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福島大学人文社会学群

福島大学人文社会学群の編入試験対策|倍率・出題傾向・合格ロードマップ

福島大学人文社会学群の編入試験は、人間発達文化学類・行政政策学類・経済経営学類の3学類がそれぞれ独立して選抜を行う試験です。いずれも編入学と学士入学(=すでに大学を卒業して学士の学位を持つ人の入学)を合わせて10名の募集で、3年次からの入学になります。

試験科目の組み立ては学類ごとにまったく違います。人間発達文化学類は英語・小論文・面接の3本立て(各100点・合計300点)、行政政策学類は英語と小論文の学力検査200点に面接のA・B・C評価を加える方式、経済経営学類は外国語と専門科目の学力検査200点のみで面接がありません。どの学類を選ぶかで、準備する中身が半年単位で変わります。

難易度は、大学が公表している実施状況から受験者数÷合格者数で計算すると、直近の2026年度で1.8〜2.5倍でした。数字の上では極端に高い倍率ではありませんが、募集人員10名に対して毎年30名前後が受験しており、合格最低点は200点満点で103〜151点と年度による振れ幅が大きいのが特徴です。安全圏を作るには7割を狙う設計が要ります。

この記事では、2027年度(令和9年度)の募集要項の原本と、大学が公表している実施状況・入学試験統計資料・過去問題をもとに、3学類それぞれの日程と配点、倍率と合格最低点の推移、公開されている問題から読み取れる出題傾向、そして出願までにやることを順に整理します。

出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。

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まず押さえる3つのポイント

細部に入る前に、福島大学人文社会学群の編入を検討するうえで最初に知っておきたい点を3つに絞ります。この3つを知っているかどうかで、準備の組み方が変わります。

①出願に「修得単位数」の条件がない。2027年度の要項では、大学からの編入を目指す人の出願資格は「大学に2年以上在学した者」という在学期間の条件だけで、何単位以上という要件が定められていません。62単位以上を求める大学が多いなかで、これは出願のハードルが1つ少ないことを意味します。

②行政政策学類と経済経営学類は同じ日に試験がある。2027年度はどちらも2026年10月7日(水)で時間割も重なるため、学内併願はできません。人間発達文化学類だけが2026年9月9日(水)と別日程です。

③大学が過去問と「出題意図」を自分で公開している。入試情報のページで、3学類の外国語科目・小論文・専門科目の問題が年度別に公開されています。小論文には大学自身が書いた「出題意図」まで付いています。これは対策の出発点として非常に強い材料です。

試験概要(2027年度の最新要項)

2027年度(令和9年度)

2027年4月入学を目指す人が対象となる、最新の募集要項にもとづく概要です。3学類とも編入学(3年次)と学士入学(3年次)を同じ試験で選抜します。

10名×3学類募集人員
9月9日10月7日試験日(2026年)
3年次入学年次
学類人間発達文化学類行政政策学類経済経営学類
募集人員計10人
(A系 約3・B系 約4・C系 約3)
10人10人
出願期間2026年8月18日〜8月21日2026年9月1日〜9月8日2026年9月1日〜9月8日
試験日2026年9月9日(水)2026年10月7日(水)2026年10月7日(水)
試験科目外国語科目100点
小論文100点
面接100点
英語100点
小論文100点
面接(A・B・C評価)
外国語科目100点
専門科目100点
(面接なし)
合格発表2026年9月17日(木)2026年10月15日(木)2026年10月15日(木)
志願理由書必要必要不要

出願期間の締切はいずれも午後5時。インターネット出願の登録期間は、人間発達文化学類が2026年8月16日〜8月21日、行政政策学類・経済経営学類が2026年8月30日〜9月8日(いずれも午後4時30分まで)で、出願期間とは開始日が異なります。合格発表はいずれも午前11時。入学手続期間は3学類共通で2026年12月11日〜12月18日(午後4時必着)です。この表は2027年度(令和9年度)福島大学人文社会学群 編入学および学士入学 学生募集要項にもとづきます(確認日: 2026年8月6日)。

試験当日の時間割

3学類とも午前に学力検査2科目、午後に面接という流れです。試験場は福島大学(福島市金谷川1番地)で、集合時間は出願期間終了後に大学のウェブサイトで案内されます。

時間人間発達文化学類(9月9日)行政政策学類(10月7日)経済経営学類(10月7日)
9:00〜10:30外国語科目英語外国語科目
11:00〜12:30小論文小論文専門科目
13:30〜面接面接

筆記はいずれも90分。経済経営学類は午前で試験が終わる一方、他の2学類は面接まで1日がかりになります。遠方から受験する場合、経済経営学類は日帰りが可能でも、人間発達文化学類・行政政策学類は前泊を検討したほうが安全です。

費用の目安

検定料は30,000円、入学料は282,000円(予定額)、授業料は年額535,800円(予定額・前期後期各267,900円)です。授業料は入学後に口座引落で納入するため、入学時に用意するのは入学料と諸会費になります。なお福島大学には、東日本大震災・原発事故および平成23年度以降の激甚災害で被災した人を対象とした検定料の全額免除制度があり、条件に該当する場合は出願時に検定料を支払わずに申請します。非課税世帯などを対象とした入学料・授業料の減免制度もあります。

科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。

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難易度・倍率(大学公表データ)

福島大学は入試情報のページで「編入学および学士入学試験」の実施状況を毎年公表しており、学類別(人間発達文化学類はさらに系別)に募集人員・志願者数・受験者数・合格者数・入学手続完了者数の5つの数字が載っています。ここでは倍率=受験者数÷合格者数で計算しています。志願者数ではなく受験者数を分母にしているのは、出願だけして当日欠席する人が毎年一定数いるためで、実際に会場で戦う相手の数に近づけるためです。

学群全体の推移

入学年度志願者受験者合格者倍率入学手続完了者
2023年度142131443.0倍30
2024年度110109422.6倍27
2025年度9385422.0倍27
2026年度9082392.1倍23

志願者数は4年で142名から90名へと減っており、それに伴って倍率も3.0倍から2倍前後に落ち着いています。合格者数が募集人員(3学類で計30名)を上回っているのは、他大学との併願で辞退する人を見込んでいるためです。実際、入学手続完了者は合格者の半分強にとどまる年が続いています。「募集10名だから10人しか受からない」という読み方はこの試験には当てはまりません。

1.0 2.0 3.0 4.0 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度 3.1 2.5 3.3 2.5 1.8 2.1

人間発達文化学類行政政策学類経済経営学類

学類別の実施状況

学類入学年度志願者受験者合格者倍率
人間発達文化学類2023年度4543143.1倍
2024年度4343152.9倍
2025年度3837142.6倍
2026年度3130122.5倍
行政政策学類2023年度4138152.5倍
2024年度2727161.7倍
2025年度2925151.7倍
2026年度3025141.8倍
経済経営学類2023年度5650153.3倍
2024年度4039113.5倍
2025年度2623131.8倍
2026年度2927132.1倍

3学類のうち、もっとも安定して倍率が低いのは行政政策学類で、直近3年は1.7〜1.8倍で推移しています。経済経営学類は2024年度に3.5倍まで上がったあと1.8倍・2.1倍と下がっており、年度による振れが大きい学類です。人間発達文化学類は緩やかに志願者が減りながら2.5〜3.1倍で推移しています。

人間発達文化学類は「系」ごとに合否が決まる

人間発達文化学類を志望する場合、学類全体の倍率よりも系別の数字を見る必要があります。募集人員がA系約3人・B系約4人・C系約3人と系ごとに割り振られており、実施状況も系別に公表されているためです。系とコースの対応は次のとおりです。

含まれるコース募集人員
A系教育実践コース/心理学・幼児教育コース/特別支援・生活科学コース約3人
B系人文科学コース/数理自然科学コース約4人
C系芸術・表現コース/スポーツ健康科学コース約3人
2023年度2024年度2025年度2026年度
A系4.0倍
(20/5)
3.8倍
(19/5)
1.6倍
(8/5)
2.5倍
(10/4)
B系3.2倍
(19/6)
2.8倍
(17/6)
4.3倍
(26/6)
3.4倍
(17/5)
C系1.3倍
(4/3)
1.8倍
(7/4)
1.0倍
(3/3)
1.0倍
(3/3)

カッコ内は受験者数/合格者数。倍率は受験者数÷合格者数で計算しています。

系によって難易度がはっきり分かれます。C系(芸術・表現/スポーツ健康科学)は受験者が毎年3〜7名と少なく、直近2年は受験者全員が合格しています。一方でB系(人文科学/数理自然科学)は受験者が多く、2025年度は4.3倍まで上がりました。A系(教育実践/心理学・幼児教育/特別支援・生活科学)は年度によって1.6倍から4.0倍まで大きく動きます。コースの所属は入学手続の際に、合格した系のなかで希望するコースに決まる仕組みです。

合格最低点は200点満点で103〜151点

福島大学は「入学試験統計資料(合格最低点)」も毎年公表しています。合格者が10人以上いる区分だけが公開対象で、編入学・学士入学については行政政策学類と経済経営学類の2学類が該当します。

入学年度行政政策学類経済経営学類
2023年度109/200点(54.5%)120/200点(60.0%)
2024年度103/200点(51.5%)151/200点(75.5%)
2025年度130/200点(65.0%)112/200点(56.0%)
2026年度123/200点(61.5%)120/200点(60.0%)

行政政策学類は英語100点+小論文100点の合計、経済経営学類は外国語100点+専門科目100点の合計が分母です。4年間の幅は51.5%〜75.5%で、平均するとおよそ6割。ただし経済経営学類の2024年度が75.5%まで上がっているように、受験者層が厚い年は一気に7割台になります。「6割取れば受かる」ではなく、「7割を安定して取れる状態を作れば、どの年でも合格圏に入る」と考えるのが妥当です。

行政政策学類については、面接がC評価(面接の基準を満たさないと判断された場合)だと学力検査の得点にかかわらず不合格になると要項に明記されています。点数を積み上げても面接で足元をすくわれる設計なので、面接を「おまけ」と考えるのは危険です。人間発達文化学類は系ごとの合格者が10人未満のため、合格最低点は公開されていません。

出願資格と出願手続

単位数の条件がないのが最大の特徴

2027年度の要項では、編入学の出願資格は次のように定められています。3学類でほぼ共通です。

  • 大学に2年以上在学した者(休学期間を除く。2027年3月までに条件を満たす見込みの人を含む)
  • 短期大学または高等専門学校を卒業した者(2027年3月までの卒業見込みを含む。外国の短期大学、および外国の短期大学相当として指定された日本国内の学校を含む)
  • 高等学校の専攻科の課程を修了した者のうち、学校教育法第58条の2により大学に編入学できる者(中等教育学校の後期課程の専攻科、特別支援学校高等部の専攻科の修了者を含む)
  • 専修学校の専門課程を修了した者のうち、学校教育法第132条により大学に編入学できる者
  • 学校教育法施行規則附則第7条により大学に編入学することができる者

ここで注目したいのは、「大学に2年以上在学」の区分に修得単位数の条件が付いていないことです。多くの国公立大学は「62単位以上修得」あるいは「修得見込み」を条件にしますが、福島大学人文社会学群の要項にはその記載がありません。在学期間の条件だけで出願できるため、単位の取りこぼしがあって他大学の出願資格を満たせない人にとっては現実的な選択肢になります。

ただし勘違いしてはいけないのは、入学後の単位認定は別の話だという点です。要項には「編入学・学士入学者の修業年限は2年。ただし、入学前の既修得単位の認定との関わりで、必ずしも2年間で卒業できない場合があります(在学期間は最大4年)」と明記されています。出願は通っても、認定される単位が少なければ卒業までに3年かかることがあり得ます。ここは出願前に大学へ確認しておく価値があります。

経済経営学類だけの特則

経済経営学類には、他の2学類にない条件が2つあります。

  • 本学の学生は出願できない区分がある。「大学に2年以上在学」の区分から、福島大学経済学部(昼間主コースおよび昭和52年までの入学者)と経済経営学類(昼間コース)が除かれています。
  • 個別の入学資格審査がある。上記5つの区分に当てはまらなくても、個別審査で同等以上の学力があると認められ、2027年3月31日までに20歳に達する人は出願できます。この場合は出願前に審査が必要で、2026年8月17日(月)午後5時必着で書類を提出しなければなりません。行政政策学類・人間発達文化学類にはこの制度がありません。

また学士入学は、学士の学位を有する者および2027年3月までに取得見込みの者が対象で、3学類とも編入学と同じ試験で選抜されます。募集人員10名は編入学と学士入学の合計です。

出願手続きのチェックリスト

福島大学の入試はすべてインターネット出願ですが、ウェブ登録だけでは出願は完了しません。書類一式を簡易書留速達で郵送するか持参して、はじめて手続が終わります。ここを取り違えると出願機会そのものを失うため、順番を確認しておきましょう。

  1. 要項の原本を入手する(出願2〜3か月前)。大学の入試情報ページに掲載されるPDFが正本です。この記事の情報も要項の記載にもとづいていますが、最終判断は必ず原本で行ってください。
  2. 顔写真データ(jpg)を用意する。出願前3か月以内に正面向き・上半身・脱帽・背景なしで撮影したもので、縦4cm×横3cmの比率、10MBまで。受験票に掲載されます。
  3. 証明書類を手配する(出願2〜4週間前)。成績証明書は必須。加えて、在学中なら在学証明書(在学年次または入学年月が明記されたもの)、退学済みなら退学証明書(在学期間が明記されたもの)、卒業・修了見込みなら卒業(見込)証明書・修了(見込)証明書が必要です。専修学校専門課程の区分は「修業年限2年以上」「総授業時間数1,700時間以上」が証明書に明記されている必要があるため、学校に発行を依頼する時点で伝えておくと確実です。
  4. 志願理由書を作成する(人間発達文化学類・行政政策学類のみ)。大学所定の様式を本学ウェブサイトからA4でモノクロ印刷し、本人が作成します。この書類は面接の資料として使われます。経済経営学類は面接がないため提出不要です。
  5. インターネット出願登録と検定料の支払い。登録完了後は内容の修正ができません。検定料30,000円は登録日を含む4日間が支払期限です(出願締切が先に来る場合は締切が優先)。
  6. 市販の角形2号封筒(240mm×332mm)を準備する。宛名シートをインターネット出願サイトからカラー印刷し、封筒のおもて面に全面のり付けで貼付します。
  7. 出願期間内に書類を届ける出願期間最終日の前日までの消印がある簡易書留速達なら、到着が締切後でも受理されます。ただし最終日当日の消印は受理されません。持参する場合、入試課の窓口受付は平日午前9時〜午後5時です。
  8. 受験票を印刷する。出願期間後にインターネット出願サイトからカラー印刷します。通知メールが届かなくても、試験日の3日前までに自分でログインして印刷してください。

出願書類を受理された後は、出願の取り消し・書類の返却・志願学類や系の変更は認められません。人間発達文化学類の系(A・B・C)も出願時に確定します。「とりあえず出しておいて後で変える」ができない設計なので、志望を固めてから出願してください。

出題傾向①人間発達文化学類

人間発達文化学類は外国語科目100点・小論文100点・面接100点の合計300点。要項には評価の観点も書かれており、外国語科目は「本学類3年次生にふさわしい語学能力があるかどうか」、小論文は「資料を与え、1,200字程度で論述させ、理解力・思考力・表現力を総合的にみる」、面接は「志願理由書をもとに、志願の意志、学習意欲および本学類への適合性等を総合的にみる」とされています。3科目が等分に効くため、どれか1つが極端に弱いと挽回が難しい構成です。

英語は全問記述の読解2題

外国語科目は英語と日本語(外国人志願者に限る)のいずれかを選びますが、日本人志願者は英語を選択しなければなりません。形式は長文2題(大問Ⅰ・Ⅱ)で、選択肢問題は一切なく全問記述です。設問のタイプは3つに絞られます。

下線部の内容説明(日本語で答える)約43%
英文和訳(下線部を日本語に訳す)約30%
和文英訳(下線部を英語に訳す)約27%

オンライン編入学院の過去問分析による、近年の出題を設問形式で分類した構成比です。

この3タイプの比率から言えることは明快です。読めるだけでは半分しか点になりません。「本文に基づいて具体的に日本語で説明しなさい」という設問が最も多く、これは英文の該当箇所を探し当てたうえで、日本語の説明文として過不足なく組み立てる力を問うています。単語の意味が分かっていても、日本語の答案としてまとまらなければ得点になりません。

そして和文英訳が毎年出ます。下線を引かれた日本語を英語に直す形式で、読解対策だけをしていると当日ここで固まります。市販の和文英訳の問題集を1冊決めて、週に数題ずつでも書いて添削を受ける習慣を作ってください。近年の出題からは、脳と知覚のしくみ、食品ラベルと栄養情報、生成AIと学校の作文コンクールといった、科学・教育・社会をまたぐ一般向けの記事が題材に選ばれる傾向が読み取れます。特定分野の専門用語で差がつくというより、抽象度の高い説明文を正確にたどれるかが勝負どころです。

小論文は600字×2本。大学が「出題意図」を公開している

小論文は2つの資料を与え、それぞれ600字以内で論述させる形式が定着しています(合計で要項どおり1,200字程度)。福島大学は毎年、問題と一緒に「出題意図」という文書を公開しており、そこには「人間発達文化学類のアドミッション・ポリシーをふまえつつ、2つの資料を与え、それぞれ600字以内で論述させることにより、受験者の理解力・思考力・表現力を総合的に判断する」と明記されています。

さらに各問について、大学自身が何を見ているかを書いています。近年の出題意図で繰り返し使われているのは「自分の考えについて、経験や具体例などを交えて述べる能力をみる」という表現です。つまりこの小論文は、資料を要約して終わりではなく、自分の経験と結びつけて語れるかどうかを採点しているということです。

公開されている出題意図から、扱われたテーマの領域を年度順に並べると次のようになります。

入学年度問題1のテーマ領域問題2のテーマ領域
2024年度安心と信頼の相違勉強とは何か
2025年度脳の多様性と人材多様性と情報カスケード
2026年度学校改革美の働き

教育に関するテーマ(勉強とは何か、学校改革)と、人間や社会の見方に関するテーマ(安心と信頼、多様性、美)が毎年1本ずつ入る構成になっています。教育学の専門知識を問う試験ではありません。資料文を正確に読み、自分の学習経験・実習経験・ボランティア経験などに引き寄せて論じられるかどうかが問われています。

対策としては、600字という分量に慣れることが最優先です。600字は、主張・理由・具体例・まとめの4段構成でちょうど収まる長さで、それ以上の要素を詰め込むと必ず途中で切れます。「筆者の主張を2〜3文でまとめる → 自分の立場を1文で決める → 経験にもとづく具体例を1つ入れる → 結論」というテンプレートを体に入れ、90分で2本書き切る練習を繰り返すのが最短経路です。書く材料を増やす意味では、教育・発達・文化に関する新書を月に1〜2冊読み、「自分ならどの経験と結びつけて語るか」をメモしておくと当日の引き出しになります。

面接は「3つの観点」が公開されている

人間発達文化学類は、面接についても「概要とねらい」を公開しています。アドミッション・ポリシーをふまえたうえで、次の3つの観点で実施すると明記されています。

  • 本学類への志願の意思は明確か
  • 学習意欲は旺盛か
  • 本学類および志望コースへの適合性は十分か

そのうえで「必要に応じて適宜追加の質問をする」とされています。ここで見落としてはいけないのが3つめで、学類だけでなく志望コースへの適合性まで見られるという点です。系のなかにあるどのコースで何を学びたいのか、そのコースの教員がどんな研究をしているのかまで調べたうえで話せるかどうかが差になります。志願理由書が面接の資料として使われるので、志願理由書に書いた内容から自然に深掘りされる想定で準備してください。100点の配点があり、外国語や小論文と同じ重みを持っています。

出題傾向②行政政策学類

行政政策学類の選抜は、学力検査2科目〔英語100点・小論文100点〕の得点と、面接のA・B・C評価を総合して行われます。人間発達文化学類と違って面接に点数が付かない代わりに、C評価が付くと学力検査の得点にかかわらず不合格という足切りの仕組みになっています。要項では「C評価とは、面接の基準を満たさないと判断された場合をいいます」と説明されています。合格最低点が公表されているのはこの200点満点の部分です。

英語は読解2題+英作文1題

行政政策学類の英語は90分。長文読解が中心ですが、直近2年は独立した英作文の設問が加わっています。年度ごとの構成は次のとおりです。

入学年度構成英作文の有無とテーマ
2024年度長文読解2題(大問Ⅰ・Ⅱ)独立した英作文なし(大問Ⅱの設問が下線部の和文英訳3問)
2025年度Part Ⅰ〜Ⅳの4部構成(語彙の言い換えを選ぶ選択式の設問を含む)Part Ⅳで60〜80語(テーマ: なぜ行政政策学類で学びたいか)
2026年度長文読解2題+英作文1題(大問Ⅰ〜Ⅲ)大問Ⅲで60〜80語(テーマ: 自分の出身地または現在住む地域の良い面と残念な面)

読解の設問は、下線部の和訳、指示語(it、these、this など)が指す内容を日本語で答えるまたは本文中から抜き出す、内容を日本語で説明する、といった構成です。数値を読み取って計算させる設問が混ざった年もあり、英文を「なんとなく」ではなく厳密に追う必要があります。出典は英語学習誌や新聞の英語記事から採られており(2026年度は『HIRAGANA TIMES』『CNN ENGLISH EXPRESS』のいずれも2025年7月号、2024年度は朝日新聞の英語コラム)、大学入試の英語長文というより、時事的な英文記事に近い素材です。

英作文のテーマが「なぜこの学類で学びたいか」「自分の地域の良い面と残念な面」と、いずれも受験者自身の考えや経験を語らせるものである点は見逃せません。難しい語彙よりも、身近な題材を平易な英語で構成立てて書ける力が問われています。

対策の優先順位としては、①指示語の内容を特定する精読、②下線部和訳の日本語としての自然さ、③60〜80語の英作文の型づくり、の3点です。特に③は、書き慣れていないと当日は手が止まります。「志望理由」「地域」「教育」「働き方」「環境」といったテーマについて、60〜80語でまとめる練習を10本ほどこなしておけば、当日の負荷が大きく下がります。年度によって大問の並びが変わるため、開始直後に問題冊子全体をめくって構成を確認し、時間配分を決めてから解き始めてください。

小論文は資料文の読解説明2問+論述1問

行政政策学類の小論文は90分。要項の評価基準は「資料を与え、それに関連して論述させ、受験者の理解力・思考力・表現力を総合的にみる」とされています。公開されている出題意図を見ると、構成が非常に安定しています。

入学年度資料の分野設問の組み立て
2025年度家族社会学(結婚という制度)(1)筆者が考える問題点を資料から読み取り説明/(2)論の基盤となる理論の説明/(3)筆者の考えをふまえ制度の未来を論じる
2026年度地域社会論(過疎と地域振興)問1・問2は傍線部について著者の述べる理由・内容を資料から読み取り説明/問3は「地方創生」への著者の評価を背景・理由を含め要約したうえで自身の意見を論理的に表現

いずれも前半2問は資料の正確な読解、最後の1問で自分の意見という組み立てです。出題意図には、最後の設問について「社会課題に対する受験者の関心や問題意識をみる」「社会問題への関心を測る」と書かれています。素材は刊行から1〜2年以内の社会科学系の新書が選ばれており、2025年度は阪井裕一郎『結婚の社会学』(筑摩書房、2024年)、2026年度は横山勲『過疎ビジネス』(集英社新書、2025年)でした。

ここから導ける対策は具体的です。まず、要約と説明の練習量が点数に直結します。3問中2問が「資料から読み取って説明する」問題である以上、意見を書く力より先に、書かれていることを正確に取り出す力が必要です。次に、社会科学系の新書を継続的に読むこと。地方創生、人口減少、家族の変化、地域経済といったテーマの新書を月1冊ペースで読み、その都度200字で要約する習慣をつけると、読解と要約の両方が同時に鍛えられます。行政政策学類には「地域政策と法コース」「地域社会と文化コース」の2コースがあり(所属は入学後に本人の希望で決定)、出題テーマもこの守備範囲と重なっています。

面接はC評価が致命傷になる

要項の記載は「志願理由書をもとに、本学類への志願の意志が明確か、学習意欲が旺盛かを総合的にみます」というものです。評価はA・B・Cの3段階で、Cが付けば学力検査で何点取っていても不合格になります。逆に言えば、基準を満たしてさえいれば合否は学力検査で決まる仕組みです。過度に恐れる必要はありませんが、志願理由書と面接での説明が食い違っていたり、なぜ行政政策学類でなければならないのかを説明できなかったりすると危険です。志願理由書のコピーを手元に残し、書いた内容を自分の言葉で説明できる状態にしてから当日に臨んでください。

出題傾向③経済経営学類

経済経営学類は3学類のなかで唯一面接がなく、志願理由書も不要です。選抜は外国語科目100点+専門科目100点の合計200点だけで決まります。学力一本で勝負できる設計なので、筆記に自信がある人にとっては戦いやすい試験です。要項では学力検査の水準を「大学の一般教養課程修了程度の問題」と明示しています。

外国語は全文和訳+200〜300語の英作文

外国語科目は英語と日本語(外国人留学生に限る)から出願時に1つを選びます。英語の構成は問1が英文の全文和訳、問2が英作文という2題です。近年、この問2が大きく変わりました。

入学年度問1問2
2023年度英文の全文和訳(テーマ: SDGs)英文を読んで日本語で要約
2024年度英文の全文和訳250〜300語の英作文(テーマ: 福島大学に編入して学びたいこと)
2025年度英文の全文和訳250〜300語の英作文(テーマ: 学習における生成AIの利点と欠点)
2026年度英文の全文和訳(テーマ: K-POPの世界的人気)200語以内の英作文(テーマ: 日本の長時間労働・労働力不足)

2024年度から問2が「日本語で要約」から「英語で意見や考えを書く」に変わり、それ以降3年続いています。これは対策の中身がまったく変わる変更です。古い過去問だけを見て「要約対策をすればいい」と判断すると、当日200〜300語の英作文に出会うことになります。テーマは、切り替わった年こそ「福島大学に編入して学びたいこと」という志望動機に近い内容でしたが、その後は生成AI、長時間労働と社会・経済に関わる時事的な話題が続いています。経済経営学類には面接がないため、志望動機を語る場が英作文しかない年もあったという点は頭に入れておく価値があります。

したがって経済経営学類の英語対策は、①長文をまるごと日本語に直す和訳力と、②200〜300語で自分の意見を英語で書く力の2本立てになります。②については、テンプレート(主張→理由2つ→具体例→再主張)を1つ決めて、経済・労働・技術・教育あたりのテーマで15〜20本書き溜めておくのが現実的です。100点満点の半分がここに乗ると考えれば、投資に見合います。なお2026年度の和訳の出典はK-POPの人気を論じたウェブ記事で、経済学の専門英語ではなく一般向けの英文が使われています。

専門科目は4科目から1つを選ぶ。選び方で難易度が変わる

専門科目はマクロ・ミクロ経済学/政治経済学/経営学/簿記の4科目から、出願時にあらかじめ1科目を選択します。当日その場で選ぶことはできません。それぞれ求められる力がまったく違うので、自分がすでに持っている土台に合わせて選ぶのが基本方針です。

科目構成が2025年度に変わっています。2024年度までは「経済学(近代経済学系)」「経済学(マルクス経済学系)」「経営学」「簿記」という区分でしたが、2025年度から「マクロ・ミクロ経済学」「政治経済学」「経営学」「簿記」に再編されました。古い過去問を探すときは、この名称の対応関係を知らないと目的の科目にたどり着けません。

マクロ・ミクロ経済学

大問3題という構成が続いています。[1]がマクロ経済学、[2]と[3]がミクロ経済学という配置も安定しており、計算・証明・作図が組み合わさります。近年扱われた分野は次のとおりです。

  • マクロ分野: 貨幣市場の均衡と貨幣需要(取引動機・投機的動機)、流動性のわなの図示、マネタリーベースと信用創造・信用乗数、GDPの定義と三面等価、名目GDPと実質GDP、GDPデフレーターと消費者物価指数、GNIとGDPの差、経常収支と貯蓄投資バランス、財市場の均衡と政府支出の乗数効果
  • ミクロ分野: 需要関数・供給関数と市場均衡、需要の価格弾力性、補助金・課税と余剰分析(死荷重)、上限価格規制との比較、効用関数と最適消費点、限界代替率、代替効果と所得効果、上級財・下級財の判定、費用関数と企業の供給曲線、操業停止点と損益分岐点

特徴的なのは、[3]で毎年のようにコブ・ダグラス型の効用関数(u=x^a・y^b の形)が出ていることと、「〜であることを示しなさい」「〜を図示し、その理由も説明しなさい」という証明・作図の設問が必ず入ることです。答えの数字だけ出せる状態では点になりません。中級ミクロ・マクロの標準的な演習書を1冊、途中式と図を書きながら回すのが有効です。すでに大学でミクロ・マクロを履修している人にとっては、この科目がもっとも投資対効果が高い選択肢になります。

政治経済学

論述2題の構成です。マルクス経済学の基礎理論と、現代の経済問題を結びつけて論じさせるのがこの科目の性格で、2026年度は剰余価値と搾取の理論、および生産拠点の海外移転・国際分業が各国の労働者の賃金や雇用条件に与える影響が扱われました。計算はなく、概念を説明したうえで現実の経済現象に接続する力が問われます。大学でマルクス経済学系の講義を受けている人、あるいは政治経済学の教科書を通読した経験がある人向けです。

経営学

こちらも論述2題。近年の出題を分野で整理すると、次の4領域に収まります。

領域近年扱われたテーマ
経営戦略論ポーターの3つの基本戦略(コストリーダーシップ・差別化・集中)、アンゾフの成長戦略マトリックス
組織論組織文化と業績の関係、組織学習の理論、リーダーシップ理論
人的資源管理職能給と職務給、日本的経営の「三種の神器」と企業特殊技能の形成
企業と社会CSRとSDGsへの取り組みの背景と効果

いずれも経営学の入門テキストの目次に載っている基本概念で、奇をてらった出題はありません。ただし「事例を用いて説明することが望ましい」「自身の経験から述べなさい」といった条件が付く設問がある点は要注意です。用語の定義を暗記しただけでは満点にならず、具体的な企業や自分の経験に落として説明できる必要があります。標準的な経営学のテキストを1冊通読し、各理論について「説明できる企業事例を1つ」ひもづけてノートに残しておくのが実戦的な準備です。

簿記

大問構成の問題冊子で、仕訳問題と正誤判定問題を中心に出題されます。2026年度の第1問は仕訳5題(売上原価対立法による売上の記帳、建設仮勘定から建物への振替、自社利用ソフトウェアの取得、受取手形の裏書譲渡、その他有価証券の期末評価と税効果会計・全部純資産直入法)、第2問は会計上の記述の正誤判定5題(管理会計と財務会計の区別、繰延資産、包括利益、物価上昇時の後入先出法と先入先出法、資本金から資本準備金への振替)でした。

扱われている論点はおおむね日商簿記2級(商業簿記)の範囲にあたります。すでに簿記2級を持っている、または学習中の人にとっては、新しい知識をほとんど増やさずに得点源にできる科目です。逆にゼロから始める場合、2級の商業簿記を仕上げるまでに数か月かかるため、他の科目のほうが早いことが多いでしょう。簿記を選んだ受験生は試験当日に電卓(計算機能のみのもの)を持参できます。他の科目では電子機器の持ち込みは不正行為になるため、この点も要項で確認しておいてください。

科目選択の判断基準

いまの自分おすすめの科目理由
ミクロ・マクロ経済学を履修済みマクロ・ミクロ経済学出題分野が固定的で、演習で確実に伸ばせる。計算問題は部分点も狙いやすい
日商簿記2級を取得済み・学習中簿記既存の学習がそのまま得点になる。仕訳は答えが一意で採点のブレが小さい
経営学部・商学部で経営学を履修経営学論述2題のみで範囲が広くない。事例をひもづける準備が効く
マルクス経済学系の講義を履修政治経済学理論と現代の経済問題を結ぶ論述に慣れていれば有利
いずれも未履修で、これから始めるマクロ・ミクロ経済学または簿記市販の教材と演習書が豊富で、独学でも進度を測りやすい

迷ったときの判断軸は「答え合わせができるか」です。マクロ・ミクロ経済学と簿記は答えが一意に決まるため、独学でも自分の到達度を測れます。一方、経営学と政治経済学は論述なので、書いた答案を誰かに見てもらえる環境がないと伸びを実感しにくい面があります。学習環境も含めて選んでください。

もう1つの入口|高専生向けの推薦入試

経済経営学類には、一般の編入学・学士入学試験とは別に「編入学(高等専門学校対象推薦入試)」という区分があります。人文社会学群のなかで実施しているのは経済経営学類だけです(学群外では共生システム理工学類でも実施)。この区分は募集要項も別冊で、見落とされやすいので概要を整理します。

項目内容(2027年度)
募集人員若干名
出願資格高等専門学校を2027年3月に卒業見込みの者で、学力・人物ともに優れている者
推薦要件在学中の成績が所属学科の上位に属し、本学類指定調査書の計算方法による「全科目評定値平均」が4.0以上/経済学および経営学関連分野に強い関心を有する
選抜方法書類審査100点+面接100点(筆記試験なし
出願期間2026年9月1日〜9月8日
試験日2026年10月7日(水)13:00〜17:00(面接)
合格発表2026年10月15日(木)

学校長が責任を持って推薦し、合格した場合には入学することを確約できる者が対象なので、実質的に専願です。筆記がない代わりに、評定平均4.0以上という明確な基準があります。試験科目が面接のみのため、大学は過去問題を公開していません。

大学が公表している実施状況を見ると、この区分の経済経営学類の志願者は2023年度2名・2024年度3名・2025年度1名・2026年度0名と、毎年ごく少数です。高専で成績上位にいて経済経営分野に進みたい人にとっては、筆記対策なしで挑戦できる貴重なルートといえます。ただし試験日は一般区分と同じ10月7日で、午前が学力検査・午後が面接という時間割になるため、どちらか一方を選ぶことになります。

過去問と試験問題の入手方法

福島大学は編入学の対策において、他大学に比べてかなり恵まれた情報環境を用意しています。要項の「入試情報の公開(開示)について」には、次の3つが明記されています。

  • 試験問題の公開: 「外国語科目」「専門科目」の問題および「小論文の問題と出題意図」を、合格者発表後に公開する
  • 合格者の最低点: 合格者が10人以上の場合、合格者の最低得点(総合点)を合格者発表時にウェブサイトで公開する
  • 個人成績の開示: 入学試験個人成績および提出した調査書を開示する(2027年度入試の開示期間は2027年5月7日〜5月31日。開示方法は2027年4月上旬にウェブサイトに掲載。開示内容は試験科目の得点および面接の評価)

実際に大学の入試情報ページの「過去問題」には、編入学・学士入学試験の問題が学類別・科目別・年度別に並んでいます。人間発達文化学類は英語・小論文に加えて面接の「概要とねらい」まで、行政政策学類は英語・小論文、経済経営学類は英語(および外国人留学生向けの日本語)と専門科目4科目すべてが対象です。

注意点が1つあります。課題文や英文のうち第三者に著作権のある部分は黒塗りで非公開になっています。大学は「ホームページへ掲載する」ことについてのみ著作者の許可を得ているため、掲載できなかった部分は入試課の窓口(平日9:00〜17:00)で閲覧できるとしています。また、掲載された入試問題をコピーして配布するなどの二次利用は著作権侵害になると明記されているので、個人の学習のために画面や手元で確認する範囲にとどめてください。

黒塗りがあっても、設問文と出題意図は完全に読めます。「下線部を英語に訳しなさい」「筆者の主張を要約したうえで自分の考えを600字以内で述べなさい」という問われ方と配点の重み、そして大学が何を評価しているかは、この公開資料だけで正確につかめます。対策の初日にやるべきことは、志望学類の直近の問題をひととおり開いて、設問の形式を紙に書き出すことです。

この記事では、著作権の観点から過去問の設問そのものは記載していません。掲載しているのは科目・出題分野・設問形式のレベルの傾向です。

併願と日程の考え方

編入試験は日程が合えば複数校を受けられるのが利点です。福島大学人文社会学群の日程をどう組み込むかを整理します。

学内併願は「人間発達文化+1学類」だけ可能

行政政策学類と経済経営学類は試験日・時間割ともに完全に重なるため、同時には受けられません。一方、人間発達文化学類は9月9日で出願期間も8月中と早いため、人間発達文化学類と、行政政策学類または経済経営学類の組み合わせは日程上は可能です。ただし科目構成が違いすぎるので、実際に併願する場合は共通する「英語」と「小論文」を軸に据え、人間発達文化学類の面接準備を上乗せする形になります。経済経営学類との併願は、専門科目が丸ごと追加になるため負担が大きくなります。

合格発表と入学手続のタイミング

人間発達文化学類の合格発表は2026年9月17日、行政政策学類・経済経営学類は10月15日。入学手続期間はいずれも2026年12月11日〜12月18日と共通で、発表から手続まで2〜3か月の猶予があります。この期間の長さは併願設計に効きます。10月に合格を得ても手続は12月中旬なので、11月に試験がある他大学の結果を見てから判断できる可能性が高いということです。ただし入学手続完了後に辞退する場合、入学料は返還されません(辞退の連絡は2027年3月31日午後5時までに書面で提出)。

秋の日程を組むときの視点

福島大学の編入試験は9月上旬と10月上旬に集中しています。この時期は他大学の編入試験とも重なりやすいため、志望校の試験日を一覧にしてから、出願期間の早い順に締切を管理するのが基本です。福島大学は人間発達文化学類の出願が8月18日〜21日とかなり早く、しかも4日間しかありません。証明書の発行に2週間かかる学校もあるので、7月中には手配を始めておく必要があります。同じ東北地方の国立大学や、人文・社会科学系の学部を持つ大学の日程と並べて検討したい場合は、次の記事もあわせて確認してください。

合格までのロードマップ

試験日から逆算して、何をいつまでにやるかを整理します。ここでは2026年10月7日(行政政策学類・経済経営学類)を基準にしていますが、人間発達文化学類を志望する場合は全体を1か月前倒ししてください。

  • 10か月前〜(前年11月〜)
    志望学類と、経済経営なら専門科目を決める。ここが最初の分岐点です。3学類は試験科目がまったく違うため、決めるのが遅れるほど無駄が出ます。大学の過去問題ページを開いて、志望学類の直近の問題を眺め、「これなら戦えそうだ」という感触を確かめてください。経済経営学類なら、この段階で専門4科目のどれを選ぶかも決めます。
  • 8〜6か月前(1月〜3月)
    英語の土台づくり。3学類とも英語が100点分あり、しかも全問記述です。この時期は語彙と精読に集中します。1日1本、300〜500語程度の英文を「下線部を訳す」「指示語の内容を答える」という形式で自分に課すと、そのまま本番の設問形式の練習になります。並行して、経済経営学類なら専門科目の基本テキストを1周します。
  • 5〜4か月前(4月〜5月)
    アウトプットの開始。人間発達文化学類は600字の小論文、行政政策学類は資料の説明2問+論述1問、経済経営学類は専門科目の演習と英作文。ここから書く量を増やします。書いたものは必ず第三者に読んでもらってください。小論文と英作文は、自分では気づけない癖が最も出やすい領域です。
  • 3〜2か月前(6月〜7月)
    証明書類の手配と志願理由書の作成。成績証明書・在学証明書は発行に時間がかかります。7月中には依頼を出しておきましょう。人間発達文化学類・行政政策学類は志願理由書が必要で、これが面接の資料になります。「なぜこの学類か」「なぜ編入か」「入学後に何を学び、卒業後どうしたいか」の3点を、具体的なエピソードとともに書けるまで書き直してください。
  • 1か月前(8月〜9月上旬)
    時間を計った通し練習と出願。筆記は90分×2科目。時間配分を体に入れます。小論文600字×2本を90分で書き切る、英作文を含む英語を90分で仕上げる、といった通し練習を週1回。並行してインターネット出願登録・検定料の支払い・書類の郵送を済ませます。人間発達文化学類は出願が8月18日〜21日、行政政策・経済経営は9月1日〜8日です。
  • 直前2週間
    面接準備と当日の段取り確認。志願理由書のコピーを読み返し、想定問答を作ります。人間発達文化学類は志望コースへの適合性まで見られるので、コースの内容と教員の研究テーマを確認してください。受験票は試験日の3日前までにカラー印刷。会場は福島大学(福島市金谷川1番地)で、面接がある学類は終了が夕方になるため、交通手段と宿泊を確定させておきます。

直前期のチェックリスト

  • 受験票をカラー印刷し、点線部で山折りにして持参する準備をした
  • 携帯電話・スマートフォン・ウェアラブル端末・電子辞書などは、試験室に入る前にアラームを解除して電源を切る(かばんにしまわず身につけていると不正行為とみなされる場合がある)
  • 下敷き・コンパス・定規などの補助具は使用できないことを確認した
  • 簿記を選択した場合、計算機能のみの電卓を用意した(他の科目では使用不可)
  • 志願理由書に書いた内容を、自分の言葉で3分間説明できる(人間発達文化学類・行政政策学類)
  • 試験場までの経路と所要時間、面接終了後の帰路の交通手段を確認した
  • 天候や交通機関の影響で試験が繰り下げ・延期される場合は大学ウェブサイトで告知されるため、当日朝に確認する手順を決めた

おすすめ参考書

オンライン編入学院の参考書レビューから、福島大学人文社会学群の出題分野と重なる本を紹介します。カードをタップするとレビュー記事に移動できます。人間発達文化学類の小論文・面接で扱われる教育や人間の発達に関するテーマと、3学類に共通する小論文の書き方に対応する本です。

教育学の3冊は、人間発達文化学類の小論文で扱われる「学校改革」「勉強とは何か」といったテーマの背景知識と、面接で学類への理解を示すための土台になります。『小論文これだけ!超基礎編』は、600字でどう構成を作るかという型の部分に効きます。経済経営学類の専門科目については、選んだ科目の標準的な大学教科書(ミクロ・マクロ経済学の入門〜中級テキスト、経営学の入門書、日商簿記2級の商業簿記テキスト)をそのまま使うのが確実です。

合格者インタビュー・関連動画

オンライン編入学院のYouTubeチャンネルには、福島大学人文社会学群の合格者インタビューがあります。1本目は経済経営学類に合格した方の回で、英語で扱われた題材や対策の重点について語られています。2本目は滋賀大学経済学部と福島大学経済経営学類の2校に合格した方の回で、面接での深掘りへの対応が中心です。

【大学編入】福島大学 人文社会学群 経済経営学類 編入合格者インタビュー|試験にK-POP⁉ 福島大学対策の中で大事になるものとは
【大学編入】滋賀大学 経済学部 総合経済学科・福島大学 経済経営学類 編入合格者インタビュー|鬼詰めの面接を切り抜けるためにはどうしたらいい⁉

よくある質問

福島大学人文社会学群の編入試験の倍率はどのくらいですか?

大学が公表している「編入学および学士入学試験」の実施状況をもとに受験者数÷合格者数で計算すると、2026年度は人間発達文化学類が2.5倍、行政政策学類が1.8倍、経済経営学類が2.1倍でした。学群全体では2023年度3.0倍、2024年度2.6倍、2025年度2.0倍、2026年度2.1倍で推移しています。ただし人間発達文化学類はA系・B系・C系の系ごとに合否が決まるため、学類全体の数字より系別の数字を見るほうが実態に近くなります。

合格するには何点取ればよいですか?

福島大学は合格者が10人以上の区分について合格最低点を公表しています。編入学・学士入学の合格最低点は、行政政策学類が2023年度109点、2024年度103点、2025年度130点、2026年度123点(いずれも200点満点)、経済経営学類が2023年度120点、2024年度151点、2025年度112点、2026年度120点(同)でした。おおむね6割前後が目安になりますが、年度による振れ幅が大きいため7割を狙える力をつけておくと安全です。人間発達文化学類は系ごとの合格者数が少ないため公表対象外となっています。

出願に必要な修得単位数の条件はありますか?

2027年度の募集要項では、3学類とも「大学に2年以上在学した者」という在学期間の条件のみが示されており、何単位以上といった修得単位数の要件は定められていません。この点は62単位以上を求める大学が多いなかでは出願しやすい設計です。ただし短期大学・高等専門学校・専修学校専門課程などの区分には、それぞれ卒業や修了が条件として定められています。また入学後の既修得単位の認定結果によっては2年間で卒業できない場合があり、在学期間は最大4年とされています。

経済経営学類の専門科目はどれを選べばよいですか?

マクロ・ミクロ経済学、政治経済学、経営学、簿記の4科目から出願時に1科目を選びます。マクロ・ミクロ経済学は大問3題で、貨幣・信用創造などのマクロ分野1題と、需要供給や効用関数といったミクロ分野2題という構成が続いており、計算と作図が求められます。経営学と政治経済学は論述2題で、経営学は経営戦略論・組織論・人的資源管理から、政治経済学はマルクス経済学の基礎概念と現代の経済問題から出題されています。簿記は仕訳と正誤判定を中心とした問題で、日商簿記2級程度の商業簿記の知識が前提になります。自分がすでに学んだ科目を選ぶのが基本です。

過去問は手に入りますか?

福島大学は入試情報のページで編入学・学士入学試験の過去問題を公開しており、3学類の外国語科目・小論文・専門科目の問題を年度別に見ることができます。小論文については「出題意図」も併せて公開されており、何を評価しているのかを大学自身の言葉で確認できます。ただし課題文や英文のうち第三者に著作権がある部分は黒塗りで非公開になっているため、設問の形式と問われ方を確認する資料として使うのが現実的です。著作権の許諾が得られなかった部分は入試課の窓口で閲覧できるとされています。

学内で複数の学類を併願できますか?

行政政策学類と経済経営学類は試験日が同じ2026年10月7日で、時間割も重なるため併願はできません。一方、人間発達文化学類は2026年9月9日と別日程で、出願期間も8月中と早いため、人間発達文化学類と他の1学類を組み合わせることは日程上は可能です。ただし出願書類の受理後は志願学類や系の変更が認められないため、どちらを本命にするかを出願前に決めておく必要があります。また学類ごとに試験科目の構成が大きく異なるので、2学類分の対策を並行する負担は小さくありません。

この記事の情報はいつ時点のものですか?

2027年度(令和9年度)の編入学および学士入学学生募集要項と、大学が公表している編入学・学士入学試験の実施状況および入学試験統計資料をもとに、2026年8月6日時点で整理しています。日程・科目・出願資格・募集人員は年度ごとに変わる可能性があるため、出願前には必ず大学が公表する最新の募集要項で確認してください。

まとめ

福島大学人文社会学群の編入試験は、3学類がそれぞれ別の日程・別の科目構成で選抜を行う試験です。準備を始めるうえで押さえるべきことをもう一度整理します。

  • 学類選びが最初にして最大の分岐点。人間発達文化学類は英語・小論文・面接の300点、行政政策学類は英語・小論文の200点+面接のA〜C評価、経済経営学類は外国語・専門科目の200点のみ。面接の有無も、志願理由書の要否も違います。
  • 倍率は2倍前後、合格最低点はおよそ6割。ただし年度による振れ幅が大きく、7割を安定して取れる状態を目標にするのが安全です。人間発達文化学類は系別の数字で判断してください。
  • 出願資格に修得単位数の条件がない。大学に2年以上在学していれば出願できます。ただし入学後の単位認定は別問題で、認定次第では卒業まで2年を超えることがあります。
  • 大学が過去問と出題意図を公開している。対策の初日にこれを読むかどうかで、半年後の完成度が変わります。小論文の「出題意図」は、採点者が何を見ているかを大学自身が説明した文書です。
  • 行政政策学類と経済経営学類は同日で併願不可。人間発達文化学類は出願が8月中と早く、期間も4日間しかありません。証明書の手配は7月中に始めてください。

試験の内容は年度によって変わります。この記事は2027年度の募集要項と大学の公表資料にもとづいて整理していますが、出願にあたっては必ず大学が公表する最新の募集要項の原本で確認してください。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要は大学が公表する募集要項をもとに毎年度確認し、倍率・合格最低点は大学が公表する実施状況および入学試験統計資料から算出、出題傾向はオンライン編入学院の過去問分析にもとづいています。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ|最終更新: 2026年8月6日

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