専門課程を修了および修了見込みの者 |
|---|---|
| 転入学 | 他の大学(4年制)において1年間以上在学し、かつ31単位以上修得していること |
ここは誤解が多い箇所です。「31単位以上」という条件は、転入学の区分にだけかかる要件であり、編入学の区分には単位数の条件がありません。編入学は「卒業・修了(見込み)」が要件です。四年制大学に在学中で、卒業せずに移りたい人が転入学、短期大学・高等専門学校・専門学校・専攻科などを出る(出た)人が編入学、と整理すると分かりやすくなります。
転入学で出願する場合の細かい条件
- 試験日に在学していることが条件です。すでに退学している場合は転入学の区分では出願できません。
- 「在学年数」「修得単位数」は、いずれも見込みを含めて判断されます。
- 短期大学の在学生(1年次)は転入学試験を受験できません。短期大学に在籍中の人は、卒業見込みで編入学の区分に進むことになります。
- 出願書類として、在籍する大学の学長または学部長の承諾印を得た「転入学試験 受験許可書」(大学所定用紙)が必要です。承諾に時間がかかる場合があると要項自体が注意を促しているため、出願期間が始まる前から在籍校に相談を始めてください。
専修学校の専門課程を修了する場合の条件
専門学校から出願する場合は、要項の注記に細かい条件が並びます。修業年限が2年以上であることに加え、学年による教育課程の区分を設けない「単位制による学科」以外は全課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上の課程に限られます。単位制の学科および通信制の学科の場合は、総単位数が62単位以上の課程に限られます。また、1976年4月以降に入学し、1978年3月以降に課程を修了した者に限る、という年代の条件も置かれています。
加えて要項は「中京大学への出願にあたっては、専修学校において履修した課程と同系列の学部を志望することが望まれます」と書いています。義務ではありませんが、日本文学科を志望するなら、これまでの学びと日本文学・日本語の学びをどうつなげるのかを、志望理由書と面接で説明できるようにしておくべきだという示唆と読めます。
専門学校から出願する場合は、修了(見込)証明書に「専門士」の称号の付与が証明されていること、修業年限と総授業時間数の要件を満たす証明であること、履修要項・講義要項・シラバスの写しなど修得科目の授業内容を記載したものが含まれていることが求められます。学校側に発行を依頼してから揃うまで時間がかかる書類なので、出願期間の直前に動き始めると間に合いません。
試験当日の流れと持ち物
要項に書かれている当日の運用は、そのまま準備リストになります。
| 9:45〜10:00 | 受験上の注意(この時刻までに所定の試験室に入室・着席) |
|---|---|
| 10:00〜11:00 | 国語(小論文) |
| 11:15〜12:15 | 文学部は実施なし(他学部の2科目めの時間帯) |
| 13:00〜 | 面接(口頭試問) |
筆記が終わってから面接まで待ち時間があり、昼食をはさむ構成です。要項も「必要な場合は持参してください」「持参した昼食は会場でとることができます」と案内しています。集合場所は0号館センタービル前で、試験会場に駐車場はなく自家用車での来場は認められていません。
- 筆記用具: HBの黒鉛筆、鉛筆キャップ、鉛筆削り、シャープペンシル、プラスチック製の消しゴム。下敷き・定規・コンパス・辞書は使用できません。古文が出る試験でありながら辞書の持込みは認められていない点は、対策上の前提として押さえてください。
- 時計: 各試験室に時計がありません。時間を計る以外の機能が付いた時計は使えず、携帯電話・スマートフォン・ウェアラブル端末・辞書や電卓の機能があるもの・秒針音のするもの・外周45cm以上のものはいずれも不可です。機能のない腕時計を1つ用意しておくこと。
- 服装: 自由とされていますが、英文字や漢字、地図等がプリントされている服は着用しないよう指示されています。
- 遅刻: 私的な理由による遅刻は試験開始20分後まで入室できますが、時間の延長はありません。公共交通機関の遅延など本人の責任によらない理由の場合は、開始時刻を繰り下げて正規の試験時間が確保されます(遅延証明書を持参)。
- 途中退室: 原則として認められません。体調不良の場合はすぐに監督者へ申し出る運用です。
- 受験上の配慮: 病気・負傷・障がい等で配慮が必要な場合は、出願開始日の10日前までに申請が必要です。出願期間より前に締め切られる手続きなので、該当する人は最優先で確認してください。
実施状況|大学が公表している志願者数と合格者数
中京大学は「情報公開」のページで、学部・学科別の編入学試験結果を公表しています。文学部日本文学科の数字は次のとおりです。
| 年度 | 募集定員 | 志願者 | 合格者 | 入学者 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 若干名 | 1 | 0 | 0 |
| 2025年度 | 若干名 | 1 | 0 | 0 |
| 2026年度 | 若干名 | 1 | 0 | 0 |
出典: 中京大学「情報公開」の編入学試験結果(各年度5月1日現在)。大学の注記により、この数値は編入学試験と転入学試験を合計したものです。列は志願者・合格者・入学者で、受験者数の列はありません。2024年度分は現時点で参照できる形で公開されていないため、表から外しています。
倍率という形では扱えない数字です。合格者が0名の年は倍率が定義できませんし、志願者が毎年1名という規模では、1人の合否がそのまま「倍率」に見えてしまい、難易度の指標になりません。したがってこの記事では倍率の数値を出しません。
そのうえで、この表から読み取れることが1つだけあります。募集定員が「若干名」で志願者が1名でも、合格が自動的に出るわけではないということです。定員に空きがあるから通る、志願者が少ないから通る、という試験ではありません。出願書類・筆記・面接の総合判定で一定の水準に届いているかが見られており、届かなければ合格者0名という結果になっています。「競争率が低いから楽だろう」という見立ては、この学科に関しては成り立ちません。
参考として、2026年度の中京大学全体では志願者10名・合格者4名・入学者4名でした(同じ公表資料の合計行)。学部を問わず志願者数そのものが少ない試験で、心理学部のように志願者3名全員が合格している年もあります。学部によって様子が違うため、他学部の数字を文学部に当てはめないでください。
出題傾向|国語(小論文)は知識と記述の複合型
ここが、この記事でもっとも伝えたい部分です。科目名は「国語(小論文)」ですが、オンライン編入学院の過去問分析では、テーマを与えて意見を書かせるだけの試験ではありませんでした。60分の試験時間の中に、知識問題・古文読解・記述論述が組み合わされています。要項の試験科目表にも「古典を含む場合があります」という注が付いており、この構成と整合します。
直近で確認できた実施回の構成は、おおよそ次の比重でした。
設問数の構成比です。配点は公表されていないため、点数配分ではありません。著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません。
大問1|漢字・四字熟語
空欄に漢字を補って四字熟語を完成させる形式の設問がまとまって出題されました。熟語の意味が併記され、そこから該当する熟語を思い出して書く形です。選択式ではなく書くため、読めるだけでは得点になりません。
対策は明快です。高校段階の四字熟語集・慣用句集を1冊決め、「意味を見て漢字で書ける」状態まで持っていくこと。書き取りは短時間で積み上がる領域なので、準備期間の早い段階から毎日少量ずつ続けるのが効率的です。設問数の比重も小さくないため、ここを落とすと1科目しかない筆記で挽回しにくくなります。
大問2|古文の読解
古文の文章が示され、その内容について複数の設問が続く形式でした。確認された設問の型は次のとおりです。
- 語句の意味: 本文中の古語の意味を選択肢から選ぶ設問。古語単語の基礎知識が直接効きます。
- 敬語の判定: 敬語表現について、種類(尊敬・謙譲・丁寧)と敬意の向き(誰から誰への敬意か)の組み合わせを答える設問。文法事項の中でも、敬語は編入試験で差が付きやすい領域です。
- 本文からの抜き出し: 特定の人物の発話部分を本文中から探し、その最初と最後の数字を記す設問。誰の言葉かを追いながら読む力が問われます。
- 記述による内容説明: 傍線部の語の意味を答えたうえで、どういう点がそう評されているのかを自分の言葉で説明する設問。単語の意味と文脈理解の両方が必要です。
- 日本文学史: 作品の成立時代を手がかりに、該当する作品を漢字で答える設問。作品名・成立時代・ジャンルの基本的な対応関係が問われます。
出典は中世(鎌倉期)の説話文学から採られていました。日本文学科は古代・中世・近世・近現代の各時代の文学を専門とする教員を配置し、お伽草子や軍記物語を中心に古典籍の収集を続けている学科です。古典の比重が大きい出題は、この学科の性格と一致しています。
対策としては、高校の古文の学習範囲を体系的に復習することが最短です。古語単語・助動詞・敬語の3点を固めたうえで、説話・物語系の短めの文章を数多く読み、誰の発言か・誰への敬意かを追いながら精読する練習を積んでください。前述のとおり辞書の持込みは認められていませんから、単語力は当日そのまま得点差になります。文学史は、高校の便覧レベルの「作品名と成立時代の対応」を、ジャンルごとに整理して覚えておけば十分に対応できる水準でした。
大問2の最後|400字程度の課題論述
古文の読解のあとに、古典文学に関わるテーマを与えられ、扱う対象を自分で絞ったうえで300字以上400字以下でまとめる記述が置かれていました。「小論文」という科目名は主にこの部分を指していると考えられます。
ここで求められているのは、時事問題への意見ではなく、日本の古典文学作品を具体的に挙げながら論じる力です。作品を1つも思い出せなければ、文章構成の技術があっても書けません。逆に言えば、対策の方向がはっきりしています。
- 古典作品を時代・ジャンル別に10作品程度、あらすじと主題を1〜2文で言えるようにしておく。
- 作品をまたぐ横断的な視点(自然の描かれ方、人物の造形、無常観、笑いの扱い方など)でメモを作り、それぞれ2〜3作品を例に挙げられるようにしておく。
- 400字の答案を実際に時間を計って書く。60分の中で知識問題と読解を終えてから書くため、書き始められる時間は限られます。時間配分の練習が必須です。
- 書いたものは必ず第三者に読んでもらい、論理の飛躍と字数超過・不足を指摘してもらう。
出題の形式・分野は年度によって変わります。上記は直近で確認できた実施回の構成であり、次年度も同じ形式で出題されることを保証するものではありません。要項の試験科目欄と注記を毎年確認してください。
面接(口頭試問)の準備
要項の試験科目表には、面接(口頭試問)に「高等学校で学んだ基礎学力及び時事問題を問う場合があります」という注が付いています。これは全学部共通の注記で、志望理由を聞くだけの面接ではないと大学自身が明示していることになります。
選考方法は「出願書類+筆記試験+面接(口頭試問)にて総合判定」と定義されています。筆記が1科目しかない文学部では、相対的に書類と面接の比重が高くなると考えるのが自然です。以下を準備してください。
- 志望理由: 日本文学科で何を研究したいのかを、作品名・時代・分野のレベルまで具体化しておく。「本が好きだから」で止まらないこと。要項でも所定用紙の志望理由書に「志願理由を詳しく記入してください」と求められています。
- これまで読んできた作品: 挙げた作品について、内容・面白いと思った点・疑問に思った点を口頭で説明できるようにしておく。答案に書いた作品を聞かれることも想定しておく。
- 高校段階の基礎学力: 国語の文法・文学史・漢字など、筆記で問われた領域は口頭でも問われ得ます。筆記対策がそのまま面接対策を兼ねます。
- 時事問題: 新聞やニュースで、言語・文化・教育・出版・地域文化などに関わる話題を月に数本、自分の言葉で要約しておく。文学部志望らしい関心の方向で拾うのが現実的です。
- 2年次入学であることの説明: なぜ3年間かけて学び直すのか、その時間で何を達成するのかを説明できるようにしておく。2年次編入という制度設計そのものへの理解を示せると説得力が上がります。
対策ロードマップ
試験日は10月中旬、出願は9月中旬です。逆算すると、実質的な準備期間は半年程度を確保できると安心です。
- 6か月前(4月〜5月)要項の原本を入手し、自分が編入学と転入学のどちらの区分かを確定させる。転入学の場合は在籍校への受験許可書の相談を開始する。古文は古語単語と助動詞の総復習から着手し、四字熟語の書き取りを毎日の習慣に組み込む。日本文学科で研究したいテーマの候補を3つ挙げてみる。
- 4か月前(6月〜7月)古文の敬語(種類と敬意の向き)を集中的に固める。説話・物語系の短文を週2〜3本読み、発話主体と敬意の向きを書き込みながら精読する。文学史は時代別の一覧を作り、代表作品を埋めていく。志望理由書の下書きを開始する。
- 3か月前(7月〜8月)400字の記述練習を週1本のペースで始める。古典作品を横断する視点でのメモづくりを並行する。証明書類(学業成績証明書・卒業見込証明書等)の発行手続きと発行にかかる日数を出身校に確認する。専門学校出身の場合はシラバス等の写しの入手方法も確認する。
- 1か月前(9月)出願(9月16日〜9月24日・消印有効)。書類は郵送でそろえる必要があるため、締切当日ではなく数日前に投函する。検定料の納入期間は出願開始日の1週間前から出願締切日まで。以後は60分の通し演習に切り替え、知識問題→古文→記述の時間配分を身体に入れる。
- 直前2週間四字熟語と古語単語の総点検。文学史の一覧を通しで確認。面接の想定問答を声に出して練習する。試験室に時計がないため、機能のない腕時計を用意して演習でも使う。
- 試験当日(10月17日)9:45までに入室・着席。筆記のあと昼食をはさんで13:00から面接。昼食は持参してよい。
出願手続きの実務
中京大学の一般選抜はインターネット出願ですが、編入学・転入学試験は願書を郵送する方式です。要項の記載にもとづく手順は次のとおりです。
- 受験上の配慮が必要な場合の申請(出願開始日の10日前まで)。期限を過ぎると措置を講じられないと明記されています。
- 入学検定料35,000円の納入(出願開始日の1週間前から出願締切日まで)。コンビニ現金支払いまたは電子決済。
- 共通の書類: 志願票・写真票・受験票(顔写真の貼付、受験票には所定の金額の切手と現住所)、学業成績証明書(必ず単位数が記載されたもの)、返送用貼付用紙。証明書は3か月以内に作成されたものを提出します。
- 編入学で出願する場合: 大学所定用紙「編入学試験 志望理由書」、卒業(見込)証明書。専修学校修了者は修了(見込)証明書(専門士の称号、修業年限・総授業時間数の要件、修得科目の授業内容を記載した資料を含む)。
- 転入学で出願する場合: 大学所定用紙「転入学試験 受験許可書」(在籍大学長または学部長の承諾印)、在学証明書。
- 履修中の科目がある場合: 学業成績証明書に加えて「単位修得見込証明書」または「履修証明書」を提出します。出願締切に間に合わない場合は試験当日持参が認められますが、その場合は遅れる旨・理由・送付予定時期をA4用紙に記入して同封する必要があります。
- 送付: 「簡易書留速達郵便」で中京大学 入試センター宛(消印有効)。追跡番号を控えること。到着についての個別問い合わせには応じないと明記されているため、郵便追跡サービスで自分で確認します。
- 受験票: 試験日の約1週間前までに郵送されます。3日前になっても届かない場合は入試センターへ連絡します。
併願の設計
要項の入試日程欄には「併願可(学内外)」とありますが、直後に「同じ試験日の他学科・他専攻及び同じ試験日の他の入試方式との併願はできません」と条件が付いています。中京大学の編入学・転入学試験は全学部・全学科が2026年10月17日の同一日程・同一時間割で実施されるため、学内で2つの学科を受けることは事実上できません。中京大学の中では、志望学科を1つに絞る必要があります。
一方、他大学との併願は制限されていません。試験日が10月17日(土)に固定されているため、他大学の日程がこの日と重ならなければ併願は成立します。東海地方で日本文学・国文学系の学びができる編入試験としては、愛知大学 文学部、南山大学 人文学部、愛知学院大学 文学部、中部大学 人文学部などが候補になります。国公立を含めて広く見るなら名古屋大学 文学部も選択肢に入ります。
併願を組むうえで、中京大学に特有の注意点が1つあります。第一次入学手続の締切が2026年11月10日(火)で、ここまでに入学金20万円を納入しないと入学資格を失います。そして「一度納入された入学金は、いかなる理由があっても一切返還いたしません」と明記されています。11月中旬以降に試験がある大学を第一志望にしている場合、中京大学に合格すると結果が出る前に入学金を払うかどうかの判断を迫られます。併願校の合格発表日と、この11月10日の関係を、出願前に必ず並べて確認してください。
なお、入学手続は二段階です。第一次入学手続(入学金の納入)のあと、最終入学手続期間は2027年2月20日(土)〜3月10日(水)で、この期間に春学期分の授業料等を納入し入学手続書類を提出します。所定の期日までに入学辞退の手続きをした場合は、入学金を除く入学時納付金が返還されます。
入学後|単位認定・在学年数・学費
単位認定は出願前に確認できない
要項の「単位換算」の項では、中京大学の各学科の教育課程に同一の科目がある場合は原則として単位を認定し、科目名が異なる場合も分野や内容の同一性に重点を置いて弾力的に扱うとされています。柔軟な運用ではありますが、決定的なのは次の一文です。「単位の換算については入学後に審査等が行われるため、出願前に確認することはできません」。
つまり、出願の段階で「自分の単位が何単位認定されるか」を大学に問い合わせて確約してもらうことはできません。認定される単位数によって2年次以降の履修計画は変わりますから、単位が思ったより認定されなかった場合でも卒業できるかを前提に、学費と在学年数を見積もっておくのが安全です。あわせて、要項には「単位修得見込科目の単位修得など、合格に条件をつける場合があります」という注意事項もあります。合格が条件付きになる可能性を念頭に、在籍校での単位取得は最後まで気を抜かないでください。
在学年数は通算8年が上限
他の大学・短期大学・高等専門学校(4年次・5年次)・専修学校の専門課程における在学年数は、中京大学における在学年数として通算されます。通算して8年を超えて在学することはできません。すでに複数の学校に在籍してきた人は、この通算の上限に余裕があるかを事前に計算しておく必要があります。
学費(2027年度・2年次入学)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学時納付金 計 | 816,000円 |
| 初年度年間納付金 計 | 1,396,000円 |
| 入学金(入学時のみ) | 200,000円 |
| 授業料(年額) | 846,000円 |
| 教育充実費(年額) | 284,000円 |
| 諸経費(年額) | 66,000円 |
2027年度要項「2年次編入学・転入学(2027年度2年次入学生納付金内訳)」の文学部(日本文学科)欄より。納付金は春・秋学期の2回に分けて納付します。入学金以外は3年次以降も同額(諸経費は3年次以降それぞれ年額15,000円)とされています。学費等は学則等の改定に伴い変更されることがあります。
中京大学の中で比べると、文学部(日本文学科)の入学時納付金816,000円は、国際学部の880,000円や心理学部の862,500円より低く、法・経済・経営・現代社会学部の805,000円や総合政策学部の815,000円よりわずかに高い水準です。国際学部との差は教育充実費、心理学部との差は実験実習費と授業料によるもので、文学部と総合政策学部の1,000円の差は学会費の有無によるものです。突出して高い学部ではありませんが、2年次入学で卒業まで3年間かかることを踏まえ、初年度だけでなく3年分の総額で資金計画を立ててください。
取得できる免許・資格
中京大学文学部の案内によれば、教職免許は日本文学科・言語表現学科で高校・中学の国語と書道の免許が取得でき、3学科ともに司書・司書教諭・学芸員・日本語教師の資格が取得できるとされています。日本文学科の学びを教育や図書館・博物館の仕事につなげたい人にとっては重要な情報です。
日本文学科では何を学ぶか
志望理由書と面接の材料になるので、学科の性格も押さえておきましょう。中京大学の日本文学科は、自らを「単なる国文学ではない」と説明し、世界文学の中で日本文学がどこに位置するのかを考究することを目標に掲げています。古代・中世・近世・近現代の各時代の文学を専門とする教員を配置し、学生が日本文学の全体像をつかんだうえで学びたい領域に進めるようにしていること、日本語学・国語教育の領域にも人材を配していることが特色として挙げられています。
また、研究資料としてお伽草子や軍記物語を中心とする古典籍や原典資料の収集を続けており、内外の評価を得ていると説明されています。編入試験で古文の読解と日本文学史が問われるのは、この学科の重心と一致しています。志望理由を書くときは、「日本文学が好き」という一般論ではなく、この学科が力を入れている時代・ジャンルと自分の関心をどう重ねるのかを具体的に述べると説得力が出ます。
なお文学部の3学科は他学科科目の履修が認められており、日本文学科に在籍しながら現代日本語の表現分析(言語表現学科)や日本史・民俗学(歴史文化学科)の科目を組み合わせることも可能とされています。編入学試験の実施学科は日本文学科だけですが、入学後の学びの幅は学科名から想像されるより広いということです。
直前期チェックリスト
- 四字熟語・慣用句を意味から漢字で書ける状態か(読めるだけでは不足)
- 古語単語・助動詞・敬語(種類と敬意の向き)を辞書なしで処理できるか
- 説話・物語系の文章で、発話主体と敬意の向きを追いながら読めるか
- 作品名と成立時代の対応を、時代別・ジャンル別に整理できているか
- 400字の記述を、60分の通し演習の中で時間内に書き切れるか
- 古典作品を10作品程度、あらすじと主題を1〜2文で言えるか
- 志望理由を、研究したい時代・ジャンル・作品まで具体化できているか
- 時事問題を、言語・文化・教育の観点で数本、自分の言葉で説明できるか
- 機能のない腕時計を用意したか(試験室に時計がない)
- 受験票が届いたか(試験日の約1週間前まで。3日前で未着なら連絡)
- 昼食の準備をしたか(筆記のあと13:00の面接まで待ち時間がある)
よくある質問
中京大学文学部の編入は3年次編入ですか?
いいえ。2027年度の編入学・転入学試験要項には「学年の始めは4月とし、2年次での入学となります」と明記されており、入学年次は2年次のみです。これは文学部だけでなく、中京大学で編入学・転入学を実施している全学部に共通します。したがって卒業までは入学後3年間かかり、3年次編入と同じ感覚でスケジュールを組むと計画が1年ずれます。
文学部のどの学科に出願できますか?
2027年度要項の「実施学部・試験科目・試験時間」の表に載っている文学部の学科は日本文学科だけです。文学部には日本文学科・言語表現学科・歴史文化学科の3学科がありますが、編入学・転入学試験を実施しているのは日本文学科のみで、言語表現学科と歴史文化学科は募集の対象外です。実施学科は年度によって変わる可能性があるため、出願前に必ずその年度の要項の表で確認してください。
英語の試験はありますか?
文学部日本文学科には英語の筆記試験がありません。2027年度要項の試験科目の表では、文学部の筆記は10時00分から11時00分の国語(小論文)1科目だけで、11時15分からの2科目めの欄は「―」になっています。英語の資格・検定スコアの提出を求める記載も、文学部については要項にありません。中京大学の他学部は多くが英語を課すため、学部をまたいで情報を見るときは混同しないよう注意してください。
国語(小論文)はテーマ型の小論文だけですか?
いいえ。オンライン編入学院の過去問分析では、科目名は「国語(小論文)」ですが、実際には漢字・四字熟語の知識問題、古文の読解問題、日本文学史の知識問題、そして400字程度の記述問題が1つの試験時間に組み合わされた形式でした。要項の試験科目表にも「古典を含む場合があります」という注が付いています。テーマ型の小論文だけを練習していると、試験時間の前半でつまずく可能性があります。
面接(口頭試問)では何が問われますか?
2027年度要項の試験科目表には、面接(口頭試問)に「高等学校で学んだ基礎学力及び時事問題を問う場合があります」という注が付いています。志望理由や学びたい研究テーマに加えて、高校段階の基礎知識や社会の出来事についても質問され得るということです。選考は出願書類・筆記試験・面接の総合判定とされているため、面接は補助的な確認ではなく合否を左右する要素として準備してください。
中京大学の他学部と併願できますか?
できません。2027年度要項には「併願可(学内外)」とありますが、続けて「同じ試験日の他学科・他専攻及び同じ試験日の他の入試方式との併願はできません」と書かれています。中京大学の編入学・転入学試験は全学部・全学科が2026年10月17日の同一日程・同一時間割で実施されるため、学内で2つの学科を受けることは事実上できません。他大学との併願は可能です。
取得した単位はどこまで認定されますか?
2027年度要項では、中京大学の各学科の教育課程に同一の科目がある場合は原則として単位を認定し、科目名が異なる場合も分野や内容の同一性に重点を置いて弾力的に扱うとされています。ただし「単位の換算については入学後に審査等が行われるため、出願前に確認することはできません」と明記されており、出願段階で認定単位数を確約してもらうことはできません。あわせて、他大学等での在学年数は中京大学での在学年数として通算され、通算8年を超えて在学することはできない点にも注意してください。
まとめ
中京大学文学部の編入試験は、日本文学科の2年次入学を目指す試験です。筆記は国語(小論文)の1科目のみで英語がなく、その1科目の中に漢字・四字熟語、古文の読解、日本文学史、そして400字程度の記述が組み合わされています。テーマ型の小論文対策だけでは足りず、高校の古文と国語の知識をきちんと固め直すことが最短の道筋です。
大学が公表している選抜結果を見ると、志願者が少なくても合格者が出ない年が続いています。「募集定員が若干名だから通りやすい」試験ではありません。逆に言えば、古文と記述の準備を正面から積み上げた受験生にとっては、英語の負担なく勝負できる貴重な選択肢でもあります。
出願は郵送のみ、書類の変更は一切認められず、第一次入学手続の締切は11月10日です。日程・科目・出願資格は毎年変わる可能性があるため、準備を始める前に必ず大学が公表する最新の募集要項の原本を確認してください。
あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。
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監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要は大学が公表する募集要項をもとに毎年度確認し、出題傾向はオンライン編入学院の過去問分析にもとづいています。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ|最終更新: 2026年8月6日

