九州工業大学情報工学部の編入試験対策|筆記なしの選抜と学科別の倍率
九州工業大学情報工学部の第3年次編入学生選抜は、会場で解く筆記試験がありません。かわりに、試験日の約3週間前に公表される「第3年次編入学生選抜問題」を自宅で解いて郵送し、その解答用紙を手元に置いた状態で当日の口頭試問を受けます。参考書を見ても、人に相談してもよい代わりに、出典と相談相手を書いて提出する決まりです。評価は面接点700点・調査書点100点・自己申告書点100点・TOEIC点100点の合計1,000点満点。TOEICのスコアシートは出願書類に含まれ、提出できなければ出願そのものが受理されません。大学が公表した実施状況では、情報工学部全体の倍率(受験者数÷合格者数)は2024年度2.2倍、2025年度1.7倍、2026年度2.2倍で推移し、学科別では知能情報工学科が最も高くなっています。さらに2028年度の選抜から、5学科制が「情報工学科」1学科・4分野へ再編されることが予告されています。この記事では、令和9年度(2027年度)の募集要項原本と大学公表の実施状況をもとに、この独特な試験で何を準備することになるのかを整理します。
出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。
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試験概要(2027年度要項)
2027年度(2027年4月入学)
| 入学年次 | 第3年次。修業年限2年、在学できる期間は4年以内 |
|---|---|
| 選抜区分 | 推薦選抜/一般選抜(併願不可。出願できるのは工学部か情報工学部のどちらか一方のみ) |
| 試験会場 | 九州工業大学情報工学部 飯塚キャンパス(福岡県飯塚市川津680-4)。集合場所は大講義棟の500人講義室 |
| 選抜方法 | 筆記試験なし。調査書・自己申告書・TOEICスコア・面接(各学科が指定する科目の口頭試問を含む)の総合評価 |
| 配点 | 面接点700点+調査書点100点+自己申告書点100点+TOEIC点100点=1,000点満点。推薦選抜で書類のみの選考となる場合は調査書点200点+自己申告書点100点=300点満点 |
| 出願方法 | インターネット出願登録(2026年5月7日9時〜)+提出書類を速達簡易書留で郵送または持参(5月19日17時必着) |
| 必要単位 | 62単位は一般選抜の出願資格(1)「他の大学に2年以上在学」の区分にかかる要件。高等専門学校・短期大学の卒業(見込み)者など他の区分には課されません |
| 入学検定料 | 30,000円(別途サービス利用料1,090円) |
| 入学料・授業料 | 入学料282,000円(予定額)/授業料 前期・後期とも各267,900円(予定額。年額535,800円) |
| 合格発表 | 2026年7月2日10時〜。第1次入学手続は2026年9月11日17時必着、第2次入学手続は2027年2月17日16時30分必着 |
この表は令和9年度(2027年度)第3年次編入学生選抜学生募集要項(情報工学部)にもとづきます(更新日: 2026-09-06)。2026年8月6日時点で2027年度の日程はすべて終了しています。2028年4月入学を目指す方は、例年4月ごろ公表される次年度の募集要項を大学公式サイトで確認してください。日程・募集人員・選抜方法・出願資格は毎年変わる可能性があります。
学科別の募集人員
| 学科 | コース | 募集人員 |
|---|---|---|
| 知能情報工学科 | データ科学/人工知能/メディア情報学 | 7名 |
| 情報・通信工学科 | ソフトウェアデザイン/情報通信ネットワーク/コンピュータ工学 | 9名 |
| 知的システム工学科 | ロボティクス/システム制御/先進機械 | 9名 |
| 物理情報工学科 | 電子物理工学/生物物理工学 | 5名 |
| 生命化学情報工学科 | 分子生命工学/医用生命工学 | 5名 |
| 合計 | — | 35名 |
募集人員は推薦選抜と一般選抜の合計です。コースは出願時には選べません。合格後、2027年1月下旬に送られる第二次入学手続書類に「志望コース調査」が同封され、そこで希望を回答する流れになっています。合格者数が募集人員に満たない場合は第2次募集が行われることがあり、実施する場合は8月末までに大学ホームページで発表されます。ただし情報工学部は3年連続で募集人員を上回る合格者を出しており、令和8年度の入学試験総括表でも第2次募集の対象は工学部の2学科のみと注記されています。第2次募集を当てにした計画は立てないほうが安全です。
科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。
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この試験のいちばんの特徴——筆記がない
会場で解く筆記試験はありません。試験日の約3週間前に大学が「第3年次編入学生選抜問題」を公表し、受験者は自宅でそれを解いて解答用紙を郵送します。当日はその解答用紙を資料として、各学科が指定する科目の口頭試問が行われます。
この方式は、一般的な編入試験とは準備の性質がまったく違います。制限時間内に手を動かして解ききる速さではなく、「自分が書いた解答を、その場で根拠から説明できるか」が評価対象になるからです。募集要項には、解答用紙の記載内容そのものは点数化せず、それにもとづく口頭試問の内容を面接点として評価すると明記されています。つまり、答えが合っていることは前提であって、得点はそのあとの説明で決まります。
解答にあたっては書籍等を参考にしてよいとされています。ただし、調査や相談をした場合は、解答用紙の末尾に書誌情報やURL、相談相手と自分との関係を必ず記載しなければなりません。手書きでもパソコン入力でもかまいませんが、図表を貼る場合は所定の解答用紙内に収める必要があります。提出前にコピーを取っておくことも要項で勧められています(大学からコピーの提供は受けられません)。
そして最も注意すべき条件が、提出期限に間に合わなかった場合、または第1志望の学科が指定する問題を解答しなかった場合は、その科目の口頭試問を受験できないという規定です。郵送は当日消印有効ですが、書き上げるまでに使える時間は問題公表から約1週間しかありません。
2027年度の実際のスケジュール
- 2026年5月7日 9時〜インターネット出願登録の開始。自己申告書(500字×2本)もこの段階で登録する
- 2026年5月13日〜5月19日出願書類の受付。17時必着。速達簡易書留で郵送または持参
- 2026年5月28日まで大学から選抜問題の確認用URL・パスワード、解答用紙、返送用封筒が届く
- 2026年5月29日各学科が指定する問題を大学ホームページで公表
- 2026年6月5日解答用紙の提出期限(当日消印有効)。速達簡易書留で発送
- 2026年6月12日 15時〜受験票の公開。面接免除者はこの欄に「面接免除」と記載される
- 2026年6月20日または21日試験日(いずれか1日。日時は受験票で通知)
- 2026年7月2日 10時〜合格発表
- 2026年9月11日 17時必着第1次入学手続
- 2027年2月17日 16時30分必着第2次入学手続
問題の公表から解答提出まで約1週間という日程は、この試験の実質的な山場です。出願を終えた5月中旬から下旬にかけて、指定科目の教科書を手元にそろえ、いつでも書き始められる状態にしておく必要があります。また、第1次入学手続の締切が7月上旬の合格発表から2か月以上あとの9月11日に設定されている点も、併願を考えるうえで押さえておきたい要素です。
TOEICは出願要件かつ配点対象
TOEICのスコアシートは、推薦選抜・一般選抜のどちらでも必ず提出する書類です。募集要項には「出願時にスコアシートを提出できない場合は,出願を受理しません」と明記されています。さらにスコアは換算されて100点満点のTOEIC点として合否判定に使われます。
ここは間違えると出願そのものができなくなる項目なので、条件を細かく確認してください。2027年度の選抜では、提出できるのは2024年度第1回検定以降に受験したスコアで、TOEIC-IP(団体特別受験制度)のスコアレポートも認められていました。提出するのは「TOEICスコア公式認定証」または「TOEIC-IPスコアレポート」の原本、もしくは「TOEICスコアデジタル公式認定証」の印刷物です。提出したスコアシートは返却されません。
再発行手続きが間に合わず原本を提出できない場合は、公式な証明書の写しに出身学校長の原本証明(原本と相違ない旨の記入と校長印)を受けたもので代えられます。デジタル公式認定証の印刷物であればQRコードで発行元を確認できるため、原本証明は不要とされています。
実務上の注意は「受験機会の少なさ」です。出願は5月中旬なので、スコアが手元にない状態から始めると、公開テストの日程・結果返却までを逆算して前年の秋冬には受け始める必要があります。所属校でIP試験が実施されるなら、その日程を必ず先に押さえてください。1,000点満点のうち100点という配点は、面接点700点に比べれば小さく見えますが、面接という主観の入りやすい評価に対して、TOEICは事前に確実に積める100点です。合否が数点で分かれる位置にいる受験生ほど効いてきます。
難易度と倍率(大学公表データ)
九州工業大学は第3年次編入学生選抜の実施状況を公表しています。入学試験総括表(令和8年度)と、募集要項巻末の「過去の編入学生選抜実施状況」の2つの資料から、3年分の数値がそろいます。以下はいずれも情報工学部の数値のみを抜き出したものです(同じ資料に工学部の行も並びますが、キャンパスも試験も別なので混在させていません)。
| 年度(入学年度) | 募集人員 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 入学者 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024年度 | 35 | 113 | 99 | 46 | 39 | 2.2倍 |
| 2025年度 | 35 | 93 | 83 | 49 | 36 | 1.7倍 |
| 2026年度 | 35 | 117 | 102 | 47 | 34 | 2.2倍 |
倍率は受験者数÷合格者数で計算しています(志願者数÷合格者数ではありません)。年度は入学年度で、たとえば2026年度=令和8年度は2025年6月に実施された試験です。出典は九州工業大学「令和8年度 入学試験総括表」および「令和9年度/令和8年度 第3年次編入学生選抜学生募集要項(情報工学部)」巻末の実施状況。
合格者数は3年とも46〜49名で安定しています。募集人員35名に対して1.3倍前後の合格者を出す運用が続いており、倍率が動いているのは受験者数のほうです。2025年度に受験者が83名まで減ったときは1.7倍まで下がりましたが、翌年は102名に戻り2.2倍になりました。単年度の倍率で難易度を判断せず、3年の幅(1.7〜2.2倍)でとらえてください。
学科別の実施状況
| 学科 | 2024年度受験/合格 | 2025年度受験/合格 | 2026年度受験/合格 | 倍率の幅 |
|---|---|---|---|---|
| 知能情報工学科 | 33/10 | 26/13 | 45/13 | 2.0〜3.5倍 |
| 情報・通信工学科 | 23/11 | 26/13 | 27/12 | 2.0〜2.3倍 |
| 知的システム工学科 | 17/12 | 15/10 | 19/14 | 1.4〜1.5倍 |
| 物理情報工学科 | 8/6 | 7/6 | 7/5 | 1.2〜1.4倍 |
| 生命化学情報工学科 | 18/7 | 9/7 | 4/3 | 1.3〜2.6倍 |
合格者には第2志望・第3志望による合格者が含まれます(募集要項の注記)。志願者は第1志望の学科で数えられる一方、合格者は実際に合格した学科で数えられるため、学科別の数値は第1志望どうしの競争率そのものではありません。とくに人気学科から流れてきた受験生を受け入れている学科では、見かけの倍率が実態より低く出ます。
3年を通して読み取れるのは、知能情報工学科に志願が集中しているという一点です。2026年度は受験45名に対し合格13名で3.5倍。同じ年の物理情報工学科は受験7名・合格5名で1.4倍でした。データ科学・人工知能・メディア情報学という3コースを抱える学科なので、情報系志望者の第1志望が集まりやすい構造になっています。
一方で、生命化学情報工学科は受験者数の振れ幅が大きい点に注意してください。2024年度18名、2025年度9名、2026年度4名と減り続けており、母数が小さいため単年度の倍率は指標になりません。志望学科として検討するなら、倍率よりも化学・生物を口頭で説明できるかという中身で判断すべき学科です。
推薦選抜と一般選抜では通過率が違う
入学試験総括表には、志願者・受験者・合格者それぞれについて一般選抜の内数が示されています。ここから推薦選抜の数を引き算で出せます。2026年度入学の情報工学部合計は次のとおりです。
| 区分 | 志願者 | 欠席者 | 受験者 | 合格者 | 辞退者 | 入学者 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 推薦選抜 | 26 | 0 | 26 | 17 | 0 | 17 | 1.5倍 |
| 一般選抜 | 91 | 15 | 76 | 30 | 13 | 17 | 2.5倍 |
| 合計 | 117 | 15 | 102 | 47 | 13 | 34 | 2.2倍 |
2026年度(令和8年度)入学の実績。出典は九州工業大学「令和8年度 入学試験総括表」の情報工学部小計行(一般選抜の内数が括弧書きで示されているため、推薦選抜は差引で算出しています)。
この表から3つのことが読めます。
1つめは、推薦選抜のほうが通りやすいこと。受験26名・合格17名で1.5倍、一般選抜は76名・30名で2.5倍でした。推薦選抜の出願資格は「高等専門学校本科または短期大学を卒業した者または卒業見込みの者で、出身学校長が人物・学力ともに優秀と認めて推薦するもの」かつ「合格した場合、入学することを確約できる者」です。高専生・短大生でこの条件を満たせるなら、推薦選抜を選ぶ意味は大きいといえます。
2つめは、欠席と辞退がすべて一般選抜側で起きていること。推薦選抜は入学確約が条件なので、欠席0名・辞退0名です。一方、一般選抜は志願91名のうち15名が欠席し、合格30名のうち13名が辞退しています。合格者の4割強が辞退しているということは、この試験を併願先の1つとして受けている層が相当数いるということでもあります。
3つめは、実際の入学者が推薦17名・一般17名で拮抗していること。推薦の枠が明示的に区切られているわけではありませんが、結果として半々に近い構成になっています。一般選抜で受験する場合、実質的に争っているのは35名の全部ではないという前提で計画を立てるほうが現実的です。
志望学科の決め方——第3志望まで書ける制度
出願時に第3志望まで学科を選択できます。第2志望・第3志望を「選択しない」とすることもできますが、第2志望を選択しない場合は第3志望も自動的に選択しないことになります。選考は原則として第1志望学科で行われ、そこで合格に届かなかった場合に第2志望・第3志望が検討される仕組みです。
ここで効いてくるのが、口頭試問の指定科目が学科ごとに違うという点です。第2志望の学科が第1志望と別の科目を指定していても、事前に提出するのは第1志望の学科が指定する問題の解答だけです。つまり志望順位は、そのまま「どの科目で勝負するか」の宣言になります。
| 学科 | 科目 | 出題範囲 |
|---|---|---|
| 知能情報工学科 | 数学 | 線形代数、解析(微分・積分) |
| 情報基礎 | プログラミング | |
| 情報・通信工学科 | 数学 | 線形代数、解析(微分・積分) |
| 情報基礎 | 論理回路、プログラミング | |
| 知的システム工学科 | 数学 | 線形代数、解析(微分・積分) |
| 物理 または情報基礎 | 物理=力学(機械・材料・流体)、制御から1つを選択/情報基礎=プログラミング | |
| 物理情報工学科 | 数学 | 線形代数、解析(微分・積分) |
| 物理 または情報基礎 | 物理=力学、電磁気学、電気回路から1つを選択/情報基礎=プログラミング | |
| 生命化学情報工学科 | 数学 | 線形代数、解析(微分・積分) |
| 化学・生物 または情報基礎 | 化学=基礎化学、有機化学、物理化学/生物=基礎生物学、細胞生物学、分子生物学/情報基礎=プログラミング |
令和9年度(2027年度)第3年次編入学生選抜学生募集要項(情報工学部)の「第3年次編入学生選抜問題(口頭試問)の出題範囲」より。選択科目はインターネット出願登録時に選び、解答用紙の所定欄に選んだ問題を記載します。選択を間違えると口頭試問が成立しません。
数学(線形代数と微分積分)は5学科すべてに共通です。ここは志望学科がまだ固まっていない段階からでも安心して積める部分なので、最初に着手すべき領域といえます。差が出るのはもう1科目のほうです。
- プログラミングで戦うなら:知能情報工学科・情報・通信工学科は情報基礎が必須で、他の3学科も情報基礎を選べます。プログラミングを軸にすると、志望順位の組み替えがしやすくなります
- 論理回路まで含むのは情報・通信工学科だけ:同じ「情報基礎」でも範囲が1つ広い点に注意してください
- 物理で戦うなら学科によって中身が違う:知的システム工学科は力学(機械・材料・流体)と制御、物理情報工学科は力学・電磁気学・電気回路。どちらも1問だけ選ぶ形式です
- 生命化学情報工学科だけが化学・生物を扱えます:化学系・バイオ系の高専学科から出願する場合の受け皿になります
口頭試問で何が問われるのか
九州工業大学は、実施済みの選抜について「出題の意図」を公表しています。これは大学自身が「何を測ったか」を明示した一次資料で、対策の方向を決めるうえで最も信頼できる材料です。著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していませんが、公表されている出題の意図から次のことが分かります。
| 年度 | 科目 | 大学が示した意図 |
|---|---|---|
| 2026年度 (令和8年度) | 数学 | 線形代数における行列と固有値・固有ベクトルに関する基本事項とその応用についての理解力・思考力(知能情報/情報・通信/知的システム/物理情報の4学科) |
| 数学 | 解析におけるリーマン和と定積分・広義積分に関する基本事項とその応用(生命化学情報工学科) | |
| 情報基礎 | プログラミングにおけるデータ構造とアルゴリズムに関する基本事項についての理解力・思考力 | |
| 2025年度 (令和7年度) | 数学 | 線形代数における行列と固有値・対角化に関する基本事項とその応用(情報・通信/知的システム/物理情報の3学科) |
| 数学 | 解析におけるマクローリン展開と逆関数の微分に関する基本事項とその応用(知能情報/生命化学情報の2学科) | |
| 情報基礎 | プログラミングにおけるデータ構造とアルゴリズムに関する基本事項についての理解力・思考力 |
出典は九州工業大学「令和8年度/令和7年度 第3年次編入学生選抜・情報工学部 数学・情報基礎『出題の意図』」。
ここから読み取れる最大のポイントは、数学の出題が線形代数と解析の2系統で、学科ごとにどちらが割り当てられるかが年度によって入れ替わるということです。2025年度は知能情報工学科に解析が、2026年度は同じ学科に線形代数が割り当てられました。「自分の学科は線形代数だけやればいい」という絞り方は成り立ちません。出題範囲が「線形代数、解析(微分・積分)」と両方書かれている以上、どちらが来ても答えられる状態にしておく必要があります。
そのうえで、線形代数で繰り返し中心に置かれているのは固有値・固有ベクトル・対角化の一帯です。2年連続でここが軸になっており、行列のべき乗や対角化の意味づけまで含めて理解しておく価値があります。解析側は、リーマン和と定積分の関係、広義積分、マクローリン展開、逆関数の微分といった、定義に立ち返って説明できるかを問いやすい題材が選ばれています。
情報基礎は2年ともデータ構造とアルゴリズムでした。特定の言語の文法知識ではなく、配列や連続する要素の走査といった基本操作を、関数として設計して説明できるかが問われています。大学が公表している問題例でも、言語は「適当なプログラミング言語を用いて」と指定されておらず、書き方より設計の説明が中心であることが分かります。
口頭試問の進み方
受験者の報告によると、口頭試問と面接を合わせた所要時間は15分から20分程度と短く、試験官は3名前後です。机の上に自分が提出した解答用紙が置かれ、それを見ながら質疑応答が進みます。背後にホワイトボードが用意されていて、必要に応じて書きながら説明する形式だったという報告もあります。
問われ方の傾向としては、計算結果そのものより「なぜその方法を選んだのか」に比重があるという声が共通しています。線形代数なら、用語の定義を自分の言葉で言えるか、なぜその手順を踏むのかを説明できるか。物理なら、複数ある法則のうちどれを使ったか、別の法則ではなぜ解かなかったのか。解答が正しいことは出発点で、そこから先の説明が評価対象という募集要項の記述と、報告されている実態は一致しています。
オンライン編入学院に寄せられた2027年度受験者の記録にも、同じ傾向が表れています。
「過去の情報を見ながら面接対策をせっていしていただいたが、口頭試問に関して自分で説明できるかより、他の方法で可能かやこうしたらどうなる?などの応用が多いと感じた。(私は面接を受けていません。)」
2027年度受験・情報工学部 知能情報工学科(試験直後アンケート)
つまり、想定問答を暗記していく準備では足りません。「別のやり方でも解けるか」「条件を変えたらどうなるか」に自分の言葉で応じられる状態まで持っていくことが、この試験の対策です。教科書を読んで解けるようにするだけでなく、誰かに向かって声に出して説明する練習を反復する必要があります。
自己申告書の組み立て方
自己申告書は100点満点の配点を持ち、推薦選抜で書類のみの選考になった場合は300点中100点という大きな比重を占めます。インターネット出願登録時に、次の2項目をそれぞれ500字以内で、箇条書きではなく文章形式で入力します。
| 項目 | 要項が指定する3つの要素 |
|---|---|
| 志望理由 (500字以内) | ①その学科を第1志望とした経緯/②第1志望学科に編入学した際に勉強したい・研究したい内容/③その内容を将来どのように活かそうと考えているか |
| これまでに 取り組んだこと (500字以内) | ①取り組んだ内容/②それによって身についた能力や知見/③そのことを編入学後にどのように活かそうと考えているか |
どちらも「過去→現在→未来」で3つの要素を書けと指定されている点が特徴です。採点する側は要素がそろっているかを見ますから、500字を1本の作文として書くより、3要素それぞれに150字前後を配分する設計にしたほうが漏れがありません。とくに②の「勉強したい・研究したい内容」は、学科ではなくコース単位の専門分野まで具体化できると説得力が出ます。学科ページで各コースが扱う領域を確認したうえで書いてください。
「これまでに取り組んだこと」の対象は高等専門学校もしくは高等学校入学以降と指定されています。卒業研究、コンテスト、長期の制作物、アルバイトや部活動でも、②で身についた能力を言語化でき、③で編入後につなげられるなら題材になります。
そして最も重要なのは、自己申告書は面接の質問リストそのものになるということです。募集要項には、調査書・自己申告書・選抜問題の解答用紙の記載内容を面接時の質問項目として反映させると明記されています。書いた内容は必ず掘り下げられる前提で、事実関係と数字を正確に書き、それぞれについて2〜3段深く聞かれても答えられるようにしておいてください。
推薦選抜には面接免除がある
推薦選抜に出願した人のうち、在学中の成績が優秀で総合力が優れている場合は、第1志望学科において書類のみの選考で面接を免除し、合格とすることがあります。免除された人は、受験票の試験日・集合時間の欄に「面接免除」と記載され、受験票のダウンロード開始日時に大学ホームページ上で受験番号が公表されます。
このときの配点は調査書点200点+自己申告書点100点=300点満点です。面接点もTOEIC点も使われません。つまり、推薦で出願する高専生・短大生にとっては、在学中の成績と自己申告書の完成度が、試験当日を待たずに合否を決める可能性があるということになります。2027年度の受験者からは、次のような指摘が寄せられています。
「面接免除者が各学科から2人〜4人ほど出ていたので、初期に学校に提出する志望動機などをしっかりと書くことが大切だと思います。情熱を持ってやりたいことを書くことが大切です。」
2027年度受験・情報工学部 知能情報工学科(試験直後アンケート)
面接免除の人数は大学から公表されていないため、上の人数は個人の観測にもとづく参考情報です。ただし、推薦で出願するなら自己申告書の作り込みが最初の勝負どころになるという示唆は、配点構造とも整合しています。
対策ロードマップ
- 試験の10〜12か月前(前年の夏まで)TOEICの受験計画を立てる。所属校でIP試験があるなら日程を確認し、公開テストしかないなら結果返却日から逆算して2〜3回分の受験機会を確保する。並行して線形代数と微分積分の教科書を1周し、定義を自分の言葉で言える状態にする
- 6〜9か月前(秋〜冬)志望学科を第3志望まで仮決めし、口頭試問の指定科目を確定させる。数学は固有値・固有ベクトル・対角化と、リーマン和・広義積分・マクローリン展開のような定義に立ち返る題材を重点的に。情報基礎ならデータ構造とアルゴリズムを、物理なら選択予定の1分野を集中的に固める
- 4〜5か月前(1〜2月)「解けるか」から「説明できるか」へ切り替える。解いた問題を、教員や友人に口頭で説明する練習を始める。手順の理由、別解の有無、条件を変えたときの挙動まで言えるかを毎回確認する
- 3か月前(3月ごろ)自己申告書の下書きを作る。志望理由と「これまでに取り組んだこと」を、それぞれ3要素・各150字前後で構成し、学校の先生に読んでもらう。推薦選抜を狙う場合は、この時点で学校長推薦の学内手続きも確認しておく
- 1〜2か月前(4〜5月)募集要項が公表されたら、募集学科・日程・TOEICの有効期間・提出書類を原本で確認する。調査書・成績証明書・推薦書は学校側の作成に時間がかかるため、この時期に依頼を出す。インターネット出願登録の開始日に合わせて自己申告書を完成させる
- 出願直後(5月下旬)選抜問題が公表されたら約1週間で解答をまとめる。参考にした書籍・URL・相談相手を記録しながら解き、提出前に必ずコピーを取る。速達簡易書留の受領証は試験終了まで保管する
- 直前2週間(6月上旬〜)提出した解答のコピーを教材にして、想定問答ではなく「なぜそう解いたか」の説明練習を反復する。第1志望学科の志望理由と卒業研究の内容も、口頭で1〜2分にまとめられるようにしておく
出願までのチェックリスト
2027年度(2027年4月入学)の日程はすでに終了しています。以下は2028年4月入学を目指す場合の実務チェックリストです。日付は2027年度の実績にもとづく目安なので、次年度の募集要項が公表され次第、必ず原本で置き換えてください。
- 募集要項の入手:例年4月ごろ、九州工業大学の入試ページに「第3年次編入学生選抜」の募集要項(情報工学部・工学部が別冊)が掲載されます。2028年度は募集単位が5学科制から情報工学科1学科・4分野へ変わる予告が出ているため、学科名を前提にした準備をそのまま持ち越さないでください
- TOEICスコアの手配:出願書類に含まれ、提出できなければ出願が受理されません。有効な受験時期の条件(2027年度は2024年度第1回検定以降)が要項に明記されるので、そこを最初に確認します
- 選抜区分の決定:推薦選抜と一般選抜は併願できません。高等専門学校本科または短期大学の卒業(見込み)者で、学校長の推薦を受けられ、合格したら入学を確約できるなら推薦選抜が候補になります
- 学部の選択:1人が出願できるのは工学部か情報工学部のどちらか一方だけです。飯塚キャンパス(情報工学部)と戸畑キャンパス(工学部)で試験も内容も別なので、早い段階で決めます
- 志望学科(分野)の順位付け:第3志望まで選べます。第1志望が指定する科目の問題だけを解答するため、順位付けは科目選択と一体です
- 証明書類の手配:調査書(本学所定様式に出身学校長が作成し厳封)、成績証明書(厳封)、最終出身学校の卒業/修了(見込)証明書、推薦選抜なら推薦書。いずれも学校側の作業が必要なので、出願期間の3〜4週間前には依頼します
- インターネット出願登録:出願情報・自己申告書・顔写真データの登録と検定料30,000円(+サービス利用料1,090円)の支払い。登録だけでは出願は完了しません。期間内に提出書類が届いて初めて受理されます
- 書類の郵送:角形2号封筒に宛名ラベルを貼り、速達簡易書留で郵送(持参も可)。受領証は試験終了まで保管します
- 選抜問題の解答提出:問題公表から提出期限まで約1週間。期限に間に合わない、または第1志望学科の指定問題を解答しなかった場合、その科目の口頭試問を受験できません
試験当日と試験後の注意
試験当日は受験票を必ず持参します。30分以上遅刻すると面接を受けられなくなる場合があると要項に明記されているので、飯塚キャンパスへの経路は前日までに確定させてください。学校保健安全法で出席停止が定められている感染症に罹患して治癒していない場合は受験できず、追試験・別室受験などの特別措置や検定料の返還はありません。
試験後については、入学試験成績の開示制度があります。2027年度の選抜では、2026年9月1日から9月11日必着で受験者本人が申し込むと、総合点と募集単位の合格者最低点(合格者は合格した学科、不合格者は第1志望学科のもの)が開示されました。翌年に再挑戦を考える場合、自分が何点足りなかったのかを知れる貴重な仕組みです。受験票は合格発表後も捨てずに保管してください(開示請求に必要です)。
2028年度から募集単位が変わる
2026年4月の改組にともない、2028年度(令和10年度)の第3年次編入学生選抜から募集単位が「情報工学科」1学科・4分野に変わることが、2027年度の募集要項に予告として掲載されています。募集人員の合計35名は変わりません。
| 分野 | 受入目安 | 口頭試問の科目と出題範囲 |
|---|---|---|
| 知能情報工学 | 14名程度 | 数学=線形代数、解析(微分・積分)/情報=プログラミング |
| 電子情報通信工学 | 8名程度 | 数学=線形代数、解析(微分・積分)/物理=電磁気学、電気回路/情報=論理回路、プログラミング |
| 知的システム工学 | 8名程度 | 数学=線形代数、解析(微分・積分)/物理=力学(機械・材料・流体)、制御、電磁気学から1つ選択/情報=プログラミング |
| 生命情報工学 | 5名程度 | 数学=線形代数、解析(微分・積分)/化学=基礎化学、有機化学、物理化学/生物=基礎生物学、細胞生物学、分子生物学/情報=プログラミング |
令和9年度(2027年度)第3年次編入学生選抜学生募集要項(情報工学部)の「令和10年度入学者選抜(令和9年度実施)の変更点[予告]」より。受入目安は推薦と一般の合計。各分野の各科目について、記載の出題範囲の中から1つ、もしくは複数を複合した問題が1問出題されると注記されています。
変更点を現行制度と比べると、次のようになります。
- 5学科が4分野に集約されます。現行の学科と新しい分野の対応関係は要項に明示されていないため、学科名で読み替えず、分野ごとの出題範囲を見て自分の専門に近いところを判断してください
- 電子情報通信工学分野では物理(電磁気学・電気回路)が指定されます。現行の情報・通信工学科は数学と情報基礎だけだったので、電気系の高専学科から出願する人にとっては使える科目が増えることになります
- 知的システム工学分野の物理に電磁気学が加わります。現行は力学と制御の2択でしたが、3択になります
- 受入目安が分野ごとに示されます。知能情報工学14名程度は、現行の知能情報工学科7名の倍にあたる数字です。志願が集中していた領域の受け皿が広がることになります
- 推薦と一般、書類のみの選考による面接免除の枠組みは維持されます。1人が出願できるのは1学部のみという条件、合格者数が募集人員に満たない場合の第2次募集の可能性も同じです
2028年4月入学を目指す方は、学科名ではなく分野名で情報を確認するようにしてください。ネット上には2027年度以前の5学科制を前提にした情報が当分残り続けます。最終的な募集人員・出願資格・日程は、例年4月ごろ公表される令和10年度の募集要項原本で確認してください。
おすすめ参考書
口頭試問の出題範囲として大学が公表している分野(線形代数の固有値・対角化、電磁気学の基本法則など)に対応する内容を含む本を、オンライン編入学院の参考書データベースから紹介します。九州工業大学の過去問との個別対応を確認したものではなく、公表されている出題分野との対応で選んでいます。カードをタップするとレビュー記事に移動できます。
手を動かしてまなぶ線形代数 藤岡 敦数学
編入の線形代数徹底研究 基本事項の整理と問題演習数学
すぐわかる線形代数 石村園子,畑宏明数学
弱点克服大学生の電磁気学 石川 裕物理
基礎電磁気学 電磁気学マップに沿って学ぶ 細川 敬祐物理
演習しよう電磁気学物理線形代数は、計算の手順書のような本だけで進めると口頭試問で行き詰まります。定義と定理の関係が追える構成の本を1冊決めて、証明の筋道ごと理解するほうがこの試験には向いています。電磁気学は物理情報工学科・知的システム工学科(2028年度以降)で選択科目になるため、志望が固まってから着手すれば十分です。
併願を考えるときのポイント
九州工業大学情報工学部を受けるうえで、併願設計に直接影響する条件が3つあります。
1つめは学内併願ができないこと。募集要項に「1人の志願者が本学に出願できるのは1学部のみです」と明記されています。工学部(戸畑キャンパス)と情報工学部(飯塚キャンパス)は、試験日も試験場も選抜方法も別ですが、どちらか一方しか出願できません。工学部の選抜は調査書と面接(基礎学力や工学に対する適性等に関する口頭試問を含む)の総合評価で、配点は面接点600点+調査書点400点=1,000点満点。情報工学部のような事前提出の選抜問題はなく、TOEICスコアの提出も求められません。同じ大学でも準備の中身がまったく違うので、早い段階でどちらを受けるか決めてください。
2つめは推薦選抜と一般選抜も併願できないこと。出願資格が区分ごとに異なり、推薦選抜には入学確約の条件が付きます。高専生・短大生は、推薦の学内選考に通る見込みがあるかを早めに確認したうえで、どちらで出願するかを決める必要があります。
3つめは日程が6月下旬と早いこと。国立大学の編入試験は6月から9月に分散しており、6月20日・21日という日程は前半に位置します。合格発表が7月2日、第1次入学手続が9月11日なので、夏から秋に試験がある大学を後ろに置く併願計画が組みやすい構造です。逆にいえば、この試験の準備が春先まで固まっていないと、他大学の対策と重なる時期に選抜問題の解答作成が入ってきます。
なお2026年度は、一般選抜の合格者30名のうち13名が入学を辞退しています。この試験を「本命ではなく手前で受ける1校」として使っている層が一定数いることの表れといえます。自分がどちらの立場で受けるのかによって、事前提出の解答にかける時間配分も変わってきます。
編入後に待っていること
合格後の生活設計に関わる情報も、要項と大学ページで確認できる範囲で整理しておきます。
単位認定は個別の書類審査です。情報工学部はJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けた基準にもとづき、3年次編入学生の既修得単位を認定します。合格後、1月下旬に教務係から案内が郵送され、3月の指定日までに単位認定希望科目調査書・出身校の全学年分のシラバス・成績証明書(厳封)・卒業論文の4点を提出します。シラバスは認定を希望する科目だけでなく、出身校で単位を修得した全科目分が必要です。4月の入学時には単位認定担当者との面談があり、指定された科目の教科書やノートの提出を求められることもあります。
認定された科目は「既修得科目」とみなされ、在学中にその科目を履修することはできません。募集要項には、認定される単位数と編入学後の学修状況によっては修業年限の2年で卒業できない場合もあると明記されています。合格が決まったら、シラバスと卒業論文の電子データを早めに手元にそろえておいてください。
教職課程を希望する場合は制約があります。情報工学部で取得できるのは高等学校教諭一種免許状(情報)です。教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目については、卒業要件に係る教養教育科目区分の単位数と併せて20単位が認定の上限になります。「教科に関する専門的事項」の単位は出身課程によって上限が決まっており、高等専門学校の第4・第5学年に係る課程と専修学校の専門課程は10単位、短期大学の専攻科・高等専門学校の専攻科は5単位が限度です。この表に該当しない大学等の出身者は、出身校に教職認定課程があるかどうかで認定の可否が変わります。2年間で免許まで取り切れるかは出身校の履修内容次第なので、入学後に情報工学研究院の教務係へ相談するよう案内されています。
ノートパソコンは必携です。九州工業大学は全学でノートパソコンの必携化を実施しており、学部によってスペック要件が異なります。入学までに各自で準備する必要があるため、入学手続の費用に加えて見込んでおいてください。経済的支援の制度についても大学ホームページに案内があります。
キャンパスについても確認しておきましょう。情報工学部は福岡県飯塚市の飯塚キャンパスで、工学部の戸畑キャンパス(北九州市)とは別の場所です。試験会場も飯塚キャンパスの大講義棟で、そのまま通学することになるキャンパスと同じです。
直前期チェックリスト
- 提出した解答のコピーは手元にあるか:口頭試問はこの解答をもとに進みます。大学からコピーの提供は受けられません
- 解答の各ステップに「なぜ」を答えられるか:使った定理を選んだ理由、別の方法で解けるか、条件を変えたらどうなるかを声に出して確認する
- 参考にした書籍・URL・相談相手を記載したか:記載は要項が求めている手続きです。相談したこと自体は問題ではありません
- 選択科目の記載欄を間違えていないか:物理・化学・生物などで複数から選ぶ学科は、解答用紙の所定欄に選んだ問題を記載する必要があります
- 自己申告書に書いた内容を説明できるか:志望理由と「これまでに取り組んだこと」は面接の質問項目に反映されます。書いた事実関係を再確認しておく
- 受験票を印刷したか、面接免除の記載はないか:受験票の試験日・集合時間の欄を確認します
- 集合場所と経路を確認したか:飯塚キャンパス大講義棟の500人講義室。30分以上の遅刻は面接を受けられなくなる場合があります
- 体調管理:出席停止が定められている感染症に罹患して治癒していない場合は受験できず、追試験や検定料の返還はありません
- 受験票は発表後も保管する:成績開示の請求に必要です
よくある質問
九州工業大学情報工学部の編入試験に筆記試験はありますか?
会場でその場で解く筆記試験はありません。かわりに、試験日の約3週間前に大学が公表する「第3年次編入学生選抜問題」を自宅で解いて郵送し、その解答用紙をもとに試験当日に口頭試問を受けます。解答用紙そのものは点数化されず、それにもとづく口頭試問の内容が面接点として評価されます。選考は面接点700点、調査書点100点、自己申告書点100点、TOEIC点100点の合計1,000点満点です。
九州工業大学情報工学部の編入試験の倍率は?
大学が公表した実施状況では、情報工学部全体で2024年度が受験99名・合格46名(受験者数÷合格者数で2.2倍)、2025年度が受験83名・合格49名(1.7倍)、2026年度が受験102名・合格47名(2.2倍)でした。学科別では知能情報工学科が2.0〜3.5倍と最も高く、知的システム工学科は1.4〜1.5倍、物理情報工学科は1.2〜1.4倍で推移しています。生命化学情報工学科は受験者数が4〜18名と年度差が大きく、単年度の倍率は難易度の指標になりません。また合格者には第2志望・第3志望での合格者が含まれるため、学科別の数値は第1志望どうしの競争率そのものではありません。
TOEICのスコアは必要ですか?
必要です。TOEICのスコアシート(IP試験も可)は推薦選抜・一般選抜のどちらでも出願書類に含まれており、募集要項には出願時にスコアシートを提出できない場合は出願を受理しないと明記されています。さらにスコアは換算されて100点満点の「TOEIC点」として合否判定に使われます。受験時期にも条件があり、2027年度入学の選抜では2024年度第1回検定以降のスコアが対象でした。出願を決めた時点で最優先に手配すべき項目です。
推薦選抜と一般選抜はどちらが有利ですか?
2026年度入学の実施状況では、推薦選抜が受験26名・合格17名(1.5倍)、一般選抜が受験76名・合格30名(2.5倍)でした。推薦選抜は高等専門学校本科または短期大学の卒業(見込み)者で、学校長の推薦を受けられ、合格したら入学を確約できる人が対象です。要件を満たすなら推薦選抜のほうが通過率は高い傾向にあります。ただし推薦選抜と一般選抜の併願はできず、出願できるのは工学部か情報工学部のどちらか一方だけです。
志望学科はいくつまで書けますか?
出願時に第3志望まで選択できます(コースの選択は入学手続時で、出願時にはできません)。第2志望・第3志望を「選択しない」とすることも可能ですが、第2志望を選択しない場合は第3志望も自動的に選択しないことになります。選考は原則として第1志望学科で行われ、合格者には第2志望・第3志望での合格者も含まれます。志望順位の付け方が合否に直結する試験です。
2028年度以降の編入試験はどう変わりますか?
2026年4月の改組にともない、2028年度(令和10年度)の第3年次編入学生選抜から募集単位が変わることが2027年度募集要項に予告されています。現在の5学科制ではなく「情報工学科」1学科のなかで、知能情報工学(14名程度)、電子情報通信工学(8名程度)、知的システム工学(8名程度)、生命情報工学(5名程度)の4分野に受け入れる形になり、募集人員の合計は35名で変わりません。口頭試問の出題範囲も分野ごとに再編され、電子情報通信工学分野には物理(電磁気学・電気回路)が加わります。
この記事の情報はいつ時点のものですか?
令和9年度(2027年度)第3年次編入学生選抜学生募集要項(情報工学部)、令和8年度入学試験総括表、令和8年度・令和7年度の口頭試問の出題の意図をもとに、2026年9月6日に更新しています。2027年度の日程はすでに終了しており、2028年4月入学を目指す方は例年4月ごろ公表される次年度の募集要項を確認してください。日程・募集人員・選抜方法・出願資格は年度によって変わるため、最終的な判断は必ず大学が公表する最新の募集要項で行ってください。
まとめ
九州工業大学情報工学部の第3年次編入学生選抜は、「解ける」ことより「説明できる」ことを測る試験です。会場で解く筆記はなく、自宅で1週間かけて仕上げた解答を手元に置いて口頭試問に臨みます。参考書を見ても人に相談してもよい代わりに、その解答の一つひとつについて根拠を問われます。暗記型の準備が最も通用しにくい形式であり、逆にいえば、日ごろから理由まで理解して学んできた人が報われる形式でもあります。
実務面で最も見落としやすいのがTOEICです。スコアシートは出願書類に含まれ、提出できなければ出願自体が受理されません。しかも1,000点満点のうち100点として合否に効きます。出願を検討し始めた時点で、受験可能な時期と有効な検定回を要項で確認してください。
数字の面では、情報工学部全体の倍率は3年間で1.7〜2.2倍。学科別では知能情報工学科が2.0〜3.5倍と抜けて高く、物理情報工学科・知的システム工学科は1.2〜1.5倍で推移しています。区分別では推薦選抜1.5倍・一般選抜2.5倍で、高専・短大から学校長推薦を受けられるなら推薦選抜のほうが通過率は高い傾向にあります。ただし合格者には第2志望・第3志望での合格者が含まれるため、学科別の数値は目安として扱ってください。
そして2028年度の選抜からは、5学科制が「情報工学科」1学科・4分野へ再編されます。これから準備を始める方は、学科名ではなく分野名を軸に情報を集め、例年4月ごろ公表される次年度の募集要項原本で募集単位・日程・出願資格を必ず確認してください。
あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。
ボタンを押すと予約ページが開きます。相談は無料で、志望校がまだ固まっていない段階でも大丈夫です。
監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要は大学が公表する募集要項をもとに毎年度確認し、更新しています。出題傾向は大学が公表する出題の意図とオンライン編入学院の過去問分析に、受験者の声はオンライン編入学院に寄せられた試験直後アンケートにもとづいています。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ|最終更新: 2026年9月6日

