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工学部

大阪公立大学工学部の編入試験対策|倍率・学科別配点・出題傾向を徹底解説

2027年度(2027年4月入学)の出願期間
2026年5月7日〜2026年5月11日
出願前に必ず大学の最新の募集要項でご確認ください。

編入総研(オンライン編入学院)|更新日: 2026年8月6日‌‌​​​​​‌‌​​​‌‌​​​​‌​‌​​​‌​‌‌‌​​​

大阪公立大学の編入試験まとめ(全3学部の日程・科目)

大阪公立大学工学部の編入試験は、専門科目の筆記と英語外部試験のスコアで大半の点数が決まる、学科完結型の試験です。第3年次で募集する11学科はそれぞれ独自の専門科目を課し、問題も学科ごとに別に作られます。数学が課されるのは電子物理工学科・情報工学科・電気電子システム工学科の3学科だけで、残りの学科は専門科目と英語スコア、そして面接という構成です(第2年次で募集する建築学科だけは小論文と面接のみで、英語スコアの提出も不要です)。

大学が公表している入試結果では、第3年次11学科合計の志願者数が2024年度88名→2025年度110名→2026年度140名と3年連続で増え、実質倍率も2.41〜3.40倍で推移しています。一方で学科別の倍率は1.25倍から5.30倍まで4倍以上の開きがあり、どの学科に出願するかが合否を大きく左右するのがこの大学の特徴です。

この記事では、2027年度の学生募集要項と大学公表の入試結果をもとに、学科別の募集人員・配点・時間割・倍率、英語スコアの細かい条件、学科ごとの出題傾向、そして合格までの進め方を整理します。

出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。

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結論|大阪公立大学工学部の編入試験はこんな試験

  • 選抜は3種類。「編入学・学士入学(第2年次)試験」=建築学科のみ、「編入学・学士入学(第3年次)試験(一般)」=11学科、「編入学・学士入学(第3年次)試験(推薦)」=化学工学科・化学バイオ工学科のみ(2027年度新設)。
  • 建築学科だけが2年次入学。他の11学科は3年次入学です。建築学科は卒業までに3年以上の在学が必要になります。
  • 英語は筆記試験ではなく外部スコアの提出。TOEFL・TOEIC L&R・IELTSのいずれかを出願書類として出します(建築学科は不要)。提出しなくても受験できますが、その場合の英語は0点になります。
  • 全学科が同じ日・同じ時間割。2027年度は2026年6月7日(日)に中百舌鳥キャンパスで一斉実施。学内併願はできません。
  • 倍率は学科差が非常に大きい。直近3年の合計で、情報工学科5.30倍に対しマテリアル工学科は1.25倍。募集人員が多い学科ほど倍率が下がる傾向があります。
  • 過去問は大学が公式に公開。学科別・年度別に問題が出ており、2026年度実施分からは出題の意図(一部学科は解答例も)まで公開されています。
  • 2028年4月に工学部の学科再編が予定されています。2028年度以降を目指す方は、後述の注意点を必ず読んでください。

試験概要(2027年度 最新要項)

39名+1名募集人員(3年次+2年次)
2026年6月7日試験日(全学科共通)
5月7日〜5月11日出願書類の郵送提出期間
2026年6月26日合格者発表
正式名称編入学・学士入学(第2年次)試験/編入学・学士入学(第3年次)試験(一般・推薦)
入学年次建築学科=第2年次/その他11学科=第3年次
募集人員第3年次(一般)計39名/第2年次(建築学科)1名/第3年次(推薦)=化学工学科・化学バイオ工学科ともに若干名(一般の募集人員に内数)
出願登録インターネット出願登録は2026年5月1日(金)10:00開始
出願書類の郵送2026年5月7日(木)〜5月11日(月)必着(簡易書留郵便・速達可)。5月9日(土)以前の発信局消印がある簡易書留速達郵便に限り、期間後到着でも受理
事前確認の締切2026年4月24日(金)まで(出願資格(3)「大学に2年以上在学」・(7)「外国の課程」・(8)「その他」で出願する場合は入試課への事前の申し出が必須)
試験日・会場2026年6月7日(日)/中百舌鳥キャンパス(堺市中区)。予備日は2026年6月21日(日)
合格者発表2026年6月26日(金)10:00 大学Webサイトに受験番号を掲載
入学手続2026年7月30日(木)11:00〜8月3日(月)12:00
検定料30,000円(別途 支払手数料990円)
入学料・授業料入学料は「大阪府民及びその子」282,000円/「その他の者」382,000円。授業料は年額535,800円(いずれも改定される場合あり)
卒業要件第2年次入学者は3年以上、第3年次入学者は2年以上の在学と、認定単位を含む所定単位の修得

この節は大阪公立大学が公表した「2027年度 学生募集要項 編入学・学士入学(第2年次)試験/編入学・学士入学(第3年次)試験(一般・推薦) 工学部」(2026年4月)にもとづきます。日程・科目・資格は毎年変わるため、出願前に必ず大学公表の最新の募集要項を確認してください。

「大阪府民及びその子」なら入学料が10万円安い

入学料は住民票の所在によって10万円の差があります。対象になるのは、入学者本人または本人と同一戸籍にある父母のいずれかが、入学日の1年以上前(2027年4月入学なら2026年4月1日以前)から引き続き大阪府内に住民票がある場合です。日本国籍を持たない方も同じ要件です。所定の手続と公的書類の提出が必要になるため、該当しそうな方は住民票の異動時期を先に確認しておくと安心です。授業料についても大学に減免制度の案内があるので、あわせて大学公式サイトで確認してください。

科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。

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3つの選抜区分をまず切り分ける

大阪公立大学工学部の編入試験でいちばん間違えやすいのが、自分がどの選抜区分に出願するのかという点です。1冊の募集要項に3つの試験が同居しているため、募集人員や試験科目を読み違えやすくなっています。

区分対象学科選抜方法
第2年次試験建築学科のみ(1名)小論文50点+面接50点=100点
第3年次試験(一般)建築学科を除く11学科(計39名)専門科目+(学科により基礎科目=数学)+英語スコア+面接・出願書類
第3年次試験(推薦)化学工学科・化学バイオ工学科(各若干名)口述試験・面接+英語スコア+出願書類(筆記なし)

推薦に出願した方は、同じ年度の第2年次試験および第3年次試験(一般)には出願できません。推薦は「合格したら必ず入学する」ことを確約する専願型なので、他大学との併願を考えている高専生は一般で受けることになります。

なお、筆記試験を免除して口述試験で選抜される枠もありますが、これは大阪公立大学工業高等専門学校に在籍している方が対象で、許可された場合に限られます。対象者の受験番号は2026年5月22日(金)13:00に大学Webサイトで発表されます。外部の高専・大学・短大から受験する方は、原則として筆記試験を受けることになります。

学科別の募集人員・試験科目・配点

ここが志望学科を決めるうえでもっとも重要な情報です。専門科目の配点は学科によって200点から400点まで幅があり、英語の比重も学科ごとに違います。

学科募集専門科目(配点)基礎科目英語面接ほか合計
航空宇宙工学科1名材料力学・熱力学・流体力学(300)100面接・出願書類(合否判定)400点
海洋システム工学科3名材料力学・一般力学・流体力学(300)100面接100/出願書類(合否判定)500点
機械工学科4名①材料力学・機械力学/②熱力学・流体力学(計400)100面接・出願書類(合否判定)500点
都市学科1名都市学基礎=都市の計画・環境・防災に関する論述式(200)合否判定面接200/出願書類(合否判定)400点
電子物理工学科3名電磁気学・電気回路(200)数学(100)100面接・出願書類(合否判定)400点
情報工学科2名論理演算工学・データ構造とアルゴリズム(200)数学(100)100面接・出願書類(合否判定)400点
電気電子システム工学科4名電磁気学・電気回路(200)数学(100)100面接・出願書類(合否判定)400点
応用化学科7名分析化学・無機化学・物理化学・有機化学(400)100面接・出願書類(合否判定)500点
化学工学科8名化学工学・物理化学(400)200面接・出願書類(合否判定)600点
マテリアル工学科4名量子論基礎・熱力学・無機化学(400)100面接・出願書類(合否判定)500点
化学バイオ工学科2名有機化学・無機/物理化学・生物化学(400)100面接・出願書類(合否判定)500点
建築学科
(第2年次)
1名小論文(50)提出不要面接50100点

基礎科目の数学の範囲は「線形代数、微分方程式、複素関数論(フーリエ級数、フーリエ及びラプラス変換を含む)」と要項で指定されています。「合否判定」と書いた項目は点数化されず、アドミッション・ポリシーにもとづき合・否で判定されます。

ここから読み取れる3つのポイント

  • 数学の筆記があるのは3学科だけ。電子物理工学科・情報工学科・電気電子システム工学科は基礎科目として数学100点が課されます。逆に言えば、化学系や機械系の学科では数学の筆記対策に時間を割く必要がありません。
  • 化学工学科は英語の比重が突出して高い。600点満点のうち英語が200点=全体の3分の1を占めます。他学科の英語比重(400点満点なら25%、500点満点なら20%)と比べても明らかに高く、スコアが伸び悩んでいる状態で化学工学科を志望するのはリスクが大きいことになります。
  • 都市学科と海洋システム工学科は面接が点数化される。都市学科は面接200点で、専門科目と同じ配点です。他の多くの学科では面接は合・否判定に使われるだけなので、この2学科は面接準備の重みがまったく違います。

試験当日の時間割

2027年度(2026年6月7日実施)の時間割は次のとおりです。学科によって拘束時間がかなり違います。

学科専門科目基礎科目(数学)口述試験・面接
航空宇宙工学科9:30〜12:0013:10〜
海洋システム工学科9:30〜12:0013:10〜
機械工学科①9:30〜11:30/②12:30〜14:3015:30〜
都市学科9:30〜12:0013:10〜
電子物理工学科9:30〜12:0013:10〜14:1014:30〜
情報工学科9:30〜12:0013:10〜14:1014:30〜
電気電子システム工学科9:30〜12:0013:10〜14:1014:30〜
応用化学科9:30〜12:0013:10〜
化学工学科9:30〜12:0013:10〜
マテリアル工学科9:30〜12:0013:10〜
化学バイオ工学科9:30〜12:0013:10〜
建築学科(第2年次)小論文 9:30〜12:0013:10〜

機械工学科は専門科目が2コマに分かれ、面接が15:30開始と最も遅くなります。推薦で受験する場合は、化学工学科が15:30〜、化学バイオ工学科が13:10〜の開始です。昼をまたぐ日程になるため、昼食の準備と時計の持参は全学科共通の実務ポイントです(試験室に時計があるとは限りません)。

出願資格と必要単位(区分ごとに確認する)

2027年度の要項では、第2年次試験・第3年次試験(一般)とも次の8区分のいずれかに該当することが条件です。

  1. 学士の学位を有する者、および2027年3月31日までに有する見込みの者
  2. 高等専門学校を卒業した者、および2027年3月31日までに卒業見込みの者
  3. 日本の修業年限4年以上の大学に2年以上在学(休学期間を除く)し、66単位以上を修得した者、および2027年3月31日までに修得見込みの者
    除外大阪公立大学工学部、大阪府立大学工学域、大阪市立大学工学部に在学中の者は出願できません
  4. 日本の短期大学を卒業した者、および2027年3月卒業見込みの者
  5. 専修学校の専門課程のうち文部科学大臣の定める基準を満たす課程(修業年限2年以上、総授業時数1,700時間以上または総単位数62単位以上)を修了した者、および修了見込みの者
  6. 高等学校の専攻科の課程のうち文部科学大臣の定める基準を満たす課程を修了した者、および修了見込みの者
  7. 外国において(1)〜(6)に相当する学校教育の課程を修了した者
  8. その他、大学が同等以上の学力があると認めた者

ここで誤解が生まれやすいのが「66単位」です。66単位という条件がかかるのは(3)の「大学に2年以上在学」区分だけで、高専卒業(見込み)者・短大卒業(見込み)者・専門学校修了(見込み)者・学士取得者には適用されません。「66単位に届かないから出願できない」と早合点せず、自分がどの区分で出願するのかを先に確定させてください。

また(3)で出願する方は、成績証明書だけで66単位以上の修得(見込み)を証明できない場合、単位修得見込証明書またはこれに相当する資料(履修登録した科目の一覧表など)を追加提出する必要があります。この書類は出身大学が作成していないケースもあるため、早めに教務課へ確認しておくと安心です。

出願より前に締め切られる「事前確認」に注意

出願資格(3)(7)(8)で出願する方は、2026年4月24日(金)までに大学の入試課へ申し出る必要があります。インターネット出願登録の開始は5月1日、書類の郵送は5月7日からなので、事前確認は出願開始よりも1週間以上前に締め切られることになります。大学在学中から編入を目指す方にとっては、ここが実質的な最初の関門です。カレンダーには出願日ではなく、この事前確認の締切を書き込んでください。

英語スコアの扱いは要項の条文まで読む

大阪公立大学工学部の第3年次試験(一般・推薦)では、英語の筆記試験はありません。代わりに、出願書類として英語外部試験のスコア証明書を提出し、それが点数化されます。建築学科(第2年次)だけは提出不要です。

使えるテストTOEFL(iBT)/TOEIC Listening & Reading 公開テスト/IELTS(アカデミック・モジュール)
提出する証明書TOEFL(iBT)=Test Taker Score Report/TOEIC L&R=公開テストのデジタル公式認定証/IELTS=Test Report Form(原本)
有効期間2024年5月から2026年4月までに受験したもの(2027年度入試の場合)
認められないものTOEFL-ITP、TOEIC-IP(いずれも団体特別試験制度)、TOEIC Speaking & Writing Tests、TOEIC Speaking Test、TOEIC Writing Test、TOEIC Bridge Test、IELTSのジェネラル・トレーニング・モジュール
その他の条件TOEFLは Test Date スコアのみが対象でMyBest™スコアは使えず、Special Home Edition での受験によるスコアも認められません
未提出の場合スコア未提出申出書を出せば受験はできるが、英語の成績評価は0点。なお試験当日により良い最新スコアがある場合は、筆記試験1時間目の開始前に再提出が認められる

実務上のポイントは3つです。

  • 校内で受けるIPテストは使えません。高専や大学で団体受験するTOEIC-IPを「持っている」と思い込んでいると、出願直前に使えないことが判明します。必ず公開テストを受けてください。
  • 有効期間の起点は出願年の2年前の5月。2027年度入試なら2024年5月以降の受験分です。早く取りすぎると期限切れになる可能性があるため、受験時期は要項で毎年確認してください。
  • スコア証明書返却用封筒(460円分の切手を貼付)が必要な場合があります。建築学科への出願者、TOEFL(iBT)のTest Taker Score ReportまたはTOEIC L&Rのデジタル公式認定証を提出する方、スコア未提出申出書を出す方は不要です。IELTSの原本を提出する方は必要になります。

スコアの目標水準について大学は基準を公表していませんが、オンライン編入学院に体験談を寄せた合格者の提出スコアは、電子物理工学科の合格者がTOEIC L&R 825点、応用化学科の合格者が715点、航空宇宙工学科の合格者が770点でした。いずれも個別の実例で合格基準ではありませんが、700点台後半をひとつの目安として、専門科目に入る前に片づけておくという進め方は3人に共通しています。

難易度・倍率(大学公表データ)

大阪公立大学は「入試結果(学部・学域)」のなかで編入学・学士入学試験の学科別データを公表しています。募集人員・志願者数・受験者数・合格者数・入学者数の5列がそろっており、編入試験としては珍しく精度の高い比較ができます。ここでは実質倍率を受験者数÷合格者数で計算しています。

第3年次(一般)11学科合計の推移

年度募集人員志願者受験者合格者入学者実質倍率
2024年度39名88名87名31名19名2.81倍
2025年度39名110名106名44名31名2.41倍
2026年度39名140名136名40名24名3.40倍
2024 2025 2026 (年度) 88 110 140 31 44 40 志願者数 合格者数

この3年間から読み取れることは次のとおりです。

  • 志願者は3年間で1.6倍に増えました。88名→110名→140名という増加は、関西の国公立で高専生以外にも門戸が開かれた工学系という位置づけが知られてきた結果と考えられます。2027年度の試験を受けた合格者からも「年々受験者数が増えている」という声が届いています。
  • 欠席がほとんどありません。志願者と受験者の差は3年間で1名・4名・4名だけです。出願したらほぼ全員が受験に来る、つまり「記念受験」がほとんどいない層が集まる試験だと考えたほうがよいでしょう。
  • 合格者数は募集人員(39名)とほぼ同数か、それを上回ります。一方で入学者は19名・31名・24名にとどまり、合格しても入学しない人が毎年3〜4割います。他大学との併願で合格を確保した受験生が一定数いることがうかがえます。
  • 倍率は2.41〜3.40倍。難関国公立の工学部編入としては極端に高いわけではありませんが、志願者の増加傾向を踏まえると今後さらに上がる可能性があります。

出典: 大阪公立大学「入試結果(学部・学域)」の特別選抜・編入学/学士入学試験の表(各年度4月1日現在)。年度はいずれも入学年度で、たとえば2026年度は2025年6月に実施された試験の結果です。実質倍率は受験者数÷合格者数として編入総研編集部が算出しました。

学科別の実績(直近3年の合計)

ここがこの試験のいちばんの読みどころです。募集人員1〜8名という小さな単位で選抜されるため、1年だけの数字は偶然に大きく左右されます。そこで3年分を合計した数値で比較します。

学科募集人員志願者(3年計)受験者(3年計)合格者(3年計)実質倍率
情報工学科2名54名53名10名5.30倍
応用化学科7名79名76名21名3.62倍
電子物理工学科3名28名28名8名3.50倍
電気電子システム工学科4名51名49名14名3.50倍
化学バイオ工学科2名15名15名5名3.00倍
機械工学科4名36名34名12名2.83倍
航空宇宙工学科1名8名8名3名2.67倍
都市学科1名10名10名5名2.00倍
海洋システム工学科3名8名8名5名1.60倍
化学工学科8名38名38名24名1.58倍
マテリアル工学科4名11名10名8名1.25倍
11学科合計39名338名329名115名2.86倍

倍率の幅は1.25倍から5.30倍まで4倍以上あります。同じ大学・同じ学部・同じ試験日でありながら、選ぶ学科によって難易度がまったく違うということです。傾向としては次のように整理できます。

  • 志願者が集中するのは情報系と化学系(応用化学)。情報工学科は募集2名に対し3年で53名が受験しており、5倍を超えます。応用化学科も募集7名と枠は大きいものの、志願者が毎年23〜31名と多く3.6倍前後です。
  • 化学工学科とマテリアル工学科は募集枠に対して志願者が少なめ。化学工学科は募集8名(11学科で最大)に対し3年間の受験38名、マテリアル工学科は募集4名に対し受験10名です。ただし化学工学科は英語の配点が200点と高いので、「倍率が低いから楽」とは言えません。
  • 電子物理工学科は志願者が急増しています。受験者は3名→7名→18名と3年で6倍になりました。オンライン編入学院の動画にも「今年から難易度アップ」という合格者の声が残っており、数字とも一致しています。
  • 募集1名の学科(航空宇宙・都市)は年による振れが大きい。合格者が年によって1名だったり2名だったりするため、単年の倍率で判断するのは危険です。

建築学科(第2年次)の実績

建築学科は第2年次入学のため別枠で公表されています。こちらは4年分のデータが取れます。

年度募集人員志願者受験者合格者入学者実質倍率
2023年度1名6名6名2名2名3.00倍
2024年度1名12名10名2名2名5.00倍
2025年度1名10名10名3名2名3.33倍
2026年度1名5名5名1名1名5.00倍

募集1名に対して毎年5〜12名が志願する狭き門です。実質倍率は3.00〜5.00倍で、第3年次の平均より高い年が目立ちます。母数が小さいので単年の数字を難易度の指標として鵜呑みにはできませんが、「募集1名=1人しか受からない」わけではなく、実際には毎年1〜3名の合格者が出ている点は知っておいてよいでしょう。なお、2023年度は工学部の編入で第2年次(建築学科)だけが実施されており、第3年次の11学科での編入学試験は2024年度入学者選抜から始まっています。

学科の選び方(意思決定ガイド)

大阪公立大学工学部は学内併願ができないため、出願時点で学科を1つに決めきる必要があります。判断材料を3つの軸で整理します。

軸1|数学の筆記が要るかどうか

基礎科目として数学(線形代数・微分方程式・複素関数論/フーリエ級数、フーリエ及びラプラス変換を含む)が課されるのは電子物理工学科・情報工学科・電気電子システム工学科の3学科だけです。数学に十分な時間を割けない方は、この3学科以外に絞るという判断があり得ます。逆に、他大学の工学部編入も併願する予定なら、数学はどのみち必要になるので3学科は有力候補になります。

軸2|英語スコアの現在地

英語の重みは学科で大きく違います。

  • 英語200点(全体の33%): 化学工学科。スコアに自信がある人が有利になる設計です。
  • 英語100点(全体の20〜25%): 航空宇宙・海洋システム・機械・電子物理・情報・電気電子システム・応用化学・マテリアル・化学バイオ。
  • 英語は合否判定のみ(点数化なし): 都市学科。スコアで差がつかないぶん、専門科目の論述と面接(各200点)で決まります。
  • 提出不要: 建築学科(第2年次)。英語が苦手な受験生にとっては、この点だけ見れば負担が軽い選抜です。

軸3|専門科目の守備範囲

専門科目は学科ごとに扱う分野数がまったく違います。3〜4分野を横断的に問われる学科と、2分野に絞られる学科があり、準備にかかる時間が変わります。

  • 4分野型: 応用化学科(分析・無機・物理・有機)、マテリアル工学科(量子論基礎・熱力学・無機化学)、機械工学科(材料力学・機械力学・熱力学・流体力学の2コマ構成)。範囲は広いぶん、1分野の失点を他でカバーしやすい面もあります。
  • 3分野型: 航空宇宙工学科(材料力学・熱力学・流体力学)、海洋システム工学科(材料力学・一般力学・流体力学)、化学バイオ工学科(有機化学・無機/物理化学・生物化学)。
  • 2分野+数学型: 電子物理工学科・電気電子システム工学科(電磁気学・電気回路+数学)、情報工学科(論理演算工学・データ構造とアルゴリズム+数学)。
  • 2分野型: 化学工学科(化学工学・物理化学)。範囲が最も絞られており、英語の配点が高いこととあわせて「英語で稼ぎ、専門は2分野を確実に」という戦略が取りやすい設計です。
  • 論述型: 都市学科(都市の計画・環境・防災に関する論述式)と建築学科(小論文)。計算問題ではなく文章で答える試験なので、対策の性質がまったく違います。

併願をどう組むか

大阪公立大学工学部の試験日は6月上旬です。関西圏の国公立工学系では神戸大学工学部が8月に実施されるため、6月に大阪公立大学、8月に神戸大学という併願は日程上成立します。実際にオンライン編入学院の合格者にも、この2校を受けた例があります。ただし、大阪公立大学は数学が3学科のみ・専門科目中心なのに対し、神戸大学工学部は全学科で数学と物理が共通科目という構成の違いがあるため、併願先の科目構成を確認したうえで、共通して使える科目から先に固めるのが効率的です。

もう一点、大阪公立大学工学部で見落としてはいけないのが合格者の3〜4割が入学していないという事実です。これは裏を返せば、上位層は他大学と併願していることを意味します。「募集人員が少ないから無理」ではなく、「合格者は募集人員より多く出る」ことを前提に計画を立ててください。

出願までの実務チェックリスト

2027年度(2027年4月入学)の日程は、2026年6月7日の試験実施と6月26日の合格発表をもってすでに終了しています。以下は2028年4月入学以降を目指す方向けのチェックリストです。次年度の要項は例年4月ごろに大学の入試情報サイトで公表されますが、後述する学科再編の影響を受ける可能性があるため、必ず最新の要項で日程と学科構成を確認してください。

  • ①志望学科を1つに決める(前年の秋まで): 学内併願ができないため、専門科目の学習を始める前に決めきる必要があります。
  • ②英語外部試験のスコアを確保する(前年の秋〜冬まで): 公開テストの受験が必要です。校内で受けるIPテストは使えません。有効期間の起点も要項で確認してください。
  • ③出願資格の事前確認(試験年の4月下旬): 大学に2年以上在学する区分・外国の課程・その他の区分で出願する方は、出願開始より前に入試課へ申し出る必要があります。2027年度は4月24日が締切でした。
  • ④証明書の手配(4月上旬まで): 卒業(見込)証明書・在学証明書・成績証明書は出身学校長が作成したもので、コピー不可・厳封が必要です。発行に1〜2週間かかる学校もあるため、事前確認と同時期に依頼しておくと安全です。
  • ⑤所定様式のダウンロードと作成: 写真票、履歴書は大学所定の様式です。推薦で出願する場合は志望理由書と出身学校長の推薦書も必要になります。
  • ⑥インターネット出願登録と検定料の支払い: 登録完了後は内容を変更できません。最終確認画面で必ず内容を見直してください。
  • ⑦出願書類の郵送: 市販の角形2号封筒(縦33.2cm×横24cm)に宛名ラベルを貼り、簡易書留郵便(速達可)で郵送します。持参は受理されません。
  • ⑧受験票の印刷: 郵送では届きません。指定日以降にインターネット出願サイトからA4用紙に自分で印刷します。「受験上の注意」も出願期間終了後に大学サイトへ掲載されるので、あわせて印刷して持参します。

あわせて知っておくとよいのが個人別成績の情報提供です。大阪公立大学は受験者本人に対して、個別学力検査等の科目別得点(配点公表分)を開示しています。2027年度入試の場合は2027年5月7日から6月4日までポータルサイトで確認できます。合格・不合格にかかわらず自分の得点を確認できるため、再挑戦する場合の材料になります。

出題傾向(学科別)

大阪公立大学は編入学試験の過去問題を公式サイトで学科別・年度別に公開しており、2026年度実施分からは小論文を除く科目の「出題の意図」、一部の学科では解答例まで公開されています。Web上で非公開の部分は、杉本キャンパスと中百舌鳥キャンパスの入試課で閲覧できます。市販の対策本がほとんど存在しない編入試験において、大学自身が問題と意図を出しているのは大きな手がかりです。

以下は、オンライン編入学院の過去問分析にもとづく学科群ごとの傾向です。著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません。扱われる分野とテーマの水準にとどめています。

電子物理工学科・電気電子システム工学科

専門科目(電磁気学・電気回路)と基礎科目(数学)という構成で、要項上の指定範囲は2学科とも同じです。ただし問題は学科ごとに別々に作成され、公開されている過去問題も学科別になっています。

  • 電磁気学: 誘電体を挟んだ平行平板コンデンサー(電気容量・静電エネルギー・極板間に働く力)が定番です。加えてマクスウェル方程式が繰り返し登場し、積分形と微分形の関係をガウスの定理・ストークスの定理を使って導かせたり、各式の物理的意味を文章で説明させたりする設問が見られます。ベクトルポテンシャルとゲージ条件、電荷保存則と連続の方程式、変位電流、電磁波の波動方程式まで踏み込む年もあります。
  • 電気回路: 直流回路(ブリッジ回路・合成抵抗)、交流回路(複素数表示でのインピーダンス計算・共振条件・消費電力)、三相交流(電力・力率)、過渡現象(RC回路)、四端子定数といった分野が中心です。
  • 数学(基礎科目): 線形代数(行列の階数、同次・非同次連立一次方程式の解、固有値・固有ベクトル)、微分方程式(変数分離形、定数係数2階線形非同次)、複素関数論(ラプラス変換、複素数のn乗根、留数定理を用いた複素積分)の3本柱が繰り返し出ています。

電磁気学は「計算して終わり」ではなく、導出過程や物理的意味を文章で書かせる設問が混ざるのが特徴です。公式の暗記だけでは対応しづらいので、教科書の説明を自分の言葉で再現できる状態まで持っていく必要があります。

情報工学科

専門科目は論理演算工学とデータ構造とアルゴリズム、これに基礎科目の数学が加わります。範囲がはっきりしており、対策の的を絞りやすい学科です。

  • 論理演算工学: 積和標準形・和積標準形の導出、カルノー図による最小積和形の作成が毎年のように問われます。ドントケア条件や制約条件が付いた最小化、真理値表からの組合せ回路設計(比較器など)、順序回路(n進カウンタの状態遷移表、JKフリップフロップの励起表、シフトレジスタ)も定番です。
  • データ構造とアルゴリズム: 二分探索木(挿入・削除・平衡二分探索木)、ヒープとヒープソート、ハッシュ法(チェイン法・オープンアドレス法・衝突処理)、再帰(ハノイの塔の漸化式と閉形式)、計算量のオーダー表記、疑似コードの読解といったテーマが並びます。
  • 数学: 行列式・階数・零空間といった線形代数、微分方程式、複素関数論(マクローリン級数、留数定理)が扱われます。

カルノー図と二分探索木は、手を動かして図を書く練習をしていないと試験時間内に終わりません。知識としては知っていても、書き方が固まっていないと時間切れになりやすい分野です。

海洋システム工学科

材料力学・一般力学・流体力学の3分野が課されます。

  • 材料力学: 梁(片持ち梁・両端固定梁・不静定梁)の反力、せん断力分布、曲げモーメント分布、たわみ曲線の微分方程式、断面二次モーメント(中空断面を含む)、薄肉円筒(圧力容器)の膜応力、軸荷重とひずみの関係。
  • 一般力学: 剛体の回転運動(慣性モーメント、平行軸定理)、斜面上の転がり運動と摩擦、剛体振り子の固有周期、単振動、力とモーメントのつり合い。
  • 流体力学: 静水圧と全圧力・圧力中心、浮力とアルキメデスの原理、ベルヌーイの定理、運動量則(ノズル・噴流)、複素速度ポテンシャル・速度ポテンシャル・流れ関数といったポテンシャル流れの扱い。

3分野とも「立式して微分方程式を解く」形の設問が多く、力のつり合いから運動方程式を立てるまでの手順を機械的に再現できるかが問われます。

航空宇宙工学科

要項が指定する専門科目は材料力学・熱力学・流体力学の3分野です。

  • 材料力学: 片持ち梁の等分布荷重、せん断力線図と曲げモーメント線図、主応力と応力変換、トラス構造の軸力、ひずみエネルギーと仮想仕事の原理。
  • 熱力学: ポリトロープ変化(等圧・等温・断熱・等容の各過程)、p-v線図、比熱比と気体定数、オットーサイクルなどの熱サイクルと熱効率、エンタルピー、カルノーの定理。
  • 流体力学: 円柱まわりのポテンシャル流れ、速度ポテンシャルと極座標表示、ベルヌーイの定理、圧力係数、ダランベールのパラドックス、クッタ・ジューコフスキーの定理、レイノルズ数、ニュートン流体と粘性。

過去問には剛体の運動(慣性モーメント、剛体振り子の固有振動数)を扱う設問も見られるため、力学の基礎も押さえておくと安心です。また2027年度の受験者からは、計算問題だけでなく用語を簡潔に説明させる設問があったという報告が届いています。教科書の太字の用語を自分の言葉で説明できるようにしておくとよいでしょう。

応用化学科

分析化学・無機化学・物理化学・有機化学の4分野が400点満点で問われます。1分野に偏らず、4分野が均等に配置される「総合化学」型です。

  • 物理化学: 理想気体と実在気体、等温膨張の可逆仕事と真空膨張、内部エネルギーと熱容量、燃焼熱・モル燃焼エンタルピー、反応速度とその温度依存性。
  • 無機化学: 電子配置、イオン半径、格子エネルギー、命名法、共鳴構造と電子式。
  • 分析化学: pH計算、酸解離定数、二塩基酸(ジプロトン酸)の扱い、モル濃度と質量百分率の換算。
  • 有機化学: 立体化学、アルケン・アルキンの反応、反応機構、SN2反応と溶媒効果、酸性度の比較、構造式の記入、多段階の合成経路。

構造式や反応式を書かせる設問が多く、選択式ではなく自分で書ききる訓練が必要です。応用化学科の合格者からは「大学院入試向けの演習書を、問題を取捨選択しながら3周した」という取り組み方が報告されています。

都市学科

専門科目は「都市学基礎」で、都市の計画・環境・防災に関する論述式問題です。計算中心の他学科とは性格がまったく違います。過去に扱われたテーマは大きく3つの型に分かれます。

  • 時事的な都市・環境問題の論述: SDGsと持続可能なまちづくり、気候変動枠組条約から京都議定書・パリ協定に至る国際的枠組み、家庭部門のCO2排出削減、ヒートアイランド現象のメカニズム、藻場・干潟とブルーカーボン、里山・里海と資源循環、自動運転やAI・IoT・センサ技術の交通/建設分野での活用、空き家問題と政策提案。
  • 防災・土木の基礎: 河川堤防の浸透と崩壊メカニズム(土質工学)、高潮の発生メカニズム(気圧と静水圧のつり合い)、地震の震源と断層、災害特性の比較。
  • データの定量分析: グラフから数値を読み取り、最小二乗法や回帰分析で傾向を示す、比例関係から定量的に推計する、といった設問。

都市学科は面接も200点で専門科目と同じ配点です。書いた内容について口頭でも説明を求められる可能性を想定し、志望動機と関心テーマを結びつけて話せるよう準備してください。

機械・化学工学・マテリアル・化学バイオ・建築

これらの学科については、要項の指定範囲と大学が公開している過去問題を出発点にしてください。

  • 機械工学科: 専門科目①が材料力学・機械力学、②が熱力学・流体力学。いわゆる4力学が2コマに分かれて出題されます。工学部のなかで最も試験時間が長く(9:30〜14:30の2コマ+15:30からの面接)、体力配分も無視できません。
  • 化学工学科: 化学工学・物理化学の2分野。範囲が絞られている一方、英語が200点と全学科で最も重い設計です。2027年度からは高専生向けの推薦(口述試験・面接200点+英語100点+出願書類100点)も加わりました。
  • マテリアル工学科: 量子論基礎・熱力学・無機化学の3分野。物理と化学の両方の素養を評価すると要項に明記されています。
  • 化学バイオ工学科: 有機化学・無機/物理化学・生物化学の3分野。2027年度の受験者からは、面接で志望理由に加えて化学やバイオに関する最近のニュースについて問われたという報告が届いています。
  • 建築学科(第2年次): 小論文50点+面接50点。小論文は建築学科の専門分野に関連する基礎的課題の論述で、論述に加えて簡単なスケッチ、イラストや工作を課すこともあると要項に明記されています。筆記=文章だけと思い込まないでください。

合格ロードマップ(時期別)

6月上旬の試験に向けた標準的な進め方です。オンライン編入学院に体験談を寄せた3名の合格者は、いずれも試験の約1年前から準備を始めていました。

  • 試験の12〜9か月前

    志望学科の決定と英語スコアの確保。学内併願ができないので、まず学科を1つに決めます。そのうえで英語外部試験に集中します。3名の合格者はいずれもこの時期を英語に充て、専門科目に入る前にスコアを確定させています。公開テストを受ける必要があるので、受験日程の確認と申込を早めに済ませてください。

  • 試験の9〜6か月前

    専門科目の基礎固めと、数学が必要な学科は並行して数学。電子物理・情報・電気電子システムの3学科は基礎科目の数学(線形代数・微分方程式・複素関数論)があるので、専門科目と並行して進めます。この時期は「1問を解いたら1週間後、1か月後と間隔を空けて解き直す」という復習の仕組みを作っておくと、直前期の負担が減ります。

  • 試験の6〜3か月前

    専門科目の全分野を一巡させる。4分野型の学科(応用化学・マテリアル・機械)は、この時期までに全分野に一度は触れておく必要があります。大学在学中から編入を目指す方は、まだ授業で習っていない範囲が多く残っているはずなので、独学で先に進める覚悟が要ります。実際、私立大学から航空宇宙工学科に合格した方は、春休みに入ってから流体力学・熱力学・材料力学の学習を始め「まだ習っていない範囲がほとんどでかなり大変だった」と振り返っています。

  • 試験の3〜1か月前

    過去問に着手し、答案の書き方を固める。大学が公開している学科別の過去問題を、時間を計って解きます。記述式なので、採点者が読める形で書ききる練習が必要です。「解答が記述式で、見やすく書こうとすると時間が足りなくなり、凡ミスも多いと分かって焦った。白紙に何度も解答の書き方を練習して自信がついた」という合格者の振り返りは、この時期の課題をよく表しています。

  • 直前2週間

    面接準備と当日のシミュレーション。面接では「試験の手応え」を聞かれることがあり、その場で自分の解答を説明できる必要があります。志望理由は研究室や設備といった具体的な内容まで落とし込んでおくと答えやすくなります。会場の中百舌鳥キャンパスは最寄り駅から徒歩7〜13分で、昼をまたぐ日程になるため、昼食と時計の準備も忘れずに。

試験当日のリアル

2027年度の試験(2026年6月7日実施)を受けた方から、オンライン編入学院に試験直後の記録が届いています。

  • 面接の形式は学科で違います。航空宇宙工学科では面接官が7名の個人面接で10〜15分程度、雰囲気は和やかだったという報告がありました。一方、化学バイオ工学科では面接官4名の個人面接で、優しい雰囲気ではなかったという記録が届いています。「和やかだから合格」「厳しいから不合格」ではないので、雰囲気に引きずられないことが大切です。
  • 面接で聞かれる内容は共通しています。志望理由、試験の手応え、併願校、いまの学校で学んでいること、編入後に取り組みたいこと、専門科目とTOEICの勉強法、大学院に進学するのか、将来何をしたいのか——といった質問が報告されています。志望理由から掘り下げる質問が続くため、答えの一つひとつに理由を用意しておく必要があります。
  • 志望理由書の提出はありません。体験談を寄せた3名とも「志望理由書の提出はなかった」と記録しています。書類で伝えられないぶん、面接で口頭で伝える準備が重要になります(提出書類は年度により変わる可能性があるため、必ず最新の要項で確認してください)。
  • 受験者の多くは高専生です。大学から受験した合格者は「ほとんどの人が高専生のため、昼休みなどに集まって話している人たちがたくさんいた」と書いています。一人で受験することになっても、自分のペースを保つことが大切です。

合格者の声

Nishiさん(2026年度合格・電子物理工学科)

「電磁気は大問3つ構成で、主にマクスウェル方程式の問題が出ました。例年の過去問と大きく変わった問題構成ですごく驚きましたし、体感もすごく悪かったです。電気回路は例年通りの大問3つの構成で、過渡現象と交流回路などがメインでした。」

広島大学 工学部第2類から編入。TOEIC L&R 825点を提出。編入前の所持単位92単位に対し、認定されたのは76単位(認定率83%)でした。「かなり単位は削られましたが、3年生で頑張れば4年生からは最初からいた大阪公立大生と同じような授業を組めそうです」とのことです。

Nishiさんの体験談を読む

mochiさん(2026年度合格・応用化学科)

「有機化学、無機化学、分析化学、物理化学の4つが出題されました。開示したら7割でした。」

高等専門学校の応用化学科から編入。TOEIC L&Rは2024年9月の500点から始め、2025年3月に715点まで伸ばして提出しました。面接では志望動機と行きたい研究室、試験で難しかった問題について聞かれたそうです。編入後の後輩へのメッセージは「学校の成績は関係ない。やればやるだけ力はつく。絶対に諦めてはいけない」。

mochiさんの体験談を読む

紅茶さん(2027年度合格・航空宇宙工学科)

「本番2週間前から過去問を解いていたのですが、解答が記述式だったので見やすいように書こうとすると時間が足りなくなったり凡ミスがかなり多いことが分かり、このままでは点数がとれないまま本番を迎えてしまうと思ってかなり焦りました。ですがなんとしてでも間に合わせたかったので白紙に何度も解答の書き方を練習したことによって自信がつき、本番でもうまく書くことができました。」

私立大学(理系)から編入。2025年7月に対策を開始し、TOEICを9月までに770点まで仕上げてから専門科目に移行しました。志望校を選んだ決め手として「大学受験の時の第一志望校だった」「各分野を牽引する教授が在籍している」「研究内容や設備が充実している」「大学院への進学率が高い」などを挙げています。

紅茶さんの体験談を読む

おすすめ参考書

オンライン編入学院の参考書データベースで、大阪公立大学工学部の出題内容との対応が確認できている本から紹介します。いずれも電磁気学・力学の分野で、電子物理工学科・電気電子システム工学科の専門科目、および力学系学科の基礎固めに使えます。カードをタップするとレビュー記事に移動します。

体験談では、これ以外に数学の演習書、電気回路の演習書、化学の分野別演習書(大学院入試向けのものを取捨選択して使用)、TOEICの単語帳と公式問題集が挙がっています。志望学科の専門科目に合わせて選んでください。

2028年度以降を目指す方への重要な注意

大阪公立大学は2026年8月3日に「2028年度入試に係る変更について」を公表し、工学部が2028年4月より学科再編を予定していることを明らかにしました。2028年度入学者選抜から、工学部の学科構成が現行の12学科から次のように変わります。

学群再編後の学科
物質創成系学群物質科学科/化学工学科/応用化学科
(学群に属さない)バイオ工学科
エレクトロニクス創発系学群電子物理工学科/電気電子システム工学科
社会システム創造系学群知能ロボティクス学科/環境都市工学科/航空宇宙海洋工学科
(学群に属さない)建築学科/情報工学科

この公表資料が説明しているのは一般選抜と特別選抜(学校推薦型選抜・総合型選抜・私費外国人留学生特別選抜)についてであり、編入学・学士入学試験の扱いには触れられていません。したがって現時点では、2028年度以降の編入学試験がどの学科単位で行われるのかは確定していません。2028年4月以降の入学を目指す方は、次年度の学生募集要項が公表されるまで学科名を前提にした準備を固めすぎないほうが安全です。要項は例年4月ごろに大学の入試情報サイトで公表されます。

あわせて、大阪公立大学の他学部の編入学試験については次の変更が公表されています。工学部を志望しつつ他学部も検討している方は注意してください。

  • 法学部: 編入学・学士入学(第3年次)試験および外国人留学生編入学・学士入学(第3年次)試験は、2026年度入学生をもって募集停止。2027年度入学者選抜からは実施されていません。
  • 文学部: 編入学・学士入学(第3年次)試験は2027年度入学生をもって募集停止。2028年度入学者選抜から実施されません。

つまり2028年度以降、大阪公立大学で編入学試験を実施する学部は工学部だけになる見込みです。工学部志望の方にとっては、この大学における編入の入口が工学部に一本化されることを意味します。

よくある質問

大阪公立大学工学部の編入試験の倍率はどのくらいですか?

大学が公表している入試結果によると、第3年次の11学科合計の実質倍率(受験者数÷合格者数)は2024年度2.81倍、2025年度2.41倍、2026年度3.40倍でした。志願者数は88名→110名→140名と3年間で増え続けており、直近3年の合計では受験329名に対し合格115名で2.86倍です。学科別では情報工学科が3年合計5.30倍と最も高く、マテリアル工学科の1.25倍、化学工学科の1.58倍が最も低い水準でした。募集人員の大きい学科ほど倍率が落ち着く傾向があります。

大阪公立大学工学部の編入は何年次に入学できますか?

学科によって違います。建築学科だけが第2年次入学(募集1名)で、それ以外の11学科は第3年次入学です。第2年次入学の場合は卒業までに3年以上の在学が必要で、第3年次入学の場合は2年以上の在学が必要になります。建築学科を志望する方は、卒業までの年数と学費が1年分多くかかる点を前提に計画を立ててください。

大阪公立大学工学部の編入試験にTOEICは必要ですか?

建築学科を除くすべての学科で、TOEFL(iBT)、TOEIC Listening & Reading 公開テスト、IELTS(アカデミック・モジュール)のいずれかのスコア証明書を出願書類として提出します。2027年度入試では2024年5月から2026年4月までに受験したスコアが有効です。TOEIC-IPやTOEFL-ITPなどの団体特別試験、TOEIC Speaking & Writing、TOEFLのMyBestスコアは認められません。スコアを提出できなくても受験自体はできますが、その場合は英語の成績評価が0点になります。配点は多くの学科で100点(500点満点中)、化学工学科は200点(600点満点中)、都市学科は点数化されず合否判定に用いられます。

大阪公立大学工学部の編入試験の出願資格を教えてください。

2027年度の募集要項では、学士の学位を有する(見込みを含む)者、高等専門学校卒業(見込み)者、修業年限4年以上の大学に2年以上在学し66単位以上を修得(見込み)した者、短期大学卒業(見込み)者、文部科学大臣の定める基準を満たす専修学校専門課程の修了(見込み)者、高等学校専攻科の修了(見込み)者、外国においてこれらに相当する課程を修了した者、その他同等以上の学力があると認められた者が対象です。66単位という条件は大学に2年以上在学する区分だけにかかる要件で、高専生・短大生・専門学校生には適用されません。なお大阪公立大学工学部、大阪府立大学工学域、大阪市立大学工学部に在学中の方は出願できません。

大阪公立大学工学部の編入試験に推薦はありますか?

2027年度入学者選抜から、化学工学科と化学バイオ工学科で編入学・学士入学(第3年次)試験(推薦)が新設されました。対象は高等専門学校を2027年3月に卒業見込みの方に限られ、化学工学科は4年次までの総合成績が学科内上位15%以内かつ化学工学に関する科目を2単位以上修得(見込み)、化学バイオ工学科は最終学年前年次の成績が学科内上位10%以内が条件です。いずれも出身学校長の推薦と、合格した場合は必ず入学するという確約が必要です。推薦に出願した方は、同じ年度の第2年次試験および第3年次試験(一般)には出願できません。

大阪公立大学工学部で複数の学科を併願できますか?

できません。2027年度は全12学科の試験が2026年6月7日(日)に中百舌鳥キャンパスで一斉に実施され、専門科目は9時30分開始、面接や口述試験も同じ日の午後に組まれています。時間割が重なるため、学内で複数の学科に出願して両方を受験することは事実上不可能です。出願前に志望学科を1つに絞り込む必要があります。

大阪公立大学工学部の編入試験の過去問は手に入りますか?

大阪公立大学は編入学試験の過去問題を公式サイトで学科別・年度別に公開しています。2026年度実施分からは、小論文を除く科目について出題の意図が、一部の学科では解答例も公開されています。著作権の都合でWeb上に掲載されていない部分については、杉本キャンパスと中百舌鳥キャンパスの入試課で閲覧できます。市販の問題集がほとんど存在しない編入試験において、大学自身が問題と出題の意図を出している点は大きな手がかりになります。

対策はいつから始めればいいですか?

オンライン編入学院に体験談を寄せた合格者は、試験のおよそ1年前から準備を始めています。共通しているのは、まず英語外部試験のスコアを先に確保し、そのあと専門科目に全力を注ぐという順番です。大阪公立大学工学部の試験は6月上旬に実施され、有効なスコアの受験期限は出願年の4月までに設定されているため、逆算すると前年の秋までにスコアを確定させておくと専門科目に集中しやすくなります。専門科目は学科ごとに範囲が明確に指定されているので、志望学科を早めに決めることが対策効率を大きく左右します。

まとめ

大阪公立大学工学部の編入試験は、学科をどう選ぶかで難易度も対策内容も大きく変わる試験です。最後に要点を整理します。

  • 建築学科は第2年次、それ以外の11学科は第3年次入学。2027年度からは化学工学科・化学バイオ工学科に高専生向けの推薦が加わりました。
  • 英語は筆記ではなく外部スコアの提出。公開テストのみ有効で、提出しないと0点評価になります。配点は学科により100点・200点・点数化なしと差があります。
  • 直近3年の実質倍率は11学科合計で2.41〜3.40倍。ただし学科別では1.25倍から5.30倍まで4倍以上の開きがあります。
  • 全学科が同一日・同一時間割のため学内併願は不可。出願前に学科を1つに決めきる必要があります。
  • 出願資格(3)(7)(8)で出願する場合の事前確認は、出願開始よりも前に締め切られます。実質的な第一関門です。
  • 大学が過去問題と出題の意図を公開しています。対策の出発点はここです。
  • 2028年4月に工学部の学科再編が予定されています。編入学試験への影響は未公表のため、最新の要項を必ず確認してください。

志望学科を決め、英語スコアを先に確保し、専門科目に集中する——この順番を守れるかどうかが、限られた準備期間のなかで結果を分けます。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要は大学が公表する募集要項をもとに毎年度確認し、倍率は大学が公表する入試結果から算出、出題傾向はオンライン編入学院の過去問分析に、合格者の声はオンライン編入学院に寄せられた合格体験談・試験直後アンケートにもとづいています。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ|最終更新: 2026年9月6日

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