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九州工業大学工学部

九州工業大学工学部の編入試験対策|難易度・出題傾向・合格ロードマップ

2027年度(2027年4月入学)の出願期間
2026年5月13日〜2026年5月19日
出願前に必ず大学の最新の募集要項でご確認ください。

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-09-06​‌​‌‌‌​‌‌​‌‌‌‌​​​‌​‌​​‌​‌‌‌‌​‌‌​

結論:九州工業大学工学部の編入試験はこんな試験

九州工業大学工学部(戸畑キャンパス)の第3年次編入学生選抜は、筆記の学力試験がなく、面接600点と調査書400点の合計1,000点満点で合否が決まる試験です。ただし「面接だけ」ではありません。面接の中に基礎学力(数学・理科)と工学専門に関する口頭試問が含まれ、その出題範囲は学科・コースごとに要項で公表されています。つまり実質は、志望学科の専門科目を口頭で説明しきれるかを問う試験です。

そしてもう一つ、出願前に必ず知っておくべき前提があります。工学部に出願できるのは、高等専門学校の本科を卒業した方(見込み含む)と、短期大学の理工系学科を卒業した方(見込み含む)だけです。大学に在学中の方・大学卒業者・外国の学校の修了者は対象になりません。大学からの編入を考えている場合は、同じ九州工業大学でも飯塚キャンパスの情報工学部が別要項で出願資格を広く設定しています。

難易度は、大学が公表している実施状況で見ると学部合計の実質倍率(受験者数÷合格者数)が直近3年で1.7〜2.2倍。数字だけ見ると穏やかですが、学科によって3倍近い差があり、宇宙システム工学科のように募集2名に志願17名が集まった年もあります。この記事では、公式の募集要項・実施状況・大学が公表している「出題の意図」をもとに、出願資格の確認から口頭試問の準備、第2次募集の使い方までを整理します。

出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。

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試験概要(最新要項データ)

令和9年度令和9年度(2027年4月入学・2026年実施)の学生募集要項にもとづくデータです。この節は毎年の要項公表に合わせて更新されます(更新日: 2026-09-06)。

20名募集人員(学部合計)
6/20・21試験日(2026年・いずれか1日)
1,000点面接600+調査書400
高専・短大出願できるのはこの2ルートのみ
入学年次第3年次(修業年限2年・在学できる期間は4年以内)
募集人員合計20名(建設社会工学科1名/機械知能工学科7名/宇宙システム工学科2名/電気電子工学科8名/応用化学科1名/マテリアル工学科1名。推薦選抜と一般選抜の合計)
試験日2026年6月20日(土)または6月21日(日)のいずれか1日(志願者多数の場合に6月21日まで試験日を設定)
出願期間インターネット出願登録は2026年5月7日(木)9時開始、提出書類は2026年5月19日(火)17時必着
試験場九州工業大学工学部 戸畑キャンパス(福岡県北九州市戸畑区仙水町1番1号)。集合場所は百周年中村記念館
選考方法調査書および面接の結果を総合。面接には基礎学力(数学・理科)や工学に対する適性等に関する口頭試問が含まれる。筆記の学力試験はなし
配点面接点600点満点+調査書点400点満点=合計1,000点満点
英語(TOEIC等)工学部の選考には使いません。令和9年度要項の選考方法・提出書類のいずれにも英語外部試験のスコア提出は含まれていません(情報工学部は選考にTOEICを使うため混同しないでください)
出願資格推薦選抜: 合格したら入学することを確約でき、(1)高専本科の卒業(見込)者、または(2)短期大学の理工系学科の卒業(見込)者で、在学中の成績が上位に属し、出身学校長が人物・学力優秀と認めて推薦する者
一般選抜: (1)高専本科の卒業(見込)者、または(2)短期大学の理工系学科の卒業(見込)者
※外国の学校等は対象となりません
合格発表2026年7月2日(木)10時〜
入学検定料30,000円(第1次募集はインターネット出願のため別途サービス利用料1,090円)
成績開示受験者本人の請求により、総合点および募集単位の合格者最低点を開示(令和9年度は2026年9月1日〜9月11日必着で郵送申込)

出願資格・提出書類・日程の詳細は、必ず九州工業大学が公表する最新の学生募集要項(大学公式サイトで「九州工業大学 第3年次編入学生選抜」と検索)で確認してください。本記事は学習計画づくりのための参考情報です。

科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。

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いちばん大事な確認:あなたは出願できるか

九州工業大学工学部の編入試験でもっとも多い取り違えが、出願資格です。要項の該当条文まで降りて読むと、対象は次の2つに限られています。

  • 高等専門学校の本科を卒業した方、または令和9年3月に卒業見込みの方
  • 短期大学の理工系学科を卒業した方、または令和9年3月に卒業見込みの方

そして要項には「外国の学校等は対象となりません」という注記が付いています。大学に2年以上在学した方・大学卒業者・専修学校専門課程の修了者・高等学校専攻科の修了者は、いずれも工学部の出願資格には含まれていません。他大学の編入試験で一般的な「62単位以上修得」という要件が工学部の要項に出てこないのは、そもそも大学生を対象にしていないためです。

大学から編入したい方へ: 同じ九州工業大学でも、飯塚キャンパスの情報工学部は出願資格がまったく別に設定されています。情報工学部の一般選抜は「他の大学に2年以上在学し62単位以上修得した者(見込み含む)」「学士の学位を授与された者」「大学を卒業した者」「専修学校の専門課程を修了した者」なども対象で、大学生・大学卒業者からの出願が可能です。ただし選考にTOEIC(IP可)のスコアと事前提出の解答用紙が使われるなど、試験の作りも工学部とは大きく異なります。

また、要項には「1人の志願者が本学に出願できるのは1学部のみです」と明記されており、工学部と情報工学部の併願はできません。令和9年度は両学部とも試験日が6月20日・21日で同じです。

推薦選抜と一般選抜、どちらで出願するか

工学部の選抜方法は推薦選抜と一般選抜の2つですが、学科によって実施される方式が違います。令和9年度の募集人員表を整理すると次のとおりです。

学科(コース)募集人員推薦選抜一般選抜
建設社会工学科(建築学/国土デザイン)1名
機械知能工学科(機械工学/知能制御工学)7名
宇宙システム工学科(機械宇宙/電気宇宙)2名
電気電子工学科(電気エネルギー/電子システム)8名
応用化学科(応用化学)1名
マテリアル工学科(マテリアル工学)1名
合計20名

つまり令和9年度は、一般選抜を実施しているのは宇宙システム工学科と応用化学科の2学科だけです。残り4学科を志望するなら、出身学校長の推薦を受けられることが出願の前提になります。推薦を受けるには「在学中の成績が上位に属し、出身学校長が人物・学力優秀と認め、責任をもって推薦する」ことが必要なので、校内の推薦枠を確保できるかどうかが、実質的な第一関門です。高専・短大の担任や進路担当の先生に、遅くとも4年次(短大なら1年次後半)のうちに相談を始めてください。

なお、推薦選抜と一般選抜の併願はできません。出願時に志望する学科およびコースを1つだけ選ぶ形式で、学科をまたいだ併願もできません。

難易度・倍率(大学公表データ)

九州工業大学は、学生募集要項の巻末に「過去の編入学生選抜実施状況」として、学科別の募集人員・志願者数・受験者数・合格者数・入学者数を掲載しています。令和8年度版と令和9年度版の要項を突き合わせると、直近3年分(令和6年度=2024年4月入学、令和7年度=2025年4月入学、令和8年度=2026年4月入学)が確認できます。

下表は第1次募集の数字です(第2次募集は要項の表で外数として括弧書きされているため、別に後述します)。実質倍率は 受験者数÷合格者数 で編入総研編集部が計算しました。

年度(入学年)募集人員志願者受験者合格者入学者実質倍率
令和6年度(2024年4月)20名34名32名18名18名1.8倍
令和7年度(2025年4月)20名41名39名18名17名2.2倍
令和8年度(2026年4月)20名34名33名20名19名1.7倍
令和6年度 令和7年度 令和8年度 34 41 34 32 39 33 18 18 20 志願者数 受験者数 合格者数

(出典: 九州工業大学「令和8年度/令和9年度 第3年次編入学生選抜学生募集要項(工学部)」記載の過去の編入学生選抜実施状況。両要項に重複して載る令和7年度の数値が完全に一致することを確認したうえで使用しています。)

なお九州工業大学は、入学者選抜実施結果として「入学試験総括表」も公表しています。令和8年度の総括表では工学部の第3年次編入学は定員20名・志願者37名・欠席者1名・受験者36名・合格者21名・辞退者1名・入学者20名となっており、上の表の第1次募集(志願34・受験33・合格20・入学19)と第2次募集(志願3・受験3・合格1・入学1)の合計と一致します。この総括表は工学部と情報工学部が1枚に並ぶ形式なので、参照するときは学科名の行を取り違えないよう注意してください。

総括表にはもう一つ、要項の実施状況表にはない情報があります。括弧内が一般選抜の内数として示されており、令和8年度の工学部は志願37名のうち一般選抜が7名、合格21名のうち一般選抜が3名でした。学科別では宇宙システム工学科が志願6名中2名、応用化学科が志願2名中2名(つまり全員)が一般選抜です。一般選抜で受けられる学科は志願者の絶対数が小さく、推薦枠を取れない受験生が集中しやすい構造だと読み取れます。

学部合計の倍率だけを見てはいけない

学部合計の1.7〜2.2倍という数字は、国立大学の工学部としては穏やかに見えます。しかしこの試験は学科・コースを1つだけ選んで出願する方式なので、あなたにとっての倍率は志望学科の倍率です。直近3年を学科ごとに合計すると、次のように大きな差があります。

学科3年間の募集人員志願者受験者合格者実質倍率
宇宙システム工学科各年2名30名29名8名3.6倍
応用化学科各年1名8名7名3名2.3倍
機械知能工学科各年7名39名38名22名1.7倍
電気電子工学科各年8名27名26名20名1.3倍
建設社会工学科各年1名3名2名1名—(母数が少なく算出しません)
マテリアル工学科各年1名2名2名2名—(母数が少なく算出しません)

読み取れることを整理します。

  • 宇宙システム工学科が突出して厳しい。募集人員は毎年2名なのに、令和7年度は志願17名・受験17名・合格3名(5.7倍)まで跳ね上がりました。令和8年度は志願6名・合格3名(2.0倍)に落ち着いており、年による振れ幅が非常に大きいのが特徴です。募集2名の枠に人気が集中するかどうかで難易度が別物になるため、「去年は倍率が低かったから」という判断は通用しません。
  • 電気電子工学科は募集人員8名と最大枠で、通過率も高い。3年間で受験26名に対し合格20名です。ただし合格者が募集人員に届かず第2次募集が行われた年もあり、「入りやすい」というより「枠に対して志願が集まりきっていない」状態と読むほうが正確です。
  • 建設社会工学科・マテリアル工学科は志願者が1桁前半。令和8年度は建設社会工学科・マテリアル工学科とも第1次募集の志願者が0名でした。母数が極端に小さいため倍率を計算しても難易度の指標になりません。倍率ではなく「口頭試問で合格ラインに届くか」だけを気にしてください。
  • 合格者は募集人員20名に対して18〜20名。定員を大きく超えて合格を出す運用ではなく、基準に届いた人だけを取る運用がうかがえます。

第2次募集は3年連続で実施されている

要項には「合格者数が募集人員に満たない場合には、第2次募集を行うことがあります」とあり、実施する場合は8月末までに大学ホームページで発表されます。実施状況の表を見ると、令和6年度・令和7年度・令和8年度はいずれも第2次募集が行われました

年度第2次募集の対象学科志願者受験者合格者選考方法
令和6年度電気電子工学科16名16名2名書類選考
令和7年度建設社会工学科・電気電子工学科8名7名2名調査書+面接
令和8年度建設社会工学科・マテリアル工学科3名3名1名調査書+面接

合格枠が1〜2名と小さいうえ、志願が集中した令和6年度は16名に対して2名と厳しい結果でした。第2次募集は「6月で決めきれなかった人の保険」として存在するものの、確実な逃げ道ではありません。第1次募集で勝負を決める前提で準備してください。

令和9年度の第2次募集が公表されています(2026年7月29日発表)。対象は機械知能工学科(機械工学コース・知能制御工学コース)の3名、方式は一般選抜のみで、出身学校長の推薦は不要です。

日程は、入学検定料の納付が2026年8月21日(金)〜9月4日(金)、出願期間(提出書類受付)が2026年8月28日(金)〜9月4日(金)17時必着、試験日が2026年9月25日(金)、合格発表が2026年10月14日(水)10時〜です。試験場は戸畑キャンパス総合教育棟、集合場所はC-1D講義室と要項に記載されています。

第2次募集はインターネット出願ではなく紙の願書で、入学検定料30,000円は郵便局の払込取扱票で納付し、受領証のコピーを願書に貼り付けます。出願資格は第1次と同じく高専本科・短大理工系の卒業(見込)者のみ、選考方法・配点(面接600点+調査書400点)も第1次と同じです。詳細は必ず大学公式の第2次学生募集要項で確認してください。

選考方法と配点:面接600点+調査書400点

九州工業大学工学部の編入試験には筆記の学力試験がありません。要項の「選考方法等」には次のように書かれています。

  • 調査書および面接の結果を総合して行う
  • 調査書は点数化して評価する
  • 各学科で行われる面接には、基礎学力(数学・理科)や工学に対する適性等に関する口頭試問が含まれる

採点・評価基準としては、面接点の中に「①調査書所見(面接時の質問項目として反映)」と「②面接のチェックポイント」があり、後者は基礎学力(数学・理科の理解力・論理性・計算力・表現力を含む)工学に対する適性等(知的好奇心、工学に対する熱意、専門に対する適性等を含む)の2軸で構成されています。合否は面接と調査書の合計点の高い順で決まり、同点の場合は推薦選抜による受験者を優先、それでも同点なら特定評価の点数の順とされています。

600点面接点
400点調査書点
0点筆記の学力試験
40%調査書が占める割合

ここから逆算すべきことは明確です。

  • 調査書が総得点の40%を占める。編入対策を始めた時点の成績はもう変えられませんが、出願までに履修する科目の成績はまだ変えられます。「編入対策のために学校の勉強を後回しにする」という戦い方は、この試験では成立しません。高専4年次・5年次(短大なら1年次・2年次)の成績を落とさないことが、そのまま得点になります。
  • 調査書の所見は面接の質問材料になる。要項に「調査書所見は面接時の質問項目として反映させます」と明記されています。研究・課題研究・部活動・資格など、調査書に書かれる内容は「そこを聞かれる前提」で準備しておくと有利です。
  • 「理解力・論理性・計算力・表現力」が評価軸。答えが合っているかだけでなく、考え方を言葉にできるかが見られます。ノートに解くのと、口で説明するのはまったく別の技能です。

受験者の報告では、面接の冒頭で志望動機などを問われたあと、ホワイトボードを使って科目ごとに口頭試問へ移る形が取られたことがあります。公式の内容を説明させたうえで、それを使って解く問題が出され、詰まったときには試験官がヒントを出すこともあったと伝えられています。ヒントが出るということは、沈黙せずに考えを声に出し続けること自体が評価されるということでもあります。

口頭試問の出題範囲(学科・コース別)

九州工業大学は、面接に含まれる口頭試問の出題範囲を学科・コース別に募集要項で公表しています。対策すべき範囲が公式に示されているのは大きな利点です。令和9年度要項の内容は次のとおりです。

学科コース区分出題範囲
建設社会工学科建築学建築・都市計画、建築意匠、建築史、建築構造、建築環境・設備
国土デザイン構造力学、水理学、土質力学、コンクリート工学、都市・交通計画
機械知能工学科知能制御工学数学線形代数、解析(微分・積分)、ラプラス変換
工学専門計測制御工学
機械工学数学線形代数、解析(微分・積分)
物理力学
工学専門材料力学、機械力学、熱力学、流体力学、加工学
宇宙システム工学科機械宇宙システム工学/電気宇宙システム工学数学線形代数、幾何、解析(微分・積分)
物理運動と力、エネルギー、波、電気と磁気、原子
工学専門機械力学、材料力学、流体力学、制御工学、電磁気学、電気回路から1題選択
電気電子工学科電気エネルギー工学/電子システム工学数学線形代数、解析(微分・積分)
工学専門電磁気学、電気回路、電子回路
応用化学科応用化学化学基礎化学、無機化学、有機化学、物理化学
工学専門化学が関係する工学についての基礎知識
マテリアル工学科マテリアル工学数学・物理・化学数学: 線形代数、解析学(微分・積分)/物理: 力学、電磁気学/化学: 無機化学、電気化学
工学専門材料工学に関する基礎知識

この表から読み取れる、対策上のポイントは3つです。

  • 線形代数と微分積分は、ほぼ全学科で共通の土台。建設社会工学科と応用化学科を除く4学科で「数学」の出題範囲に線形代数・解析(微分・積分)が明記されています。ここは志望学科が固まる前から始められる部分です。
  • 知能制御工学コースだけラプラス変換が明記されている。制御工学の伝達関数を扱う前提の範囲設定です。数学の守備範囲が1つ広い分、早めに手をつけてください。
  • 宇宙システム工学科は範囲が最も広く、しかも選択制。数学は線形代数・幾何・解析、物理は運動と力・エネルギー・波・電気と磁気・原子まで及び、工学専門は機械力学・材料力学・流体力学・制御工学・電磁気学・電気回路の6分野から1題を選択します。選択できるということは、「自分が最も深く説明できる1分野」を先に決めて、そこを掘り下げるのが合理的だということです。倍率が最も高い学科でもあるため、範囲の広さに押されて全部を浅くやるのが最悪の選択になります。

公式の「出題の意図」から読み取る対策

九州工業大学は、実施後に「工学部第3年次編入学生選抜における情報開示『出題の意図』」を公表しています。何がどう問われたかを大学自身が説明している資料で、大学公式サイトの過去の入学者選抜のページに年度別に掲載されています。対策の解像度を上げるのにこれ以上ない一次資料です。

令和6年度・令和7年度・令和8年度の開示を並べて読むと、どのコースでも文末が「基本事項について、理解度、思考力、計算力等をみた」で統一されていることがわかります。応用問題や難問で差をつける試験ではなく、基本事項を正しく理解し、その場で筋道立てて計算できるかを見る試験だという方針が一貫しています。

コース別に見ると、要項の出題範囲より一段細かい実際の出題分野が示されています。

  • 建設社会工学科(国土デザインコース): 構造力学・土質力学が3年連続で挙がり、年によって水理学・コンクリート工学・都市交通計画が加わります。建築学コースは令和8年度に「建築構造、建築計画、建築設備・環境」が挙がりました。
  • 機械知能工学科(機械工学コース): 材料力学・流体力学・加工学が毎年、年によって熱力学が加わります。令和8年度は数学・物理が「工学専門科目の中で」問われたと明記されており、数学だけを単独で聞く形とは限りません。
  • 機械知能工学科(知能制御工学コース): 数学は線形代数とラプラス変換、工学専門は計測制御工学が3年とも挙がっています。範囲が安定しているコースです。
  • 宇宙システム工学科: 数学は線形代数・解析、物理は運動と力・電気と磁気・波など、工学専門は材料力学・流体力学・制御工学・電気回路・電磁気学のうち年ごとに数分野が挙がります。
  • 電気電子工学科: 数学は線形代数・微分積分、工学専門は電磁気学・電気回路が3年とも挙がっています。ここも範囲が安定しており、対策の的が絞りやすい学科です。
  • 応用化学科: 化学は「物質の状態、化学反応、化学平衡」という物理化学の基礎が毎年。工学専門は年によって「工業化学」「機能性材料」などが挙がります。
  • マテリアル工学科: 「状態図、金属組織、金属の変形、拡散」(令和6年度)、「結晶系、熱処理、金属の変形機構」(令和7年度)と、金属材料学の中核テーマが示されています。

ここから導ける学習方針は次のとおりです。

  • 教科書の章末問題レベルを、口で説明できるまで詰める。「理解度・思考力・計算力」を基本事項で見る、と大学が明言している以上、演習書の難問に時間を使うより、標準問題を説明つきで完璧にするほうが得点に直結します。
  • 公式は「使える」だけでなく「なぜそうなるか」を言えるようにする。受験者の報告でも、公式の意味を説明させたうえでそれを使って解かせる形が伝えられています。導出の筋道を30秒で言えるかを、分野ごとにセルフチェックしてください。
  • 開示資料は毎年公表されるので、直近年度を必ず自分で確認する。年度によって挙がる分野が入れ替わります。大学公式サイトの入試に関するお知らせを、出願前に一度さかのぼって読んでおいてください。

著作権の観点から、過去の設問そのものは記載していません。上記はいずれも、大学が公表している出題範囲および「出題の意図」に書かれた分野レベルの情報にもとづく整理です。

科目別の学習の組み立て方

数学:線形代数と微分積分を最優先で

線形代数
4学科
解析(微分・積分)
4学科
幾何
1学科
ラプラス変換
1コース

令和9年度要項の口頭試問出題範囲に「数学」区分が置かれている4学科(機械知能・宇宙システム・電気電子・マテリアル)での明記状況を数えたものです。

線形代数は、行列の基本演算・行列式・連立方程式の解法・固有値と固有ベクトル・対角化までが基本の到達点です。口頭試問では途中式を書きながら説明することになるため、手を動かしながら理屈を確認できる構成の教科書と相性がよい単元です。微分積分は偏微分・重積分・級数展開までを一通り。知能制御工学コース志望ならラプラス変換と逆変換、伝達関数の扱いまで進めてください。

物理:力学と電磁気学が二本柱

物理が出題範囲に明記されているのは、機械知能工学科の機械工学コース(力学)、宇宙システム工学科(運動と力・エネルギー・波・電気と磁気・原子)、マテリアル工学科(力学・電磁気学)です。電気電子工学科は「物理」区分こそありませんが、工学専門が電磁気学・電気回路・電子回路なので、実質的に電磁気学が主戦場になります。

電磁気学は、静電場(クーロンの法則・ガウスの法則・電位)→ 静磁場(ビオ・サバールの法則・アンペールの法則)→ 電磁誘導(ファラデーの法則)→ マクスウェル方程式、という順に積み上げるのが定石です。口頭試問では図を描いて対称性を説明し、ガウスの法則やアンペールの法則をどう適用するかを言葉にする場面が出てきます。「なぜこの面を取るのか」を説明できるかが分かれ目なので、演習書で解法だけを覚えるやり方は避けてください。

工学専門:志望コースの看板科目を1つ決める

工学専門の範囲は学科・コースごとに指定されています。機械工学コースなら材料力学・機械力学・熱力学・流体力学・加工学、知能制御工学コースなら計測制御工学、電気電子工学科なら電磁気学・電気回路・電子回路、応用化学科なら「化学が関係する工学についての基礎知識」、マテリアル工学科なら「材料工学に関する基礎知識」です。

高専・短大で学んだ内容がそのまま範囲に重なるので、新しく学ぶというより「授業でやったことを説明できる形に整え直す」作業になります。おすすめは、範囲の各分野について「定義 → 基本式 → 式の意味 → 典型的な適用例」を1枚にまとめ、それを見ずに口頭で3分説明する練習を繰り返すことです。宇宙システム工学科のように6分野から1題選択できる場合は、まず1分野を完成させてから2分野目に広げてください。

志望動機と「工学に対する適性」

面接の評価軸には「知的好奇心、工学に対する熱意、専門に対する適性等」が明記されています。受験者の報告でも、口頭試問の前後で志望動機や大学院進学の考えが問われる形が伝えられています。九州工業大学工学部は大学院進学率が高い学部で、要項の学科紹介でも応用化学科について「卒業生の6割以上は大学院に進学」と記載されています。「学部2年間で何をやり、その先どうするか」まで含めて話せると、適性の評価で差がつきます。

準備としては、志望学科・コースの研究室のテーマを大学公式サイトで具体的に調べ、自分が高専・短大で取り組んだ課題研究や実験とどうつながるかを1本の線で説明できるようにしてください。「就職に強いから」だけでは、専門に対する適性の材料になりません。

対策ロードマップ(時期別)

令和9年度の日程(出願2026年5月13日〜19日必着、試験6月20日・21日)を前提に、逆算した進め方を示します。年度が変われば日程も変わるので、時期の目安として読んでください。

  • 1年前〜(前年の夏)

    志望学科・コースを1つに絞り、推薦の可能性を確認する。工学部は出願時に学科・コースを1つだけ選ぶ方式で、多くの学科は推薦選抜のみです。まず「自分の志望学科は推薦か一般か」を要項の募集人員表で確認し、推薦のみなら校内の推薦枠を取れるかを担任・進路担当に相談します。あわせて、この時期以降の成績が調査書400点に直結することを意識して、定期試験を落とさない体制を作ってください。

  • 半年前〜(前年の秋〜冬)

    数学(線形代数・微分積分)の総復習を終える。志望学科が変わっても無駄にならない部分なので、最初に固めます。教科書レベルの問題を、途中式を声に出しながら解く練習に切り替えてください。並行して、志望学科の工学専門の範囲を書き出し、分野ごとに「説明できる/説明できない」を仕分けます。大学が公表している直近の「出題の意図」も、この時期に読んでおきます。

  • 3か月前〜(3月〜4月)

    工学専門と物理を、口頭で説明できる状態に引き上げる。分野ごとに「定義 → 基本式 → 意味 → 適用例」の1枚まとめを作り、見ずに3分で話す練習を繰り返します。ホワイトボードやノートに図を描きながら説明する形にすると本番に近づきます。4月上旬には当年度の募集要項が公表されるので、募集人員・出題範囲・日程に変更がないかを必ず自分で確認してください。

  • 出願1〜2か月前(4月〜5月上旬)

    出願書類の手配を始める。推薦選抜なら推薦書(出身学校長が作成し厳封)、両方式で調査書(同じく厳封)・成績証明書・卒業(見込)証明書が必要です。学校側の作成に時間がかかるため、少なくとも2〜3週間の余裕をみて依頼します。インターネット出願登録は5月7日9時開始、提出書類は5月19日17時必着です。

  • 直前1か月(5月下旬〜6月)

    模擬口頭試問に切り替える。先生や友人に試験官役を頼み、範囲からランダムに出題してもらって、その場で図を描いて説明する練習をします。想定質問(志望動機、卒業後の進路、課題研究の内容、調査書に書かれた活動)への回答も声に出して固めます。受験票は5月29日17時からダウンロード可能で、試験日と集合時間はここで通知されます。30分以上の遅刻は面接を受けられなくなる場合があるため、戸畑キャンパスへの経路と所要時間を事前に確認してください。

  • 試験後(7月〜9月)

    合格発表は7月2日10時〜。不合格だった場合、第2次募集が実施されるかどうかが8月末までに大学ホームページで発表されます。令和9年度は7月29日に第2次募集(機械知能工学科3名・9月25日試験)が発表されました。第2次を狙うなら、7月の時点で対策を止めないことが条件になります。あわせて、入学試験成績の開示(9月1日〜11日必着で郵送申込)を請求すると、総合点と合格者最低点がわかり、次の年の判断材料になります。

出願手続きのチェックリスト

令和9年度の第1次募集はインターネット出願、第2次募集は紙の願書と、方式が異なります。それぞれの流れを整理します。

第1次募集(インターネット出願)

  1. インターネット出願登録(出願情報の登録・顔写真データの登録・入学検定料30,000円+サービス利用料1,090円の支払い・出願登録内容の印刷)。支払いはクレジットカード、コンビニ、銀行ATM(ペイジー)、ネットバンキングが利用できます。
  2. 提出書類をそろえる: ①志願内容確認票(登録後に印刷)②宛名ラベル(郵送の場合)③推薦書(推薦選抜のみ・出身学校長が作成し厳封)④調査書(出身学校長が作成し厳封。作成が得られない場合は成績証明書のみで代えられます)⑤成績証明書(厳封)⑥最終出身学校の卒業(修了)証明書または見込証明書⑦在留資格認定証明書等(外国人志願者のみ)。
  3. 提出: 市販の角形2号封筒に宛名ラベルを貼り、「速達簡易書留」で郵送します。郵便窓口で受け取る受領証は試験終了まで保管してください。期限内に到着しない可能性がある場合は持参も可能です。
  4. 受験票を印刷(2026年5月29日17時〜)。成績開示の請求に受験票が必要なので、合格発表後も保管しておきます。

第2次募集(紙の願書)

  1. 入学検定料30,000円を郵便局で納付(納付期間2026年8月21日〜9月4日)。郵便局の「払込取扱票(通常払込)」を使い、受け取った「振替払込請求書兼受領証」のコピーを願書に貼り付けます。原本は本人控えとして保管します。
  2. 提出書類: ①願書(2枚。2枚目は検定料納入証明書貼付用紙および写真票)②調査書③成績証明書④最終出身学校の卒業(修了)証明書または見込証明書⑤在留資格認定証明書等(外国人志願者のみ)⑥あて名票⑦封筒(長形3号・320円分の特定記録の切手を貼付)⑧提出書類郵送用宛名ラベル(郵送の場合)。推薦選抜は実施しないため推薦書は提出不要です。
  3. 提出期限: 2026年9月4日(金)17時必着。「速達簡易書留」で郵送するか、平日9時〜17時に持参します。
  4. 志願状況の確認: 2026年9月1日から大学ホームページで公表される予定です(更新は土日祝を除く毎日19時頃)。

様式は大学公式サイトの第3年次編入学生選抜ページからダウンロードします。提出書類に不備があると出願を受理できないことがあり、受理された書類は返却されません。必要書類の正式なリストと様式は年度ごとに変わる可能性があるため、必ず最新の募集要項で確認してください。

編入後の単位認定・修業年限

編入試験の記事では見落とされがちですが、「入学したあと2年で卒業できるか」は志望学科選びに直結します。九州工業大学工学部の要項には、単位認定について次の内容が明記されています。

  • 修業年限は2年、在学できる期間は4年以内。
  • 単位認定は、入学する学科が開設している授業科目と、高専・短大で修得した科目の内容に同等性があるものについて行われる。
  • 工学基礎科目および工学専門科目は65単位以内など、科目区分ごとに上限が定められている。認定総単位数の上限は80単位。
  • 認定された単位を含めて、各学科・コースが定める進級要件を満たさなければ4年次へ進級できない
  • 単位認定の詳細は、合格者へ「編入学生選抜合格者の単位認定について」として送付される(第1次募集の合格者には2026年9月中旬頃)。

要項は「出身学校での専門分野と異なる学科またはコースを志望する場合には、単位認定の項をよく読んだうえで志望する学科およびコースを選択してください」と念を押しています。専門分野を変えて編入すると、認定される単位が減り、2年間で履修すべき科目が増えます。倍率が低いという理由だけで畑違いの学科を選ぶと、入学後に負荷が跳ね上がるおそれがあります。出願前に、大学ホームページで各学科・コースのシラバスを確認しておいてください。

学費と入学時の費用

令和9年度要項に記載されている金額は次のとおりです(いずれも予定額)。

入学料282,000円
諸納金52,750円(後援会費、責善会費、明専会費、学生教育研究災害傷害保険料)
授業料前期分・後期分とも各267,900円(年額535,800円)。入学手続時に申請する銀行口座から自動引落
入学検定料30,000円(第1次募集は別途サービス利用料1,090円)

入学手続を完了した方が2027年3月31日までに入学を辞退した場合、申し出により諸納金相当額は返還されますが、入学料は返還されません。また、九州工業大学は高等教育の修学支援新制度の対象機関に認定されており、制度による支援を希望する場合は審査結果が出るまで入学料・授業料の納付が猶予されます。

令和10年度から試験が変わります(改組の予告)

九州工業大学は2026年(令和8年)4月に工学部を改組し、6学科制から「工学科」1学科・コース制へ移行しました。これにともない、大学は令和10年度(2028年4月入学)の第3年次編入学生選抜の変更を予告しています(2026年3月12日発表の募集人員・出題形式、2026年4月3日発表の口頭試問出題範囲)。

令和9年度(2027年4月入学)の編入は現行の6学科体制で実施されますが、2028年4月入学を目指す方は新しい枠組みで準備する必要があります。予告されている募集人員と出願形式は次のとおりです。

学科コース受入目安推薦一般
工学科
(募集人員20名)
建築・土木2〜3名(2コース合計)
機械4〜5名(推薦3〜4名)
制御2〜3名
宇宙2〜3名
電気・電子7〜8名(2コース合計)
化学1〜2名(推薦・一般の合計)
材料1〜2名
数物募集しません

あわせて注意すべき点を挙げます。

  • 募集人員の合計20名は変わりませんが、コース単位の「受入目安」という表現に変わり、建築と土木、電気と電子はそれぞれ2コース合計での目安になります。
  • 一般選抜の対象が入れ替わります。令和9年度は宇宙システム工学科・応用化学科でしたが、令和10年度は機械コースと化学コースです。宇宙コースは推薦のみになる予告なので、宇宙分野を志望する方は推薦枠の確保が必須になります。
  • 数物コースは編入の募集を行いません。
  • 口頭試問の出題範囲も改められます。「工学専門の出題範囲にはそれぞれの工学専門に必要な数学・理科の内容を含みます」という但し書きが加わり、建築・土木コースは「建築または土木に関する基礎知識」、機械コースは材料力学・機械力学・熱力学・流体力学・加工学、材料コースは「材料工学に関する基礎知識」というように、数学・物理を独立の区分として置かないコースが出てきます。宇宙コースの物理は「力学、熱、波動、電気、磁気、原子」と表記が改められました。

予告はあくまで予告です。募集人員・出題範囲・日程の確定内容は、令和10年度の学生募集要項(例年4月上旬公表)で必ず確認してください。

おすすめ参考書

口頭試問の出題範囲に明記されている分野(線形代数・解析・電磁気学)に対応する参考書を紹介します。各カードをタップすると詳しいレビュー記事に移動できます。

掲載しているのは、九州工業大学工学部の口頭試問の出題範囲に挙がっている分野(線形代数・解析・電磁気学)との対応が確認できた参考書です。書名から特定の大学向けの対策本という意味ではありません。志望学科の工学専門については、高専・短大で使った教科書を「説明できる状態」に仕上げ直すのが最短です。

併願戦略の考え方

九州工業大学工学部は6月20日・21日の試験で、合格発表が7月2日です。国立の工学系編入は6月〜8月に集中するため、日程の重なりを先に確認してから併願先を決めてください。考え方は3つあります。

  • 学内併願はできない。要項に「1人の志願者が本学に出願できるのは1学部のみ」と明記されており、工学部と情報工学部の併願は不可、学科をまたいだ併願も不可です。九州工業大学については「1学科1コース1発勝負」と考えてください。
  • 口頭試問型と筆記型を組み合わせる。九州工業大学工学部の試験は面接と口頭試問だけなので、筆記型の大学と併願すると学習の性質が変わります。線形代数・微分積分・電磁気学など土台の科目は共通なので、基礎の徹底が両方に効くのは有利な点です。一方で「口頭で説明する練習」は九州工業大学専用の準備になるため、直前1か月は配分を分けて考えてください。
  • 九州圏の国立工学系を軸に組む。近隣では熊本大学工学部佐賀大学理工学部鹿児島大学工学部などが候補になります。デザイン・設計系に関心があれば九州大学芸術工学部という選択肢もあります。
  • 高専生なら技術科学大学も。豊橋技術科学大学長岡技術科学大学は高専生の受け入れを主眼に設計された大学で、募集人員が大きいのが特徴です。編入制度そのものの全体像は3年次大学編入の特徴・メリット、実施大学一覧も参考にしてください。

なお、大学は編入学生選抜志望者向けのオンライン説明会・受験相談会を開催しており、工学部(戸畑キャンパス)・情報工学部(飯塚キャンパス)それぞれの説明のあと、学科ごとの教員に1人25分の個別相談ができる形式です。志望学科で迷っている段階なら、単位認定や研究室の内容を直接確認できる貴重な機会になります。開催時期は大学公式サイトのオンラインイベント案内で確認してください。

よくある質問

大学2年生から九州工業大学工学部に編入できますか?
できません。令和9年度の工学部の募集要項では、出願資格は「高等専門学校本科を卒業した者または令和9年3月卒業見込みの者」と「短期大学の理工系学科を卒業した者または令和9年3月卒業見込みの者」の2つに限られており、大学に在学中の方や大学卒業者、外国の学校の修了者は対象になりません。同じ九州工業大学でも飯塚キャンパスの情報工学部は「他の大学に2年以上在学し62単位以上修得した者」なども出願できる別の要項になっているため、大学からの編入を考えている場合は情報工学部の要項を確認してください。
九州工業大学工学部の編入試験に筆記試験はありますか?
筆記の学力試験はありません。令和9年度の要項では、選考は「調査書及び面接の結果を総合して行う」とされ、各学科で行われる面接の中に基礎学力(数学・理科)や工学に対する適性等に関する口頭試問が含まれる形です。配点は面接600点満点・調査書400点満点の合計1,000点満点です。筆記がないぶん、口頭で説明しきる力と、在学中の成績が直接効いてくる試験構造になっています。
九州工業大学工学部の編入試験の倍率はどのくらいですか?
募集要項の「過去の編入学生選抜実施状況」によると、第1次募集の学部合計は令和6年度が受験32名・合格18名(1.8倍)、令和7年度が受験39名・合格18名(2.2倍)、令和8年度が受験33名・合格20名(1.7倍)でした。倍率は受験者数÷合格者数で計算しています。ただし学科差が大きく、直近3年を合計すると宇宙システム工学科は受験29名・合格8名(3.6倍)、電気電子工学科は受験26名・合格20名(1.3倍)と、3倍近い開きがあります。
推薦選抜と一般選抜はどちらで出願すべきですか?
令和9年度の工学部では、一般選抜を実施するのは宇宙システム工学科と応用化学科の2学科だけで、建設社会工学科・機械知能工学科・電気電子工学科・マテリアル工学科は推薦選抜のみです。つまり多くの学科では出身学校長の推薦を受けられるかどうかが出願の前提条件になります。推薦選抜と一般選抜の併願はできず、出願できるのは1学部・1学科・1コースのみです。志望学科がどちらの方式かを、要項1ページ目の募集人員表で必ず確認してください。
不合格になった場合、もう一度チャンスはありますか?
合格者数が募集人員に満たない場合に限り、第2次募集が行われることがあります。令和6年度・令和7年度・令和8年度はいずれも第2次募集が実施されました。令和9年度も第2次募集(一般選抜)が実施され、対象は機械知能工学科(機械工学コース・知能制御工学コース)の3名、試験日は2026年9月25日、出願期間は2026年8月28日〜9月4日必着です。ただし実施の有無・対象学科は毎年変わるため、8月末の大学ホームページの発表を必ず確認してください。
九州工業大学工学部と情報工学部は併願できますか?
できません。要項に「1人の志願者が本学に出願できるのは1学部のみです」と明記されています。加えて令和9年度は工学部(戸畑キャンパス)・情報工学部(飯塚キャンパス)とも試験日が2026年6月20日・21日で同じです。両学部は出願資格も選考方法も大きく異なるため、早い段階でどちらを受けるかを決めて対策を絞ってください。
編入後は2年間で卒業できますか?単位はどれくらい認定されますか?
第3年次編入学の修業年限は2年で、在学できる期間は4年以内です。高専・短大で修得した科目のうち、入学する学科が開設している授業科目と内容の同等性があるものについて単位認定が行われ、認定総単位数の上限は80単位、工学基礎科目および工学専門科目は65単位以内などの区分ごとの上限があります。認定された単位を含めて各学科・コースの進級要件を満たさないと4年次に進級できないため、出身学校での専門分野と違う学科を志望する場合はとくに注意が必要です。
令和10年度(2028年4月入学)から試験は変わりますか?
変わります。令和8年度の学部改組にともない、令和10年度の工学部第3年次編入学生選抜は6学科制から「工学科」1学科・コース制に切り替わることが大学から予告されています。募集人員20名は変わりませんが、建築・土木・機械・制御・宇宙・電気・電子・化学・材料の各コースに受入目安が設定され、数物コースは募集されません。一般選抜の対象も機械コースと化学コースに変わります。口頭試問の出題範囲も改めて公表されているため、2028年4月入学を目指す方は予告資料と当年度の要項を必ず確認してください。

まとめ

九州工業大学工学部の第3年次編入学生選抜について、押さえるべき点をもう一度整理します。

  • 出願できるのは高専本科・短大理工系の卒業(見込)者だけ。大学生・大学卒業者・外国の学校の修了者は対象外です。大学からの編入を考えているなら情報工学部(飯塚キャンパス)を確認してください。
  • 筆記の学力試験はなく、面接600点+調査書400点の1,000点満点。調査書が総得点の4割を占めるため、在学中の成績を落とさないことがそのまま得点になります。
  • 口頭試問の出題範囲は学科・コース別に公表されている。線形代数と微分積分は4学科共通の土台。志望学科の工学専門を「口で説明できる状態」に仕上げるのが本丸です。
  • 倍率は学部合計で1.7〜2.2倍だが、学科差が大きい。直近3年合計で宇宙システム工学科3.6倍、電気電子工学科1.3倍。志望学科の数字で判断してください。
  • 多くの学科は推薦選抜のみ。校内の推薦枠を確保できるかが実質的な第一関門です。早めに担任・進路担当へ相談を。
  • 第2次募集は3年連続で実施されているが、合格枠は1〜2名。保険としては期待しすぎず、第1次で決める前提で準備してください。
  • 2028年4月入学からは「工学科」1学科・コース制へ。一般選抜の対象コースも入れ替わります。予告資料と当年度要項の確認を忘れずに。

今日から始めるなら、まず志望学科・コースを1つに絞り、その口頭試問出題範囲を紙に書き出すところからです。そのうえで、線形代数と微分積分を「途中式を声に出しながら解ける」水準まで戻してください。この試験は、知識量よりも基本を筋道立てて説明できるかで決まります。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)

本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要・実施状況・出題範囲は、九州工業大学が公表する学生募集要項および入試に関するお知らせをもとに確認しています。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

最終更新: 2026年9月6日

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